−ゴールデン・ウィーク九州遠征編−(2015.5.2〜5.5)
○5月2日
前夜まで珍しく持っていく荷物に迷った。あれもこれも釣りたいと荷物が膨らむのを、なんとか詰め込んで10時には寝て朝4時半起き。出発前の顛末記に「志携えて立ち向かえ」と書いたが、志も道具も抱えきれないぐらい携えた。
九州はもう10年近い昔になってしまっていて驚くが、3年ほど暮らした想い出の地。ライギョもナマズもタナゴもフナもスズキもヤズもサゴシもメバルもテナガダコも釣りまくったので、いろんな釣りが頭に湧いてきて釣りモノ絞り込むのに苦労した。今回お世話になったツーテンの虎ファンさんとは、これまた20年近いつきあいで昨年から九州勤務。私が九州勤務時代に一緒にライギョ釣りもしたが、今回逆に私がロッドケース担いでたずねていく。お互い歳もくってあちこちガタついているが、4日間釣りして飯食って寝るだけの釣りまみれの予定を組んでの出撃である。
朝早くの便に乗るため、1時間前には羽田に着いて余裕のつもりが、GW後半初日とあって予想を上回る混雑で、手荷物並んでいる途中で優先窓口に案内される体たらく。遊びでも仕事でも旅なれているつもりだったが甘かったと反省。
到着して空港で車で拾ってもらい、てらい無く一番実績のあったエリアに直行。ゴールデンウィークも後半戦スタートして全国からぞくぞくとライギョマンが集結している決戦の地、空港の荷物レーンにも当方のロッドケースの他に何本かバズーカ流れていた。後塵を拝していては釣果は期待できまいて。
到着して、はやる気持ちでタックルセットが手に着かないぐらいの気持ちでアタフタと準備、最初は新調した「ガンガン70改」と男のリールだ7000番台の「アンバサダー7001」ではなく、九州時代に使い慣れたバスプロショップスの6.6fのマスキーロッドとカモフラカラーのアンバサダー6500Cで行く。
先に準備を終えて下手に展開し始めた虎ファンさんが、いきなり釣れたと60くらいのをぶら下げて土手を上がってくる。さい先良い、このポイント健在で嬉しい。
私は上手に展開していくが2匹ほど確認できたが無視されて、戻ってきて合流して、まだやってないポイントをやらしてもらう。ここもそうだったが、今年は春から雨が多いせいか菱がほとんど無いところが多く不安な感じ。後ろの水面も本来なら5月頃だとまばらに菱が浮いているはずだった。
菱がないので、葦際とかを狙っていくとデントスのピンクに派手に出てくれた。やや痩せてるが60くらい。割と早々にしかも一発目をキッチリフッキングも決めて釣るなんて、さい先良いことこの上ない。
ルアーを外そうと手で口を開けようとしたが、久しぶりでというのと興奮してというので失敗して指の端を噛まれて指に血がにじむが、嬉しいし興奮してるしで痛くない。結局マウスオープナーを使って外した。
その後、隣接するハスのエリアに歩いて移動。GWぐらいだとまだハスの葉が浮葉だけで、葉が立ち上がりだすと難攻不落のハスのエリアもこの時期狙い目である。しかし、3、4匹魚は見つけたがルアーを後ろまで来て見るだけでバイトせず。
早々に見切って移動して、広めのロケーションが続くエリアへ。遠投するのでフロッグは得意のバギーウォカーで首振らせていく。
車を止めたすぐ近く、沈水植物のエリアでバフッとバイト。釣ってた道路を後ずさりしながらしっかり竿曲がるぐらいテンション掛け続けて沈水植物の上を引きずってきて引っこ抜く。サイズは小さめだが、さい先良い反応で期待高まる。
チョット歩きで移動して、二人して枯れたハスのエリアを目指しながら投げていく。菱がこのエリアも無いので沈水植物、葦、ハス、ゴミたまりあたりをとりあえず狙う作戦。
キャストしていたらラインが竿に絡んだ。竿先を振ってほどこうとしたがどうも竿の真ん中アタリが絡んでいる。なぜそんなところが絡んでいるのかわけがわからないので手に取ってしげしげとみて愕然とした。なんと、ガイド1ッコ飛ばしてライン通していて飛ばしたガイドにラインが絡んでいる。焦っていたとはいえラインぐらい全部のガイドに通せよ!というか3時間ほど経って2匹釣ってまだ気付いてなかったってどうゆうことよ!と、あきれるやら笑われるやら。今後、私が竿のガイドセッティングがどうのこうのと書き始めても、一切無視していただいて結構です。ガイド飛ばして釣ってて気づかないようなヤツに竿のデザインやら使い心地やら語る資格は無い。無いって言ったら無い!
と小ネタも挟みつつ本命視していたハスのエリアへ、まだ浮き葉も出ておらず岸際葦が残っている程度。しかしその葦の周りの浅いエリアに魚がウロウロしている。
ライギョ釣りをやっていると必ず発症する病気があって、それは「何でもライギョに見える病」というやつで、沈んでる木や泳いでるコイ、浮いてくる亀、水上の葦の影とかがライギョに見えてくるのである。特にやっかいなのが浅い水底に埋まるようにして立っている、田んぼの畦を固めるのに使ったりする波形の塩ビ板。この波打つ板が適当にカーブしながら水底で影を作っていると、ライギョの背ビレがカーブしているのに見えて紛らわしいことこの上ない。似た病気に高圧電線からの雨だれをライズと間違えたり石に引っ掛かった農業用黒ビニールが揺れているのを魚と間違えたりする「何でもイワナ・ヤマメに見える病」もあるので、釣り人の皆さんには気をつけていただきたい。
で、ウロウロしているライギョだが、コレが反応良くてバッコンバッコン出る。しかも、これは木かゴミだろうなと思う何も無い浅場で動かないヤツも念のため狙ってみると、ルアーが近づくといきなり動き出して食ったりするぐらいにあちこちにライギョがいる。気温が上がって暑くなってきて「祭り」が始まったようだ。しかし、すっぽ抜けやら足元落っことしたりが多く、やっとこ1匹ゲット。見えてるサイズもこのぐらいの60無いかなぐらいが多い。
ハスのエリアを抜けて、筋を換えて葦の水路。ここもライギョ祭り続行中で私が入った方には70前後ぐらいの2匹割と良いサイズのがウロウロしているのが見える。さっきの場所ほどはアグレッシブでなく何度かキャストドンピシャで決まって割と近くに通しても追ってこない。葦に一旦絡めて至近距離に落としてポーズ長めで誘っていたら、あきらめかけたころにバフッとでた。フッキングも決まって水中グネグネするのをリールワークとフットワーク駆使して寄せてきて上あご良いところにかかっているのを確認して引っこ抜いた。
なかなか、太くて67センチというところ。良いじゃないですか。
虎ファンさんのいた方にも魚結構いたようだが、反応はイマイチだっようす。
しかし、日差しが強く暑くなってきた。日なたの外気温30度になっている。遅めの昼飯休憩にしてスーパーに飲み物仕入れに行く。
スポーツドリンクとか麦茶とか買い込んで、レジに並んでいると、前に並んだオッチャンの買い物カゴにはトリスのキングサイズペットボトルと焼酎紙パック1リットルとハムステーキとかそんな感じの塩気のありそうな肴という九州男児なチョイスであった。酒飲まなくなって久しいが、オッチャンが飲む酒はとても旨そうだなと思ってうらやましかった。高級な酒とかそんなんじゃなくて、飲みたい酒を飲みたいだけガッチリ飲んじまう男らしい酒が、どんなグレートビンテージやら大吟醸やらより、禁酒の誓いをぐらつかせるのであった。トリキンと紙パック焼酎は漢が飲むに値する酒だと思う。
私は健康上の問題で、飲むと次の日に残る、残ると仕事が片付いていかない、仕事が片付いていかないと、なんやかんやで週末の釣りがままならなくなる。というサイクルが我慢ならなくて「釣り」と「酒」を天秤に掛けて「釣り」を選択したわけである。そのチョイスにそれ以外あり得ないので後悔もくそも無いが、酒を浴びるほど飲むのも嫌いじゃなかったので、夏には炭酸入りの麦茶でしかないノンアルコールビアテイスト飲料の缶をプシッとしたりと未練がましいことをしたりもしている。
道中虎ファンさんとも話したが、酒もタバコも旨いモノも口にせず、危ないこともせず長生きしたとして、そんなもん何がおもろいんヤ?と思ったわけである。ただダラダラと長く生きたところでそんなもん何の意味もない。多少命短くなっても楽しみとか喜びとかを知る人生を送りたいと我々は思うのであった。
休憩後は道具を左手サミング仕様のニューロッド「ガンガン70改」と「アンバサダー7001」に変えて、最初に入った水系の上手側に入る。
ライギョロッドの魔改造
2手に別れて、私は2バイト1ばらし。橋の上で掛けて引っこ抜こうとしたが落っことした。虎ファンさんも魚はいたが釣れなかったとのこと。
近くで菱藻があるエリアに心当たりあるとのことで移動。魚はいて、でもルアー見るだけだった。1尾70越えてそうな良型もいた。虎ファンさんは何発かでてばらしたとのこと。
再度、反応良かった水系のまだやっていないところに戻って、下手に行った私は全く魚見かけず、しかし虎ファンさんは2ゲットと好釣だった様子。下手は人が入っていたのかもしれない。
大きく場所を変えてみようということで、エリアをかえて過去同居人が太いの釣ったポイントへ。ボラがいたが、菱はなく赤い外来種の浮き草ぐらいしか隠れる場所が無く反応無く、そろそろ夕方と言うことで、浮き草と水草のあった三角刑のポイントへ移動。途中の水路で虎ファンさんはバイトはあったようだが、こちらは1匹小さいのを見ただけでここはイマイチっぽかった。
そろそろ夕方ということで初日終了。初日から釣れて良い塩梅である。天気が崩れるのが1日早くなったようで明日は雨。雨で水温低下するとライギョ沈黙すること多いが、そうとも限らないこともあるのがライギョ釣りで、基本行って帰ってくるまで釣れるかどうか分からないという、どの釣りでも一緒のことが、とくに強く感じられる釣りである。
○3日
ゆっくり寝て、雨音で降ってるなと起きて、とりあえず行きましょかと7時頃出発。
最初昨日と同じ場所で活性見ようと、菱藻のあったエリアに行く。
割と活性よくて、バズぺらつきのバギークロウラーで2発バイトあったが1発はナマズかも。ぐるっと回ってカワセミみて合流。虎ファンさんも3匹ぐらい見つけて1バラしと割と活性高いようなので、チョット移動したエリアで菱生えているところに心当たりがあるということで移動。
菱のエリアに入る前に、木のオーバーハングしている水草のエリア、1回反応あって、しばらく付近をねらっていたら足際でバコンとヒット。近距離で暴れるのを抜きあげてこの竿での初物。
左手サミングでバズペラ付きのフロッグって変な道具で釣ってる。60前後か。
菱のエリア2手に分かれて結構な距離チェックするが二人とも不発。カワセミ2匹目発見。
移動して、昔実績のあった浅いワンド、ゴミ溜まりでワンバイトのみ浮き草がない。
チョイ移動、花壇脇パラ菱、何匹かいるが水草の上でじっとしており泳いでない。角でワンバイトのみ。雨が降り続き昨日の30どから17度で朝の活性高い感じがすっかりおさまってしまい活性低い感じ。
カササギ居たが写真撮るタイミング無かった。
飯食って相談して、有名ポイントのハスのエリアをためして思わしくなければ、帰って昼寝して夜ナマズにしようということに。
ハスのエリア、何匹かみたが、向こうに先に見つけられたり、無視されたり。虎ファンさん1バラし。
九州のアオサギは警戒心強い。アオサギ、ダイサギが操業中のところをかなり遠距離から1枚写真撮って接近しようと体動かしたら飛んでいった。東京近郊のよりも身体のサイズが大きく感じるのは気のせいか。
ラジオの天気予報では、明日午後から晴れるので、ライギョ釣りはそこから再会で、午前は小物釣り。今夜はナマズと決め手早めに切り上げて、ナマズを釣る虎ファンさんちの近所の川などチェック。
3時頃帰宅して野球見たり昼寝したりウダウダ。昼寝後、飯食いにいって、前の川でナマズ釣り。しかし私のペラ追加ジタバグにも虎ファンさんのダルトンSPにも反応無く明日のため早めに寝る。
○4日
午前まで曇り時々小雨、午後から日差しがという天気予報だったので、午前中は小物釣りして午後ライギョ釣りの予定とする。
タナゴとフナとその他諸々の小魚達がターゲット。こういう小物ポイントも釣れないところと釣れる所って歴然としてあったりして、実績ポイントへ行く。
1カ所目の水門周り、グルテン餌の浮きタナゴ仕掛け。まずは植物じゃなくて魚の方のハス、琵琶湖でコアユ食って進化した独特のウケ口のデカイ口。虎ファンさんの釣った大きめ雄を正面から見て、同じようにウケ口のデカイ口の魚であるアロワナに似ている気がした。
その後、虎ファンさんがフライタックル出してきてハス釣ったろうと苦戦しているのを横目に、ヤリタナゴ連発。
1発目が大きかった。
こいつは美麗。腰から後ろあたりに乗る緑色の玄妙な色彩変化(魚の腰ってどこや?)。
水槽観察だと、鼻先に追い星がでているのと、ヒゲまではっきり見える。
メスも釣れる。輸卵管が出始めていて産卵期に入っている感じだ。恋する女の子なのにヒゲ。
その後フナが寄ってきたのか連発。タナゴタックルブチ曲げて良いひきして楽しましてくれる。タナゴほどの美麗種ではないが癒し系の素朴な村娘系の魅力。
このフナが、何なのか実は自信がない。マブナと呼ばれるギンブナで良いようにも思うが体高が高い。でも顔はヘラではない。基本ギンブナなら雌だけで増えるクローン達で、「半べら」という交雑個体もなくはないがレアケースと聞く。フナの分類は「フナってなに?」と専門家達の知識がゲシュタルト崩壊起こしているぐらい混乱しているらしい。
もういっちょ、同定難易度高いのがこの魚。琵琶湖出身のスゴモロコだと思うのだが、イトモロコやコウライモロコとかなりにている。魚体の縦ラインに黒点が見られるのでイトモロコは無いと思うが、スゴモロコかな?ぐらいの感じである。
練り餌で寄ったのか、フナばかり連発するようになってきて贅沢にも飽きてきたので、チョット移動してオヤニラミを狙いに行くが、時期が今年はずれているのか、期待していた場所に付いていなかった。
小移動して、再度タナゴなどねらう。
ヤリ、フナフナ、ヌマムツてな感じでゲット。
正午近くなって暑くなってきて昼飯後、移動してライギョスタート。
飯食った近くのエリア、水路がグチャグチャと入り組んでいる地形なので狙ってみると、最初入った風表の水門のゴミだまりでバギーウォーカーに1バイト、水路を進んでいって、風表、ゴミとかが浮いている土手のストレート、早めのドックウォークで70ぐらいのがチェイスしてバコンと食ったが口にルアーは入らず。ワンド上の枯れ葦のエリア、足元浮いていたヤツをねらうと、音もなくルアーが沈んでフッキングかましてそのまま抜き上げたら60弱のライギョが土手に落ちて草むら泳ぐようにして水に帰って行った。もう一匹60弱ういていたが無反応。このエリア期待できるのかと思ったが、そのあたりだけで全然ほかは反応無かった。何が良いのかよく分からん。
移動して行ったこと無いエリアを探索していく。葦のストレートな水路で何匹か浮いているのみつけてワンバイト。ルアーが口に入っていない感じ。もしくは即吐いている。
もう一カ所、地図でお城か何かのお堀っぽい場所に行ったら、ミシシッピアカミミガメのデカイのばかりでまるでダメ。
2人とも行ったこと無いエリアのつもりで探索していたが、私は「ああ、ここ来てたわ!」と想い出すことが多かった。当時の若いナマジはバイクでとにかく片っ端からチェックかけていて、釣れなかったところは憶えていないが、ホントに自分で感心するぐらいに勤勉で挑戦的で気の狂った釣り人であった。今もそれなりに気合い入っているつもりだが、虎ファンさんに参考資料として渡すために、当時のウェブ版になる前の週末顛末記を探してきてチョット読んでみたが、正直自分ながら感服する。
「忙しい」を言い訳にしない潔いまでの突っ走り方。休日出勤あわせて月の残業時間100時間オーバーの「社畜」状態だったが、若いオレはそれでも自由だった。
あんまり面白かったので、ポイント名伏せてここに一部を再掲してみる。
「顛末記4.25,26,29 ナマジです。
死ぬほど忙しいですが(なんと今月1日中休めたのは1回のみ)、釣りもさぼらず隙を見て行ってます。
25日下船して体ヘロヘロながらも、低気圧接近中でバスとか雷魚に良さそうな天気だったので○○へ。クリークを攻めるが、前日の雨の影響かまだ早いのか渋くワンバイトのみ。水草は生え始めておりいよいよライ様シーズン間近という感じ。
26日土曜、夕方○川河口でシーバスねらいはバチもおらずCD7にセイゴの反応あったが1バイトのみ。
△川にナマズをねらいに行くと、やや増水したのが良かったのか活性高くバイトの嵐。3時間ほどで63センチの博多に来てから最大ナマズを筆頭に7匹。すべてジタバグにて。ナマザー大満足。
日曜から××対応でろくに眠らずに29日の昼頃まで働いたが、終わって昼寝したらナマズが呼んでいた(頭だいぶイカレてきました)ので雨降りそうだったけど、夕方出撃、夕まずめは×川河口のシーバスチェック。スカ
△川に移動すると水量が減っていて前回ほど反応良くなく、なかなかはりがかりしないやつを、バスハンターで水面直下をせめて無理矢理食わせた。
その後雨が降ってきて、ジタバグの水面でのアピールが減ったのでより派手なジッタースティック(以下「ジタステ」という)に変えたところ何発か反応して、ドカンといい感じで出て60が釣れた。
今回JOSさんから譲ってもらったHMGのベイトの長竿を使ったけど、魚がかかるといい感じに曲がって「気分は開高健」てな感じで楽しかったッス。
以上 」
若いナマジ君よ、君がそうやって力一杯開拓したポイントで未来の君がライギョ釣ってきたよ。ありがとう。と言ってやりたくなる。
有名エリアを探っていたのだが、得意なエリアに移動、建物裏ポイント、小さいが2匹バイトのみ。ゴミと風表の葦で。
最後、池まわり、また風表で1バイトあったが、ルアーが吹っ飛んでいって食い込まない。
菱の枯れ跡が残るエリア、デカイのが背ビレたててイル!と興奮してキャストするが、木の下で上手く投げ込めなかった。ここでキャストミスかよと思うが、まだいる。しかしよく見ると、80あるカモのデカイのと目だたないけど60くらいのがグルグル2匹で回って産卵行動中のようである。小さい雄を雌が相手にしていないときとか食ってくることあるが、2匹の恋が盛り上がっているときには食ってこないことが多いし、流石に人の恋路をジャマするヤツは馬に蹴られて死んじまえなので、見学させてもらうだけにする。人じゃなくて魚だけど。
もう1匹浮いてるの見つけたが反応無く終了。
夕ご飯とかは、牛丼とかカレーとか体躯会系な感じのガッツリ飯を食していたが、最後の晩餐は佐賀の魚を食いたいなと回転寿司屋をリクエストしたらコレが失敗。過去、有明海のエツとかが回っている回転寿司に出会ったりしているので期待したが、養殖クロマグロを売りにしているような店で、水産関係者の我ら2人はもっと季節のものを、とか思って、イサキ食ったりしたが、アカガイとシャコは良かったけど全般的にイマイチで、マダイなら外さないだろうとマダイ頼んだら、コレがぐたっとした味もなにもない代物。今時の養殖マダイははっきり言ってハズレ無しっていうぐらい品質管理してるはずで何だこりゃとおもったら、天然モノだった。この時期産卵後の痩せた鯛を「麦藁鯛」とバカにするぐらいで、普通寿司屋で並ぶかよという代物である。ホントに味落ちるというのをしったのは貴重な体験だったと思いたい。
いよいよ泣いても笑っても明日一日。天気は良いので期待する。スカは逃れているので、ある意味勝ちは確定できている。あとは良いサイズとか楽しい釣りとかそういう上乗せをどのくらいできるか。とにかく4日間釣りきるぜ。
○5日
最終日、こどもの日だがおっさん達も楽しむ。
最初、昔実績のあった葦際ねらえる水路と広めのエリアの複合ポイント、葦際をねらっていくとワンバイト、乗らず。スギナに足跡あってここもたたかれている様子。
反対側を攻めて戻ろうとするが、水路の迷宮にさえぎられて道に迷う。浅い水路にうろうろしているのを発見。バギー割とまっすぐきて食ったので、落ち着いてラインスラッグとってと思ったら、即吐き出して逃げた。道に迷いながら何もないところも角だけ投げていたら、神社の階段下で一発でたがこれも掛からず。
戻ると、虎ファンさんは68ぐらいのをゲットとのこと。イイ感じや。今日はつるで〜。
次から、初日釣れたところを中心に回ろうということで、最初のポイント到着と同時に対岸やや上手にライギョマン出現。前回釣れた支線の方につり上がるが、橋の下でワンバイトのみ、これもフッキング前にルアー吐かれて吹っ飛んだ。
初日の好釣もう一度ということで、ハスの広めのエリアに移動。前回泳ぎまくっていたのがどこにいったのか不思議なぐらい魚見えず。ライギョの機嫌が悪いと同じポイントでもこうも違うのか。
しかし、一本筋を変えて、初日60UP釣った水路。葦際、何でもライギョに見える病発症かと思って「魚やったら割といいサイズ」とか軽口たたいていたら、ほんとに魚で一旦ルアー嫌って沈んだ感じだが、葦にひっかけて揺らしていたらバイト。食い損ねたが、もう一度同じところでしばらく葦にひっかけて揺らして、ワンチャンスだったかとあきらめてフロッグ首振らして回収していたら水路真ん中ぐらいでバイト。あわせ食らわすと60ちょいぐらいのがバタバタ暴れる。バックしつつ寄せて引っこ抜いたら土手の斜面に落ちて帰っていった。草むらにひっくり返る。
その後も何匹か見かけたがバイトせず。
帰り際、何もない広いエリア、護岸際ちょっとだけ沈水植物のあるところ、前回出たと虎ファンさんが言ってるので半信半疑で投げてたら、ちょっとショートして沈水植物直撃したら逃げた。ほんとにいた。
まあ、そう何度もいないだろうと思いつつも、同じようなしょぼい沈水植物ねらって帰っていたら、ドカンとバイト。ラインスラッグをとってラインが水中突き刺さっているのを確認しつつあわせる。乗った。ちょっといいサイズっぽい。後ずさりしながらテンションかけてファイト。これは「とった」と思った瞬間。バタバタとしっぽが水面に見えたと思ったらばれた。70前後あったと思う。どうやったら釣れるのか分からんようになってきた。ひっくり返ると空が青い。高い建物がなくてぐるっとどこまでも空。
再度近くに移動。ルアーも困ったときのデントスだよりでデントス投入。シングルフックでフッキングがいいし小さいので口に入りやすい。しかし飛距離が出ないので、リールオイル借りてレベルワインダーとベアリングに注油。メカニカルブレーキをゆるめて亀に向かってキャスト練習してからいく。暑くなってきたので木の下に車止めてすぐに虎ファンさんが1匹見つけて譲ってくれる。
ちょっと見たけど反応せず。初日も釣った場所だし渋いか?
と思っていたが、その後上手に移動したらショボい水草の固まりで派手に出た。ガシガシとあわせて道路を後ずさりながらテンションかけて、おとなしくなってきたらリールを巻いていく。
ガッポリ食っててルアーが見えなかったので足場高いのを引っこ抜くとかかりどころがノドの奥だと傷が大きくなったりするので、落としダモでキャッチ。50真ん中くらい大きくないがうれしい一匹。
同じようなショボい水草でもうワンバイトあったがこれはすぐ吐いた。ライギョのキゲンはよく分からない。ポイントごとにも違えば個体差も大きい。
帰りがてら、岸際泳いでいるのを見つけて無視されるかと思ったら、こいつは素直に食ってフッキング。上顎の良いところに掛かっているので抜きあげる。サイズは同じくらい。
下手に行っていた虎ファンさんを探しに行く。結構魚は居たけど、バイト少な目でキャッチしたのはナマズだったとのこと。
二人で適当に釣って戻って。魚は結構居るがちょっと見に来る程度で食ってこない。
昼過ぎたので、この筋は魚いるので、ちょっと車で下手に入り直して飯にしようということで移動。
下手に行って、何匹かみて、ゴミといっしょに浮いていたの2匹バイトとったが、1発目はすぐ吐かれて2発目はそれではと「即あわせ」解禁したらやっぱりスッポ抜けた。もうどうすりゃいいのか。
見てる前でハスに食いついたライギョがいて、とても口に入らないようなサイズのハスを横ぐわえして、お魚くわえたドラ猫状態で泳ぎ回っていた。吐き出そうにも奥に向かっている歯が刺さったら吐き出せないパターンかもしれない。首振って噛みきろうとしていたようだが、数分くわえたまま泳いでいたが見えなくなった。
てなことしている間に虎ファンさんは70アップの足場高いと抜ききれん太いのをかけて落としダモもっている私を捜したようだが、とっくに声が届かないぐらい離れていて移動して降りられる場所を探している最中にバラし。さらに60くらいのをかけて今度は抜きあげたら土手に落として逃げられると、これまた苦戦中だった様子。
暑くなってきて魚の活性は良いような気がするので、唯一魚っけのあった菱のあるエリアに移動。
そこは魚こんなに居るのかというぐらい、浮いてるし泳いでるが、激渋でワンバイトとるのがやっとで、虎ファンさんと合流したら「そこにもここにもおるけど全く食ってこん」といいつつ、岸際泳いできたのにキャストしたらなぜかそいつはためらい無く食った。水際まで降りてキャッチ。68ぐらいで良い太さ。しばらく同じように食ってこないかと粘るが他の魚は食ってこない。まあ、菱藻びっちりで見えない状態なら、反応する魚だけ数えて何匹かおったな、と思うだけで、ほんとは反応しない魚も含めていっぱい魚がいないと魚釣りなんて成立しないということか。
適当に切り上げて昼飯。
昼飯後、葦のエリアに移動。風が強くなってきた。一匹だけ居たがこっちより先に向こうが見つけて逃げてった。
隣にハスのエリアがあるので移動。
入ってすぐのあたりで、XOSRに後ろから追い波立てて追ってきてバコンとバイト。出方が派手だったのでおもいっきり力入れてあわせたら魚こっち飛んできてばれた。60くらいか。ストローク長いあわせは魚飛んでくるので良くないって知っててもやってしまう。
出たら、リール巻くなり後ずさるなりしてラインスラッグ回収して、短く力強くガシガシとあわせてテンションゆるまないようにリール巻いて後ずさりしてというのを、その日何匹もバラすと思い出してくるが、ライギョ出方が派手なのでとっさにはうまくできないのよね。
その後ハスのエリア、2人並んで何匹かみつけて狙わせてもらって、1バイトとったが、これがほぼ理想的なあわせかましたけどそれでもすっぽ抜けるときはすっぽ抜けるのよね。何年かに一度の遠征ではこんなもんか。と思うがくやしい。
そろそろ飛行機の時間も気になって、最後空港近くで時間調整がてら釣る。電柱に九州ならではのカササギの巣を発見して写真撮ってたら。目の前に70強のが浮いてきて狙うが、ゆっくりやや下から見ただけで、その後ゆっくり泳いでいった。当然最後の劇的な釣果を狙ってしつこく投げたが反応せず。
その後、ごみ溜まりで一回下についた気がしたが食わず。
遠征で劇的な釣果って、5年に1回もあれば御の字というのが、まあ普通の釣り人の実態だと思う、と自分を慰める。ていうか、今回スカじゃないので上出来である。初日に釣れてるので上手くいかん「あわせ」に嘆きつつも、どこかリラックスできていた。
道中、虎ファンさんが「人間の脳って言い訳考えてるときが一番活性化してるらしいで」と言っていたが、開高先生の釣れないときの文章の味とか思い浮かべると納得である。
4日間、なかなか思うようには釣れなかったが、まあ、いつものことである。おもいっきり釣りきって、釣りしか考えないオッサン二人の体育会系「釣り合宿」状態を存分に堪能した。
道具も、ガイドに糸通し忘れるようなアホな持ち主に使われて、ガンガン70に至ってはブッタ切られて変な竿に改造されてしまっているが、いずれも良く働いてくれた。余は満足である。重いアンバサダー7000番台でルアー投げ続けるための改造だったが、そのもくろみ通りといっていいぐらいにうまく機能したと思う。グリップが微妙に太いのを調整すればもっと良いかもしれない。次の出番までにやっておこう。最終日釣れたときにライギョさわった手でライギョ汁をグリップにこすりつけて早く歴戦のグリップ感を出すように努めたのにもったいないが、やむを得まい。削る前に香りを楽しんでから削ることにしよう。
九州の自然は思ったより健在だった。行く前に護岸が増えたとかライギョ減ったとか聞いてもいて、そういう面もなくはないけど、それでもまだライギョはたくさんいた。バフッとルアーに出る捕食音をどれだけ聞いただろうか。釣り人も多くなってスレた感じは否めないが、小さいのもいたし数自体はまだ結構いた。タナゴも健在だったしフナはもういいやって贅沢いうぐらいにいた。サギの仲間やカワセミはあちこちにいてヒバリは高らかにさえずる。カエルもゲコゲコ。コンクリの護岸も多少増え、工事中の水路もあったけど、浅くなった水路を掘り直した後に昔ながらに木枠で護岸をしているところもあった。たぶん生き物や自然への配慮があったのだと思う。新しい木枠の水路を見ただけでも遠征する価値があった。そういう誰かが努力して残してくれたであろう希望が目頭を熱くさせ、今帰りの飛行機でパチパチ打っているポメラの画面を滲ませる。
麦秋の金色の野に高い空。強烈な解放感と幸福感に包まれてハイテンションで楽しんでいた。
近所の釣りも楽しいが、釣り仲間とともに釣る遠征もまた最高である。あたりまえだけどそう強く思う。
旅の終わりはいつも寂しい。今回ももっとバフバフという捕食音を聞いていたかった。でもまた日常に戻っていくという、それも悪くないはずである。また2日働いたらシーバス釣りに行こう。きっと我々釣り人、釣りバカ、釣りキチどもには楽しい釣りが待っているはずである。
ツーテンの虎ファンさんと九州の自然に特別な感謝を記しておきたい。ありがとうございました。
−終了−