○「本のページ」第14部 −ナマジの読書日記2020−

 

 2020年もダラダラと更新していきます。

<2020.12.4>
 活字はラノベの新刊読むほかは開高先生モノも停滞で角幡先生の「極夜行前」を読み始めた。ラノベは久しぶりの涼宮ハルヒシリーズ新刊が懐かしい感じでとても良い。マンガも新刊読んでるぐらいだけど、電子版で購入するようになった「週刊モーニング」連載の「ハコヅメ」が連載陣では相変わらずぶっちぎりで面白い。意外に真面目にハードボイルドな刑事モノしてるシリーズが終わったタイミングのギャグ回で声出して笑った。連載3周年だそうで作者インタビューも掲載されていたけどそれも面白かった。


<2020.10.16>
 超楽しみだったマンガと、かなり好きだったマンガと、結構面白かったマンガが最終回を迎えた。順に「ヒナまつり」「地球侵略少女アスカ」「特撮ガガガ」。でもって、「ヒナまつり」は国民的マンガになると予想したのにそこまでの人気は出なかったけど、電車では読めないマンガとしてギャグマンガ好きには知られるマンガにはなってアニメ化もした。最近のギャグマンガは難解なネタも多く、まあ吉田戦車の直撃世代であるオッサンとしてはシュールなギャグも嫌いじゃないけど、ヒナまつりのベタベタな分かりやすいギャグには腹の底からの哄笑を禁じえなかった。”超能力あっち向いてホイ”の顔芸とかのど真ん中剛速球ストレート感。一方「地球侵略少女アスカ」はなんというか、伊藤伸平先生はもっと評価されて欲しい気がするけど、銃器やSF作品や昔の特撮とかネタがオッサンホイホイすぎて一般受けはあんまりしないのか?でもとても好み。この作品もギャグが基本に忠実な感じで分かりやすいのも良い。「特撮ガガガ」は隠れ特撮オタクのOLの悲喜こもごもがクソ笑えた。ドラマ化してて予想外(失礼)のヒット。世の中にオタクは程度の差こそあれ沢山棲息しているってことか。
 活字の本も開高先生エッセイから「輝ける闇」に移行してむせかえるほどの開高節にシビれつつ、同時並行で物語シリーズっていうクソ長期化しているラノベの読み直しとかに突入。そこそこ読んでるかな。積んである未読本もいい加減読まねば。

 <2020.7.21>
 紀伊半島移住後、釣りに忙しくてじっくり活字の本など読む暇がない感じではあるけど、たまには活字が読みたいな、などと思うときがある。そういう時、いきなり積んであった本に手を伸ばすと、しばらく読んでなかったので頭が”活字慣れ”してなくて、調整があってない感じでなかなか読めん。
 こういうときは、サックサクに軽く読めるラノベか大好きな作家の名文再読だなということで、ここしばらく開高先生のエッセイと積んであったラノベの新刊を読んだのが久しぶりのマンガ以外の”読書”。
 開高先生のは小学館版の開高健電子全集「最後のエッセイ大全」を読み切って今「50大エッセイ大全」を活字な気分の時に拾い読みしている。エッセイ集として既にまとめられてたヤツも再読でも面白いし、文学賞の選評とか初めて目にする文章も楽しめる。先生の”日本語の語彙が豊富(by野田先生)”な文は今思うと、”中二”なセンスとも相通じるところがある。”豪奢”な漢字表現は”夜露死苦”的な言語感覚とだいぶ違うはずなんだけど、なぜかオッサンの心の琴線への引っかかりかたが微妙に似ている。本質的にだいぶ違うはずなのに似ていて、必ずしも”本物”である開高語録のほうが優れているって単純な話でもなさそうな気がして面白いもんである。安デキの中二な台詞が胸に突き刺さることもあるのよ。突き刺さったその深さだけが言葉や文章を評価するのに私が使うべき指標だと思っている。
 開高先生「1984年」のオーウェル先生が日本じゃあまり読まれていないことを嘆いているけど、今生きてこの令和の時代の妙な監視社会を目にしたら、あるいはコロナ禍における世界中の愚行を目にしたらなんと書いて切って落としたのか、読んでみたいものである。先生早くに亡くなりすぎです。「変われば変わるほどいよいよ同じ」と得意の台詞で締めてくれるのだろうか?
 ラノベは時雨沢先生の「GGO」新作と川原先生の「SAO」新作は相変わらず面白くてサクサク読めた。川原先生は油断していると新作どんどん積み上がる系の作家だったけど、最近川原先生の作品の外伝的な「GGO」シリーズを書き始めてから、時雨沢先生も筆が速い。速く書けるというのは書いてて作者も楽しいんだと思うけど、読み手にもその熱が伝わる気がする。ガンガン書いてくれれるのでガンガン読まねばなるまい。
 マンガは名作再読がやや多かった「ガンスリンガーガール」の「この人と一緒に必死に生きて そして死のう」とか、「アヴァルト」の「矜持なき生き方をしたら その瞬間俺は自分の価値を失うだろう」ってな中二な台詞は何回読んでも胸に深く突き刺さってくる。
 新刊では「天国大魔境」第4巻、「バーナード嬢曰く」第5巻、「潮が舞い、子が舞い」第3巻あたりがクソ面白かった。アヴァルトの作者の別作品探して読んだ「棺探偵D&W」もなかなかに良い。

<2020.5.17>
 帯状疱疹で寝てるあいだに”積ん読”だったマンガはだいぶ読んだ。「ダンジョン飯」「ベアゲルター」あたりの新刊は相変わらず絶好調。「コブラ」の新装デジタルフルカラー版は昔の話に混じって読んだことなかったアーマロイドレディーの外伝とかもあって楽めた。「銀の匙」が大団円を迎えてめでたしめでたしで、荒川先生後書きでもチラッと触れてたけどご家族大病煩って大変な中、こんなにも素晴らしく前向きな物語を描ききる姿勢に敬意を抱かずにいられない。島袋全優先生の「腸よ鼻よ」はご自身の大病自体をネタにして笑いを取っていてこれまた素晴らしい作品で2巻まで出ているけど続きも楽しみだ。お体お大事に。

○城平京「虚構推理−スリーピングマーダー−」 最近活字の本ほとんど読めてなかったけど久しぶりに読了。アニメで知ったけど”怪異+推理”っていうのがツボにはまってメタクソ楽しめたので、アニメの続きの部分が原作では出ているようなので読んでみた。原作も面白かった。怪異の”知恵の神”としてモノノケ共に頼られる隻眼義足の美少女が探偵役なんだけど、怪異が引き起こしている現象に嘘の現実的な理屈をでっち上げて人間側の納得する”解答”を提示して事件解決するっていう構図も面白いけど、助手役の恋人の能力が件の予知能力と人魚の肉の不死の力を持てば、予言後に死なずに起こりえる未来を確定する能力を得ることができる、っていう設定が上手いこと考えるもんだなというかんじで面白い。妖怪好きなら楽しめること間違いなし。



<2020.1.27>
 紀伊半島に移住してから釣りに忙しすぎて、本読んでる時間がめっきり減った。寝る前にちょっとマンガ読み始めてもすぐに眠くなって快眠。エエこっちゃ。しばらく更新してなかったのでその間読んだので面白かったマンガをいくつか書き留めておくなら、100回やって99回負ける敵に勝つ方法の伏線回収して完結した「ディザインズ」。昨今の流行のサバイバルもので石器時代にタイムスリップという異世界転生ものでもある「創世のタイガ」の戦うことを宿命づけられたホモ・サピエンスというものの業と罪と生まれいずる悩みや生きる理由の生々しさ、「波よ聞いてくれ」の沙村先生のオレ好みのギャグの切れ、何度目かの再読「ラブやん」のクソバカバカしい面白さ。
 新刊待ってる連載モノのマンガぐらいは積んどかずに読んでかないといかんな。
 

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