○睡蓮鉢 チョウセンブナの飼育と繁殖

 

○2011年5月17日 睡蓮鉢にオスと思われるひれの伸びた個体1尾とメスと見られる3尾を導入。メスと見られる3尾のうち1尾は小さく、2尾はメスと思われるものの未成熟のオスの可能性もあり。広島のネット観賞魚屋「マニアドットコム」から購入。「白姫あさざ」という水草のおまけつき。

 東南アジアを中心に分布するベタやグラミーといった、アナバス目の魚は、エラの上部が変化した迷路状器官をつかって空気呼吸ができることが特徴となっています。「迷路」はたぶん英語の「ラビリンス」の直訳でこの仲間はラビリンスフィッシュとも呼ばれます。その仲間でもっとも北に分布するのがこのチョウセンブナで、日本にも帰化していますが、農薬の影響などで数を減らし、岡山、長野、新潟、茨城などで細々と生き残っている状態。結氷しない程度であれば低温にも耐えるそうで睡蓮鉢での屋外水槽での飼育にはぴったりだと思います。

 導入後数日は植木鉢の裏などに隠れており、闘魚、グラミー系の魚にしては臆病な印象。

 

○5月29日 餌をあげるとオープンスペースにあらわれて食べるようになった。小さい個体は隠れがち。

導入直後 睡蓮鉢中くらいの個体

 バケツに水を張り大根の葉っぱ少々と液肥(ハイポネックス)を加え、睡蓮鉢のコケのような浮泥のような部分をほりこみ微生物を湧かせるバケツとする。

 ハッポースチロールに水を張り、水草を購入。アナカリス、ウォータースプライト、マツモ、不明種を入れる。将来的には育った稚魚の育成スペース予定。

 

○6月7日数日前から、オスが他の魚を追い回し始めた。メスたちは睡蓮の根元のアオミドロの中に隠れて餌の時だけ出てくる。泡巣のようなモノもここ数日見えていたが、ここに来てはっきりとした形になってきた。睡蓮の葉とアサザの枯れ葉を使っている。まだ卵は見られない。オスも必ずしも巣の下にはいない。

泡巣 6/7

 500mlのペットボトルに豆乳を2,3滴投入したモノを用意。夜懐中電灯をしばらく微生物バケツの水面に当てたあと、付近の水を採取し入れた。

 

○6月9日 泡巣の中に卵が含まれていることを確認。オスは巣の下に定位している。

 ネットで調べたところ、チョウセンブナには日本にも帰化している朝鮮半島産系と、それとは別系統の中国大陸産由来のものが流通しているようだ。大陸系の方がひれが長く伸び、ひれの色が半島系が青くなるのに対し、大陸系は赤みが強いとのこと。我が家のチョウセンブナはオス個体は背ビレ尻ビレの先が長く伸び赤色が強いことから大陸系と思われる。

 ペットボトルの中に動く点が見られるようになった。ゾウリムシ等と思われる。まだ数は少なくちらほら見える程度。

 

○6月10日

 害虫駆除だかの消毒作業があるとのことで、ゴミ袋でふたをしておいた。

 帰ってきてゴミ袋を外してみると、泡巣は無く、卵も稚魚も確認できない。無精卵の場合や、オスが落ち着けない環境では食卵が起こるとのことであるが、今回どういった原因か分からないが残念な結果となった。まだ繁殖期は夏の間続くので次に期待したい。

 

○6月11日 「稚魚確認」

 すっかり今回の産卵は失敗だったと思い、次の産卵に備えてしっかり親たちに餌を食べさせようと餌をやっていると、水面を極小の生物がピピピと泳いだ。ユスリカの羽化かな?と思いよく見てみると稚魚が!よく見るとアサザの根本やアオミドロの縁にたくさんぶら下がっている。とても小さい2ミリか3ミリぐらいか。オスが産卵場所から移動させたのだろう。昨日は泡巣のあった場所を中心に見ていたので見つけることができなかったのだ。

 とても嬉しいのだが、オス親が世話を見るのは泳ぎ出すまでなので、このままでは遅かれ早かれ親たちに食われて激減してしまう。ある程度は親に任せるにしても、一部はプラケースに確保して育てることにする。プラケースにチューブで水ごと稚魚を吸い込んでいるとオス親がチューブに頭突きをかましてきた。父性のなせる技か。ちょっと感動。半分くらい吸い出したつもりで数えてみると30匹程度。60〜70匹の稚魚が生まれたようだ。

稚魚を守るオス親(稚魚を守るオス親)

 孵化は昨日10日だとすると、2,3日はヨークサック(卵黄)の栄養で餌は不要だが、ヨークサックが吸収されて泳ぎ始める13日あたりから給餌を始める必要がある。初期餌料にはゾウリムシなど微生物を湧かしたモノを使うつもりでペットボトルで培養していたが、うまくいっておらず、ゾウリムシではなく植物プランクトンが湧いたのか水が緑色になっている。最初の餌がまず第一関門である。今回は睡蓮鉢の底の泥にツリガネムシやゾウリムシが湧いていることを期待して稚魚を収容したプラケースに入れた。

稚魚(まだヨークサックのついた稚魚)

 1,2日初期餌料を食べて少し大きくなれば(15日くらいか)、ブラインシュリンプの孵化幼生が食べられる大きさになるらしい。ブラインが食べられるようになれば目に見えて大きくなっていくそうだ。とにかくふ化後1週間は初期餌料の難しさもあり、また稚魚が小さく弱いので病気などにもかかりやすく「魔の1週間」というそうだ。何とか乗り切って30数匹中10匹ぐらいは育て上げたい。

 その後、睡蓮鉢のオス親を観察していると、アオミドロの中で一番小さい個体が死んでいるのを発見。ショック。病気だとやっかいだ。アオミドロに絡まって空気呼吸ができなくなった可能性もあり。巣を作り始めて攻撃的になったオスから逃げてアオミドロの中に隠れているのはよく見ていたが、餌をやるとアオミドロから出てきて食べていたので問題ないと思っていたが絡まることもあるのかもしれない、稚魚がアオミドロから離れたらアオミドロはつまんで除去した方がよいかもしれない。どの個体が卵を産んだのか不明で残りの個体がオスとゆう可能性もあるので、何とかして稚魚を育て上げないとラストチャンスになるかもしれない。不安だ。

 不安なため、稚魚用プラケースに入れた泥と緑色になっている微生物発生用ペットボトルにどのくらいプランクトンがいるのか調べたくなり、東急ハンズで子供の自由研究に使うような安っぽい顕微鏡を買ってきて観察してみた。泥の方は、所々に動物プランクトンやごく小さい昆虫の幼虫が見られた。これらは餌の足しにはなると思う。もう一方の緑色の濃い部分を150倍くらいで覗いてみてびっくりした。小さな球形のプランクトンがたくさん泳ぎ回っている。ゾウリムシっぽいのや細長いのもたまに見える。ちゃんと微生物湧いていたようだ。肉眼では見えないぐらいのかなり小さなプランクトンなので稚魚の餌になるか不安だが、食べてくれると信じてこれを給餌するしかないだろう。とにかく数はいる。

 

○6月12日

 縦浮きだったのが水平に浮いている。数は若干減ったように見えるが気のせいか。そろそろ泳ぎ出すやつもいるかもしれないので予備的に微生物入りの水をスポイトで与えておく。

微生物培養(微生物培養ペットボトル)

 ブラインを湧かす練習をしておく、一般的なエアレーションする方法ではなく、浅く塩水を張った容器に水面に少量のブラインシュリンプエッグを浮かせる「皿式」と呼ばれる方法。それほどたくさん稚魚がいるわけではないのでこれで湧けば簡単でよい。

 

○6月13日

<朝>

 稚魚は浮いているのもいれば水中サスペンドしているものや沈んでいるのもいる。20匹弱は確認できる。微生物入りの水を与えると動いては止まってという行動をするモノも見られる。食っているのかも。孵化してからの日数からいってもそろそろ餌を食べ始める時期だ。

 睡蓮鉢の親の1尾がいじめられて尾びれが切れてアオミドロの上に避難しているので捕獲してネットで囲ったカゴに収容する。

隔離ケージ

 睡蓮鉢の稚魚はアオミドロの周辺に10数匹散見される。プラケースのモノより黒くなっている。色素ができているということは成長がその分早いのか。睡蓮鉢には十分な餌があるのかもしれない。睡蓮鉢の水をチューブで吸い出してプラケースにコップ一杯分くらい入れた。

 皿式で孵化させていたブラインは充分な量が孵化していた。この方法は簡単だ。

 <夕>

 特に稚魚が減っている様子もなく、お腹もふくれているので餌を食っているようだ。微生物入りのペットボトルからスポイトで緑色の濃い部分を吸って入れる。明らかに何か食う動作をしているのがちらほらと見られる。睡蓮鉢の水と泥が良かったのか、与えている微生物が効いているのかいまいち不明だが、とりあえず初期餌料は何とかなっているようだ。今のところ濾過もエアレーションもしていないが、ブラインをたくさん与え始めると水が汚れそうなので対策を考えなければならないだろう。

稚魚3日目(孵化3日目の稚魚)

 睡蓮鉢の稚魚もアオミドロの上などに10数匹は確認できる。一番簡単な育て方は、ブライン幼生食える大きさまで放置して成長させ、その後回収して親に食われないようにネットで囲ったカゴに収容しブライン幼生給餌というやり方かもしれない。水量が多いのでプラケースのようには水も汚れないだろう。

アオミドロの上の稚魚 (アオミドロの上の稚魚)

 

○6月14日

<朝>

 稚魚たちは健在。ちょっとすばしっこく泳ぐようになった。ペットボトルから微生物入りの水をスポイトで注入。観察後、睡蓮鉢の水をコップ1杯ほどチューブで入れる。どうも睡蓮鉢の水を入れた後の方が盛んに何かをついばむような動きをしている。

<夕>

 ペットボトルの底の方からスポイトで微生物を吸い上げて投入。盛んに食っている様子。上部のもやっとした部分を与えていたが、底の方が微生物多いのかも。

  繁殖期とあってなかなかオスはきれいな婚姻色に染まっているのだが、隠れがちでなかなか写真には取りにくい。体は暗褐色に鰭が赤を主体に青も混ざり艶めかしい色合い。朝鮮半島由来のチョウセンブナは青が印象的な婚姻色がでるが、大陸系は赤みが強いようだ。

頭隠して水面下(婚姻色の出たオス)

 

○6月15日

<朝>

 稚魚たちは順調なようで腹もふくれている。ブラインシュリンプ幼生を初めて与えてみる。腹一杯なのか目の前に来ても食わないやつが多いが、何匹か食うところを確認。ブライン幼生が食べられるような大きさに育っているようだ。順調と言って良いペースだろう。

 様子見と思って少ししか入れなかったが、それでも食べ残しが出そう。あらかじめ入れてある掃除要員のサカマキガイの活躍を期待する。

<夕>

 食べ残しも目につかない程度、お腹ふくれている。みんなブライン幼生食ったのだろうか。ある程度お腹ふくれているのであまり食わないかなと思いつつ、少量のブライン幼生を投入。すっかり餌として認識できたのか食う食う。見る間にお腹がオレンジ色にふくらんでいく。とろくさく水底近くやケースのコーナーでピクピク動くブライン幼生は、稚魚の気を引きやすく食いつきがよい。かつ孵化直後は栄養価も高いということで、最高の稚魚用餌料と呼ばれるのも納得。この調子でもりもり食って元気に育って欲しい。

お腹いっぱい(お腹いっぱい食った稚魚とサカマキガイ)

 オレンジ色になると目立つので数えやすい。20匹ぐらいに減ったと思っていたが30前後いる。回収した稚魚のほとんどが育っているようだ。

 

○6月16日

<朝> 引き続きブライン幼生を与える。よく食べている。

<夕> 食べ残しはないようだ。結構まだお腹がオレンジ色だがブライン幼生給餌。底に張り付いてよく食べる。1、2匹だけブラインをあまり食べずに中層にいるのがいるが、まだ小さいのかそういう行動タイプなのか。そろそろ水の汚れも気になってくるので浅く水を張っていたが、徐々に増やしていくことにする。3センチぐらいだったのを倍ぐらいの深さに。フィルターのスポンジをなじませるために入れた。

 睡蓮鉢の2番目の個体も傷ついてアオミドロの上に避難しているので別のプラケースに避難させる。稚魚の世話が終わったオスにいじめられるということはこいつもオスなのか?見た目は雌っぽいのだが。1番でかいオスと分かっている個体との大きさの差があるのもいじめられる原因かもしれないので隔離した2匹には充分餌をやって大きくしておきたい。

隔離したNO.2個体(雌なのか?2番目の個体)

 

○6月17日

<朝>  雨が降って寒い朝なので水温も下がった様子。稚魚の活性も下がったかもしれないので少なめにブライン幼生給餌。やはり食い方がおとなしい感じ。食べ残しが出ないと良いのだが。水温低下は病気の原因にもなるのでちょっと心配。しかし隔離した親は2匹とも元気に餌を食っている。この程度の水温低下はこの種では気にすること無いのかも。

<夕> やはり朝与えた量でも食べ残しがあった。しかもまだ生きている。夕方の給餌はごく少量にし、残りは隔離した親に与えた。明日も気温が上がらないようなので室内に稚魚の入ったプラケースを入れることにする。

 

○6月18日

<朝> 通常どおり給餌。まずまずの食いっぷり。水面近くに浮いている個体が多くなったような気がするがなぜだろう。

腹がオレンジ満腹(水面に浮いてる稚魚たち)

<夕> まだ動いているブライン幼生が見えるので少なめに給餌。でも割と食いつきはよい。

 水面に集まっているのがどうも気になる。一応酸欠にならないようにかつきつい流れが生じないようにエアレーションをプクプク程度入れる。

プラケ

 

○6月19日

<朝> 通常どおり給餌。食いつき良好。水面近くに浮いている個体は依然多い。まあ餌食っているので気にしない。

<夕>食い残しもなく、通常どおり給餌。まずまずの食いつき。

 

○6月20日

<朝> 通常どおり給餌。食いつき良好。

<夕>食い残しもなく、通常どおり給餌。食いつき良好。顔の周囲が黒ずんできた。色素ができてきたのか。

 睡蓮鉢のアオミドロが増え過ぎなのではさみで刈り取る。稚魚は4,5匹確認できる。作業中オスが囲いの中の3番目の個体に鰭を広げて寄ってきて、3番目もそれに応えるようなそぶり。喧嘩なのか産卵の舞なのかよく分からないが3番目が外に出たそうにウロウロし始めたので出してみた。速攻でアオミドロの上に追いやられたので再度回収。

 

○6月21日

<朝> 通常どおり給餌。食いつき良好。

<夕>食い残しもなく、通常どおり給餌。食いつき良好。

魚っぽくなってきた

 

○6月22日

<朝> 通常どおり給餌。食いつき良好。

<夕> 水量を倍程度に増やした。その後通常どおり給餌。食いつき良好。日に日に魚っぽくなってきた。

 

○6月23日

<朝> 通常どおり給餌。食いつき良好。

<夕> フリーズドライの赤虫をすりつぶしたモノを少し与えてみる。何匹かは食っていた。そろそろブライン幼生以外のものも食べさせて良い頃かも。その後通常どおり給餌。食いつき良好。以前はかなりの時間ブライン幼生が泳いでいるのが見えたが、1時間程度で完食するようになった。

 

○6月24日

<朝> 通常どおり給餌。食いつき良好。現時点でサイズは7〜8mmといったところか。

7〜8mm

<夕>通常どおり給餌。食いつき良好。

 

○6月25日

<朝> 水を1/3ぐらい抜いて換水、水量をさらに増やす。その後餌の量を若干増やして給餌。食いつき良好。

<夕>通常どおり給餌。食いつき良好。

 

○6月26日

<朝>通常どおり給餌。食いつき良好。

<夕>通常どおり給餌。食いつき良好。

 

○6月27日

<朝>通常どおり給餌。食いつき良好。

<夕>通常どおり給餌。食いつき良好。かなり泳ぎ回るようになってきたのだが、近づくと逃げ惑うようになった。いまいち観賞魚としては慣れにくいような気がする。

 

○6月28日〜30日

通常どおり給餌。食いつき良好。

魚らしくなってきた

○30日夕方 夕立で雷が鳴って強い雨が降っていた。睡蓮鉢の囲いの中の3番目の個体が卵を放出。当然無精卵でそのまま食るにまかせた。これで少なくとも1匹はメスがいて卵ももっていることが判明したので、2番もついでにあわせて睡蓮鉢に放つ。すぐに2匹ともオスに追い回されるがしばらく様子見とする。

○7月1日 睡蓮鉢オスが泡巣を作り始める。睡蓮の葉っぱと落ち葉の残骸を使っている。夕方3番目にたいしてオスがヒレを目一杯広げてゆらゆらして誘っていた。産卵するかと期待してみていたが産卵には至らず。

泡巣

○7月2日 8時半頃、朝起きて様子をみると、睡蓮鉢のあちらこちらに卵が散らばって浮いていた。産卵直後のようであった。オスは目につく卵を口に含んで泡巣にくっつけていく。

産卵直後

 警戒しているようなのでしばらくほっておいてから見に行くと泡巣に卵を集め終わったようだ。泡巣の周りにも卵が見える。

産卵後

 

○7月6日 稚魚が孵化している。今育てているやつらもこんなに小さかったのかとおもうと感慨深い。

 1回目の稚魚たちは順調。すっかり魚っぽくなっている。

○7月10日 睡蓮鉢のメス?2匹は昼間はなかなかみつからず回収ができていなかったが、夜見たら1尾はすでに死んでいた。オスにつつき殺された模様。アオミドロの中で寝ているもう一尾を回収、バケツに収容。この魚が丈夫で結構繁殖期はきれいなのにも関わらず、人気が出ないのはこの気性の荒さ故か。

○7月12日 育成中の稚魚、そろそろ人工飼料に餌付かせようとしているがいまいちうまくいかない。口に含むがはき出す個体が多い、乾燥赤虫は比較的食いつき良いように思うが、沈まないので底の方にいる個体に餌が行き渡らない。ブライン幼生を仕方なく与え続けているが、ブライン幼生単食の弊害ともいわれる、浮き袋の異常で底にへばりつくような個体「ベリースライダー」が見られ始めた。困った。とりあえず一部換水して人工飼料とブライン幼生を与えておく。

○7月13日 稚魚、3匹死亡。更に数匹が底でピクピクしている。困った。ベリースダイダーは浮き袋の発達障害が起きているといわれており、その原因は不明のようだが、比較的やせた個体がかかっていることから、成長に伴ってブライン幼生だけでは餌の量が足りなくなってきたときに、与え始めた人工飼料になじめなかった個体が栄養失調を起こしているのかも知れないと思い当たるがどうだろうか。いずれにせよ困った。餌を多めに与えてその分、換水をこまめに行うぐらいしか手が思いつかない。

○7月15日 ポツポツと稚魚は死に続けていたが、今朝7匹一度に死んでいた。慌てて死体を取り出し一部換水。のこり15匹程度になってしまったが、その中でもまともに泳いでいるのは5匹程度、後は底の方にいたり、横たわったり。魚の場合、病気は予防が大事で、出てしまうと直すのは難しい。全滅もあり得る状況。

○7月18日 その後も次々と死んでいき、後3匹となってしまった。ベリースライダーの症状が出るまえの途中までは全く順調だったので残念でならない。

○7月24日 とうとう1尾のみになってしまった。しかしなぜかこの一尾は元気で、他の個体のような底に沈むような症状は全く出ていない。人工飼料もよく食べている。2センチ弱に育って若魚といっていいくらいか。一腹で生まれてくる稚魚にも多様性があるということか。

ラストワン

 2度目の産卵の稚魚たちは睡蓮鉢中に散って数も減っているのでそのままにして、再度の産卵を目指して、2番目個体を睡蓮鉢のオスと合流させた。

 今回の1回目稚魚を壊滅させたベリースライダーについては、原因は不明らしいが遺伝的なモノとも栄養の偏りが原因とも言われていたりするので、初産で卵の質が悪かったことと、ブライン幼生単一での育成が、あるとすれば原因として思い当たるような気がする。

 今回はメスっぽい個体では一番大型個体である2番目(もうこいつしか生き残っていない)に良い卵を産んでもらい、ふ化後2,3日はそのまま睡蓮鉢の微生物を食べさせて、その後、ネットの囲いを睡蓮鉢にセットして稚魚を回収。ブライン幼生と併せて早めから人工飼料も与えるという方針で行きたい。

 飼育、産卵、育成が容易といわれている種なのだが、やはり生き物を飼うのは難しい。自分のセンスのなさを改めて思い知った気がする。次を何とか成功させ死んでいった魚たちに報いたい。

 ○7月26日 オスが枯れた睡蓮の葉を中心に泡巣を作っているのを確認。やはり2番目はメスか。

泡巣3度目

○7月27日 朝、泡巣に卵がついているのを確認。メスを確保しバケツに避難させる.。夕メスに餌をやろうとしたが、バケツから飛び出してひからびていた。バケツの縁まで水面から10センチ以上取ってあったのだが予想外の不覚。ガックリ。

○7月30日 孵化を確認。睡蓮の花が咲いた。

睡蓮

○7月31日 15匹ほどネットで囲ったケージに収容。

 

○9月3日

 ひと月以上記録をつけていなかったが、3回目の稚魚の一部が順調に成長している。

 3回目の産卵で生まれた稚魚のうち、睡蓮鉢のネットで囲ったゲージに収容していた15匹ほどは、オスが外から吸い出して捕食するという予想外の被害に会い全滅した。

 慌てて、水草を生やして自然任せで2回目の稚魚を育てている発砲スチロール水槽にネットゲージを設置し、3回目の稚魚を20匹ほど確保し育成してきた。ゲージはたいした容積ではないモノの水槽自体は大きいので水の汚れが比較的少なく、最初1、2日インフゾリアを与えてからブライン幼生と共に配合飼料(ヒカリメダカ、ヒカリHD赤虫)を細かく指ですりつぶしたモノを与えていた。数匹底の方でよたっているベリースライダーは居るのだが、今回は大量死に結びついていない。ひと月ほど経って、配合飼料もよく食べるようになってきたのでブライン幼生をやめて配合飼料のみの給餌とする。残り餌を処理してもらっているインドヒラマキガイも大きくなってきた。

3回目

  ほぼ自然に湧いているカイミジンコ等で育ってきた2回目の稚魚も4匹ほど生き残って、人工飼料をよく食べるようになってきた。

2回目生き残り

 一回目の大量死した稚魚の生き残りの1尾はそろそろ模様も出てきた。やはり臆病で人が近づくと逃げ回る。

1回目生き残り

 何とか来年も繁殖が楽しめるくらいには残ってくれそうである。

 

○10月8日

 生き残った稚魚は3回目産卵分を中心に20数匹生存。元気に育っている。2〜3センチでもう若魚といっていいかもしれない。

 ベランダのハッポースチロール水槽で育成しているが、上から見るだけでは寂しいので、当初の予定通り、部屋のサブ水槽にも何匹か泳がせることにする。8匹ほど引っ越し。

水あわせ若者達元気

 

○12月4日

 ベランダの睡蓮鉢とハッポーの魚たちは、餌もほとんど食べなくなり冬眠状態。

 サブ水槽の8匹は元気。あまり大きくはなっていないが3センチくらいか、ヒレの先が青くなっている個体もいるがまだ雄雌判然としない。ちょこまか泳ぎ回るので写真が撮りにくい。

チビスケ達1204チビスケ1204

 水草、水上の流木に活着させた南米モスがガラス面にも進出し、水中の流木に活着させた南米モスとミクロソリュウムも新しい葉を出しはじめた。浮かせているアメリカンスプライトは旺盛に葉っぱを広げてジャングルっぽくなっている。

サブ水槽1204

 

 

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