○4500SS

 最近一番出番が多いのが、シーバス用のメインで使っているこのリール。これも5台ありますが、良く使っているのは2台で1台は4500SSの初期の金色のハンドルが付いているモデル、もう一台は中古屋でハンドルのつまみのゴムが剥がされ、ドラグノブは4400SS用のものが付けられ機能せずジャンク扱いされていたものです。このリールを復活させてもう一度日の目を見させてあげられるのは私しかいないと妙な具合に盛り上がってしまい、安かったこともありゲットしました。

 ハンドルのつまみは何の目的があってそんなことをしたのか理解に苦しみますが芯の部分だけになっていたので、割り箸とエポキシで整形しててきとうな形を作りました。ドラグノブは取り寄せましたが、新型になっていて旧型のものより微調整が効くようになっており快適です。

 内部のギアなど機関はガタつきもなくスムーズで、復活させたこの1台は非常に好調で釣果もしっかりあがってます。リールの恩返しではないかと密かに思っています。

 最近シーバスを釣る際にシーカヤックに乗ることが多いのですが、竿については狭い船上であんまり長いと扱いにくいし、かといって短かすぎると魚が船の下を潜った場合など、船首をかわしてやりとりするのがやりにくいので、まあ6.5から7.5fが使いやすいかなと思っています。

シーカヤック(愛艇 エアラインJAVA)

 今使っているのは、メインがアグリースティック7fです。障害物周り用に同じアグリースティックのボートロッドの6.5fを使っています。

 アグリースティックはアメリカはシェクスピア社製の竿で安くて丈夫で10年以上前から長きにわたってアメリカの通販では定番の商品です。特徴はグラスとカーボンのコンポジットのブランクを使っていることで、特にティップがソリッドのグラスで透明になっているのが印象的です。

アグリースティック7f(カヤック上アグリー7Fでファイト中)

 通販の広告ページでは思いっきり曲げて喜んでいるおじさんの写真が出ていてその丈夫さを誇示しています。

 しかし、日本では全くといって良いほど人気がありません。私も7fの方を初めて手にしたときは正直「失敗したな」と思いました。まず見た目がショボい。値段も40ドルしないような安竿なのでガイドがSICじゃないのは仕方ないとしても、ブランクがカーボンシート巻いた跡なのかグルグルと全体に段差ができていて美しくない!

 次に、バランスが悪い。7fのわりにリールシートがバットに近く、ティップがソリッドで重いこともあり思いっきりトップヘビーで、しかたなく板重りをバットエンドに巻いてビニールテープでグルグル巻きにして多少ましなバランスにしています。

 さらに、トップヘビーなバランスとも関係すると思うのですが、竿のアクションがダルいというかなんというかシャキッとしていなくて感度も悪い。

 およそ今時のできの良い竿を使ったことがある人間なら駄目出ししそうな竿ですが、丈夫そうなのは確かなのでしばらく使っていると、この竿の良い点がみえてきてすっかりお気に入りです。

 何がよいかというと、まず丈夫なのに加え、竿のティップ側とバット側で別のクラスの竿かと思うぐらい極端に性格の違う素材を使っているので、イメージするなら軽いルアーや小さい魚にはティップで対応、重いルアーと大きい魚にはバットが対応という感じでとにかく一本の竿でいろんな状況に対応できます。

 シーバス狙いでは魚が小さなカタクチのシラスに狂っている場合から、でかいミノーの飛距離とアピールが効く場合までいろんな状況があります。しかも釣れてくるサイズも手のひらちょいのセイゴから、70を超えるスズキサイズまで様々です。

 この竿なら5センチ程度のシンキングペンシルやミノーも楽に扱えるのに15センチのミノーや1ozのバイブレーションも問題なく使えます。セイゴ釣っていていきなりスズキがきても問題ありません。竿を1本しか持って行けないカヤックの釣りや、何が釣れるか分からない遠征の釣りでは何でもありの竿は重宝します。

 NZにヒラマサ釣りに行ったときにもジギングロッドの他にこの竿を持って行きましたが、アオリイカやカウアイ等ジギング以外でもいろいろ釣って遊べました。カウアイはハマチみたいな感じの魚で、根回りで強引に止めにいくとグリップまで曲がるような良い引きしてくれましたが折れず、改めてその丈夫さに感心しました。

カウアイ(カウアイ)

 さらに、PEラインとの相性が意外に良かったりします。PEラインを使うとナイロンラインを使用するときとは竿が別物になるぐらい使い心地が違います。感度はものすごく良くなりますが、反面バラしは増えるしあたりもはじきまくります。PEラインの強度を生かそうと思うとナイロンラインの使用を前提とした竿では強度的に無理がかかります。

 ところがこのダルいロッドは適当にPEラインのショックアブソーバーとして働いてくれ、しかも丈夫なのでPEラインの強度を生かした強引なやりとりにも対応できます。

 値段の安さもありアメリカで指示され続けているのもよく分かります。思わずアグリースティックシリーズは何本か買ってしまっています。

 6.5のボートロッドは比較的大型のシーバスを障害物周りで狙うときに14ポンドとかの太いナイロンラインと使っています。魚が食ったらスズキ用にはやや大げさとも思える竿のパワーを生かしてフッキングで頭をこちらに向けて、そのまま飛ぼうが頭を振ろうが強引に障害物から引き離します。当然バラしは覚悟の上の作戦ですが、ナイロンの太いラインとアグリースティックのグラス製ティップの粘りが多少ともバラし軽減に役だってくれることと期待しています。

アグリースティック6.5f(アグリースティック6.5f)

 それから、砂浜や干潟でミノーなどを使ったシーバス狙いには、スミスのトラウティンスピン10fを4500SSにあわせて愛用しています。

 人様からもらった竿ですが、「どこがトラウティンやねん!」とつっこみを入れたくなるような竿で、アブラビレを狙うならむしろサーモンが釣れそうな竿で、譲ってくれた人も小さめのメタルジグを投げてショアからサバやらハマチやらを釣るために使っていたようです。

 シーバス用の10センチ台のミノーにも好適で気持ちよく投げられます。長めの竿なのでかけてからのファイトも竿がグッとたわんで溜めてくれるような独特の味わいがあり良いものです。

 シーバスやらハマチやらに使い倒していたら、ある日突然2番目のガイドのフットがキャスト時に折れてしまいました。

 竿としては「オレはマス用の竿なのに海でこき使いやがって!」という感じかもしれませんが、ガイドの巻きを強化して今も海でこき使っています。

 「××用」と銘打たれた竿はごく普通ですが、その目的だけにしか使えない竿などあまりないので私は気にせず使い回しています。

博多湾スズキ(博多湾シーバス)

(2008.3)



(2020.2紀伊半島メジロ)



PENNスピンフィッシャー4400ss、4500ssのベアリング交換 


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