○好きな生き物を3つあげよ −カエルと私−

 

 私が学生の頃、「心理テスト」といわれるものが流行ってました。今だとネット上で項目にチェックしていくと判定してくれるものが多いですが、当時は完全な「話芸」で飲み会の席でちょっとエロい判定結果がでる心理テストを女の子相手にかまして場を盛り上げるというような、今やったらセクハラ以外のなにものでもないようなことが結構行われておりました。

 

 その中で、「好きな生き物を1位から3位まで3つあげて、それぞれの特徴を3つづつあげよ。」というものがありました。

 

 ちなみに当時の私は、

1位 ナマズ 黒くてヌルッとしている、口が大きく目がカワイイ、ユーモラス

2位 カエル 緑でヌルッとしている、口が大きく目がカワイイ、ユーモラス

3位 キリン 背が高い、格好いい、他に似たものがいない

でした。

 今やっても、1位2位は不動。3位は今ならシャープなフォルムでちょっと嫌われ者だけどホントは神秘的な魅力にあふれるサメってところですかね。

 

 この心理テストの解説は1位の生き物の特徴が「理想の自分」を表し、2位の特徴が「本当の自分」を3位の特徴が「他者からみた自分」を表しているのだということでした。

 

 私の場合、理想と現実が極めて近いということで、なりたい自分に概ねなれているようです。理想との違いは色ぐらいですからね。って理想としてユーモラスなのはいいとして「ヌルッとしている」とか「口が大きく目がカワイイ」とかいうのはどうなの?確かに脂性でお肌はヌルつき気味ですが、別になりたくてなっているわけじゃないし口も大きくなりたいと思っているとは自分では思わないのですが、どうなんでしょう。深層心理ではそう思っているのでしょうか。

 ちなみに私、当時も今も特に緑色ではありません。

 

 しかし、3位の他人からみた私が、背が高くて格好いい、他に似たものがいないという素晴らしい判定結果だったので、無理矢理1位2位についても納得しておくことにしました。(註1)

 

 とまあ、心理テストの結果はお遊びですから深く気にしないことにしますが、私はだいぶ昔からナマズとカエルが好きなんだなということに気付かされます。

 

 ナマズ好きについては、おそらくバス釣りを始めてからちょくちょく釣ったりしたのと、高校生ぐらいから観賞魚飼育にはまり始めて、南米産とかのナマズを飼ったりするようになったのが原因だと思いますが、カエルについてはもっと昔から常に身の回りにいてなじみ深い生き物だったと思います。

 

 今回はちょっと思いつく範囲でカエルと私について書いてみたいと思います。

ヨーロッパのヒョウガエルと同種か?(カザフのカエル)

 

・3才児の記憶

 初めてのカエルの記憶は、おそらく3歳ぐらいのころの記憶です。幼稚園に上がる前だったということは確かなので、3歳ぐらいだったと思うのですが詳しくは定かではありません。3歳児の記憶としてはやけにハッキリしているのでひょっとしたら別の記憶と混同しているかもしれません。

 母の実家の田んぼに連れて行ってもらって、アメリカザリガニだのオタマジャクシだのをとってもらったときに、それらを入れていた蓋付きのプラケースの壁面のコーナーのところに緑色したアマガエルがペトっと張り付いていたことを覚えています。

 このときのプラケースも印象に残っています。青い蓋で両端の爪をパチンと閉じると蓋が外れなくなるものでした。後年ザリガニ獲りの帰りに落っことして割ってしまいました。

 このとき、田んぼに素足で入っていってヒルの襲撃を受けたと母親から聞きました。ヒルの恐怖はまったく覚えていませんが、カエルという面白い生き物と生き物を捕獲する快感についてはすっかり脳にすり込まれたようです。

 その後、家に帰るために母親の自転車の後ろの子供シートに乗せられて帰りました。

 当時、自家用車は金持ちの家ぐらいにしか無くて我が家にも車はなく、お出かけするときには母か父の自転車の後ろに乗せてもらっていたのも思い出深いです。自転車の後ろでは寝るなといわれていたのによく寝てました。幸い一度も落ちていません。寝るなといわれる状況で寝ると気持ちいい、ということも脳にすり込まれたのかもしれません。

 会議で寝ると何であんなに気持ちいいんでしょう。

 

・裏の用水路のカエル釣り

 幼稚園に上がる頃我が家は引っ越しして、引っ越し先の家の裏には小さな水路が流れていました。農業用水と下水が一緒になったようなあまり綺麗ではない水路でしたが、護岸されてしまうまでは、フナ、メダカがたくさんいて、土手には草が茂りカエルがゲコゲコうるさいぐらい沢山いました。ときにそれを狙っておっきなアオダイショウがとぐろを巻いたりしてました。

 川の両側は土手がちょっとあって、その先は片側は住宅地、もう片方は柿畑になっていて川は低い位置を流れていて川辺に出るにはちょっと高さのあるコンクリートの塀を降りる必要がありました。

 ただ、塀の上からは土手にいるカエルが丸見えの状態で、誰に教えられたのか自分で考えたのか記憶がないのですが、これを釣って遊ぶのに一時期夢中になりました。

 仕掛けは簡単。裁縫道具から持ち出した縫い糸にハリを結んで(註2)、餌の代わりにそこら辺の葉っぱをちぎったものを付けて、直接糸を持ってしかけを垂らし、カエルの目の前で揺すって誘うと、飛びついてきてフッキングするというなかなかエキサイティングな釣りでした。

 ハリが舌にかかったりするといかにも痛そうに手足を使って口からハリを掻き出そうとするのがかわいそうではありました。

 カエルの種類はトノサマガエルがメインで、その他に当時触るとイボができると噂のあったイボイボの背中のツチガエルも釣れました。

 釣ってどうするというわけでもなく逃がしていましたが、ともかく釣るのが楽しかったのだと思います。

 こう考えると、私の釣りの原点はフナ釣りより先にカエル釣りがあったのかもしれません。しかも最初からルアー使ってます。

 

・窓のアマガエル

 カエルのイラストではその色はきまって緑色です。でも実際には蛙の多くはヒキガエルのような茶色系やトノサマガエルのように緑に黒の斑点だったりして、イラストのような緑の蛙というのは日本では、アマガエルとシュレーゲルアオガエルぐらいです。

カエル(カエルのイラスト例:ナマジ画)

 ルアーのカラーの世界でもカエル模様は緑か茶色に黒の斑点で表現されます。

 でも、イラストでカエルを表すときにはアマガエルのかわいらしさのイメージに強く影響されるのでカエルというと緑になるのではないかと思います。

 実家の近くには水田が多く、各種のカエルがそこで繁殖し、我が家の庭にも上陸後のアマガエルが沢山やってきて住んでいました。

 アマガエルは皮膚に弱い毒があり、そのせいか人をあまり恐れないようで、他のカエルのように人の気配を感じるとすぐに飛んで逃げるというようなことはなく、人が近くにいても結構平気です。そのあたりも親しみやすくかわいらしく感じる要因かもしれません。

 雨の日以外は昼は庭の植物の葉っぱや日陰のブロック塀の角にへばりついたりしていますが、夜になるとピョコピョコと餌を探して出歩きます。(註3)

 大学受験のころ、夜遅くまで電気を付けて一応勉強しているよな格好をつけていると、窓には虫が飛んできて、それを狙ってアマガエルがやってきます。

 アマガエルの指先は吸盤になっていて窓の垂直面でも舌を出すとともに器用にピョンと跳ねて虫を捕らえます。良く落ちないものだなと感心しつつ、長い時間飽きずにカエルのお腹を眺めていました。

 カエルなど眺めておらずに勉学に励んでおれば、今頃もっとご立派な人間になっていたかもしれませんが、私は立派な人間になる人生よりもカエルを眺めてすごす人生の方が気にいっています。

 

・悪夢のカッパ

 大学生のころ怖い夢を見ました。

 釣り人のくせに水や水中の生き物に対する潜在的な恐怖心があるのでしょうか、それとも単なる欲求不満なのか、私の見る怖い夢のパターンとして水中から恐ろしい生き物が現れるというものがあります。(註4)

 その中でも極めつけで、今でも憶えているのがカッパの夢です。

 カッパといいましたが、実際には(夢の中ですが)頭の皿も甲羅もくちばしも無いのでカッパといってよいのか不明ですが、1m強の大きさで水の中から出てきて直立し、水かきがあるその姿を見たときに(夢の中ですが)、「これがカッパという生き物か!」と思わずにいられませんでした。

 カッパというとちょっとユーモラスなイメージもあると思いますが、私の夢の中に出てきた生き物はそんなカワイイしろものではありませんでした。

 顔が凶暴だとか、毒を吐くだとかそういう単純な不気味さではありません、ものすごく細部がリアルで本物の生き物の特徴を持っているのに、他に似た形状の生き物が思いつかない、実際にはあり得ない姿形を持つその生き物。

 体型は手足のひょろ長い人間をちょっと前屈みにして首をなくしたようなというか、カエルをやや細くして直立させて手を細長く伸ばして、足を人間ぽい直立状態にしたような感じ。

 そういう、およそ水の中で生きていく生物にあり得ない体型のくせに、皮膚は完全に両生類の皮膚で、ちょっと乾き始めてみずみずしさを失いかけている感じとか、茶色に黒っぽい斑が入る感じとかまったくウシガエルの皮膚と同質で、まさに悪夢としかいえない不気味さを醸し出していました。

 今時の特撮技術を使って再現して皆様にお見せしてあげたいぐらい怖かったです。まあ私の心の中の恐怖なので他人にとって怖いかどうかはわかりませんが。

 聞くところによると夢は白黒で見る人も多いそうですが、私はいつもフルカラーで見ているので、皮膚の細かな質感、色彩の細かいところまでも認識することができ、そこに本物の生物を感じたことが、「カッパ」に強烈なリアリティーを感じ恐怖した原因ではないかと思っています。

 

・九州ウシコ

 九州在住時、宿舎のお風呂は風呂桶の下にスペースがあってあふれた水が流れるスペースになっている古いタイプでした。

 この風呂の下のスペース。洗い場より低くなっていることもあり、モップなどを突っ込もうにも風呂桶が邪魔で掃除がものすごくしにくく、湯垢や同居人が美容のためにお湯に溶かしたヌカなどがきれいに流れきらず、気がつけばゴキブリの巣窟と化していました。

 風呂の準備をしようと風呂のドアを開けるたびに、洗い場やら壁から数匹のゴキブリが風呂桶の下に逃げ込むような状況でどうにかせねばならんと思いました。

 バルサン炊いても良かったのですが、どうせ外からも入ってくるので定期的に炊かないと意味がないので面倒です。

 そこで生物兵器として投入したのがウシガエルでした。一度導入してしまえば後は自動で生きている限りゴキブリどもが侵入しても捕食・撃退してくれるはずです。

 ライギョ釣りしていてフロッグ(ルアーの)でブルフロッグ(ウシガエル)が釣れる場所は見つけていたので、菱藻の繁茂する池から我が家にお越しいただきました。ウシガエルに限らずカエルは首らしき部分が見あたらない体型で首だけを回すということはできません。なのでフロッグを動かすと、付近のウシガエルが一斉にクルッと体ごとフロッグの方を向くのが面白いです。まあかけてしまえば大して引かずにもがいているだけなのでかわいそうな感じがするのですが。

 風呂場に放すとさっそく風呂桶の下に潜り込んで行きました。確実に食っているらしく日に日にゴキブリは居なくなり、カエルのウンコには未消化のゴキの足とかが見て取れます。

 風呂場のゴキブリがいなくなる頃には、愛着も湧き、鳴かないことからメスだろうということで「ウシコ」と名付け、排水口の上に蓋がしてあるスペースが定位置だったので、台所で叩いたゴキブリをあげたりしてかわいがっておりました。オスでボーボー鳴き始めたら速攻で池に返す予定でした。ゴキブリをあげると体ごとのしかかるように飛びついてきて「ベフッ」という独特の捕食音を響かせてくれました。

ウシコの脚(ウシコの定位置)

 風呂にはいるとき最初お湯がかかっても大丈夫かとか、石けんの泡とか体に悪くないかとか心配していましたが、入浴中はあまりお湯が流れてこない奥の方に移動して特に問題なくすごしていました。たまに洗い場の方に出てきていて、ドアを開けて目が合うとあわてて風呂桶の下に逃げ込んでました。結構シャイな性格でした。

 とまあ、最初はひと仕事してもらおうというビジネスライクな関係でしたが、情も移りすっかりペットとなっていったのですが、一夏すごした頃に私が東京に転勤になりました。

 東京の宿舎に飼うスペースがあるかどうかも不安なので網で捕まえて釣った池に戻しに行きました。夕方池の畔でプラケースから出してあげると一目散に池に帰っていきました。私と同居人はちょっと寂しい気持ちで池を見ていました。すこし離れた位置でウシコの目が青く光っていました。(註5)

ウシコ(さよならウシコ)

 

・日比谷ガマ吉

 今住んでいる東京の宿舎には小さいけれどベランダがあります。そのベランダは独立していて、隣の部屋のベランダとはつながっておらず、金属の枠とかではなくコンクリートで囲まれています。

 このベランダなら、カメなどの高いところに登る能力のない生き物は放し飼いで飼うことができます。学生の頃、研究室でヒキガエルを飼っていてなかなか面白い生き物だったのでヒキガエルを飼うことに決めました。(註6)

 引っ越してきて最初の冬、2月の終わり頃の暖かくなった日の夜に日比谷公園につかまえに行きました。この時期、ヒキガエルは冬眠から一旦目覚め池に集まって「カエル合戦」とよばれる産卵行動を行います。

 今夜はカエル合戦やってるかなとやや心配しながら公園に入っていくと、心配無用グッグッグッグッという感じのラブコールがあちこちから聞こえてきます。かなりの数が居るようです。池に到着する前から小径の脇あたりでメスに乗っかろうと数匹のオスが組んずほぐれつしている固まりが落ちています。単独で歩き回っているのもチラホラいて、カップルがビビっています。

 池では大量のカエルの固まりが浮きつ沈みつまさにカエル合戦の様相を呈しています。

 私は陸地でガマ合戦している集団でメスに乗れずにあぶれているような小型のオスを探してつかまえました。何年か育てて大きくしてから逃がしてガマ合戦に勝たせてやろうという計画です。

 持ち帰ってベランダに放したところ、翌日から姿が見えなくなりカラスにでも食べられたかと心配しましたが、自分でかってにプランターによじ登って土にもぐって冬眠の続きをしていたようで、春になったら出てきました。

ガマキチ

 ヒキガエルも毒を持っている種なのでか人をあまりおそれません。有毒といってもよっぽどのことがないと大量の毒は出さないようで触った後に手を洗っておけば大丈夫な程度です。つかまえるといやがりますが、地面に置いてやるとすぐに落ち着いて餌をやればすぐ食べ始めます。

 最初ダンゴムシとかをあげていましたが、魚食魚用のペレットをアイスクリームのスプーンに乗せて目の前で振ってやっても食べるのでもっぱらペレットですませていました。

 ヒキガエルの補食は見事としかいいようのない早業で、他のカエルが体ごと飛びつくように食べるのと違い、餌を見つけて接近すると、ちょっと口が開いたと思うと「ペチッ」というような音がして餌が消えます。餌やりは非常に面白いので、夜になってプランターの土の中から出てきてベランダの窓越しにノシノシ歩いているのが見えると私も同居人も窓を開けて餌やりを楽しみました。ガマ吉と名付けました。

ベランダのガマキチ(夜の散歩)

 プランターのヨトウムシなども食べてくれる番ガエルとしての役目も期待してましたが、あまりその役には立たずプランターの植物は結構食われてました。葉っぱにいる虫を捕まえて目の前に持っていくと喜んで食べていました。また、死にかけのアブラゼミがベランダにいたので、近くに置いてやると結構でかいのに丸飲みして、腹の中からジージー蝉が鳴くのが聞こえて笑えました。

 一冬越えて、昨年の夏、ものすごい酷暑でガマ吉も夏バテ気味、餌もあまり食べないのですがその前の夏も暑い時期は土にもぐって夏眠状態だったので、特に気にしてませんでした。しかし、今思うともぐらずに土の上にいたということは土の中まで温度が上がってしまっていたのかもしれません。

 ある日釣りから帰ってくると、プランターからおりてコンクリの上で小さくなるようにして死んでいました。

 ペットを過剰にかわいがって、服着させたり、死んだらペット霊園に墓作ったりしているのをテレビとかで見るたびに「バカじゃねーのか?」と思っておりましたが、ちょっと気持ちがわかりました。名前付けて一緒に住んでいた生き物が死んでしまうというのはつらいものです。予想外でしたが涙がドバドバ出てきて止まりませんでした。

 もっと大きな容器に土を入れて充分夏眠ができるようにしてやれば良かったとか、そもそも連れてこなければ良かったとか後悔の念も湧きました。同居人と宿舎の敷地内に埋めて墓を作りました。それ以来、魚もカエルも増やさず今居るのが死んだらペット飼うのはやめようと思っています。

 ガマ吉の冥福を祈ります。

 

・ヌマ子

 今我が家にいる唯一のカエルで、九州時代から飼っているのでもう5年目ぐらいにはなります。鳴かないので一応メスと判断しています。

 名前はヌマ子、ヌマガエルです。

 加温している熱帯魚の水槽に浮かべた「亀アイランド」という商品名の浮体の上が定位置で冬眠させずに飼っています。

亀アイランド(定位置のヌマコ)

 寿命がどのくらいかわかりませんが、ちょっと肌がたるみ始めだいぶ婆さんぽくなってきています。まだまだ長生きしてくれるように祈ってます。

 最初は飼っていたインド産のレインボースネークヘッドと呼ばれる小型ライギョの餌にと尻尾のまだ生えているような状態でつかまえてきて水槽に入れてました。(註7)何匹かは食われたのですが、1匹生き残って水槽内の植物が植えてある鉢の上に乗っかっていました。あまり人間を警戒していないようで魚に餌をやろうと水槽の前に立っても驚いて水に飛び込んだりしないので、試しに針金の先にペレットを付けて目の前で振ってやったら喜んで食べたので、急に可愛くなってしまいました。生け贄の身分から晴れてペットとなり、捕食魚の居ない水槽に移動になりました。

 普通この手の毒もない水辺に住んでいるカエルは警戒心が強くて、人の気配を感じるとすぐに水に飛び込んだり水槽から飛び出そうとして鼻先を打ち付けたりして、人工飼料に餌付かせるのは難しいのですが、コイツはあまり人見知りせず人工飼料もよく食べますし、亀アイランドに叩いたゴキブリ(小)やプランターの野菜に付いた虫を落としてやるとすぐに喜んで食べます。

 家にカワイイカエルがいると和みます。長生きしてくれと切に願います。

後ろ姿

 

 

 以上、私とカエルについてのあれこれを書いてみました。

 これからも、水辺に行けばカエルがいるような環境を残していかなければいけないと考えています。

 今年は「国際カエル年」。

 

 

(註1)身長171センチたいして背は高くないです。

 

(註2)当時ハリをどうやって入手して、どうやって結んだのかが記憶にない。

 

(註3)ブロック塀にいるヤツなどは灰色のちょっと斑の体色に変化しています。カメレオンやタコのように素早く色が変わるわけではなかったですが、数時間で周りの色に合わせて色変わりできます。夏休みの自由研究で色変わりの観察をやった覚えがあります。

 洗濯物干し用のポールの穴に棲んでいるヤツが居て、そいつが灰色だったことも思い出されます。

 

(註4)ヘドロっぽい運河から現れた日本髪を結った人魚なんてのもありました。

 夢ででかい魚を釣って「みんなに自慢しよう!」と思ったのに目が覚めて夢だとわかるとちょっと哀しい。

 

(註5)当時はまだウシガエルが特定外来生物に指定される前でした。したがってルール上は飼うのもリリースもOKでした。

 ちなみに、もと居たところに返すことについては特に分布域を拡大させるわけでもないので倫理的にも問題ないと思いますが、うるさいことをいう人間は病気の持ち込み等の問題もあるので飼育していた生き物は取った場所でも返さないようにとか言ってます。しかし、そんなもん飼育水普通に下水から流しているし、人間消毒していない靴はいて移動してるし細かいことグダグダ言いすぎだと思います。まあ、それもツボカビ日本上陸以降は話が違ってカエルは野外に放さない方が賢明だとは思います。

 ウシガエルの目が青く光るのを見るとさすがは北米産と思ってしまいます。アメリカではカエルも青い瞳。アメリカは関係ないのかな?

 

(註6)関東のヒキガエルはアズマヒキガエルという種ですが、都市部の公園にいるのは関東でも人為的に持ち込まれたヒキガエルのことが多いとか。外見からの見分けは鼓膜の大きさで見分けるようですが、微妙な違いなので正直わかりませんでした。日比谷公園のはヒキガエルのような気がしていますがいまいち自信がありません。

 

(註7)ペットに生きた餌を与えるのが残酷という意見もよく耳にしますが、もちろん残酷だと思います。でも、生きていくということは他の生き物を食べたり、利用したり、駆逐したりしていかなければいけない元々残酷な営みであり、なにを今更「ネコはニャーと鳴く」レベルの当たり前のことをわざわざいわなければならないのか疑問です。

 餌金と呼ばれる金魚だって名前付けて餌やって育てれば情も湧くし餌にするなどもってのほかと思うでしょう。

 残酷と感じるかどうかは人それぞれケースバイケースで「絶対」のない世界だと思います。

 動物実験なしでは実用化できなかったであろう医薬品とかの世話にならざるを得ない人間が動物実験を残酷だとして廃止を求めることの矛盾と偽善。

 

(2008.9)

 

○08年10月12日のブログから転載

「珍客」 

 カジカガエルの飼育を始めました。

カジカ

 雑文でペットについて、昨年ヒキガエルに死なれたのがショックでもうペットは増やさない、今居るのが死んだらおしまいと書いたそばからナンですが、飼い始めたものは仕方ない。できる限り力を尽くしてみましょう。

 先週、釣りから帰ってきたとき、玄関先の階段下に荷物を置いて何度かに分けて部屋に運び込んでいました。
 ふと、階段に目をとめるとなぜかカエルが。指先に吸盤のあるグレーのカエル。えらいでっかいアマガエルだなあと思いつつ、荷物運びを続けていましたが、公園のそばとはいえそもそも東京の街中にアマガエルが居るのか?アマガエルにしてはデカイのでペットの外国産の種が逃げてきた可能性もある、その場合、カエルツボカビの件もあるし保護するなりなんなりしないとまずいだろうということで、再度じっとそのカエルを観察してみました。

 まずアマガエルの特徴であるほほの黒いラインがありません。アマガエルではないことは明らかです。
 模様のパターンと皮膚の感じからいって、モリアオガエルでもシュレーゲルアオガエルでもありません。
 どうも見たことのあるカエルに似ているのですが、それは東京の街中に最も似合わないカエルです。しかし、平べったい形と良いマダラにグレーになった皮膚の感じといい、カジカガエルにみえます。しかもカジカとしては大きいことからいってあまり川でも見かけないメス。
 外国産の種にせよ、カジカガエルにせよとりあえず天然分布は有りえないので捕まえてプラケースに保護。脱走したペットかな?
 カエル図鑑で調べると、頭部の斑紋のパターンなどからいってカジカガエルで正解のようです。

 カジカガエルは渓流で釣りしていると、足下から逃げていくのをよく見かけます。魚が少ないわりと小規模な支流の浅くなっているようなところに多い気がします。
 いずれにせよ、割と綺麗な川に棲んでいるイメージで、鳴き声が美しいので昔はカジカ籠と呼ばれる鳥かごをお盆に乗っけたような飼育器具を使って鳴き声を楽しんだようです。鳴き声はフィフィフィフィフィーと聞きなされる、ちょっとヒグラシにも似たメロディーをもつ声で、聞けば川遊びをしたことがある人なら、あああれがそうなのかと思い当たるぐらい生息地では良く耳にする鳴き声です。鳴き声はカエルのサイトで良く紹介されているので検索して聞いてみてください。

 とりあえず、使ってなかったプラケースに浅く水を張り、流木と石で陸地を作り、観葉植物の葉っぱなんかも配して飼育を開始しました。

 当面の問題は餌食ってくれるかどうかでしたが、熱帯魚屋でせっかく買ってきた餌用コオロギを無視して、宿舎の草むらで取ってきたクモだのダンゴムシだのを食っています。
 餌に関しては、できればハシから食うことを条件付けて人工飼料も食うようにしておくと楽ですので試みてはいますが、まあ最近は生き餌の昆虫も各種養殖されていてネット通販でも手にはいるので虫が手に入らない時期の苦労は実質無くなっているのでよしとしましょう。ダンゴムシは売ってませんがワラジムシなら普通に売ってたりします。とりあえず餌の問題はクリアです。

 次に考えなければならないのが最大の問題である「東京のクソ暑い夏対策」です。
 涼しい渓流に住むようなカエルが、昼間35度近くなる閉め切った部屋の高温に耐えられるとは思えません。部屋にクーラー付けっ放しが一番簡単ですが、私も同居人もクーラー嫌いで今年も急激に暑くなったときに2回使っただけという状態なので、カエルのためだけにクーラー使うということになると飼育ケースを置いた部屋が使えなくなりかねませんし、エアコン使うとヒートアイランド現象が加速しそうで心理的な抵抗もあります。

 ネットで飼い方をいろいろ調べていると、どうもカジカ籠は理にかなっていて、現代でも夏カジカガエルを飼うには適しているようで、九州で夏にカジカ籠で鳴き声を楽しんでいるというような記事も見つけました。
 現代版カジカ籠は、プラスチック製のザルやケースを、水を張って石などを配した浅いバットに伏せるというもので、風通りが良く、水が蒸発するとき気化熱が奪われるので、日陰で空気の流れのあるところに置けば飼育ケース内の温度がある程度低く保てるようです。

 当面はプラケースで室内飼育して、暑くなったら日曜大工でカジカ籠を作ることにします。
 残念ながらメスなので鳴き声は期待できませんが、うまく夏が越せるようなら婿取りしてもいいかもしれません。ちなみにカジカガエルもたまに売ってます。
 できれば生息地の個体数へのダメージが少ないように繁殖させた個体を買いたいところ。

 ペットが居なくなった悲しみを癒す一番の方法は、新しいペットを飼うことだそうですが、今なるほどと納得しています。

 名前は「カジカ子」では長いので「カジ子」としました。

 

(2008.10)

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