○10番フライタックル 

 

スズキ ソウギョライギョ

 フライタックルについてはたいした技術も知識もないのであまり参考にならないかもしれませんが、私なりに思うところもあるのでいろいろ書いてみます。

 のっけから暴論吐きますが、せいぜい大きい魚といってもシーバス釣るぐらいまでの釣りで使う、8番あたりまでのフライリールとフライロッドは何でも良いと思います。何でも好きなの買って使えばいいと思います。いまだに竹の竿が愛用されていることからも、まあよほどおかしなモノでなければ何でも良いんでしょう。

 フライロッドはどちらかというとキャスティング性能に重きを置いていると思いますが、飛距離が出せない私が、竿が悪いのかと思っていたところ、ある時とある上手い人が、私のその竿でピックアップして即シュートするだけでフルライン出し切って、「竿なんてとりあえず棒にトップガイド付いてればフルラインぐらいキャストできる」と豪語されるのを見て、私ごときインチキフライマンが竿の性能についてどうこういうのは愚かだと気づきました。私は飛距離がほしかったらルアータックル出してきて投げますし、フライにアピールが必要ででかいフライをキャストしなければならなくなってきた場合でも、やっぱりルアータックルにチェンジします。そういう状況でも「オレはフライにこだわるぜ」という人だと、より飛距離の出るロッドやでかいフライも投げられる性能のロッドが必要になってくるのだと思います。

 さらにリールについていえば、シーバス釣りぐらいまでは単なる糸巻きです。

 あるとき私に渓流と海のルアーを仕込んだJさんとフライでシーバス釣りに行ったところ、Jさんがつり場に着くなり「しまった、ライン新しいのに巻き替えようと思って新品のライン持ってきたけど、肝心のリール忘れた。巻き替えできないよ。」と衝撃のカミングアウト。

 巻き替えできないっていうか、「釣りできないでしょ?」と私がいうと、Jさん涼しい顔して「ラインと竿はあるから何とかなるでしょ。」とのたまう。一体どうするつもりかと思って見ていると新品のラインにリーダーをつないでフライも付けて竿のガイドにライン通して、余ったラインはポケットにクシャクシャと突っ込んで釣りを始めてしまいました。服のポケットがリールです。しかも問題なくシーバスゲット。「リール付いてないとバランスがトップヘビー気味だしやりにくくないですか?」と聞けば、「いや別に。ライン出してキャストしてるときはどのみち竿先に負荷かかってるから特にトップヘビーってこともないよ。」と意に介していない様子。脱帽でした。フライタックルのそれぞれの役割が良く頭の中に入っているからこういう応用ができるのでしょうね。

 というわけで、リールなしでもいけたりします。

 さらにはインストラクターが竿じゃなくて手でフライラインをキャスティングする技術を披露するビデオもあるそうです。竿もいらないのか?まあ、ルアーでもライン手でもってグルグル振り回してキャストして釣ることはできますが、竿とリールを使う楽しさもあるから、無くてもできるということがイコール無しでよいとはならないと思いますが。

 

 いずれにせよ竿やリールより腕が大事と思いますが、釣る相手がシイラやカツオクラス以上の突っ走る魚になると、そろそろいい加減な竿やリールでは問題が出てきます。

 竿はともかく折れないのが必要です。最近はどうか知りませんが一昔前の日本製の高番手の竿にはひどいのがあって、製品管理の問題かそもそも設計ミスか指定された番手のラインでキャストすると折れるという信じられない竿があったと聞きます。1度目折れて、新品と交換してもらってもまた折れたそうです。たまたまそのロットのブランクがおかしかったのかもしれませんが、あまり日本では売れない高番手の竿は日本製のは信用できないなと正直思ってしまいました。1事例でレッテルを貼ってしまうのは問題だと自分でも思いますが、安くない買い物なので不安な要素のあるものは買いたくなくなるのが正直なところです。

 リールについても、単なる糸巻きではなく、魚がかかったら急いで余分なラインを回収してリールでのファイトをしなければならないのでそれなりの性能が必要です。ラインを手でたぐってファイトしていたら火傷します。

 特に問題になってくるのが、ドラグの耐久性です。ソルトウォーター用の高番手のフライリールはいろんなメーカーから出ていますが、割と有名な2社のリールでドラグパッドのコルクがすり切れて、すぐに消しゴムのカスのようになってしまったという事例を聞きました。日本とアメリカのメーカーです。ドラグパットを新品に替えても同じだったそうです。現在は改善されているかもしれないのでここで実名出すわけにはいきませんが、ドラグを使ったファイトが想定されるリールを買うときには、実際に使ったことのある人に問題なかったか確認することが必須だと思います。

 私の仲間内で使っている人間がいて、問題なく使えると思うメーカーを参考までに挙げると、ティボー、ビリーペイト、エーベル、ロスがあります。他にも良いのはあるかもしれませんがとりあえずこれらは大丈夫だと思います。

 まず間違いないのは私も使っているティボーだと思います、巻き取りの早さなどで最近ソルト用の主流である口径の大きいラージアーバータイプ。ビリーペイトはソルト用フライリールの老舗ブランドでデザインのかっこよさは一番だと思います。すぐにリールのハンドルに手が行く癖のある人はここのダイレクトでは無くアンチリバースのタイプを買いましょう。高速回転するハンドルで指怪我しないですみます。エーベルは丈夫で一生モノだそうですが、単純な構造で部品も少ないフライリールで8万円前後もする価格設定が私には理解できません。お金のある人はどうぞという感じです。ロスは他の3メーカーと比べるとややマイナーですが、シイラ釣りにガンガン使っている友人は「安いのに使える!」と激褒めしてました。

 ともかく、オフショアにも使うようなフライタックルは市場が小さいので値段は安いモノといっても、ルアータックルよりは断然高いです。私もカツオあたりが釣れて、シーバスの大きいのを時間をかけずに寄せてこれる10番ぐらいのタックルが欲しいなと考えていたときに、竿とリールそれぞれ4万円として8万円ぐらいかかるので、ちょっと高いなと二の足を踏んでました。

 

 ところが幸いなことに、先輩に相談したところ、ちょうどタックルの買い換えを考えていたということで、セットで3万円という超お値打ちで譲ってもらいました。Kさんどうもありがとうございました。

 リールはティボーのリプタイド、ロッドはKさんがセントクロイのブランクスで組んだ4ピースのオリジナル。

 スズキも釣ったし、カツオも問題なくやれました。ソウギョやライギョもパワーを生かしてゲット。特にカツオが突っ走ったときのティボーの独特のドラグ音が印象に残ってます。逆転時にはクリック音とかは特にないのですが、ドラグの摩擦音が「コーーッ」という感じでこれが痺れるのです。

 

 

(2008.6)

シイラ

(2008.8) 

ボーンフィッシュ クリスマス島

(2011.9)

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