○水槽の住人  飼育のメモ

 

○60センチメイン水槽

60水槽やや上方から60斜め左から(H23.6)

 60センチ水槽には魚はコウタイ1匹。コウタイはかなりけんかっ早い魚で単独飼育が基本。体型の違う魚をある程度の数入れれば混永も可能かもしれないが、60センチ水槽ではせまっ苦しくなるのでやっていない。コウタイ1匹で充分存在感がある。目が合うと威嚇してきたり、体をくねらせて「餌くれダンス」を披露したりと見ていて飽きない。魚というよりは犬、猫のような小動物を飼っている気分である。水槽に入れた手や掃除用のポンプにさえバコッと食いついてくるが、動かない魚には興味を示さないようで以前はスポッテッドトーキングキャットフィッシュも同居させていたが、餌を与えると即座にコウタイが食べてしまうためキャットフィッシュの方は餌が食べられなかった。そのうち腹が減れば暗くなってから餌を求めて動き出すだろう、そのときにコウタイに食われないように気をつけて給餌すればいいやと考えていたが、半年ほど全く植木鉢の下から動かず。仕方ないのでサブ水槽の方に移して餌をとられないようにしたらふつうに餌を食い始めた。

 濾過はメインは底面フィルターで水中ポンプに接続。底砂はセラミック系の濾材でphや硬度に影響がないモノを選んでいるが色が白なのはいまいち、茶色とかもっと薄暗いジャングルっぽい雰囲気の色の方が良かった。水中ポンプから枝分かれしたチューブで水上部分の流木や植木鉢に水を流している。植木鉢のなかには、大きめの焼き赤玉土のようなセラミック系の濾材が入っていてサブの濾過槽となっている。

 植物は、水中部分は底砂をコウタイが掘るので流木などに活着させたモノしか使えない。かつ水中で植物を育てるには底砂への肥料の添加や光量や二酸化炭素なども考慮に入れなければならないのだが、意外にめんどくさい。底面濾過の場合底砂に肥料を添加するのに向かないし、水上部分に植物が茂っていると水中は光量が少なくなる。割り切って基本的に植物は水上部分で育てている。水槽の下半分くらいに水量を抑え、サブ濾過槽にもなっている植木鉢2つにアヌビアスナナとポトスを植え、枠でつり下げた流木にウィローモス(コケの一種)を活着させている。根に常に養分を含んだ水流があたり、空気中から十分な二酸化炭素が利用できるので植物の成長は早い。

 掃除は一月に1回程度、底砂を水くみポンプについたクリーナーで掃除しつつバケツ1杯分の水を替えている。水道水にテトラのカルキ抜きを入れて使用し水質の調整は特に行っていない。水温はコウタイは室内なら加温なしで大丈夫なのだが、サーモスタットの設定の最低温度が25度ぐらいなので冬はそのくらい。夏場は室温が30度を超えると水中ポンプ自身も熱を持つこともあって35度くらいまで上がっている。水槽のふたを夏はガラスから金網に換えて熱がこもらないようには工夫しているが、暑さに強い魚でないと茹だりそう。

 

・コウタイ(H21.5〜)

 ライギョの仲間で、中国や台湾に生息する。現地では観賞用のほかに食用や薬用にもなっている様子。日本にも帰化していたようで石垣島や大阪に分布となっているが、現在では沖縄本島に少しいるだけのようである。体調は最大40センチ程度。通常水槽内では30センチいかない程度と聞いている。

 以前にも、ライギョの仲間のレインボースネークヘッドを飼っていたが、これも良く慣れて餌を食わせるのが面白かったし、行動もジャンプしたり水面下で漂ったりとライギョっぽくて気に入っていた。5年ほど飼って、寿命だったのかだんだんとヨボヨボとした感じになり、鰭や皮膚もたるんだ感じのいかにも老成個体というかんじになり、餌もあまり食べなくなり死んでしまった。死なれると悲しいのでもう新しいのは飼わないでおこうと思ったけど、しばらくしたら水槽が寂しいような気がしてまたライギョ系の魚が飼いたくなった。60センチの水槽で飼えるサイズと、茶系の渋い体色にキラキラ光る白色のスポットという落ち着いたルックス、ものすごいアグレッシブで餌食いがよくけんかっ早いということを聞いてコウタイに決めた。

  噂どおり餌食いは良く、あげたらあげるだけ食うのでセーブしつつあげている。良く慣れて、水槽の前に行くとグネグネといわゆる「餌くれダンス」を踊って餌をねだってくる。手に持っている餌もジャンプして奪い取ろうとする。水上部分の植物にバッタとかをとまらせて観察すると、ジャンプして捕食するシーンがたのしめる。たまに植木鉢の上に飛び上がって歩いたりもする。

当初(H21.5)

 購入当時、15センチくらいか。すぐに餌を食べ始め手の掛からない魚だった。

2009.6.13(H21.6)

 水槽前に人が来ると、威嚇するか、餌くれダンス。

H23.6(H23.6)

h23.6(H23.6)

  2年ほどたって、体長は20センチ強にまで生長。メインの餌は配合飼料のキョーリンヒカリキャット。牛ハツや砂肝を小さく切ったモノ、刺身の切れ端などもよく食べる。引っ越し前の部屋にはゴキブリが良く出没したのでたたいて与えていた。動く餌には特に反応良くバコッと派手に吸い込んで水底でモグモグと頭を動かしながら食べる。レインボースネークヘッドと比較すると、より餌食いが良く、攻撃的で水槽の前の人間にえらぶたを広げて威嚇してきたりもする。ジャンプ力も強く。餌を落とす隙間の上にふたをしているのだが、ふたには重しを乗せておかないと簡単に吹っ飛ばす。病気も特に出ず、水替えを忘れていても結構平気。長生きさせたい。

 

○35センチサブ水槽

35センチサブ(H23.6)

  以前はいろいろと飼っていたが、現在はメインのヌマガエルが死んでしまい、アカヒレもボチボチと寿命なのか死んでしまって1匹のみ。土管の中か下にスポッテッドトーキングキャットフイッシュがいる。ちょっと寂しい状況なので、今後は睡蓮鉢で繁殖させたチョウセンブナをこちらに泳がせてみたいと考えている。繁殖うまくいくと良いのですが。

 植物は、以前ヌマガエルが乗っていた「亀アイランド」のせいで光量が限られ、弱光下で繁る藍藻っぽいコケが生えていて見苦しい状態。亀アイランドを撤去し、マツモっぽい水草を浮かべた。亀アイランドからガラス面にもウイローモスが伸びて活着していたのでそれは残して、流木に活着させたウイローモスも針金で左奥につるしている。水草が調子よく生長し始めればコケの成長は抑えられるのではないかと期待。

 濾過はテトラ社のスポンジフィルター。底砂は焼き赤玉土。掃除は月1回程度。底砂からゴミを吸い上げ、抜き出した水でスポンジフィルターをもみ洗い。水温はオートヒーターで最低28度くらい。最高はたぶん33度くらいか。

 

・スポッテッドトーキングキャットフィッシュ(H16?〜) 

 南米産の小型のナマズ。黒字に白のスポット。つかまえたりすると胸びれの骨をすりあわせてギーギー鳴く。20年くらい生きるとか。基本的に動かない。餌食うときだけ土管からちょっと動いてまた動かなくなる。餌食わなくても半年くらい特にやせる様子もなく平気だった。超省エネタイプの魚。

 h23.6水玉鳴鯰顔(H23.6)

 

・アカヒレ

 中国等に住むコイ科の魚。コップで飼える「コッピー」として売られていたりする。赤い鰭に体側の金のラインがきれい。丈夫で餌もよく食べ、お腹がぱんぱんになるまで食べる。値段も安い。

 

○河鹿カゴ(冬はプラケース)

カジカカゴ(H21.5)

 清流で美しい声で鳴いているイメージがあったので、都会のクソ暑い夏をどう過ごさせるか悩んだ。エアコンかけるわけにも行かないし。ネットで調べると河鹿カゴと呼ばれる水盆にカゴを伏せたような飼育器具で、風通し良く飼ってやれば夏もしのげるらしいとのことだったので、洗濯ネットと、植木鉢の受け皿で自作の河鹿カゴを作成。これで夏を乗り切ることができた。夏以外はふつうにプラケースで飼育している。流木や石、煉瓦などを配置しておくと、気に入った場所にいつも座っている。

 

・カジカガエル(H20.10〜) ♀で「カジ子」と呼んでいる。

当初横顔(H19.10.11飼育開始当初)

 玄関前に落ちているのを拾い飼育開始。当初はダンゴムシやクモ、ワラジムシなど動くものを食べていた。飼育当初から餌食いは良好。

餌を待つカジコ(H21.2)

 次にいつも同じ場所(上の写真の石の上)に餌を落として、そこに餌がくると認識させ、プラケースのふたを開けるとそちらを向くぐらいまで慣らした。そこで、針金の先を曲げたモノにコウタイにあげている人工飼料をはさみ目の前で揺すってやると食べるようになった。生き餌のストックはめんどくさいので人工飼料を食べるようになってくれて楽である。

定位置にて(H23.6)

 3回目の夏を迎えようとしている。お気に入りの場所はしめった煉瓦の上。今年はオスの入手、婿取りを計画している。

 

○H26/03/08現在

 現在の我が家のペットたちの状況など。

20140308

 60センチ水槽内トリミングがめんどくさく放置気味でジャングル状態だが、割とワイルドな感じとかポトスとアヌビアス・ナナの根っこが水中に垂れ下がるいかにも「水面下」ッポイ雰囲気とか悪くない気がする。

5年目コウタイ

 60センチ水槽の主であるコウタイは、サイズは20センチ強で成長がとまったけど、まだまだ食欲も旺盛で元気。普段はペレットの餌メインだが、釣ってきたハゼとかワカサギとかを与えると、食ってすぐに物陰に逃げ込んだりして異様にテンションがあがって面白い。5年目だがあと5年くらいは生きるのだろうか。長生きして欲しい。

サブ水槽

 サブ水槽は、水上部分曇っていて見にくいがウィローモスがぶら下げた流木と割り箸から繁茂し、水中はウォーターウィステリアがこれでもかと繁茂。こちらもめんどくさいのでトリミングしてないのでジャングル状態。外の睡蓮鉢から5匹ほどチョウセンブナを入れたのだが、ケンカしまくって1匹しか残らなかった。土管の中には10年選手のスポッテッドトーキングキャットが、あいかわらずほとんど動かず鎮座している。

 外の睡蓮鉢は2011年以降繁殖に手を出す余裕がなかったので、親魚達が10匹強残っているのだが、今年あたり繁殖させて次世代をつくっておかないと途絶えてしまいそう。1日2回のブラインシュリンプ給餌は時間的に難しいので、適当にプランクトン湧かせた水槽をベランダに用意して、そこに稚魚を放して生き残りを狙うという方向で行くか。

 カジカのカジコも息災で、お気に入りの煉瓦の上に鎮座していたり、寒いと流木の下に潜り込んでいたりという感じ。

 

○H26/08/03

 カジコ永眠。悲しい。5年間ありがとう。

 


2020年9月12日土曜日ブログ再掲

悲しみよおはようございます


 今朝、コウタイが水槽の底に腹を上にして沈んでいた。
 2009年の5月に購入して、今年で11歳と寿命が5〜10年とされるなか老齢で、ここ数年はヒレも再生しにくくなってて、老齢の淡水魚の典型だと思うけど所々破れ傘のようになってて、台風の時に血が滾ったのか暴れた後、餌を食ってくれなくなって、冒頭の写真の様に水草に頭をあずけて背中を水面に出したままジッとしているようになり、これはいよいよ最後の時を迎えようとしているんだなと覚悟はしていた。
 命ある者はいつか死ぬ、年を食ったら死ぬのは当然の摂理。そう知っていても覚悟していたつもりでも、なかなかに寂しいモノがある。
 よく犬猫の死によって飼い主の心にはその犬なり猫なりの形に穴があくと言われるけど、なるほど確かにコウタイの形の穴が開いてるような気がする。
 その穴を埋めるには新たにまたペットを飼って、似たような形で埋めてもらうのが一番だとも言われている。
 実は小型のライギョの仲間を飼育するのはこのコウタイが2代目で、先代はレインボースネークヘッドというインド産の美麗種で、そいつが死んだときもやっぱりその形に心に穴が開いて「もう魚飼うのはやめて今居るスポッテッドトーキングキャット(南米産小型ナマズ)が死んだら観賞魚飼育は終わりにしよう」と思ったのだけど、同居人の強い希望もあって再度飼育することにした。穴は良い塩梅に埋めてもらえた。

 小型のライギョの仲間の良いところは、とにかくバクバクと餌を食ってくれて物怖じせず人に良く慣れるところで、観賞魚飼育において餌やりは楽しいひとときだけど、彼らは慣れてくると人が水槽の前を通ったりすると、硝子前面に頭の先をすりつけるようにして体を左右に振りまくる”餌くれダンス”と言われる行動をとって、餌をやるのに蓋を開けようとすると蓋にジャンプして頭突きカマしてくるぐらいのがっつき具合で、餌も肉食魚用の人工飼料から、釣ってきたハゼ、夜窓に飛んできた虫、魚料理した後のアラの切れっ端、なんでもパクついて、食うと一旦沈んでモグモグと頭を動かしながら飲み込んでいくのも愛嬌があって楽しい。
 コウタイはレインボースネークヘッドと比べても食いしん坊で、かつ身体能力が高く、手に持った餌をジャンプして咥えて水中に戻るとか、まあ野生では水上の昆虫とかそうやって食ってるんだろうけど、なかなか感動的で生きたハゼとかの小魚をあげたときに見せる興奮して襲いかかる”これぞ魚食魚”という獰猛さも素晴らしかった。
 あと、掃除するのにポンプを囓るのはともかく、ワシの手もよく囓ってくれて結構痛かったのも今となっては懐かしい。
 そういう迫力ある魚食魚が、飼育下では30センチ以下ぐらいなので細身で長さのわりには”小さい”こともあって一般的な60センチ水槽で飼えてしまうのである。迫力なら大型の魚食魚の方があるだろうけど、50センチ以上とかに育つ魚には最低でも120センチ水槽が必要になってきて、なかなか一般家庭では飼育が難しい。

 水質とかにもあんまり気を使わなくて良くて、月に2回の半分換水と数年に一度の底砂と底面濾過装置のフィルターの掃除で問題なく、関西で一時帰化していたぐらいで室内なら加温無しで冬を越せるのはともかく、関東の都市部の夏の酷暑による水温上昇とそれに伴う溶存酸素量の不足も、ライギョの仲間なので上鰓器官を使った空気呼吸でプカっと息吸って平気の平左。

 買ってきたときは15センチ強だったけど、最終的には23センチぐらいになっていた。
 最初は隠れ場所として植木鉢とか入れてたけど、あまり隠れないので後年大きくなったこともあり遊泳できる面積を増やすのに、底面近くにはモノを設置せず、植物始め吊した流木やら鉢やらを水面近くから水面上に配置して、植物が茂る水辺っぽい景観にしていた。
 植物の作る影が水中を薄暗くして、その中を泳ぐコウタイの白銀の斑点がギラギラとしてなかなかに目を楽しませてくれた。

 飼育者としてできる限りのことはしてきたつもりだけど、果たしてコウタイは”幸せ”だったのだろうか?人間の感覚で他の生き物の幸せとか推りようがないので考えてもせんないことかもしれんけど、養殖されて一度も自然の世界に出ることなく、繁殖の機会もなかったのはどうなんだろう?と考えると、生き物を飼育することにつきまとう罪悪感は拭えない。
 だとしても共に暮らした月日がかけがえのないものだったという、こちらの都合だけど、その思いは揺るがないように思う。 
 11年の永きにわたって楽しませてくれてありがとう。心からの感謝を捧げる。



○R3/05/22

 スポッテッドトーキングキャット永眠。九州に住んでたときから17年の付き合いで、いつもドカンで寝てる愛想のないマイペースさが、居なくなってみると寂しいものである。この種は養殖じゃなくて現地採集モノだと思うのではるばる南米から我が家に来て、長い間ともに暮らしてくれてありがとう。
 これで水槽の住人は水草にくっついてやってきて世代交代しつつ生き延びてるインドヒラマキガイだけになった。私もあとどれだけ生きられるか分かったものではないので飼うのは、愛猫コバンと貝だけでいいかなと思う。

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