○池川フライ 

 

 渓流や湖以外の淡水である池や川でもフライフィッシングは充分以上に可能です。ルアーで釣れるようなバスやライギョ、ウグイにニゴイなどは当然ながら、ルアーではターゲットになりにくいコイやオイカワ等もフライでは充分狙えるし、ギルなどフライでは簡単かつ楽しく釣れる魚で是非フライで釣ってもらいたい魚です。

 多くの場合、フライパターンはエルクヘアカディスやマドラーミノー、ウーリーバッガーとそのアレンジで話が済んでしまうのですが、当方なりに工夫したフライパターンもいくつかあるので紹介したいとおもいます。 

 

○上向きガードフックライギョバグ(ライギョ)

ライギョバグ

 ライギョ用のルアーでもフライでも重要な要素は2つ、水草へのからみにくさ、とフッキングの良さ。このあい反しがちな要素をいかにうまく処理するかにつきます。

 ルアーではこの問題については淘汰の結果、中空のフロッグにダブルかシングルのフックという形に落ち着いているようにみえます。

 フライの場合、そもそもフライでライギョを狙う人が少ないのでパターンがそもそも思いつかないですが、バス用のフライでウィードレス性能が優れているモノとしては、フックにナイロンガード付きのポッパーやダイバーなどが思い浮かびます。

 当方も最初は、下向きのフックにナイロン40LBでガードをつくったディアヘアのフロッグとかを使っていましたが、見た目は可愛いけどヒシモの上とか引っ張ると結構ひっくり返ったりして安定しません。

 そこで、上向きフックでお腹にフックの出っ張りのないパターンをということで、フックをエッグヤーンにくるんで、表面をシリコン接着剤で固めた、中空フロッグ風パターンと、ガルシアフロッグ方式でボディーの後方に上向きのフックをやや下に曲げた状態で取り付けるディアヘアのパターンを作ってみました。

 使ってみると、前者はややポカンと浮いてしまって水へのなじみが悪く、適度に沈んでケツに付けたラバーなどがユラユラ揺れてくれる後者のほうが良くできているように見えました。

 実際に、ライギョも何匹かゲットしているのでライギョ用フライパターンとしてはそこそこいけているのではないかとおもいます。

 フックは海用のポッパーを付ける用のロングシャンクのモノの腰を曲げて使っています。サイズはアマガエルぐらいのイメージ。あまりデカイと当方のテクではキャストできません。

 ボディーの後方にあるフックポイントをカバーするような形で、ディアヘアを2本の角状に束ねてシリコンで固めており、スナッグレス性を高めています。

 このパターンで問題なくバイトまではもっていけるのですが、ライギョの場合フッキングが非常に難しいです。硬いルアーロッドでもすっぽ抜けたりしますが、柔らかいフライロッドではそもそもフッキングパワーがたかがしれていて、ライギョがバイトしたら竿をライギョに向けてラインを引いて竿の弾力を効かさずラインでフッキングしていました。なかなかこれが正解というフッキング方法にたどり着くまで行きませんでした。

 フライでライギョに挑戦される方の参考になれば幸い。バス用フライとしても結構いけると思います。

 

○バニーちゃん(ライギョ等)

バニーちゃん

 このフライは実は当方が巻いたモノではなくJさんからのいただきモノです。拾ったのやもらった「ハリ」は釣れると当方を含め一部の釣り人がゆうておりますが、このフライもフライでの自己最大の70UPライギョをつれてきてくれました。

 ライギョ釣りではラインにポッパーヘッドを通してポッパーとして使っていましたが、そもそもこのフライの用途は、ワームの替わりにしてルアータックルでのテキサスリグ?での使用を念頭においたものでした。

 10年近く前の話、現在のようにガルプのような生分解性の素材でできたワームはエコギアから小さいサイズのモノが出ていたぐらいで実質出回ってなかったので、東北でソイ釣りをする際には、ジャンボグラブとか普通のプラスチック系のワームを使っていました。

 結構根掛かりの多い釣りで、ワームをロストするたびに「ゴーストフィッシング」という言葉が思い出され、海底でいつまでもユラユラと幽霊が魚釣りしているイメージがまとわりついてすっきりしない感じでした。

 せめて、プラスチック系でない分解しやすい天然素材でできた疑似餌に代替できないかと考えて、ポークリンドを使ったり、フライをテキサスリグで使うことを試したりしていました。結局、根掛かりの多いソイ釣りでは、コスト面やウィードレス性能の面でワームのテキサスリグをしのぐモノはなかなか見つからず断念したのですが、その試行錯誤の時にJさんに「ウィードレス性能がよくて、ボリュームがあってアピール性が高く巻くのが簡単なパターンってないッスかねえ?」とリクエストして巻いてもらった何本かの生き残りが写真のフライです。

 ラビットスキンの細く切ったモノをテールにビロンと付けた上に、フックにグルグルとパーマー状にラビットスキンを巻き付け、仕上げにヘッドをエポキシで固め目玉とナイロンガードを取り付けたパターンです。名前は「バニーちゃん」と呼んでいました。

 ウィードレス性能もそこそこあり、確かに巻きやすく、ボリュームがあってライギョやバス釣りには良いパターンじゃないかと思います。水を吸って重くなるとやや投げにくいので高番手タックル向きでしょうか。ライギョには10番使っていたので問題なく投げられましたが、バス用の6番とかでは投げにくいか?まあ上手い人は問題なく投げると思いますが。

 こんな感じのモコモコのキーホルダーってよくありますよね。見た目もユニーク。

 

○マドラーミノーバリエーション(バス)

マドラーミノー系

 バス釣りでフライが効果的な状況も色々あるように思いますが、当方がエエ思いをした状況は、ルアーにはスレまくっているけどフライは見たことがないバスの見釣りです。

 前提としては、フライマンがほとんど入らない釣り場で、かつ透明度がある程度良く魚が発見しやすい状況が必要です。

 学生当時通っていたダム湖は5月の連休あたりはスポーニングがらみで浅場をウロウロしているバスが結構目に付いたのですが、結構な有名ポイントであるため、さんざんたたかれまくっているのでルアーには超シビアな反応。

 バスボート持ち込んでるようなバスマンも、セコセコな小さいワームとかで狙っているようですが釣れていないようでした。

 当時、フライを初めてまだ日が浅く、フライロッド振るのが嬉しくてしょうがなかった当方が、ダメもとでそれら浅場の見えバスをフライで狙ってみると、いとも簡単に食ってきて予想外の高成果でした。

 同時期の浅場には産卵がらみのバスとその卵を狙うニゴイ、ヨシノボリの類などが沢山いたようで、ヨシノボリを意識したマドラーミノーのいくつかのバリエーションがよく効いたように思います。ニゴイもよく釣れました。

 写真のものは当時使っていたモノとは違いますが、バス用にはこの手のラビットファーやハックルのウイングを付けたのが良いような気がします。

 当時良く使っていたパターンは、オモリを巻いて沈みやすくしてボディーをオレンジ色に巻いて視認性良くしたものです。オレンジが消えたらフッキングという感じで使ってました。

 このダムでの経験から、バスは結構フライで簡単に釣れると認識したのですが、就職して東京に出てその認識は甘く、必ずしもいつもフライが良いというモノではないと思い知らされました。

 霞ヶ浦のような濁り気味のポイントではアピールの乏しいフライは見つけてもらえないのかルアーほど反応が得られず、逆に透明度のよい湖でも芦ノ湖のようなそもそもフライマンが多くフライにすれている場所では、当方のインチキフライテクではいかんともし難いということを経験しました。

 とはいえフライでバス釣りもなかなか楽しいモノです。フライのサイズを小さくしてエルクへアカディスやウーリーバッガーなんかを使った仔バス、ギル釣りもこれまた楽しかったりします。

 

○パンフライ(コイ、ソウギョ、テラピア)

パンフライ

 コイ釣りで定番のパンフライ。いろいろなバージョンがあるようですが、当方のは白いグローバグヤーンと発泡の浮力材を組み合わせた単純なパターン。ボカッと浮くのから、ゆっくり沈むのまで適宜作っておくと良いと思います。

 浮力の強いのは遠くまで流しても視認しやすく、若干沈むタイプはドラグが幾分掛かりにくくナチュラルドリフトさせやすいです。

 なぜか植物食性の強い雑食の魚などはパンが好きなことが多く、特に都市近郊や観光地ではパンをチョロッと撒き餌するだけで「お魚まっしぐら」状態でイージーな釣りになることが多々あります。

 コイのほかに、ソウギョやテラピアがパン好きな魚です。NZのとある橋の下にはパン好きのデカいニジマスがいるとかいう話も読んだことあります。

 イージーすぎてしばらくやっているとやや面白味に欠けるようにも感じてきますが、まあ贅沢言うなというところでしょう。

 

 

(2009.10,11)

 

 

HOME