○「本のページ」第１部 −ナマジとケン一の読書に関する往復メール−
このサイトの管理人であるナマジが地元の古くからの釣友であるケン一と会うたびに話題にするのが、
� 〆廼疥匹つ爐蠅靴燭�？
�◆〆廼疚滅鬚に榮匹鵑世�？
の２点です。
釣り人が釣りの話をするのは当たり前ですが、結構釣り人でかつ「本読み」という人種は多いようで、釣りのサイトのＢＢＳなどで本の話題が出ることも多かったりします。
ナマジもケン一も、知り合った当初の高校生の頃から「本読み」で、ナマジが始めてケン一の家に遊びに行ったときに、本棚に開高健やら野田知佑、椎名誠やＣＷニコルなんかがドカドカとならんでいるのを見て狂喜乱舞して借りまくって読んだ記憶があります。
ヤツの本棚には高校生のくせに生意気にもオーパシリーズが大きいサイズでそろっていました。当方は文庫でそろえるのが精一杯で今でも文庫しか持っていません。
本読みというのは、常に手元に読む本がストックされていないと不安になるような人種であり、信頼できる読み手からの「面白い本」情報は極めて重要です。
ナマジが就職して地元を出てからも、実家に帰ったり、釣果報告の電話したりしたときには本の情報交換もあわせて行ってました。
ある時、帰省時にケン一の家で夜遅くまでウダウダと話したときに、本の出版社とかの情報を後でメールで送ると約束して、本の情報を送ったところメールだと後々まで残るので、買い物したり通販サイトで本を注文するときにも非常に便利であることに気付き、しばらくやりとりが続きました。
その後、ナマジが釣り関係のこのサイトを立ち上げて、書くエネルギーはそちらにつぎ込むようになり、「本のメール」は滞ってしまいました。
久しぶりに「本のメール」をケン一宛書こうとして、ふと「これは自分のサイトに本のコーナー作って公開すれば良いんじゃないの。」と思いつき、さらに、今までのケン一とのやりとりも面白かったので公開してしまうこととしました。
ちょっと暴言気味のえらそうなところもありますが、元々公開を想定していなかったので大目に見てやって下さい。
この「本のページ」第１部が今までのケン一とのやりとりで、第２部として当方の「ナマジの読書日記」のページを立ち上げることとします。
＜筆者紹介＞
「本のメール」
ナマジ：東京在住。のくせに満員電車がとても苦手で、集中できる本が無いと電車に乗れないため、読む本のストックがないと帰宅前に本屋で必死でその日読む本を探したりする。
職業は水産業界のサラリーマン。必然的に魚関係の書籍は仕事でも趣味でも沢山読む。
好きな作家は、前出の開高健らの他、中島らも、池澤夏樹、大槻ケンヂ、町田康、岡本太郎、新田次郎などなど。
マンガもかなり読みまくり。好きな漫画家は諸星大二郎、矢口高雄、山上たつひこ、手塚治虫、寺沢武一、小山宙哉、伊藤リサ、吾妻ひでお、東村アキコ、山岸涼子などなど。木曜日の青年誌「モーニング」発売日を楽しみに待つ中年。
同居人と二人暮らし。釣りと本読み以外にはこれといった楽しみを知らず。
「俺の読書」
ケン一：東海地方在住、伊勢湾をホームグラウンドとするフライマン。カヤックで伊勢湾からソルトフライの世界を切り拓かんと挑む釣りバカ。
いわゆる活字中毒のひと。活字の量にまでこだわる。高い本を買ったのに余白が多くて活字サイズも大きいと文句を言う人間を私は他に知らない。
職業は旅行会社勤務、必然的に移動中やトランジットの際の時間をつぶすためにも本は必要で、読書量が多いのは仕事柄・・・ではなく関係なしに昔から本読み。
好きな作家は、前出の開高健らは共通、その他に村上龍、垣根涼介などなど、それから長編をこよなく愛し「華麗なる一族」など大河小説多数の山崎豊子が超お気に入り。
父母、妻、子供２人と３世帯でにぎやかに暮らす。長男に釣りの英才教育中。
釣りと本読み以外にも酒とタバコをこよなく愛す。
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「本のメール」070225
ナマジです。
本の情報、追加して送ります。
・大槻ケンヂ
「わたくしだから改」集英社文庫、パイオツから映画を語った「パイパニック！」が秀逸なエッセイ集。
小説は出版社忘れたが狂った世界観と救いようのない結末がオレのツボを押す「新興宗教おもひで教」と角川文庫「グミ・チョコレート・パイン」。せんずり野郎の主人公達４名に対するキングオブオ○ニー、ゴッドオブ○ナニー、マシーンオブオナ○ー、クレイジーオブオナニ○の称号には気が狂うほど笑わされた。オタク野郎の青春モノ。３分冊で活字も多いゼ！
・熊谷達也
熊とか狼とか東北のまたぎとかをテーマに現代の動物記みたいなのを書いている。集英社文庫短編集「山背郷」、長編「相克の森」あたりがお薦め。
・いしいしんじ
新潮文庫短編集「東京夜話」、長編「ムギ踏みクーツェ」あたりお薦め。オレにしてはリリカルなものを読むなーという感じ。
・北尾トロ
取材ルポもの結構面白い。新潮文庫「怪しいお仕事！」等
・町田康
小説は「パンク侍切られて候」が狂ってていい。エッセイはちょっと他の作家には無い文体ではまった、講談社文庫「へらへらぼっちゃん」をはじめ３発出てる。
・森下雨村
昔の釣り人エッセイのリバイバル。ええ感じに枯れた釣りおやじ感。小学館文庫「釣りは天国」「猿こう（獣編に候）川に死す」
・小泉武夫
東京農大の先生、発酵食品の専門家でゲテモノ系の食い物エッセイが笑える。著作多数だがけっこう同じネタが出てくる。新潮文庫「不味い！」とか智恵の森文庫「地球怪食紀行」あたりお薦め。
・竹内久美子
著作多数、生物学特に進化論の最先端を下世話な話題を交えてわかりやすく解説してくれる。最初の一冊には竹内久美子版人生相談の文春文庫「遺伝子が解く！男の指の秘密」だな。
・大山倍達
総帥の本は以前にもお薦めしたが最近ちくま文庫から「地上最強への道」がリバイバル。もう超絶！総帥マジで対ライオン戦とかの戦術考えてます。ちなみに総帥の半生を梶原一騎原作で描いた「空手バカ一代」は同居人推薦図書。
・岡本太郎
メキシコで幻の作品が見つかったとかで再評価とちょっとしたブームが去年きてた。この人の情熱的だけど理論整然としてる芸術論は今読んでも素敵。後年のテレビの色物的イメージに反してものすごいインテリジェンス。民俗学もかなり深く突っ込んでいる。新潮文庫「美の呪力」他多数。
・あと漫画では、諸星大二郎まだ読んでなかったら、膨大な鉱脈が眠っていると思う。読んでるかな？「マッドマン」「海龍祭の夜」とかが好き。民俗学、神話をネタにした話が多い。絵はパッと見荒っぽく見えるけど、実はスクリーントーンをほとんど使わず線描で書いてる。独特のタッチにそのうち痺れる。
農大を舞台にした「もやしもん」微生物の勉強にもなって面白い。
「のだめカンタービレ」話題になってたので読んだらおもろかった。同じ雑誌ＫＩＳＳに連載中の「おい！ピータン」も面白かった。
アニメの「新世紀エヴァンゲリオン」昨年ＹＡＨＯＯ動画で１０周年記念でテレビ版最初の何話かだけタダで見られたのでためしに見たら一気にはまってまんまと有料部分も劇場版もすべて見た。オレの好きな気の狂った世界観とアンチハッピーエンド。プラス意味深な設定が謎のママにされる終わり方がオタクな男子の髄の部分を直撃。ラストがテレビと映画では違う。さらに別バージョンの漫画も角川から現在進行形ででててこれも面白い。
以上 またオモロイの見つけたら報告する。
「本のメール」070321
ナマジ
最近面白い本が見つからず野田知佑ものを再読していたりしてたけど、今日新幹線で読んだ。「５０００年前の男」Ｋ・シュピンドラー文春文庫が結構面白かった。日本でもアルプスの氷河で見つかった「アイスマン」としてニュース等で話題に上がった石器時代の人間のミイラを調査した考古学者の著者が、センセーショナルな大発見にまつわるドタバタと、「アイスマン」の生い立ちや氏素性、なぜアルプスの山の中で倒れていたのかを考古学的な手法と大胆な推理で書いてます。
この本には出てきませんが、（訳者が解説でちょっと触れている）ＤＮＡの鑑定により、現代のヨーロッパに「アイスマン」一族の子孫が、わかっただけで１３人いることが判明したりしてました。当たり前だけど大昔のご先祖から脈々と現代の我々まで人の営みは続いてきたのだなと感動を覚えた記憶があります。
それからワイルド・ソウルはあの後早速読んだ。一気読みして寝不足で次の日昼頃まで寝てしもた。面白かった。
次は「大地の子」と思って本屋に行ったら途中の刊が売り切れていて、１巻目だけ立ち読みし始めたが、ちょっと導入部取っつきにくい感じがして保留中。あの活字の量は今のオレが一気読みしたら体力つきて死ぬ。
以上
「本のメール」070417
ナマジです。
釣りが絶不調やけど体調とかは割とよい。春だからか？
本は最近これといったものはあまり無かったけど、らもモノを再読したり、文庫化された椎名誠モノ、大槻ケンヂものを読みつつしのいでます。
ちょっと前に読んだので２冊おもろいのがあった。高野秀行の「アヘン王国潜入記」とジョン・クラカワー「荒野へ」。双方ともに集英社文庫。
「アヘン王国」は辺境でズルズルと暮らすルポモノでアヘン栽培してしっかり中毒にまでなっている、ゴールデントライアングルに行くときにタメになる知識が満載・・・なワケはないが面白かった。
「荒野へ」は、アラスカの原野で死んだ若者の行動の背景を探ったノンフィクションもの。都会の人間の良識という枠に縛られた平凡な毎日への反発というか、消費社会の否定というか、本読みすぎた我々のような人間が陥りがちな心理に死んだ若者も陥っていたらしく身につまされる。共感できるがゆえに「ケッ」という感じでもある。オレも何もかも捨ててさすらいたいモノだと思うが、なかなかそうは出来なかったりする自分がいてもどかしい。
あとヒュウガウイルス読んだ。「当たり」の方の村上龍だった。
以上
「俺の読書」 8 May 2007
まいど〜。
例年なら渓流・海とも行きまくっているはずやのにどうも釣欲減退気味。
単にお疲れ気味なだけならいいけどまさか“枯れ”の兆しとかってことないやろか？
ってことで釣果もまぁこんなもんでしょう、て感じ。
ただ、「デカイのが、水面背びれを出して泳いでいたので即キャスト、思いっきりやる気満々で追ってきてジュボッとフロッグを吸い込んだ。フッキングも決まって一気に寄せてランディング。初ゲットは８２センチの良型。嬉しい。（ｂｙ週末顛末記メール版）」
こういう話し聞くと羨ましさで悶え苦しむ感覚は残っていて安心したりもした。
今読んどる本で「うなぎ丸の航海」（講談社文庫）はかなりおもろい。
以前ナマジから聞いたウナギの産卵場所探したヒトタチの話しそのものやと思う。多分。
小説家が船に便乗して書いたドキュメントなので、文章としてもちゃんと読ませてくれる一冊。
むかしちょっと好きやった花村萬月の、「♂♀」ゆうのを台湾行く時、夜は本でも読むべしと名古屋空港で買ったが、期待ハズレ。
レネハロップの豪華本「トラウトハンター」（4,725エン！！）はもったいないので気分いい日に酒飲みながらちょっとづつ読んでいる。
春日井の某ショップから「取り置きしときますか？」などと電話あって、「活字の大きさや字数はどうなん？いっぱい字書いてあるの？上下左右の空欄多すぎとかっちゃうの？」「まぁまぁ字多いですよ」などとどうせ買うんやろな、と思いつつセコイ質問した上で、日本語訳初版を買ったが、懸念どおりページの上下左右必要以上に空欄多すぎ、小学生でも今どきもっとポイントコマカイ字よむでぇ！！と語気荒くなるようなスカスカの造りやった。
内容はヘンリーズフォーク行ったことのある（行きたいと思う）人には結構読み応えあるけど、なんもこんなに巨大でページ数いらんやろが、な字数。
字数にやけにこだわってしまったがなんせ4,725エンやかんね。
またおもろい本あったらおしえて。
「本のメール」070619
ナマジ
５月体調も良く、そこそこ仕事の量もはけていたのだが、先週一段落付いたらガタッと疲れが来て、昨日今日と部屋で寝たきり。仕事はそれほど迷惑賭けないタイミングで休みつつやれているが、釣りの方が集中力もたない。シーバスは良い時間帯だけ２，３時間しかもたん。ナマズは竿持って寝てる。ジギングとかハードに１日やると１日、２日は寝込みそう。長い休み取れても休み中釣りする体力気力が無い。
こんなモンやとあきらめてできる範囲でやるしかないのか、もうチョットがまんすれば良くなってくるのか？死ぬまでに釣りに行ける日数なんて限られているから、カザフのナマズとかクリスマスのＧＴとボーンとか最低限釣っておきたい魚ははやくやっつけておきたいのだが、今の体調、精神力ではとても手がだせん。
宝くじでも当ててゆっくり体を鍛え直して釣り三昧の日々を過ごしたいが、今回も３００円やった。
せめて釣りの話でも読んで気を紛らわせたいが、雑誌はメーカーのテスターとかの提灯記事ばっかで読んでても反吐が出そうなので最近フライの雑誌以外読まない。
その点フリーのライターが書いている本は、本人達の好き勝手な意見が出ていて楽しめる。でも、技術的にはチョットあらがあったりして。
メーカーお抱えのはずだったけど確かな技術の裏打ちのもと好き放題書いていたテツ西山が最近なつかしい。アルトモアが出る前とはいえ、思いっきりティボー使ってたりしたのは今ではありえんでしょう。
柴田哲孝「オーパの遺産！」はそこそこ面白かったが、彼あんまり釣り上手くないというか分かっていない。メチャクチャ釣りまくってる素人という感じ。
この人の「日本怪魚伝」角川地球人booksは情報が若干古い（１０年以上前に書いているからしゃーねーか）けど読み物としては面白かった。日本を舞台とした巨魚をテーマに置いた短編集。クエの話がなかなか印象的。
残間カメラマンの「フライフィッシングハイ楽園つり紀行」は彼の１連の釣り紀行モノの一つ。「オーパの遺産」の写真も撮ってたっけ。最近のピラルク流行の火付け役か？この人は被写体である釣り師より釣り上手かったりするかも。
「最近の竿は高弾性だの高反発力だのいっている割に、粘りが無いというか折れやすい。」と一刀両断にしてくれているのは胸のすく思いだ。
最近は、金だけ持ってるシロートが釣り具屋のターゲットになったせいか、やたら軽い竿やリールが多いけど、折れたり、壊れたりする強度的に不十分な道具が一番程度が低いと思うがどうよ？あとモデルチェンジ早すぎの替スプール高すぎ。
その程度の道具は釣具屋の天井相手に綺麗にカーブ描いたり、店先でクルクルスムーズにまわってろっての。
オレの道具はつり場でギッチリ曲がって、しびれるドラグミュージックを奏でてくれなくては困る。そして１０年、贅沢いうなら２０年もって欲しい。
浜野安宏の「さかなかみ巡礼記」は、年季の入った釣り親父の実力発揮という感じで結構楽しませてくれた。やや説教臭いが年も年だし許す。しかし本職はアパレルとか都市デザインのコンサル会社の社長とは知らなんだ。
３５キロのナイルパーチをハイローで仕留めてた。渋い。
釣り関係以外では「鎮守の森」宮脇昭新潮文庫がよかった。イオングループの「木を植えてます」運動のブレーン。植物生態学の野口英世といって良い巨人。環境問題について、何をすればよいのかよく分からないのが実情だが、森林の保全についてはとりあえず宮脇昭を信じておけばよいのかなと感じた。
「マグロ土佐船」斉藤健次小学館文庫はマグロ船に乗り込んだノンフィクション。遠洋マグロ漁船がというか、日本の遠洋漁船全体が世界の２００カイリ主義に閉め出され斜陽に向かう時代に書かれたルポ。安い台湾漁船のマグロなんか買うな！マグロは高くて当たりまえじゃと思ったりする。
最近、三重ではゴマサバ豊漁だとかで、近所のスーパーでも三重県産ゴマサバ売っていた。サバ味噌で食った。
マグロなんか食えなくなっても、安くて旨いサバとサンマとスルメイカでオレは問題ない。
そのほかは、椎名誠は多作なので次々文庫化されておりとりあえず読むモノがないときに助かる。大槻ケンヂも最近エッセイが２本ほど文庫化された。
天気良ければ週末サメ釣りに行くのだが、サメ釣りの方法はネットでも本でもかなり情報が少ない。シイラ船とかで結構サメ見るのだが、なぜペンペンシイラなんか狙ってないでアレを釣らないのか不思議でならない。
某老舗ルアーフライショップの店員さんでサメの得意な人がいて（さすがや！たよりになる）、キモはとにかく先制パンチで最初に巻けるだけ巻いてしまうことだそうだ、水圧の変化のショックか頭がこっち向いてしまうからか、そうすると以外にすんなりあがってくるらしい。５０キロぐらいまでなら５分でカタがつくとのこと。ちなみにその人は１３０キロのをトカラで上げたそうだ。デカイのは上げると危ないからリーダー切って逃がした方が無難とのこと。もちろんそうする。
以上
「Re: 本のメール 24 Jun 2007」
まいど。
ちょっとセンセーショナルな魚種が○○界隈の野池に繁殖しつつあるようですわ。
賛否両論（というか一般的には否定だけかな）あるやろけど、ちょっと食指そそられてます。
ナマジ的にはどんなもんなん？
本のメール見た翌日ナニゲに本屋行って「何とかの森ｂｙ新潮文庫」といううろ覚えのタイトルだけで見つけたのが
「魂の森を行け‥3000万本の木を植えた男」一志治夫、新潮文庫でした。
う〜んこんなタイトルやったような違うような‥‥、と思いつつ買って即読破、タイトルも書いた人も違っていたが中身は宮脇昭のドキュメントでおもろかったよ。
「マグロ土佐船」は以前ナマジに教えてもらってだいぶ前に読んだけどおもろかった。 航海モノ、漂流モノは椎名誠やないけどかなりの確率で楽しませてくれる。
「行かずに死ねるか」幻冬舎文庫はその椎名誠が解説していた。
７年かけてチャリで世界一周という、よほど下手な奴が書かん限り面白くないはずがない、という本。実際この人なかなかいい文章でした。おいらは商業病なのか、世の観光地・景勝地というものにまったくと言っていいほど興味が失せてしまい、世界遺産のナントカ遺跡、なんていう所に初めて行っても感動する力が昔と較べてまったく弱くなってしまっているが、その代償なのか素人の書く放浪の旅のルポ（プロのはダメ！）がやけにグッとくる。
「トラウトバム」ジョンギーラック／東知憲訳つり人社、は昨日買ってまだ序文しか読んでないけど、エピローグだけでも「おもろそうやんけ」という雰囲気にあふれていて楽しみな本。しかしフライマン向けの翻訳本は字数に対してアホみたいに値段高いバーロ。
「真夏の島に咲く花は」垣根涼介講談社単行、フィジーが舞台・クーデター・垣根本、で期待して買ったが、今回のはちょっとほのぼのしすぎで垣根本のスピード感とかドキドキ感はなかった。
積ん読やけど、タイトルに引かれて買った「戦場でメシを食う」佐藤和孝新潮新書はペラペラとめくっただけでおもろさが滲みでていて期待大。
「Re: 本のメール 070619」
ナマジ
スモールは今時放流してるヤツは何も分かっていないアホ以外の何ものでもない。ラージが日本に現在居ることについてなら、「昔はそれほど多様性とかの認識が一般には無かった時期に広まってしまった。（生物多様性条約日本の批准が確か平成８年）」という弁護もできるけど、スモールは明らかに、一般ピープルにも生物多様性とかの認識がある程度浸透したあとの話なので、駆除推進派に「やはり全面駆除しなければどこかにいる限り違法放流で拡散することが防げない。」という攻撃の論拠を与えてしまう。
拡散は人為的な物しかあり得ず、それは今後はないので棲み分けて釣って良いところと排除するところを考えていきましょう。というのがまともな頭の人間が考えることだが、その方法論が否定されてしまう現実。○○だけでなく荒川水系でも最近スモールは増えている。
バスについては自分も釣るけど、バス釣り自体を弁護する材料が無くなりつつある。バスマンの底辺の奴らの程度の低さが命取りになりつつある状況。
そもそもラージが居るところにわざわざスモール入れる意味がわからん？スモール引くっていっても「引かない」ラージに比べてという話で、ニジマスやらカツオやらのように引くワケじゃない。平均体長ならラージの方が大きいから釣り物としてはラージの方が上やと思うがどうよ？そのへんもスモールが引くとかいう話をアホのように信じているレベルの低さというか見識の低さを感じさせて嫌悪感がある。
まあ、居る分には釣るしかないだろうから、釣っていろいろ考えてみてくれ。釣ればリリースオンリーでも数は減っていくから「駆除」にもなってるしな。
まあ移入種の問題は、駆除派が主張するようにめいっぱい厳しめに措置しておいても、防ぎきれない部分で魚なら適度に釣り師が楽しめる程度には残るんじゃないかと思ってます。
産業や鑑賞用で持ち込んだり、意図せずバラストや貨物に紛れ込んだりする移入種って、都合の良い物だけ入れて、都合の悪い物はシャットアウトするということは不可能で、グローバルに物を動かすことが前提なら、良い物も悪い物も入ってくるのが当たり前と考えて対応策を考えるしかないと思う。
そういう意味で移入種だから釣りの対象としてダメだとかは全然思って無くてオレも来た物拒まずでアメナマもオオタナゴも釣るけど、スモールのようなそれこそセンセーショナルな注目を集める種について、わざわざ火に油注ぐような密放流するバカについては救いようがないと思う。そもそも特定外来生物法の生体の持ち出し禁止と漁業法の漁業調整規則違反の立派な犯罪者なので、昔数回あったように見せしめで逮捕者でると思うよ。生きたヤツを釣った場所から道越えて持ってるだけで生体持ち出しにあたるから気を付けるように。
以上
「オレの読書」
ライギョ狙って○○の池行ってきたけど食うの下手すぎなんに加えてオイラも下手すぎっちゅうのがよう分かった。
ジョンギーラックの「トラウトバム」フライマン的にはかなりおもろい。アメリカの匂いプンプンしてちょっと哲学的なとこもあってでもベースは釣りの生活。東知憲の訳もなかなかいい感じ。これはお勧め。難解な文章もあって普段本読まないのにフライ本や！、とかファッションで即買いした人は５回ぐらい通読して下さい、と思うが。
「戦場でメシを食う」はたいしておもろなかった。戦地の臨場感も食いもんそのものの描写も、この世代としては較べちゃあかんとは思いつつどうしても開高健レベルを求めてしまうわな。 文章レベル求めないならいっそのこと不肖宮島のように突き抜けてエンターテイメントに徹した方が本としては単純におもろい。
「熱釣生活」村越正海、本屋でたまたま見かけて買った。 まだ半分も読んでないけど、あれだけ釣り行っとる人だけの事あって説得力のある話しが続いている。
しかしザ・フィッシング見とると、テツ西山は偉大やったな、とつくづく思わされる。
万人ウケする人柄やらテレビ映えする風貌、しゃべりに声質、何でもこなす腕、と今どきの釣りシーンではなかなか見当たらん。 オイラも○○にゴムボで渡ってやっとるときに、「うわーヒト来やがった」と鬱陶しく思っていたらテツ西山で、直立不動の脱帽で挨拶してしまったことを思い出す。ポスト西山やけど、東知憲さんはかなりいいのでは？
ライギョ用のフッキングとスナッグレスないいパターンなにか無い？
「本のメール」070708
ナマジ
○○の池なつかしいな。中坊のころバス釣りしててデッカイ雷魚はねたのみた。まだ雷魚おるんやな。
雷魚のパターンはいろいろ試したけど、何やったところでそもそもフッキングは悪い。ルアーでも悪い。
フライでもバイトさせるところまでいくのは簡単で何十回とあったけど、あげたのは片手で数えられる。
オレの実績パターンは普通にガード付きのゾンカーにポッパーヘッドを釣るときに付けただけのパターンと、ディアヘアで作ったガルシアフロッグ風の上向きフックのフロッグ。
ロングシャンクのフックをガルシアフロッグみたいに曲げて、ディアヘアでカエルっぽくボディーをつくって上向きになった針先をディアヘアをシリコンで束ねた角２本でガードする形。シッポは適当にハックル付けたり、シリコンラバー付けたりしてた。
意外に小さいフックでヤゴパターンとかが効きそうな気がしているが、試したことはない。
とにかくフッキングは長くて柔らかいフライロッドはショックを吸収して、いくらあおってもフッキングパワーが発生しないので一直線にしてライン引いて合わせてた。この場合フッキング後にとっとと竿立てないと走ったときに切れそう。
雷魚の歯はあんまり気にせんでいいよ。鋭いけど隙間だらけでめったに歯にかかることはない。フロロの５号でもつんとちゃうか？
この前の「行かずに死ねるか」だったかを探しに行ったら、似たようなので違うのを買ってしまった。ミキハウスの社員が有給で自転車世界一周する話だった。まあ面白かった。
「魂の森を行け」も読んだ。こっちも面白いね。内容は結構かぶってるので２冊連続して読むと飽きるかも。
今読みかけている池澤夏樹「静かな大地」朝日文庫が面白い。久しぶりに読み応えのある長編をワシワシ読んでいる充実感。活字も小さく分厚く１０００円でコストパフォーマンスを気にする貴兄にもお薦め。
内容は、淡路から北海道に開拓に入った一家の３代にわたる物語で、３代目の娘が物語を紡ぐ形をメインに時々他の人物視線の話が交差しながら進んでいく。
アイヌの人々が物語の上でかなり重要な位置にあるのだが、アイヌの人々から土地や魚も含め様々な権利を日本政府が引っぺがすのだが、このための制度や法律は実はほとんどアメリカ政府がネイティブアメリカンから権利を奪った手法のパクリである。
サケを管理下において、勝手にとってはいけなくしている制度が、まんま今でも残っている。そろそろサケを熊やシマフクロウにも返すべきとの議論が出ているが基本変わりそうにない。
さすがに最近では本来サケを昔から捕っていた、いうなら既得権者であるアイヌが儀式で使用するサケには特別採捕許可がでているが、１０年前にはそれすら認めてもらうことが難しかったように記憶している。
歴史というのは勝った者が書く。正義というのは勝った者の論理。というのがどうもこの世の中のいやらしい事実のようだ。
冒険モノが面白いと前回のメールにあったが、開拓というのは、位置を変えて平行移動する普通の冒険ではないけど、同じ位置にいながら時間軸を移動していく冒険だと思う。開拓モノでは新田次郎「アラスカ物語」も面白かった。
以上
「俺の読書」 23 Jul 2007
まいど。
釣果が芳しくない日が続いている。そのせいかどうかは知らぬが、遅がけの５月病みたいな感じでな〜んも仕事する気になれん。
とりあえず釣りには行きたいと思えるし、本だけは精力的に読んでいるので単に仕事したないだけか。
「静かな大地」ソッコウで読みましたわ。 久々に読み応えのある一冊やった。
これに刺激され松浦武四郎の本など探していたら、武四郎ではないが「蝦夷地別件」船戸与一新潮文庫なる激長編小説を見つけてこれがやばいくらい面白い。
池澤夏樹は文章独特やけど、初めて読んだ船戸与一は正統派で、まだあと一冊残っていると思うと安心しつつ夜も眠れない？？
「本のメール」070814
ナマジです
「半島を出よ」文庫化されたのでさっそく買いました（電話かなんかで薦められてた）。表紙のグーグルアースからとってきたような博多の町の衛星写真から痺れまくり。オレのウチは下巻の「を」の右端のあたりにあった。
いま、福岡ドームを占拠したところまで読んだけど、おもろすぎ。２、３日電車の憂鬱がしのげそうや。俺の住んでた頃はソフトバンクやなしにダイエーホークスやった。ダイエーで応援歌流れまくってた。
住んでた場所やから地名とかから風景とかが目に浮かんでくる。特に博多湾に入ってくる場面は自分も仕事で船で通ったルートやから何ともいえん読み心地で感慨深かった。
あと、バズーカ（ロッドケース）に本物のバズーカを突っ込んで運ぶくだりを読んだときは、「村上わざとか？わざとなのか？」と一人で盛り上がってしまった。
間違えて別の本を買った「行かずに死ねるか」も無事ゲット。これも面白かった。
ネッチョウセイカツ村越正海も良かった。比べるとバスもフライも語れるテツ西山の才覚あふれる文章の方が好みだけど、実践派の実力者の誠実な釣りへの姿勢に共感を覚える。でも細いＰＥは使う気になれん。
最近読んだ中でお薦めは、新潮文庫「小泉八雲集」と解放出版社「世界屠畜紀行」内澤旬子。
小泉八雲は新訳だそうで、親しみやすい現代語で違和感なく読める。
田舎の良さは地元の人間はわからずに都会の人間がよく知っているように、内部で生活していると分からないけど外から客観的にみるとよく見えてくる部分、がなにごとについてもあると思うけど、それにして「ラフカディオはん」はやりおる。日本人より日本的。特に「クサヒバリ」がよかった。
世界屠畜紀行は屠畜業を主にテクニックや文化面から掘り下げた力作イラストルポ。
どうやって動物が肉になるのか知りたいという好奇心から入っていて、自分も四つ足の解体の仕方を知りたくて本とかを探したけど、基本的に人畜感染症の予防や食中毒の防止の観点から、屠畜は限られた業者しか許可が出ていないため「本を含め実体のわかる資料がほとんど無い」という経験をしているので、実際に屠畜場を訪ね見聞きメモしイラスト書いて本にしてくれた作者に感謝する。
以上
「本のメール」071003
ナマジです
ストレスがたまったりして気が狂いそうな（既に狂ってるのか？）夜には、大槻ケンヂが読みたくなるのだが、角川文庫の新刊で「ロッキンホースバレリーナ」がタイミング良く出ていたので読んだ。死ぬほど笑ったり、涙ぐんだりと忙しかった。
主人公はデビュー前の３人組バンドのメンバーでマネージャーのオッサン運転のワゴンで拾った変なネーチャンと東京皮切りに福岡までライブハウスを回る道中を描いた青春モノである。
甘々なラスト周辺のあたりにやや不満が残るが、主人公と拾ったネーチャンの心に傷持つものどうしの交流のかわいらしい感じが好感もてるし、メンバーの酔っぱらいと空手家のキャラもいい。筆者の体験に基づくライブツアーの舞台裏の感じや感情の動きもリアルに描かれていてさすがという感じ。読んでいて高揚感じる。
マネージャーのオッサンがちょうど俺等ぐらいの年で、負け組丸出しのオッサンの悲しさが人ごととは思えん。よくわかる。オレもよくわかるよと涙ぐむオレ。
オッサンが移動中に流す洋楽のナンバーがちょっと俺等より古い世代のロックで、俺等もリアルタイムではないけど良く聞いたようなナンバーでしびれる。
大槻ケンヂ長生きしていっぱい本書いてくれよと願わずにいられない一冊。
それから講談社文庫の新刊で藤田紘一郎「イヌからネコから伝染るんです」、この人の「笑うカイチュウ」は面白かったのでなにげに読んだが、意外な事実が発覚。この人我らの母校の出身です。先輩やったんや。内容はペットなど動物から感染する病気についての話で、狂犬病とかラッサ熱とかエボラとかエイズとか職業柄外国に出かける機会も多い貴兄にも有用な情報満載だと思うよ。オレはこういうの面白いと思って読むんだけどね。
最近じゃないけど、読んだ本を何冊か。
最近、ネットの本屋のアマゾンをよく利用するのだが、これの「お勧め」という機能がお節介なような、便利なような機能で、アマゾンで買ったり内容チェックしたりした本に関連した内容の本をお薦めしてきます。知ってるよね。
機械的にリンクされている本がピックアップされてくるので膨大な量がお勧めされることになりうんざりするが、それでもまじめにみてみると掘り出しモノが出てくる。
池澤夏樹「すばらしい新世界」は、池澤夏樹の文庫化された本はほぼ読んでたと思っていたが、見逃してた。
相変わらず理屈っぽい。この人はこれだけ理屈っぽく考えてたら精神的に調子崩すと話したことがあるが、彼はひょっとしたら理屈で自分の頭の中で整理をつけて、何とか矛盾を押さえ込むまで理屈コネ倒して逃げ切っているのではないかと思い直させられるぐらい理屈っぽい。オレの脳みそにはフィットしまくるが、相方の同居人には「何が面白いのかさっぱりわからん」らしい。
今回は、風力発電の技師が環境ＮＧＯで働く嫁はんの進めもあって、ネパール奥地の村に風力発電を作りに行く話である。
これを単なるボランティアの話ではなく、今後は小規模の風力発電というのもエネルギー事情や途上国での電力の使用実態を考えると需要が見込まれ、企業的にも取り組むメリットが出てくるという理屈をこね回し、主人公が会社のプロジェクトとして小規模風力発電に取り組むという話を納得させてくれる「理屈力」に敬服。
臨界事故の隠蔽やこの前の地震での不手際を突きつけられてもなお「原子力発電」を推進する経産省の理屈より、池澤夏樹の理屈のほうが正しいと思えてならない。
失敗したときのリスクが大きすぎる原子力発電について、多かれ少なかれ必ず失敗する人間による運営は結局リスクにみあうだけの価値を生じえないという理屈に大いに賛同する。
冒険関係も芋づる式に紹介されてくるので結構重宝。
野口健「落ちこぼれてエベレスト」を読んだら、テレビで色物的扱いのアルピニスト野口健を見直した。最年少７大陸最高峰制覇はよく見りゃ植村直己も実現できなかった南極大陸最高峰ビンソンマシフも含まれていたりする。
とにかく直情的な行動力に感心する。エベレストに日本のゴミが多いと知って「じゃあ拾おう」というのは爽快ですらある。死なずに生き残っているのもえらい。
海洋冒険関係では漂流モノを二つ。一つはヨットがクジラの衝突と思われる事故で沈没し、７６日漂流し生還したスティーヴン・キャラハン「大西洋漂流７６日間」早川ノンフィクション文庫と漁業関係のジャーナリストが海難事故の多さや残された家族の悲しみにくれる姿を見て、救命ボートでの漂流の方法を改善しようと実験する斉藤実「太平洋漂流実験５０日間」フォア文庫の二つ。
双方救命ボートでの漂流で、「７６日」の方はリアルでありつつちょっとニヒルな書き方がいかしてる。「５０日」の方も海水を飲んでホントに体に悪いかとか実験していて興味深かった。
海水は３日やそこらは腎機能が正常に処理する範囲内なので飲んでも死なないらしい。ただ飲み続けると腎機能が損なわれるので回復できなくなるようだ。
海水１、真水２で混ぜて飲むとなんら問題なく限られた真水を飲み伸ばすことができるようだ。体液と同じぐらいの浸透圧になるのでスポーツドリンクみたいなものらしい。
水温の関係もあるけど、普通飲まず食わずでも５日は持つはずの人間が、海難事故ではほとんど３日以内に死んでしまうそうだ。精神的に持たないらしい。てなことを知っていれば、カヤックで漂流しても５日は生きて生還のチャンスを待てるのではなかろうか。
なかなか面白かったが、「５０日」の解説の某氏の「冒険とは」のひとくさりが癇にさわった。
氏曰く「１生命の危険度が大きいほど冒険的、２誰もやっていないことに価値があり２度目以降に価値はない。３社会的な意義が大きいほど良い冒険」だそうだ。１と２は確かにそういう面も否めないが、１に関してはいたずらに危険な冒険を助長しそうで賛同しかねる。冒険といえども生命の危険はなるべく避けるべく努力されるべきである。その上でも危険が生じるのが多くの冒険だが、危険度は単純に冒険の尺度にはなり得ない。誰も想像しえなかったような冒険を、しっかりと危険を回避した上で実行できればそれに越したことはないだろう。
２に関しては確かに初制覇は重要な要素だが、かといって２度目以降が価値がないとまでは言い切れない。エベレストに登ることはたとえ何人目であっても登るその人にとってはそれこそ命がけの冒険だろう。
３の「社会的意義」は冒険というそもそも基準があてはめにくい行為において特にあてはめてはいけない基準だと思う。
高い山に登ったところでそれに直接の「社会的意義」があるとは思えないことからも明白である。そこに山があるから登るのであって意義があるから登るわけではない。国威発揚とかの気色悪い意義などは認めたくない。
そもそも冒険が社会に貢献するのは、普通の人間がやらないようなことをするから、新たな壁をぶち破って社会が進んでいくきっかけになり得るのである。
そういう普通じゃない行為は「社会的意義」とかいう尺度では測れない。普通じゃない冒険には「社会的意義」があるのもないのもごちゃごちゃとあるだろうが、そういう多様性が重要だというのは、生物の遺伝子の多様性と比較すればわかりやすい。
多様な遺伝子の中の有用なものだけを残して、ある一定の価値判断基準だけを元に多様性を失い均一な遺伝子を残していこうとする思想が誤りであることは最近の進化や多様性の議論の中で常識となっている。
遺伝的に多様でいろんな個性の人間がいるからこそ人間はちょっとやそっとでは絶滅しない。遺伝的な障害者を個性と考え社会全体で守っていくことは、生物学的にはコストに見合う正しい選択であり、一面的な評価のみを持って「優れた」と評価される遺伝子だけを残そうとすることは人間全体の将来を考えるとマイナスで誤りでしかない。優れた遺伝子だけを残そうとする考え方による過ちはヒトラーが既に最悪の形でやっている。
なんだか普通の人では理解できんような冒険をやってのける変わり者がいる。そいつ等を社会的にある程度認めてやっていると、その冒険の中で結果的に社会的に意義のあるようなものがたまたま出てくるというのが実態だろう。
某氏はどうも冒険というものを、客観的な物差しで理解できるものとして評論する立場にあるようだが、オレは冒険はもっと個人的で主観的なモノだと信じる。
その人間が立っている場所から時空間的にあるいは時に文化的、精神的になるべく遠くに、場合によっては高くにや深くにとかいろんなのがあると思うが、自分自身を持って行きたいと思う情熱があり、その情熱に突き動かされての行為がその人にとっての冒険なのだと考える。
本人にとって冒険の価値はどれだけの距離に自分を持っていけたかできまる。その距離は本質的にはその人にしか理解できないだろう。
他人の冒険の価値を計るのは、その情熱と結果としての冒険行為に共感できるかどうか、心を動かされるかどうかであり、これも極めて個人的なもので基準化できないというのがオレの考えである。
芸術と似ているかもしれない。あるいは芸術は冒険の一形態であり、冒険が芸術の一表現方法なのかもしれない。
本来芸術作品の評価も基準化できないはずだけど、評論家や画商が値段を付ける。絵などにはあまり興味がないので値段が付いていてもそれほど気にならないけど、思い入れのある冒険に値段を付けるようなことを書かれたので癇にさわったのかもしれない。
芸術の一つと考えれば、それなりにスポンサーが付いて金の取れる冒険とかはあるだろうから値段を付けることは可能かもしれない。
しかしながら、値段と冒険の価値が同等ではないと強く信じるオレである。
オレたちがやってる釣りも、値段は付かないだろうし未開のジャングルにもいかないけど、常に冒険的でありたいと思っているけど違うか？
カヤックはかなり距離かせいでくれる。勧めてくれたことに感謝してるよ。
以上
「俺の読書」 04/Oct/2007
9/22・23とシーバスのなぶらやり食い体験して翌日からカナダ出張、ぼこぼこ釣れたあの興奮のシーンを思い出しつつ夜更けのホテルの部屋で気が付くとひとりフォルスキャストをしている姿が暗い窓に映って苦笑いする8日間。
4回目になるカナダには特に目新しさも無かったが、今回初めて行ったバンクーバーのグランビルアイランドというウォーターフロントで車窓からちらりと見えたカヌーを壁に立てかけた店に僅かに空いた時間に行ってみると、あの伝説のカヌーショップ、エコマリンであった。
旅先で旨い居酒屋、及びゲリラキャンプのサイトを探しだす嗅覚には自信があるが、高校時代から本や雑誌で名前だけは知っていたジョンダウドのエコマリンにふらりとめぐり合ったことにミーハーなおいらはちょっと感動してしまった。 夕方空いた3時間で日本人の居ったダウンタウンのフライショップ探し回るがとうとう発見できず。
もしかしたら潰れたのかも。
バンクーバーは、今となってはせつなさつのる良きおもひで、が残る街。
黄葉した街路樹、深まった秋の空気、ロブソン・デンマンといった覚えのある通り、BCフェリーのカフェ、空港の最後のオブジェ、3年前をそこに思い出しながらセンチメンタルな気分を敢えて楽しむ、という最後の3日間であった。
最近、読書ペース落ちているがその中でもおもろかったんは「アフリカの瞳」帚木蓬生、講談社文庫。 東大仏文科卒、TBS2年で退社、九大医学部に入り直して精神科医、という経歴だけでもなんか惹かれるものがあって読んだが、現役の医者の視点に作家のテクを持ち合わせてアフリカのエイズ問題をリアルに描いてある。 実際アフリカに住んでいたか、かなりの取材をしたと思わせる内容。
エイズにしても戦争にしても個人に降りかかってこない限り、一般人には想像すること自体難しいと思う。
家族から始まって友人、知人、住んでいる町・国、行った事ある外国の町、ぐらいまでが想像力の限界やと思うが、主人公の眼を使って疑似体験させてくれるような感じ。
戦争やらテロのニュースは毎日見るけど、その戦争している国に友達でもおらんと親身になって考えるのは難しいもんな。
今日10/6、アフリカのどっかの国にエイズ後続治療薬認可、というニュースやってました。
「７６日」はだいぶ前に読んだが「５０日」はまだなんでチェックするわ。
しかし某○などという奴に解説させるなってーの。
池澤夏樹のネパール風車も前に読んだが、僻地に風車建てにいく、というストーリーそのものや主人公が理屈っぽいのまではよかったものの、出てくる嫁はんまでもが相当理屈っぽくて鼻についた。アイヌの語り部の女性陣もそうやったけど、小説なんやからもうちょっと女のひとぐらい上手に色っぽく書いて欲しいもんよのう。
前にも言ったかも知れぬが、アイヌがらみでみつけた「蝦夷地別件」船戸与一、純粋に長編小説としておもろいよ。
野口健、海では白石康治郎の若い冒険家の本は凄い事やっているのに本人には気負いがなく飄々としていて気持ちいい。ストレートに自分がしたいことに突き進むところが日本人を突き抜けている感じを受ける。
こないだ上海で丸々1日空いた日、ホテルの近くの魯迅記念館なるものにブラブラしに行ったついでに柄にもなく「阿Ｑ正伝」をホテルで読んでみたが、まさに「ナニがおもろいのかまったくわかりませ〜ん」な一冊やった。ちょっと知的障害のあるらしい主人公の日々をつらつらと綴ってあるだけで、文章そのものもつまらんし、裏の意味は？と深読みしても何も出てこず、なんでこれが国際的に認められるんじゃ？ 俺は認めんぞ。その時同行していた国史専攻の教授に聞いたら、租界があったころの一般人の生活を描いている、とのこと。説明聞いても解らんだわ。
「怪魚ウモッカ格闘紀」高野秀行。魚（怪魚やけど）、高野秀行本、インド探検と買わずにおれないキーワードばかりだが、読んでびっくりサブタイトルの『インドへの道』そのまんまのばかばかしさ溢れる一冊。でも本人らは本気でやっているからこそ読んどる方はおもろい。
アヘン王国は現在読書中。
「本のメール」071216
ナマジです
最近の読書生活ではお薦めの「蝦夷地別件」が良かった。
電車の中にもかかわらず、
真面目な方の坊主の「始めての女犯」の場面で勃っちゃった。
知的障害のあるおじさんを人身御供に出す場面では涙が出そうで目頭押さえてうつむいた。
上中下でしばらく通勤電車で読む本に困らずに済んで助かったよ。
アイヌの話なのでハッピーエンドは無いと解ってはいたけどそれにしてもすくいのないそれぞれのラストで、またその無常感というかやるせなさもオレ好みだった。
船戸与一「三都物語」も読んだ。蝦夷地別件ほどではなかったけどまあまあ良かった。
でも、まったく反対の人間の温かさ的な物語を書くいしいしんじの「絵描きの植田さん」新潮文庫みたいなのも結構好きなオレ。
冒険モノでは今読んでる「南極越冬隊タロジロの真実」小学館文庫がいい。題名がイマイチでタロジロの暴露本みたいな印象うけるが、中身は第１期を中心とした初期南極越冬隊の記録を丁寧に書きつづった参加メンバーによる手記で、行ってきた人間のみが語れるリアリティーがあって筆者の真面目な人柄と合わせて好感持てる。
これは冒険モノかどうか良くわからんが中島らもは冒険記といっていた、河出文庫「麻薬書簡」ウィリアム・バロウズ、アレン・ギンスバーグ。南米に原住民が使う謎の幻覚植物ヤーヘを追うアメ人の話で、情報提供者との往復書簡の形を取っている。
ラリラリの時の思考のぶっ飛んだ様が、脈絡のないイメージの羅列で表現されている。ラリラリ疑似体験と冒険モノが１冊で楽しめる。中島らもの「バンドオブザナイト」にも意味をなさないイメージの羅列が多用されているがオリジナルはここか？
あと、最近読んだ本では文春文庫「ナツコ沖縄密貿易の女王」奥野修司はなかなかよかった。戦後のどさくさアメリカ統治下の沖縄で、先島方面まで監視の目が回らないことをいいことに台湾とものすごい密貿易が盛んになった一瞬ともいえる時代を、その中心にいた密貿易商「ナツコ」の足跡を丁寧に追ったルポ。ちょっと表現が報告書的で硬いけどピカレスクものとして充分楽しめる。これネタに小説に起こしたり、映画とっても面白いモノができそう。
「海狼伝」白石一郎さっそく買わせてもらいました（電話かなんかで薦められてた）。
以上
「俺の読書」20 Jan 2008
ハワイへ行く時、空港で副題にビビッときて買った「脱出記」スラヴォミール・ラウィッツ ビレッジブックス文庫、めちゃくちゃにおもしろ本です。
その副題、「シベリアからインドまで歩いた男たち」！！
帯には椎名誠の推奨のことば‥‥。
往きの機内と、到着日の夜（次の日フリーで夜更かしOKやった）ハワイといえども結構寒いベランダでパーカ羽織ってスコッチ片手に一気読みしてしまった。
シベリア抑留者が脱走して結氷した大河を渡り、氷の溶けかけた川は泳ぎ、おいらも含め今どきの道具だけは立派な似非アウトドアマンなんぞ100万年のかなたにぶっ飛んでしまう装備でモンゴル〜ゴビ砂漠〜チベット〜ヒマラヤ山脈まで！超えてインドまで逃げる、という興奮の一冊。実話だけが持つリアリティに溢れて徹夜必至のヤバい本です。
冷たい雨の降る、何の予定もない週末に読むことをお勧めします。
ハワイ滞在中、引き続いて船戸与一のハードボイルド「猛き箱舟」読んでそれなりにおもしろかったけど、解説に佐々木譲が絶賛していようとも「脱出記」読んだ直後では「しょせんエンタメやな‥」という印象しかなかった。
正月休みに読んだ「ウルトラダラー／手嶋龍一」は小説といえどもかなりリアルな中身でお勧め。北朝鮮の偽造ドル紙幣に絡めた政治と外交の話し。
正月用に積読してあった本がまだ10冊近く残っていて、そのどれもを通読せずに手当たり次第その日の気分で読み散らしている今日この頃、読む本に事欠かない状況に小さな幸せを感じています。
すべて途中までやけど、「笑うカイチュウ」「たそがれゆく日米同盟／手嶋龍一」「三たびの海峡／帚木蓬生」「国家の罠／佐藤優」「人間はどこまで動物か／日高敏隆」「沈船検死／曽野綾子」「地球の落とし穴／広瀬隆」「新しい生物学の教科書／池田清彦」あたりが机の上に散らばっている。中でもおもろい本あればまた報告します。
「本のメール」080120
ナマジ
こちらも最近読んだ本など何冊か。
面白い冒険モノの帯には出版社が違っても概ね「椎名誠氏も激賞」と書いてあるような気がする今日この頃。
椎名誠膨大な数の冒険モノ読んでいて、いちいちエッセイだか日記だかわからんような文章で激賞しているからこうなるのか？
で、椎名誠氏も激賞の島田覚夫「私は魔境に生きた」光人社ＮＦ文庫は先の大戦でパプアニューギニアに上陸したは良いが、完全に日本が負け戦に入ったところで、補給は断たれるは、撤退するべき基地も敵の手に落ちるは、逃げだそうにも島だしということで、マラリアや飢餓、残党兵狩りにおびえながらも、焼き畑農業やら狩猟採集やら原住民との交易やらで戦争終わって１０年密林で暮らした兵隊さんの手記。
いやはやよく頑張りました。昔の人はまだ自分の手になじんだ生活するための根本的な技術と知識をもっていたと痛感。オレも現代人としてはかなりのレベルのサバイバル能力あるつもりだが、リアルな体験談からはとても役に立ちそうにないと痛感。
冒険モノもういっちょ、アルフレッド・ランシング「エンデュアランス号漂流」新潮文庫は漂流記の古典なので読んでるかもしれないけど、なかなか面白かった。
南極点が制覇された直後のまだ冒険はなやかなりし頃、南極縦断を目指してシャクルトン隊長以下の野郎どもが南極圏に突入。氷の海に閉じこめられ船を失い、ボートで脱出、最終的には生還する物語。と書くと短期間に話が進みそうだが、これが閉じこめられている間はひたすら氷が溶けて水路ができるのを待つのみで消耗戦。逆にそこにリアリティー感じる。
装備や知識が今考えるとチャッチくて良くこれで生きて帰ってくるなと感心する。そういえばエベレスト初登頂時のヒラリー・テムジン組の写真を見ると上着は普通の毛のセーターだったりして驚かされる。道具は良いに越したこと無いが、ガッツだの経験だの知恵だのといった他の要素のほうが大事だと痛感する。
冒険モノ以外では最近奥田英朗がお気に入り。直木賞取った「空中ブランコ」とその前作「インザプール」は精神科医モノ。と言ってもジメジメしておらずハチャメチャな精神科医の話。連作短編モノで電車で読むには最適。
この人のスポーツエッセイ？の「延長戦に入りました」幻冬舎文庫が最高。民法のスポーツ放送のお涙頂戴、感動押し売りに辟易して、ＮＨＫの北野海親方のメチャクチャ機嫌の悪い（あれだけ不祥事続けば立場上機嫌悪いだろうが）解説がむしろ心地よい昨今。スポーツをおちょくったような斜に構えた視点がステキ。
この人がまだ有名になる前に書いていた文章のようで、今ならとても書けないような失礼なことをノーチェックで書きまくった感じがあり笑える。
以上
「本のメール」080217
ナマジです
昨日車契約して納車待ち。中古のワゴンＲ。今時の軽はコラムシフトで運転席も広々でシート倒しまくると中でオレぐらいなら横になれる。なかなかよさそう。気づくとスズキはアルト、ハスラー、ジェベル、ジムニーに継いで５台目だ。３月始め納車なので春から良い釣りするべし。
脱出記読んだよ。激烈オモロかった。女の子が死んじゃうところはちょっと泣けた。○○は記憶の錯乱かネタか？
脱出行もすごいけど、鎖に繋がれて連れて行かれる場面がショッキング。シベリアのラーゲリ（強制収容所）に続く道には骨街道たらいう玉砂利が白骨でできているような恐ろしげな道があるとか聞いていたが、聞きしにまさる恐ろしさ。オレならインドへの道中云々より収容所行くまでに死ぬ。
野口健「百万回のコンチクショー」集英社文庫、「落ちこぼれて」とややかぶっているがこれも面白かった。頼むからバラエティー番組でイメージ落さんでほしい。
ロベール・ド・ラ・クロワ「海洋奇譚集」知恵の森文庫は、幽霊船や漂流譚をあつめた翻訳物で海にまつわる不思議な話が集めてある。不思議な味わい。
奥田英朗は最近お気に入り「サウスバウンド上下」角川文庫は、アナーキーなお父ちゃんが中野と八重山という個人的によく知った場所で活躍する話で、男の友情やらたとえ相手が巨大でも男一匹やるときゃやるぜというような基本スタンスが奥田先生よくわかっていらっしゃるなーという感じ。
ここしばらくパワーが出ず調子悪い日々が続いているので、軽い文章の作家がいいなと久しぶりに原田宗典エッセイ読んだら、彼数年間鬱で苦しんでいたそうで、エッセイも昔の軽さがやや消えて、わりとためになりそうなこと書いてて驚いた。「はらだしき村」集英社文庫、「し」幻冬社文庫。一部躁転したような大仰な部分もあり、「この人も大変なんだナー」という感じ。この人は軽かろうが重かろうがコンスタントに読みやすく面白いモノ書いてくれるので立派だ。
椎名誠はエッセイとかでは相変わらずためにもならんようなことを書いていてくれて安心する。こちらも立派。目黒、木村、沢野との４人でやってる「突発的座談会２」が激烈くだらなくて良かった。扇子と団扇とどちらがエライかとかホントに意味もクソもない内容が最高。
調子悪くても池澤夏樹の理屈っぽい文体は大丈夫。「やがて人に与えられた時が満ちて・・・」角川文庫は理屈っぽいＳＦ。ＳＦでもやっぱり理屈っぽい。オレは楽しめた。
目がかゆくなりだし春トオカラジという感じにはなってきた。以上
俺の読書 30/Apr/2008
遠征の道連れにする本て、けっこう難しいよな。 あんまりオモシロ本で夜も眠れんというのでも困るし、つまらなすぎると禁断症状でるし。
ここんところ仕事もちょっとだけ忙しかったりで我が脳ミソ容量少ないらしく夕方になると熱もったようにボーッとしてろくな本読んでない。
おいらは以外に長編好きだったりするが、ヘヴィな読み応えあるのは特に遠ざかってお
お勧めと言うわけではないが、最近読んだ本をいくつか‥‥。
「隠蔽捜査」今野敏・新潮文庫、主人公の警察官僚のキャラが立っていて、警察ものの割に推理小説という訳でもなく軽く読める本。読んでいる途中の楽しさよりも読後感がしみじみする一冊。
「国家の罠」佐藤優・新潮文庫 ご存知、鈴木宗男事件のもう一人の主人公、外務官僚の手記。本人が実話を書いているので読み応えあった。対ロシア外交、小泉政権によってスケープゴートにされるまで、獄中での検察官との駆け引きなど、もともとが虚々実々の世界の話なだけに、ノンフィクションと言えどもどこまでホンマかという疑いも捨ててはいかんが、緻密な文章には引き込まれるものがあった。
「サウスバウンド」奥田英朗、最近教えてもらった本では超ヒット。東京編とでもいうべき上巻読み終えて3日後に石垣西表出張が控えていたので、一気に読みたいの我慢して石垣全日空ホテルのちょっと渋いバーとか部屋のでかいリクライニングチェアで下巻を声あげて笑いちょっと涙ウルウルもさせる読書タイムを過ごした。ヤイマァ（八重山）のねっとりした空気感を感じつつ現場で読むオモシロ本、というのはこれ以上ないシアワセな時間でした。
「インザプール」 サウスバウンド最高やったので続けて読んだがちょっと軽いな。でもまぁ中でも「勃ちっぱなし」の怒る能力に欠けた人間の話と、ケイタイ中毒の高校生にエロい看護婦が「友達？いないよ」とさらっと言うくだりがグッときた。
「港町食堂」奥田最新本。今日買ってまだ途中。日本の港町を徘徊するというお気楽な紀行本。3時間もあれば読み終えてしまいそう。椎名誠とかに通じる、頭パーな時でも字読んでいたい、と言う人向きか？おいらも何度か行った事のある、敦賀漁港脇の居酒屋が出てたりして嬉しかった。
「ハバナモード／すべての男は消耗品であるVol.8」村上龍 癖でどうしても買ってしまうがVol.1〜3あたりに感じたインパクトは無い。時事問題を新聞やらテレビに無い視点から説き、新聞テレビにその視点が無いことが一番の問題、という事を延々と述べています。
「黄金旅風」飯嶋和一・小学館文庫 まだ一頁も読んでないけど、新聞の書評の切り抜き財布に入れて持ち歩き、今日やっとみつけて嬉しいもんで紹介しときます。書評によると、『ハズレなしの飯嶋和一（名前も知らんかったぞ）の中でも傑作、江戸寛永年間の長崎・江戸を舞台にした冒険歴史小説、東南アジア・台湾までも舞台にし当時の歴史情景も浮かびあがらせる‥‥無数の逸話が毎頁に散りばめられた贅沢な読み物‥‥』600頁、字の大きさも組み方もちょうど気持ちいいレベルやし読み応えありそうで今からたのしみ。
「神に向かって走れ」高野秀行、ウォモッカ（やったっけ）で入国拒否をくらって日本潜伏中に自転車で沖縄まで行ったルポ。高野本にしてはぜんぜんおもろなかった。やっぱり本来好きなことに邁進している人間（このヒトの場合未知の動物さがしている時）の輝きは文章からでも伝わってくるもんなんやな、と実感。
おまけ
「Brave Heart」メル・ギブソン、ソフィー・マルソー出演、13世紀イングランドの圧制に苦しむスコットランドの民衆を率いて立ち向かう主人公のカリスマと、ソフィーマルソーの美しさが圧倒的。
是非一度レンタルしてみて下さい。 ‘Freedaaaaam！’
「本のメール」080429
ナマジです
風邪ひいてＧＷ前半は調子悪い。後半九州の予定。
最近読んだ本を何冊か。
町田康の文体ははまる。「告白」中公文庫は長編で読み応えあり。テーマや筋書きよりとにかくその底辺に流れる哲学的なモノの考え方と文体が痺れる。
同じく町田康「壊色」ハルキ文庫は詩集。言葉の流れで勝負するのはこの作家お手のものか？スルスル読める。特に「唱歌注解」のシリーズは説明すると面白くないので読んでほしいが、言葉を操る力業に脱帽。受けた。
アーサー・ビーナート「空からきた魚」集英社文庫は日本語堪能なアメリカ出身の詩人のエッセイ。外からみた日本の再発見と異文化接触の面白さ。作者の視点がなかなかステキ。前作「出世ミミズ」もよかった。
Ｊ・Ｐ・ホーガン「星を継ぐもの」創元ＳＦ文庫。読む本無かったのでたまにはＳＦでも読むかと古典的名作とされているのを読んだら面白かった。
当時の最先端の科学知識を持った人間が書いているらしく、なかなか作品中の科学論争も今からみても的を外していなくて楽しめた。ちなみに謎が謎を呼ぶストーリーだけど最後の２つの謎は途中で解けた。現代の進化に関する知識の基礎が頭に染みついていれば解けなくもないが、発表当時はほとんどの人は結末を知ってうなっただろうと思う。途中で解けても面白さを損なうことはない。３部作で後２作あるようなので楽しみ。
熊谷達也「荒蝦夷」集英社文庫は、初代征夷大将軍（だったっけ？）坂上田村麻呂が東北地方で反逆を起こした蝦夷アテルイと戦う前夜の物語で、東北の蝦夷の暴れっぷりが痛快で楽しめた。ちょっとグロいシーン多め。
以上 カザフ行きの飛行機で読む本探してます。オモロイのあったら教えて。
「俺の読書」 13/May/2008
もうカザフスタンでオオナマズ仕留めて帰国後これ読んでいるのでしょうか？ 機内暇つぶし用という訳でもないが、この一週間で読んだ本など。 出発までに間に合えば‥‥。
年に数回あるかなしかのいい釣りしたときって、その帰り道なり現地テント泊なりで、異様に昂ぶってギラギラしてしまうことってあるよな？ 今すぐにでも欲しぃいっ！って感覚おれだけか？ 多分「はじめ人間ギャートルズ」の頃から、いい獲物を獲ってきたオトコにだけやれる権利があったんじゃないか、マンモス獲れなかったオトコはシュンとするしかなかった中で獲物ぶら下げてきたオトコには女子供群がって、というの想像をしているのだが、現代にもそういう感覚が残っていると理解しているがどうやろか？
ワイルド・ソウルの垣根涼介「クレイジー・ヘブン」幻冬舎文庫、あいかわらずスピード感溢れる展開と、大釣りした後のテントでサクッと読んですっきりして眠りに就くにはいい感じの描写も満載でお勧めです。
椎名誠「全日本食えば食える図鑑」新潮文庫。 遠征の道連れ、機内及びトランジットの暇つぶしに最適です。
椎名本はあまりに印象・内容薄いエッセイとかも多いけど、この一冊はなかなか楽しませてくれつつ実用にもなる？国内のゲテもん食いルポ。
ジャック・ケルアック「On The Road」河出文庫。 ビート・ヒッピー’50s時代の古典。 「アメリカの鱒釣り」とかよりは悩まず読める、当時の伝説的な一冊。文庫になっているのを発見して15年ぶりぐらいで読み返し中。機内で読むにはちょっと難解かも。
曽野綾子「最高に笑える人生」新潮文庫。「沈船検死」と同じシリーズ。
この人カソリックなのだが、いわゆる識者が、その時どきの事象をちょっと宗教人の意見を交えつつどう捉えとるのか、というのが分かる。かなり冷静な視点を持っているな、と思わされる。
続きは第２部へ
（２００８．１０）