○ナ行 −ナマジの釣魚大全−

 

○ナイルテラピア

 イズミダイとかいって、温泉地あたりで養殖されて食べられていたようですが、最近日本では食べられているのをあまり目にしません。謎の白身魚として密かに出回っているのかもしれませんが。

 とある火力発電所の温排水が流れる溝で大量に繁殖しているのをフライで釣ったことがあります。なかなかの引きで楽しませてくれました。

 一度その場で絞めて持ち帰り食べたのですが、エライ目に合いました。

 捌いている間からややドブ臭い匂いがしていたのですが、煮たところ鍋から異臭が漂いちょっとつまんでみましたが、とても食える匂いではなかったです。

 捌くと内臓がグルグルと長く植物食性が強いことに気がつきますが、奴らの主食は藻類などでドブのような場所ではその場の泥ごと食っていることが想像できます。そのためかものすごい匂いになっていました。ちゃんと綺麗な水で養殖したものはタイのような味らしいのですが。

 タイといっても国名のほうのタイではプラー・ニンと呼ばれていますが、これは明仁天皇から同国に送られたことから、プラー=魚、ニン=仁となったらしいです。移入種だけど現地では重要な食用魚となっています。外来種=害魚とは単純にはいえないというところ。ブルーギルでは陛下には残念な状況になっていますが、当時の有用な魚種を積極的に導入しようという考え方が間違いだったとは当方思えないのである。

 

○ナヌカザメ

 このサメがハリにかかって海底から上がってきたときには、いったい何がかかっているのか頭が混乱しました。ラグビーボール状の茶色まだらの物体から花びらのようなモノが生えている。深いところに棲むアメフラシかなんかの仲間かとも思いました。

 上げてみると、ラグビーボール状に見えたのは海水を飲み込んで膨らんでいる上にとぐろを巻いていたからで、花びらのように見えたのは各種ヒレでした。そのまま船上でもとぐろを巻いたままの体制で口を開けて威嚇してくるというなかなか迫力のある不気味な容姿にこちらは大喜びしてしまいました。こんな面白いサメがいたなんて。

 名前も陸に上げても7日は生きているという化け物じみた話が由来とか。

 2人暮らしの我が家では食いきれないサイズだったこともあり迷わずリリースしましたが、後で調べてみるとどうもこのサメは旨いらしく、志摩地方で「ネコザメ」の湯引きという郷土料理があるのですが、このネコザメは標準和名のネコザメの時もあるようですが、ナヌカザメを指す地方名のようで、湯引きにはネコザメ(ナヌカザメ)が一番とのことです。次に会う機会があれば是非食べてみたいものです。

 

 

○ナマズ

 当方が一番好きな生き物。それはナマズです。ヌルッとした顔と大きなお口とつぶらな瞳にニョロニョロしたヒゲがいかしていると思います。

 釣りに関しては、ナイトゲームでのジッターバグなどノイジー系のルアーを使った釣りが面白く、バホッとかジュボッとかいう派手な捕食音を響かせて食ってきます。がしかしなかなかフッキングせずバイト数の2,3割もフッキングすれば上出来です。

 おそらく、彼らはヒゲに何かが触ったら反射的にその辺の水ごと適当に吸い込んでしまうという捕食行動を取っているので、ラインに引っ張られているルアーは吸い込まれにくいのではないかと想像しています。

 しかし、けっこう繰り返し食ってくるので、一度あたりがあったところはしつこく狙うと良かったりします。

 産卵は田んぼや支流に上がって、水草等に産みます。卵の色は緑色だとか。従って護岸されてしまった川や田んぼが整備されて上れなくなってしまうと数を減らしてしまいます。最近では、田んぼに魚たちが上がれるようにするための「水田魚道」というものもあるようで、水田の生物多様性に寄与する能力が評価されつつあります。小規模なものらしいのでドンドン作って設置して欲しいものです。そしていつまでも水辺にナマズがいて欲しいものです。

 

○ニゴイ

 一時期、釣り仲間の先輩方が夏場の河口干潟でのニゴイ釣りに燃えていました。潮と地形を読んで黒いネズミっぽい小さなフライで底を引く。

 当方も参加しましたが、イマイチフライの腕が足りずに苦戦した想い出があります。

 台風だので釣り場の地形が変わってしまい自然消滅的に足が遠のいています。

 

 

 

 

○ニシン

 東北でサビキでイワシやチカを狙っていると、ちょっと変な顔をしたマイワシのようなのが釣れてくることがあります。ニシンの稚魚です。

 サビキでニシンも釣れるんだなと思っていたところ、ネットで調べると釣れるどころか北海道では人気の釣りモノで、サビキをしゃくり続ける電動竿立てなるものまであるとか。

 正直、西日本の人間にはニシンといっても馴染みがないのですが、北の方の人にとっては血が熱くなる魚種のようです。

 ニシン来たかと潮時問えば〜わたしゃ立つ鳥 波に聞けチョイ

 

○ニジハタ

 南の島の珊瑚礁で釣れてくる赤いハタ系の魚は何種類かいますが、浅い礁湖などでよく釣れてくる比較的小型のハタがこのニジハタ。シッポに2本の白いラインが入るので他の似たような魚との判別は簡単です。

 カンモンハタに混じってこの目にも鮮やかな赤い魚が釣れてくると、南国ムードも高まるというものです。

 

 

○ニジマス

 管理釣り場では一番馴染みの魚種でしょう。釣り堀で釣っていると良く跳ねる魚だなあというぐらいの感想ですが、野生の魚はかなりスピードとダッシュ力もある魚です。はじめてNZで野生のニジマスをかけたときには、最初のダッシュからしばらく止まらずに吹っ飛んでいく様に驚いたものです。

 養魚場の下の川で野良ニジマスを狙ったことがありますが、これも野生化していてけっこう楽しませてくれました。

 世界中で養殖されていて、養殖向けの品種などもいて、日本の渓流で放流しても増えていかないのはそもそも養殖されている品種は子孫を残す能力がないのではないかともいわれていましたが、どうもそれは間違いで、日本では多くの場合、釣りきられてしまうので増えないらしいということがいわれています。禁漁区に放すとちゃんと繁殖して増えるとか。北海道でも繁殖しているようで、野生のニジマスの素晴らしさを思うとうらやましい限り。

 ちなみに当方、管理釣り場のニジマス釣りは苦手意識があります。魚すれてるしけっこう難しい釣りだと思います。

 

 

○ニセクロホシフエダイ

 幼魚しか釣ったことが無く、しかも似たような仲間にクロホシフエダイ、イッテンフエダイなどがありますが、ネット上の写真を沢山見て目が慣れてくると、当方の釣ったのはニセクロホシフエダイと確信が持てます。南の島の港のスロープ付近や河口あたりで釣れてきます。とりあえず「フエダイ系」ということで写真を撮っておいてあとで、同定したりしています。

 

○ニッポンバラタナゴ

 絶滅が危惧され既に生息地は関西・四国の一部と九州北部で、生息環境の悪化やタイリクバラタナゴとの交雑、置換により風前の灯火といって良い状況。

 当方、九州北部でそれらしき個体を釣ったときには、たかだか3センチ程度の魚を前に狂喜乱舞しました。現在ではそれほどまでに貴重な魚となってしまっています。

 ただ、ニッポンバラタナゴのことを考えていくと、生物多様性というものの考え方の難しさに突き当たらざるを得ません。

 ニッポンバラタナゴが絶滅することはかけがえのない1種の魚が永遠に失われることですが、だからといってそれが我々の生活に直接不利益を生じさせるのでしょうか。

 生息環境の悪化は結局人間にとっても不利益を生じさせる要素を含んでいるという説明は納得しやすいとは思いますが、ニッポンバラタナゴの場合、ことは単純ではなくタイリクバラタナゴとの競合、置換により生息環境自体は良く保存されたとしても絶滅の危機は依然として低くならないのである。そういった状況で、ニッポンバラタナゴをタイリクバラタナゴが駆逐した場合、果たして我々は何を失うのでしょうか、確実に失うニッポンバラタナゴという種そのものにどんな意味があるというのでしょうか、単なる生態学的な位置づけの問題なら誤差の範囲でタイリクバラタナゴが補完してしまうでしょう。

 生物多様性の究極的な命題である、現存する1種1種がかけがえもなく貴重という考え方は、失えば取り返しがつかないということで何となく理解できそうな気がするのですが、具体的に考えてみるとしっくり来ないことに気がつきます。代わりがいるなら問題ないのではないか?とさえ思えてきて混乱を招きます。

 多摩川で発見されたメダカが西日本型だったという事案では、西日本型のメダカがいることを問題視する意見も大きかった。しかし、ごく普通の感覚だと思いますが西日本型だろうとメダカがいる環境こそが重要でそれが戻ってきたことは喜ばしいという意見もありました。

 本来あるべき姿をガチガチに求める姿には私は違和感を覚える方です。

 そういう感じ方、位置取りで考えていると、生物多様性というものをどうとらえていけばよいのかという問題は「全ての種を元あったとおりに」といった単純なものではなくなってしまいます。

 とりあえずは、人間のために最も有益な「生物多様性」というものが、人間が求めるべきものなのではないかとは思いますが、「生物多様性」についてはその辺の哲学的な部分の土台がしっかりしていないところもイマイチ一般的な理解が進まない要因ではないかと感じています。

 

 

○ヌマチチブ

 川でのハゼ釣りや小物釣りの時によく釣れてきます。いわゆるダボハゼですね。チチブとの区別がイマイチついていませんが、淡水域で釣れた場合、ヌマチチブかなと思っています。陛下にお伺いすればよくご存知のはずです。

 黒っぽくて大きな口と伸びた背鰭がオスの特徴で、割とユーモラスな顔をしております。釣れてくると楽しい魚の一つ。

 

○ヌマムツ

 カワムツと昔は同種とされていたが、カワムツよりやや下流域、止水域に棲むようです。見た目では胸びれと腹びれの端がオレンジ色になるので区別がつきます。

 川での小物釣りではおなじみの魚。

 しかし、小型の個体だと特徴が出ていないのでカワムツ、ヌマムツ、オイカワを同定するのは超難問。まあどうしても同定する必要がなければ、大雑把に「ハイジャコ」と認識しておけばよろしいかと。

 

 

○ネンブツダイ

 子供の頃、父方の田舎にお盆になると遊びに行っていました。港町で、朝漁師さんが船で港に帰ってくる頃に待ち受けていると、いらない魚を選別して捨てているのに出くわします。その捨てている魚をもらってちぎって魚釣りの餌にしていました。

 ネンブツダイは、捨てられる魚の代表格でだいたいいつも手に入りました。食べられるほど大きくないので、釣りの世界でも「外道」として嫌われ気味ですが、オレンジ色の綺麗な色やオスが卵を口で孵化させる生態などから水族館などでは人気の魚です。

 

 

 

 

(2010.10,12) 

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