○ライギョルアー 

 

 ライギョルアーはヒシモや水草の茂ったエリアで使用することが前提なので、たまにスピナベやスプーンも使いますが、セルフウィードレスの中空のルアーを使うことがほとんどです。(註1)

 ウィードレス性能を追求すると当然フッキングはしにくくなって、フッキングしやすくするとゴミを引っかけたり根がかりしたりしやすくなります。そのあたりのバランスを考えて上手くデザインして、ウィードレス性能は高いんだけど、そこそこフッキングも決まるにはどうするべきか素材やフックの位置・形状など各メーカーいろいろ工夫しているようです。

 ということで、私がライギョルアーを選ぶ一番のポイントはフッキングの決まりやすさです。モノによると、何回バイトさせてもフッキング成功ぜず、まったくフッキングしないとしか思えないようなルアーも使ったことありますが、そのルアーでライギョ釣りまくっているビデオもあったりして、フッキングの仕方とか使う竿とかの違いから釣り人との相性もあるように感じます。というわけでこれから紹介するルアーは私と相性の良かったルアーで必ずしも他のルアーがダメというわけではないと思います。

 もう一つ私がライギョルアーに求めるモノは見た目のルアーっぽさというか、表情のかわいらしさです。カエルをデフォルメしたタイプが多いのですが、カエル好きの私としてはカエルのユーモラスな可愛らしさが上手く表現されているルアーに引かれます。中空タイプのルアーはウェイトの追加で浮き方調整したり、接着剤で防水したりとチューンUPして使うのがお約束ですが、表情の良いルアーはそうやっていじくるのも楽しく感じます。

 

<バギーウォーカー(ザウルス)>

 九州在住時代、ライギョ釣りまくっている当方のもとに、4半世紀ぶりだというライギョ釣りを楽しむべく先輩が遊びに来ました。ボクのお気に入りのこのルアーを使ってもらったところ、かなり「フロッグの進化」に驚かれていました。素材は丈夫だしフックも太軸で頑丈でかつゲイブが広くてフッキングが決まりやすく、何より先輩がビックリしていたのはまるでザラかなんかのペンシルベイトのようにロッド操作で軽快に首を振ってくれることです。スナッグプルーフから始まって中空フロッグもここまで来たかという感じです。

 しかも表情はいかにもザウルスという感じの飛び出た目玉付きで、くびれたヒョウタンのような形状もユニークでザウルスのルアー作りの上手さを感じさせてくれます。メーカーがつぶれて手に入らなくなったのが残念です(註2)。東京に来てからは年に1、2回しかライギョ釣りに行かないので、今あるストックで私が死ぬまで持たせるつもりです。

バギーウォーカーバギーでライギョ

 

<フロッグ(マンズ)>

 アメリカ人がデザインするとカエルはこうなのか!と妙なところで感心させられます。

 扁平なニラ饅頭のようなシルエット。このシンプルな造形でカエルを感じさせてくれるセンスには脱帽です。ポチッと書いてある目もキュート。

 オリジナルのフックはバーブ付きでやや華奢なので、ザウルスのゴッツいフックに替えて、おしりにはスピナベに付けるような大きめのコロラドブレードを付けています。これがなかなか良い感じでペラ(ブレードのことね)が回転するとボディーがユラユラとローリングしてオープンウォーターのタダ引きでもアピール度高く下からドカンとライギョが飛び出すこと多し。活性の高いライギョを効率よく探していくのに向いてます。

 モチモチした素材と扁平な形状が良いのかどうか分かりませんがフッキングも良好。安く売ってますが良いルアーです。

マンズフロッグマンズでライギョ

 

<X・O・SR(バレーヒル)>

 ライギョストロングスタイルの教祖的存在の新家氏がプロデュースするフロッグシーリーズの割と小型で厚みのあるタイプ。

 バランスが良くて理由は分からないですが、フッキングが良いです。見た目も新家氏の観察眼が生きたリアルっぽいけどかなりデフォルメの効いたカエルデザイン。いかにも日本的でマンズとは好対照。オレンジの方はよく使ったので中の構造が折れ曲がってお蔵入りになりました。

XOSR

 

<デントス(スミス)>

 このフロッグはバス用として売られていますが、ライギョにも充分使えます。特徴的なのはフックがシングルフックを使っていることで、そのせいもあるのかフッキングは今まで使った中空ルアーの中で最も良いと思います。まず一匹釣って坊主を逃れたいときにはこのルアーを使います。ちょっとフックが細いので大きいのを狙うときは不安がありますが、釣ってみると結構平気です。デザインがやや懲りすぎのような気がするのと、せっかくの綺麗な塗装がはげやすいのが難点です。

デントス

 

<タイプ?(スプレンデット)>

 何種類か出ていてそれぞれタイプ1とか2とか名前があるらしいのですが、パッケージにも何も書いてないのでこれがタイプいくつなのか分かりません。ご存じの方がおられましたら教えてください。

 500円くらいの安価で売っていて、試しに買ってフックだけ替えて使ったところちょっと小さめのサイズと扁平な形が良いのか、ライギョの口に吸い込まれやすい気がします。フッキングも上々で、スレ気味のポイントで威力を発揮しました。

 デザインも取り立てて素晴らしいということもないですが、それなりにオリジナリティーもあってコストパフォーマンスを考えるとかなり優秀なルアーだと思います。

スプレンデット

 

<スワンプラット(ゼタベイト)>

 これは同居人の得意ルアーで、何度も痛い目に遭わされてきました。このルアーは中空ではなくでっかいシングルフックをつかうネズミ型のワームです。

 スピニングのシイラタックル(註3)でこれをぶち投げて、要所ではちょっと沈めてシッポをふるわせたりしてライギョを誘います。これが効くんですわ。

 アピール力はペラの付いた中空フロッグの方があると思うのですが、ナチュラルな漂う様とかはライギョが思わずくわえるのも納得の艶めかしさ。

 私のルアーに反応するけどどうしても食わないようなライギョに、このルアーをぶち込んでゲットしやがったことも結構あります。写真の太いライギョも私のルアーを食いきらなかった個体です。いやはやまいります。

スワンプラット同居人ライギョ太いの

 

 

(註1)ライギョは光り物が好きなので、水生植物がビッシリ生えている場所でなければスピナベやウィードレススプーンのシルバーミノーなんかも結構効いたりします。

 それから最近、ライギョ用フロッグといえばスナッグプルーフを始祖とする中空タイプがほとんどになりましたが、昔は下向きフックにウィードガードを付けたスーパーフロッグ方式や、上向きのシングルフックをカエルのおしり部分でガードするガルシアフロッグ方式もありました。ガルシアフロッグ方式のコーモラン「かへるくん」には中坊の頃お世話になりました。初ライギョもかへるくんでゲットしました。かへるくんすぐ足がもげちゃうのが泣き所なんですよね(本家ガルシアフロッグ譲りらしい)。

 

(註2)ザウルスはホントにルアー作るの上手かったと思います。「50」のイメージが強くあまりハイテクルアーという印象はないと思いますが、フロッグ以外にもバイブレーションやミノーの完成度は他のハイテクを売りにする日本のメーカーの製品と比べても決して引けを取らないどころかボクの中の評価では勝っちゃっているルアーが結構ありました。最近「50」とかの版権を買った「ザウルストレイン」というメーカーが立ち上がっていて、バギーシリーズは残念ながら復活してませんが、ソルトルアーなんかも一部復活してます。

 

(註3)ライギョ釣りにはベイトのヘビーなタックルにPEラインの100LB前後というのがほとんどのライギョマンのタックルだと思います。このタックルであれば問題なくヘビーカバーのライギョ釣りができるのは間違いないですが、この手のタックルでなければライギョ釣りができないかというとそうでもないと思います。実際に同居人が使っているタックルはスピニングのシイラタックルで、ラインはPEの4号にナイロンのショックリーダー50LBを1mほど取っています。まず引っ張り合いでこのシステムでラインブレイクが起こることは想像できません。メーターオーバーのライギョと引っ張り合いしても大丈夫でしょう。最悪でもこのタックルの中で一番弱いフックが曲がることでライギョの口にルアーを残すことは避けられます。障害物や歯に擦れる摩擦対策としてもショックリーダー50LBは14号に相当するので、普通にライギョ用に使われている80LB(7号)ダブルと同じくらいの太さがあり、PEより多少摩耗性に劣るナイロンラインとはいえ十分だと思っています。実際にラインブレイクは過去一度もありません。

 メインラインの太さが必要なのは、立ち上がったハス(註4)のエリアを攻めるような特殊な場合に限られるのではないかと感じています。ハスの茎はサンドペーパーのようにざらざらでラインがボロボロにされそうです。しかし、立ち上がったハスのエリアの攻略はライン云々の前に相当な技術が必要で、正直私のような軟弱モノには手が出せません。ラインと道具の特性を良く把握して自分の釣りに必要なモノを選べれば、現実的にはもう少しライトなタックルでもライギョ釣りは間に合います。が、ヘタクソがライトラインでラインブレイク連発するような状況が生じることはライギョマンは許せないので、充分安全を見たタックルを推奨しているのでしょう。それはそれで良いことだと思います。

(註4)ハスって意外なことに帰化植物だそうです。仏教伝来と共に日本に入ってきたとか。

ハス群生(難攻不落のハスの池)

 

(2008.5) 

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