○「本のページ」第17部 −ナマジの読書日記2023−

 

 最近読む量減りましたが2023年もダラダラと更新していきます。



<2023.5.29>
○徳弘正也「もっこり半兵衛」1〜9、徳弘先生「ジャングルの王者ターちゃん」が代表作だけど、ワシ、デビュー作の「シェイプアップ乱」の時代からの愛読者、オマケマンガで2作目コケてマンガの世界のおっかなさを知ったような話を描かれていたけど、2作目「ターヘルアナ富子」の決め台詞が「オペしましょ」だというのを知っているぐらいには熱烈なファンであると自認している。今作品は時代劇で、ジャンプ系列では需要無いのか雑誌に最初載せてもらえず電子版で始まったんだけど、地味に売れたらしく徐々に出世していき、ジャンプ系ウェブコミックとかで描かれ続けているようだ。これがめっぽう面白い。ターちゃんのような少年マンガ的バトルモノでも「狂四郎2030」のようなエログロバイオレンスで格好いいハードSFでもない、昔の時代劇のような涙あり笑いありの基本一話完結の作品なんだけど、何十年ってマンガ書き続けてきた超ベテランでしか到達できない”軽み”と”深み”の同居と、何を題材に書いても間違いなく徳弘先生だと分かる芸風。オッパイは大きく、下ネタはしつこく、人が切られるときは断面図あり、あたりがなんともファンには安心感を覚える感じ。先生の新たな代表作といって良いだろう。ご本人が「もう若い頃のようなヒット作は描いていないけど、今でも自分のマンガは一流だと思っている」とか書かれているけど、全くもってそのとおり一流のマンガだと思う。若いときには描けなかったであろう熟した味わいがある。新刊出るの楽しみに買い続けます。
○杉浦次郎「僕の妻は感情がない」1〜6巻、家事用ロボットに好意を抱いてしまった青年のお話なんだけど、人工知能が良くできた絵を描くような今時、こういう未来はごく当たり前にあり得るだろうって気がする。人は物言わぬ人形にさえ恋することがある(ピグマリオンコンプレックスとかいうらしい)、ならば人と会話し、自分のために尽くしてくれる”家電”である家事用ロボ相手など恋心を抱くのにはたやすいだろう。そういう人と人ではない何かとの関係性を描きつつ、愛とはなにか?家族とはなにか?心とは何か?というようなことを考えさせてくれて面白い。
○羅川真里茂「ましろのおと」31巻 完結したのが惜しいぐらいに面白かった。楽しみに読ませてもらってたけど、三味線というちょっと取っつきにくい題材をネタに、表現者の熱い思いや、悩み、ライバルや仲間との関係、いろんな要素が絡んで楽しめるけど、とにかく演奏場面が格好いい。紙面から音楽が聞こえるわけじゃないのに、心揺さぶられるぐらいに格好いいんである。そこまで描きあげた作者の力量に感服。長きに渡って楽しませてもらいました。
○竹中由浩「リール興亡記」「リール風土記」 リールマニアなら読んでおかねばならない基礎教養かもしれん。興亡記のほうが、スピニングリールの変遷の歴史を俯瞰するには好適な教材だったけど、リール工場のあった土地の気質をも描き出している風土記の方は純粋に読み物としても面白かった。リール好きじゃないと読んでもついてけないかもだけどお好きな人にはたまらない2冊。


<2023.3.30>
 冬のカマスの時期は釣って料理して準備してで忙しく、布団に入るとコテッと寝てしまうので、布団の中で読む読書が進んでいかない。マンガでは昨年始まった「虎鶫」「時間停止勇者」が次が早く読みたくなる面白さなののほかには、アニメも始まるらしい「天国大魔境」がクッソ盛り上がってきてるのと、「ヴィンランドサガ」26巻が何度読み直しても涙が出るぐらい胸が熱い、ってぐらいで、あとは継続的に読んでるのを追ってる程度。活字本関係はこれまた継続的に追ってるラノベ?「GGO」「虚構推理」に加え釣り関係歴史本?を紙でも買っててDab氏の「B級ルアー列伝参」のあいかわらずのルアーへの愛やら、TAKE先生のお師匠さんである原氏の人柄も偲ばれる「ミスターハラの記憶 リール風土記」は釣り本としても読み物としても面白かったので続編「リール興亡史」にも期待。「奥深きルアー復刻」は、アメリカンウッドルアーを中心にルアーの歴史を紐解きつつ実際に復刻製作とかした視点からそれぞれのルアーについて語っていて興味深かった。釣り関連本何冊か積んであるのでしばらくボチボチ読んで楽しめそう。

 

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