○9番フライタックル 

 コイソウギョ

  9番タックルは同居人用に買ったモノですが、テストと称して私も結構魚釣ってます。

 温暖化で海に沈むという噂の絶えないキリバス諸島のクリスマス島(註1)にボーンフィッシュやらロウニンアジやら釣りに行きたいと常々考えているのですが、なかなか遠い国でもあり、行くとなると飛行機の便の関係で1週間ぐらいは現地滞在することになるので、休みはエイヤッと取るにしても、それだけの期間ギラッギラの熱帯の太陽の下で思いっきりハードに引きまくる魚を相手に釣り続ける自信が無く未だ行けていません。しかし、道具だけは準備して同居人にも使い慣れさせておこう、ということでボーンフィッシュを想定して買ったのがこのタックル。

 

 ロッドは米国釣り具通販の大手カベラスのプライベートブランドものでLSTシリーズの9番4ピースで185ドルの竿。

 高番手の竿でこんな安い値段で大丈夫かと心配ではありましたが、「カベラスのフライロッドはコストパフォーマンス抜群でブランドとかをあまり気にしない人にはお勧め」、とのネット上の信頼できそうな情報もあり買ったところこれがピンポン。

 キャスティング性能は良いのか悪いのか私の腕ではよく分かりませんが、まあ問題なく投げられます。ファイトに関しても問題ないことは釣果を見ていただければご理解いただけるでしょう。

 気合い入れてフライフィシングに取り組もうとされている方にはもうちょっと良い竿買うことをお薦めしますが、海のフライは道具が高くて敷居が高いなと思っている方や、スペアロッドに安くてもそこそこ使える竿をと考えている方にはピッタリかなと思います。

 4ピースなのは持ち運びに便利だからです。フライロッドはそれほどジョイント部分の強度が問題になるような使い方をしないので、つなぎが増えても特に問題ないと感じています(註2)。故西山徹氏もフライロッドはできるならすべてパックロッドにしてしまいたいと著書で書いておられました。

 

 リールは3Mサイエンティフィックアングラーズのシステム2。

 中古屋で1万円弱で売られていたところを先輩に勧められてゲット。値段の割にモノが良くて、ちょっと昔クリスマス島のボーン釣りにアメリカとかから来る人間で、お金持ちはエーベルとか使っていて、そうじゃない人はこのリールを使っている率が高かったとか。ボーンも充分釣れる性能のようです。新型はボディーに穴が開いていて軽量化されていますが、穴の開いていないこの旧型の方が個性的で海っぽい精悍なルックスしていると思います。

 

 カベラスの竿に3Mのリールという組み合わせは日本のフライマンのタックルではまず見ない組み合わせです。根拠はありませんが、アメリカのフライマンで隠居して西海岸辺りに移り住んだオッサンが、ちょっと海のフライでもやってみるかね、というときに使ってそうな気がしています。

 

 乗合船とかで安いタックルを使っているとナメられるような気がしますが(気のせいか?)、使っている道具が安いというだけで肩身の狭い思いはしたくないモノです。このぐらい出回っていない道具だとナメて良いのか悪いのか判断着かなくて良いかなと思います。

 

 

(註1)世界にはキリバス以外にもクリスマス島というのはいくつかあって、だいたい発見した時期がクリスマス前後で船乗りがキリスト教徒だとそういう名前になるようです。 インドネシアに近いオーストラリア領のクリスマス島の方はカニがいっぱい住んでいるので有名。テレビで見たところここの珊瑚礁も見事でGTとかでかいのいそうです。

 しかし、自分の住んでいる島が年々海に沈む傾向が見られて、その原因がどうも自分たちの日頃の行いのせいとかではなく、遠い国の人間がバンバン石油使って贅沢な暮らししているせいらしい、と聞かされれば一体どんな気持ちでしょうね。キリバスの大統領、昨年日本にも来て温暖化対策についてひとくさり注文付けていったようですが、そら頭にも来るでしょうね。

 

(註2)つなぎが増えると、強度上の問題が出るか補強のためのコストがかかる。また重量が増えることと、ブランクの素直な曲がりが妨げられることも問題とされています。

 しかしながら、強度上の問題は最近のマルチピースロッドは良くできているのであまり感じませんし、フライタックルでのファイトはそれほどテンションかけたりせずに魚を走らせて獲る場合が多いのでそもそもあまり問題になりにくいと思います。

 強度的な問題はむしろ安い竿ではなく、高い竿でやたらと薄くて軽い竿に最近はあると感じています。これはルアーロッドでもフライロッドでも共通だと思います。粘りが無く限界近いテンションでちょっと負荷が加わるといきなり「パシィ」という乾いた音を立てて折れたりします。もちょっとメシメシいいながらでも粘って欲しいところです。最近のロッドが折れやすいというのは、被写体である釣り人より魚釣ってるんじゃないかと疑ってしまう残間カメラマンも著書のどこかで書いていましたから、私だけが感じていることではないと思います。

 竿の自重なんてそれだけが軽くてもあまり意味はなくて、リール付けてルアーなりフライラインなりが着いている状態でどれだけ軽く扱えるかが問題で、自重よりは竿の長さや適切なバランスが軽く扱えるかどうかには影響してくるはずです。カタログのスペック上で自重が軽いからといって使用上「軽い」かどうかとは別問題でしょう。

 カタログや店で振ったぐらいで竿の善し悪しが分かれば竿選びに苦労はいりません。参考程度にはなるかもしれませんが、実際には自分である程度使ってみて分かるものだと思います。使っている人の意見もカタログやメーカーの煽り文章よりはずいぶん参考になると思います。

 ブランクの素直な曲がり云々は、綺麗に曲がるロッドにこだわる人は気にすればいいでしょう。私はあまり気にしません。

 

(2008.7)

 

○2014年9月 クリスマス島にて ボーンフィッシュ、トリガーフィッシュ(キヘリモンガラ)

ボーントリガーフィッシュ

 (2014.10)


○2021.1紀伊半島にて


(2021.4)

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