○スピンフィッシャー4400ssの逆転防止機構周りの修理
15年以上使っている4400ssの逆転防止機構が調子悪くなって、ライン巻き替え作業をしていたら、リールが逆転してしまう。常に逆転するわけではなく上手くひっかかる感じの時もあれば、引っかからず逆転するときもある。
スピンフィッシャー第3世代の逆転防止機構は、ギザギザの「ラチェット」という歯車を「サイレントドック」という部品の薄い金属の板ではさんで逆転時にはサイレントドックがラチェットと噛んでストップをかけるという方式。
下の写真のように正回転しているときはラチェットの爪の外側にサイレントドックの赤丸で囲った先端が位置する状態になってカリカリ音を出さずにスムーズに回る。
逆回転時には、金属板で挟んでいることによりサイレントドックの先端がラチェットの谷に引っ張り込まれて噛み合って逆転が止められる。という仕組み。このため、逆転しないベアリングを使った「瞬間逆転防止機構」とちがって、ラチェットの谷の間隔分は逆転が止まるまでの「遊び」がある。実用上なんの問題も生じていないが、今時のリールでこの方式がとられているものはなくなった。
今回の不調はサイレントドックの薄い板が開いてきてはさみ方が弱まってきたのかなと思って、分解して調整してみた。
分解の手順とかは「スピンフィッシャー7500ssの逆転防止機構周りの修理」とほぼ同じなので省略。
分解してみたら、サイレントドックの薄い板の片側が金属疲労で折れていた。
ということで、慌てず騒がずスペアパーツに交換。スペアパーツは余裕を持って備蓄しているのでなんの問題もない。壊れるのに15年かかるということはあと30年ぐらい生きるとしても予備2個あれば間に合う計算。もっとあるので安心である。
だがしかし、交換したけどまだ逆転する。
今回、ほぼ7500ssと同じ工程の修理を再度取り上げたのは、この失敗の備忘録として誰かの参考になればという意図である。
サイレントドック、新品のパーツ状態だと薄い金属板が開いた状態であり、ラチェットをあまり挟まないのでそのままだと逆転する。
「サイレントドックを新品に交換するときは、ラチェットをしっかり挟むように開きをちょっと指でつまんで狭めてから交換する。」
というのがコツのようだ。
(2017.5)