○ワーム
・ガルプシリーズ(バークレイ)
最近はワームはこのシリーズのモノしか使っていません。
なぜならガルプシリーズは普通の酢酸ビニル製のワームとは異なり、おそらく寒天とか蒟蒻とかの食物系の素材なのだと思うけど「プラスチックフリー」の素材でできており、根がかったワームが水中に残ることの害が認識される現状ではベターな選択だと思うからです。
シリーズにはいろいろなタイプのワームがラインナップされており、メバルなどを狙う2インチのオナガウジタイプやグラブタイプ、アイナメ・ソイ釣りなどに使うリングワームタイプやザリガニ系タイプなどを良く使っています。
釣果も良く、宣伝文句のように生餌よりもバイトが多いとまでは言い切れないものの釣れッぷりには特に文句のない製品です。よく売れている人気商品で入手しやすいのも良い点です。
しかしこのシリーズ独特の難点もあります。
ハッキリいって「臭い」ことと「汁がもれる」の2点です。
科学的に研究された味と臭いがバークレーの売りで、とにかくワームがイカ臭い。触ると手がしばらくイカ臭く、ワームを置いてある周辺にはゴキブリが寄ってくるぐらいの臭いを発している。
確かに魚の好む匂いなのでしょうが、バークレーの科学的な研究はプラグのフレンジーシリーズが大コケしたことからもわかるように、どうもハッタリの要素が大きく信用できない。
だいたい、魚が視覚や水の動きで餌を捕らえている状況ではワームの派手な存在はかなりの刺激的な存在のはずで臭いや味はそれほど関係ないように思います。
少なくともアイナメやソイは動きに対する反応が良く、臭いが無くても釣れると思います。東北のソイ釣りでは味と臭い付きのエコギアのグラブが定番でしたが、当方はジャンボグラブで遜色ない釣果を出していました。特にアミノ酸やら臭いやらが必須というわけではないというのが実感です。
ただ、普通はワームではなかなか釣れない匂いに敏感っぽいハゼとかも釣れたので、効果がある魚種もあるにはあるようです。
しかしながら、ワームで狙うメインの魚種はそういった匂いや味で食ってくる魚ではなく動きや存在感で食ってくる魚なので、ここまで臭くなくても良いのにと思います。
次に「汁」の問題ですが、このワームは汁気がないところに置いておくと乾燥してしまうのと、防腐作用もあるらしい汁にある程度浸しておかないとカビが生えて分解されていってしまうので汁に浸しておく必要があります。
しかしながら純正のジッパー付きの袋もバケツも開封後は平気で汁がもれます。ここら辺がアメリカンのいい加減さなのでしょうか。
袋入りのモノは袋ごと更に大きなジップロックとかの袋に入れる必要があります。バケツに汁に浸して入っているモノは、汁がもれないようなパッキングできる容器に入れ直す必要があります。パッキン付きのタッパーを利用していましたが、それでも漏れました。ホルマリン漬けの標本などを入れておくプラスチック製の標本瓶が蓋もガッチリ閉まって良いのではないかと考えて使い始めてます。しかしそれでも出し入れの際にでも漏れるのか、やや湿りがち。
普段使うときには使う分だけ取り出してジッパー付きのビニールに入れて持ち運びます。使ったモノは元に戻さないようにしています。使ったモノをビニールに入れて保管していると、すぐに使うと良いのですが数ヶ月とか期間が空くと見事に黴びて分解され始めています。
汁漏れしない保管用の容器と、携帯用の容器の良いものを出せば売れるのではないでしょうか。「アクアストッカー」とかいう名で一部商品化されているようですが、このタイプのモノは漏れることを経験済みで特に画期的なモノは見受けられないように感じます。
いずれにせよ、生分解性という性能は心理的に罪悪感を軽減してくれるので、もう酢酸ビニル製のワームは使う気はしなくなりました。他のメーカーからも生分解性プラスチック素材でできたワームなどが出ていますが、まだまだラインアップ的にもガルプシリーズの牙城を崩すほどには至っておらず今後の健闘を期待します。
というわけで、昔使っていたワームの膨大なストックはほぼお蔵入りで今後出番はなさそうなので、サンプルだけ残して処分し始めているところですが(欲しい人は捨てちゃう前に連絡ください)、昔の想い出の染みたワームについて、いくつか紹介したいと思います。
・ジャンボグラブ、センコー(ゲーリーヤマモト)
ジャンボグラブの使いでの良さを実感したのは、とあるダムのインレット。
上流から流れてきた木くずや葉っぱなどのゴミが滞留しているエリア、ゴミの下にはバスが見え隠れしているが、ゴミが邪魔でプラグやスピナベが使えない。
ジャンボグラブをノーシンカーで投げてゴミの上をデロデロと引いてきたところ、ゴミを突き破ってのバイトの連発。40弱のバスを10匹近く連続ゲット。
すっかりノーシンカーの水面びき、いわゆる「グラビンバズ」にはまりました。ジャンボグラブは塩入りでかつサイズが大きいこともあり重さがあるので飛距離が稼げるのと、柔らかいテールが良く動きノーシンカーでも回転しないバランスの良さも非常に使いやすいです。その上ある程度沈むので障害物周りではちょっと沈めたりもできるし、底をとりたいときはアユ用のゴムばりガン玉を付けたりしていろんな状況に対応できました。
根掛かりしにくいので障害物の中にぶち込めるのも大きな利点。
同じ素材でできていて、メリハリのある動きやイレギュラーなダートも得意なセンコーとローテーションで良く使っていました。
色は、派手系と地味系の2種あれば足りる感じで、ラメ入りパールホワイトと茶色系を常備していました。
塩味は実際噛んだときに単なる「モノ」ではなく、なんか生き物の肉っぽい感じを受けます。ラインを切ろうとしてジャンボグラブを口に含んだときに、なるほどこれは塩味というのは意味があるかなと思ったモノです。
海水中で塩味にどれほど意味があるかわかりませんが、少なくとも重量があることと、塩の粒子が混じっている分素材が柔らかく、フッキングが決まりやすいという利点は効いていたと思います。バスもよく釣れましたが、ジャンボグラブはソイ釣りでも活躍しました。
・エコギア(マルキュー) シャッド ミニタンク パワーしらす ストレート
20センチ前後の小型の根魚を釣って楽しむのにエコギアシリーズは重宝しました。
中学生の頃から、アイナメやソイ狙いのテトラや石組みでのブラクリを使った穴釣りは得意でしたが、大学生ぐらいのときに餌のモエビの代わりにエコギアの小型のワームを付けて釣るとエビ餌より餌持ちが良く釣果も遜色がないことに気づき、以降ブラクリにエコギアは得意の釣方になりました。ワームはシャッドのSとSS、ストレート4インチを半分に切ったもの、蟹のメガロパ幼生の形のミニタンクなどを良く使ってました。カラーはオ下劣ド派手な蛍光ピンクと地味なスモークブラック系や緑系をローテーションさせていました。
東北に赴任したときに、北の海だからさぞかし根魚は沢山いるだろうということで、港の堤防のテトラなどで穴釣りトライしてみましたが、最初はほとんど成果が上がりませんでした。多少釣れた場所も次行くと魚の反応が無くどうも釣りきられているような感触。東北の釣りも甘くないなと思っていましたが、釣り人があまり来ない魚が残っているポイントの地理的条件に気づいてからは、同様のポイントを地図で探し出し、行くたびに10尾前後は安定して釣れるようになりました。サイズは20センチ中心に大きくても35ぐらいまでのアイナメ、クロソイ、ギスカジカ、クジメ。堪能できました。根魚については定着性が強いのでポイントの魚を釣りきってしまうと次のシーズンなど魚の大きな移動があるまではあまり補充されないように感じます。逆にあまり釣られて持って帰られないポイントにはいつでもある程度の魚が残っていたように感じました。
メバルも良く釣りました。小型ジグヘッドにシャッドSやパワーしらすをつけてライトタックルでダラダラと水面直下や中層をゆっくり引いて狙うと面白いように釣れたモノです。しかしながらメバルのルアーでの釣りは流行ってしまい、有名ポイントには釣れるサイズのメバルは泳いでいるのが確認できないような状況になっていて最近あんまりやっていません。数年前実家に正月ころ久しぶりに帰ってメバル釣りに行ったところ、釣り人多数でメバルほとんど反応無く、この釣りも終わったなと感じました。山口県に出張に行ったときにはまだ沢山釣れたので、まだまだポイント選択や釣り方次第では釣りになるのかもしれませんが、関東近郊では当方の技術ではもうあまりおいしい釣りはできそうにないのであきらめています。
・スライダー
4インチのなんということはないストレートのワーム。しかしこのワームは一世を風靡しました。
それまでワームの釣りといえば6インチのストレートを重めの弾丸型オモリを使ったテキサスリグにしてベイトタックルで底をトントンして釣るのが主流でした。
それが、このワームはジグヘッドや、ガン玉を噛ませたリグでスピニングタックルのライトラインで釣る。しかも底トントンではなく中層や低層をダラダラ引いて釣るというかんじで、まっすぐ細長いモノが平行移動するのが小魚をイミテートしているという宣伝文句でした。
スライダーワーム以降(だと思う)、4インチという一口サイズがワームの一大勢力となりました。
このワームで思い出すのは、ケン一特製の集魚エキス。なんかニンニクベースでえげつない匂いを発するドロドロの代物で、最初馬鹿にしていたところ、そのドロドロエキス付きのスライダーを使うケン一ばかり釣れて完敗しました。なぜか当方にはほとんど反応無く、背中を丸めてあたりを待つ背中に哀愁が漂っていたとのこと。
集魚剤が効いたように思える経験は後にも先にもこのときだけなので印象深いです。
・クラッピースライダーグラブ
エコギアのグラスミノーにつながる小さくてシッポがピロピロ動くグラブの元祖的存在。当時「セコい!」ともいわれてましたが、とにかく仔バスからデカバスまでよく釣れました。
半分にちぎるとギル釣りにもちょうど良くて、ギルの数釣りを楽しんでいると、突然40UPのバスが来るなんてこともありました。
ほかのルアーでは渋い反応なのに、このワームだけは爆釣という時もあって、なかなかに楽しい思いをさせてもらいました。
このワームでしこたま釣った後の、とあるキャンプの夜、メンツの一人がアメリカ留学経験があり、当地でのマリファナ体験とかを面白おかしく披露した後で「今日の釣りに比べたらマリファナなんて大したことないよ。」と語っていたのを思い出します。
「日本で非合法のマリファナに高い金出すぐらいなら、オレは釣りに行こう。」と思ったモノです。
・ティーズ
このワームはピロピロ動くテールをわざわざカットしてビーズをかましたリグでふるわせるようにシェイクして使うのが流行ってましたが、当方は普通にテキサスリグや大きめのガン玉のショートキャロライナリグでピロピロ引っ張って使っていました。普通によく釣れました。
塩入りの素材で、はじめメーカー別だったような記憶があるのですが、その後ゲーリーヤマモトから出ていました。ゲーリーヤマモトからは、最初からシッポを切ったカットテールワームなるものも売られておりました。
大学生の頃、ゴムボートをボロ車に積んで通っていたダムの立木周りでよく釣れた想い出があります。
・トーナメントワーム
当方が中坊のころワームといったらこれと、ジェリーワームが王道でした。そういえばダイヤモンドワームって地味なワームもあったな。
当時のワームの使い方は、テキサスリグのみといっていい状況で、6インチのこのワームで底をトントンとってランカー狙ってました。
穴を開けたシュアーフッカーというのも出てましたが、穴あきじゃないトーナメントワームにストローで穴を開ける改造が「釣りトップ」とかでよく紹介されていました。
トーナメントワームも釣りトップも懐かしいな。釣りトップのフォトトーナメントに応募して参加賞の特製ボールペンもらったような記憶があります。
色は紫とかが多かったのですが、白が釣れるという噂が流れて、あんまり売っていない白を探し回ったこともありました。そういえばこの頃ワームは袋から出してばら売りもしていました。昔はそもそも田舎じゃ売ってるルアーの数・種類自体少なかったです。多分今の我が家にあるルアーより格段に少なかったと思います。
・スウィートウィリー
トーナメントワームよりちょっと後に出てきた、より細身のこのワームは、当方にバス釣り教えてくれた「師匠」がお気に入りでした。紫にピンクのシッポとかの7インチの長い方に絶大な信頼をおいていました。当方はどちらかというと5インチのちょっと短い方を良く使ってました。今でも封を切っていないストックが何袋もあります。
ワームはNIPだろうが古かろうが値段が付かないのは残念。
古ワームマニアとかの奇特な方がおられたら捨ててしまう前にご連絡下さい。
・フィンズフィッシュ
スラッゴーの流れをくみ、やや魚っぽいシッポなんか付けたモデル。
スラッゴーの登場時には、「こういう怪しい新製品には騙されんぞ!」と買い控えてましたが、第2弾として似たようなコンセプトの別バリエーションが出るならそれなりに売れてる(=釣れてる)のかなと購入。
それまでのルアーには無かったイレギュラーなダートにすれたバスもバンバン食ってきました。
普通ルアーはラインで引っ張られているときにアクションするのですが、このルアーはむしろラインにたるみができたときのほうが、慣性や沈降に伴う変則的で「縛られていない」アクションがうまれて、みていてもほかのルアーと違うなと納得させられました。
見えバスにも効果的で、他のルアーにちょっと興味示すだけ程度のバスが、このルアーのトリッキーなアクションに、いきなりスイッチ入ったように捕食モードで追ってきてバイトなんてこともありました。
・G4
痔の薬に同名のモノがあり初めてパッケージをみたとき苦笑せざるを得ませんでした。割と大きめのチューブワームでした。
ワームの釣りは、餌づりの脈釣りにも通じるアタリの取り方の妙があり、また障害物をタイトに攻められることからも好きな釣りです。あまり語られることの少ないワームについて今回はちょっと書いてみました。
(2010.3)