○スピンフィッシャー430ssgの逆転防止機構メンテ
シーバス釣行時に、根掛かりを外そうと竿をあおっていたら、スピンフィッシャー430ssgのハンドルが逆転してしまった。根掛かりを外した後もたまに逆転する。リーリング中は問題無いが、魚をランディングするのに片手に落としダモを持って取り込もうとしたら、逆転しはじめて魚泳いで潜って行ってしまい仕切り直し。とりあえず、逆転しっぱなしではなく、何度かハンドルを小刻みに回せば止まることがあるのでどうにか取り込んだが、ちょっと具合が悪くなっていた。新型スピンフィッシャーを買ってから4年ちょっと、ラインローラーとメインシャフトへの注油のみでガンガン愛用していたが、初の不具合である。
実は、PENN系のリールで逆転防止機構が不調のリールを見たのはこれが初めてではない。
以前、インターナショナル975というベイトキャスティングリールが、中古で逆転防止機構が不調のためジャンク扱いだったので格安で手に入れ、メーカーメンテで直してもらった経験がある。
このときは単なる油ぎれだったようで、注油されて戻ってきて以降問題無い。
今回の、430ssgもたぶん同様だろうという読みで、逆転防止機構に注油することとした。
週刊誌の上に、分解した部品を並べていく。
ドラグノブを回して外し、スプールも外す。本体プレート側のハンドル用の穴の蓋を外し、本体プレートの三カ所の+ネジを外してプレートも外す。
本体プレートを外すと、メインシャフトを上下させるための機構に留めているマイナスネジを外し、メインシャフトを引っこ抜く。リール内の設計は部品が少なく極めてシンプルなのが分かるだろうか。
メインシャフトを引っこ抜いたあと、ローターを留めているナットをモンキーで外し、ローターを外すとそこに逆転防止機構が鎮座している。
この、ローターの回転軸にインフィニットアンチリバースと呼ばれる遊びのない逆転防止機構が付いているのが新型スピンフィッシャーの特徴。
写真中央にベアリングのように2重になった金属部品があるのだが、このベアリングのような部分が逆転防止機構そのもの。インフィニットアンチリバースは、片方にしか回転しないベアリングのような部品である。
チョイチョイと油を差して、サクサクと組み立て直してメンテ終了。
ローターの回転軸に逆転防止機構をつけてしまった以上、ハンドル逆転のための機構を付けようとすると逆転防止機構をオフにするような仕組みが必要でありややこしくなるので、省略してしまっている。それらの部品が無いことも、このリール独特の部品が少なくシンプルな設計を可能としているように思う。
今時のリールでこんなに簡単に分解できてメンテ可能なリールは見たことがない。
ハンドル逆転などなくても4年間一度も困ったことがない。というか、ハンドル逆転のレバーが付いている古いスピンフィシャーでも逆転させた記憶があまりない。ラインが変にスプール下に噛んだときに使うぐらいか?まあ、無くて良い。
早速、昨晩実釣で試してみた。最初何度か逆転して不安だったが、油がなじんだのか後半は問題無かった。おそらく正常に戻ったのだろう。
シンプルでメンテしやすく丈夫でドラグも充分性能良いし、NEWスピンフィッシャーはもっと評価されても良いリールだと思います。
スペアスプールの安さまで含めて考えると結構お買い得だと思うのですが。お一つどうですか?
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(2012.4)