○渓流ルアー
渓流でイワナを釣っていたのは既に10年以上前の東北に住んでいたころの話です。がしかし、今でも当時使っていたルアーのほとんどが手に入るようで、10年以上釣具屋の棚のスペースを守り通したこれらのルアーの優秀さがうかがえるというモノです。
私の渓流の釣りはルアーをいろいろローテーションさせるというより、その日調子の良いルアーや状況から決め打ちしたルアー、といってもミノーかスプーンか、深めか浅めかぐらいしか選択肢はないのですが、を基本的に使い続けて反応の良い魚を次々探してポイントを変えて釣り上がっていくというスタイルで、ルアーはちっちゃなケースに同じルアーを何個かづつ入れてました。あまり渓流でルアーで悩んだことは無いです。
<マスター(セントラルフィッシング)>
私が渓流でメインで使っていたのは、これの5gでした。「バイト」で有名な常見忠氏の作るスプーンの1シリーズで、バイトより薄くて長細い形で、渓流では表層近くをひらひらと引いてこれるタイプです。
色は金をベースに、濁りのあるときは蛍光系の色とかを使っていました。
動きはこの手のスタンダードなスプーンと特に変わったところはありませんが、スマートな形状から、やや幅広のバイトよりも渓流で使うときも引き抵抗が軽く、バランスも崩しにくく使っていてストレスを感じないルアーでした。
サイズの割りに軽くひらひらと水面近くを引けるので、魚が底よりも上方を意識しているような盛期に、魚の追いを確認しながら釣るのに非常に向いていました。
イワナ釣りでは8割以上の場面でこのルアーを投げていたと思います。
<コンデックス(コータック)>
コータックのド定番スプーンで、5gと8gの金を使っていましたが、比較的底近くを引きやすく魚が底に張り付く水温の低いシーズン初期や水深のある淵で使っていました。
どこでも売っている上に、ハリなしのブレードだけで6枚入りの箱で売っていたりしてまとめ買いに対応した売り方もしてくれます。
このルアーで底を引くのと、マスターでやや上層を引くのとで明らかに反応が違うことがあり、一応使い分けしていたつもりです。実際にはどちらでもつれたケースも多いかもしれません。
<ハスルアー(サウスベンド)>
3.5グラムとかの小型サイズを、ヤマメ釣りに使っていました。動きはヒラヒラと表層近くを引けるタイプです。ヤマメはイワナよりは小さめのルアーを好む傾向があるのか、ヤマメはこのルアーでの実績が多かったです。カラーは緑系の塗装にプリズムシートを貼ったモノが好きでした。たまたまその色を買って使ったら良く釣れたので以後そのカラーを探して買っていましたが、色はあんまり関係ないような気がします。
<グレートハンティングミノー7センチ(メガバス)>
メガバスというメーカー、一時は新製品にプレミア付けて転売されるような異様な人気ぶりでしたが、最近は人気も落ち着いて逆に中古市場で安く手に入りやすくなっていたりします。
ジャパニーズハイテクルアーの代名詞的なブランドですが、結構実験的なルアーを市場に出してくるので、私にとっては使いにくかったり、あまり魅力を感じないルアーもあり、一時のブームのときは正直しらけてました。
とはいえ、「これはすごい!」とうならせられるようなルアーが出てくるのも事実で、リップが小さくツイッチすると重心移動の慣性でまるでスラッゴーのように大幅にスライドするグレートハンティングミノー9.5サスペンドはちょっと驚きました。しかしこのミノーはみためがドジョウのようなところがダメだったのか不人気ですぐに廃盤。私もあまり使えずじまいでした。しかしこいつの流れをくんだグレートハンティングミノー7センチは、9.5の反省をいかしたのか、超凝った造形でリアル系。私としては動きを重視して形ができあがったことがよく分かる9.5のデザインのほうが良いと思うのですが、市場では7センチの方が圧倒的に支持されたようで、いまでもメガバスブランドのミノー「Xシリーズ」の一員としてX70と名前は変わってますが売っています。
こいつがツイッチかけやすいのなんの、渓流でのメインのミノーであるラパラフローティングは安定した動きでアクションの変化はストップ程度なので、こいつのギラッギラと側面を見せるようにしてひらめくアクションはラパラとは違うアピールがあると信じるに充分でした。
川よりダムインレットなどの大場所で威力を発揮してくれました。良く釣れるルアーです。
(下はX70)
(グレートハンティング90+5)
<レックスディープ5センチ(ザウルス)>
「ザウルスってルアーつくるの上手かったよね。」とザウルスはメーカーが無くなっても仲間内で話題になることがありますが、そのザウルスのリップの大きいミノーのシリーズ。小さめ5センチのリップの大きいミノーが渓流で使いたくて、メガバスの何とかいうのを買ったもののイマイチ広告文ほどツィッチがかけやすくなく、何か良いのがないかと探していたら、これがこのサイズでは抜群のツィッチのかけやすさ。意外に知られてないけど逸品です。現在でも7センチ以上のモデルは版権引き継いだザウルストレインから出ていて手に入ります。
ちなみに釣り場でツィッチができてないルアーマンを見かけますが、あれはなんなんでしょうか?私のツィッチ論をここに書いておきます。「格好つけて小刻みに竿を下方向に動かすのがツイッチではない、ルアーが鋭く左右にイレギュラーにダートするのがツイッチである。」というわけで、わたしは柔らかい渓流用の竿でツイッチをかけるときは上方向に大きくあおってルアーを動かしています。はた目には連続してフッキングをかましているように見えるかもしれません。格好だけのルアーが動いてないツイッチもどきならリーリングだけで付ける変化とたいして変わりません。
<シュガーミノー(バスディ)>
5センチ程度の小型ミノーが使いたいときにはこのミノーを使っていました、他にも優秀な日本製ミノーはたくさんありますが、おそらくこの手の日本製小型ミノーの元祖はシュガーミノーだと思います。新発売当時、名古屋港のセイゴフッコつりで、釣り仲間がこのミノーで良い釣りしていたのも印象深いです。安定した性能と日本製らしい綺麗な作りは文句なしです。
<サージャー(スミス)>
ちょっと沈めてツィッチかけたりするのに良いよと薦められて買いましたが、実際に釣り場に出るとそういう使い方もしましたが、むしろ重さを活かして大場所で思いっきり遠投して小さい渓流用のリールで可能な限りの表層早引き。これにイワナが下からゴポンという感じで食ってくるのにはなかなか興奮させられました。
(2008.6)