○アンバサダー
アンバサダーについては、すでに多くの人が熱く語っており、私などが書くことはたいしてないのですが、それでも中坊の頃から使ってきたリールなので思い起こせばいろんな思い出もあります。
ボクのアンバサダーはその筋のマニアにはイマイチ評価の低いパーミングカップモデルです。
しかし始めて使ったアンバサダーがこれなので、パーミングカップでないカップに摘みのついたモデルはなんか手のひらにあたって使いにくいような気がします。私にとってのアンバサダーはパーミングカップモデルなんです。
「ブラックバス釣りの楽しみ方」をバス釣り教えてくれた友人に「読んでみろ」と渡されて、読み終えたらアンバサダーを買おうと決意していました。当時、８０年代始めに導入されたパーミングカップモデルがＡＢＵの主流で５５００Ｃシルバーとかが人気でした。カタログで調べて一番安かった赤い５０００を購入。
以降、２０年以上にわたって使っています。
則さんは「ブラックバス釣りの楽しみ方」に限らず、確固たるスタイルを提示して（註１）、迷える子羊たちに道筋を示すと共に、「○○でなければダメだ！」的な教条主義の釣り人を産みがちな一種教祖のような存在でした。
大人になって分別がついてくるとブラックバス釣りの楽しみ方はトップウォータープラッキングだけではないし、ミノーの使い方もツィッチングだけじゃないし、サクラマスだけがエライわけでもないし、リールも別にアンバサダーでなくてもそれまで使っていたダイワのマグサーボでも良かったじゃないかと分かってくるしで、いってしまえば中坊の私は則さんにだまされていたのかなとも思えてきます。
「私、騙されていたのかもしれない。でも、後悔はしてないわ。」
というのが、悪い男にもて遊ばれた女性のような台詞ですが、私の今の心境です。騙されていたといういい方は人聞きが悪いので、まあ乗せられていたくらいでしょうか。乗せられていろんなプラグを買ったり、アンバサダー買ったりして、結果的には楽しい思い出がたくさん残りました。いろんな経験できました。後悔する気はさらさらありません。
なにしろアンバサダーはいいリールです。そう思います。２０年経った今でも、問題なく使える丈夫さ、バス用に買いましたが、船でカレイ釣ったり、ボートでシーバス狙ったりにも使えるスタンダードな機能。普通に釣りしていて特に不足を感じません。
最初に買った５０００のほかにも、九州にいたときにライギョ釣りのために６５００Ｃのカモフラカラーと、リトリーブスピードの速い６５００Ｃ４を購入。Ｃ４はアメナマ釣りにも使ってました（註２）。
やっぱりアンバサダーは私たち世代の釣り人には永遠の名機だということでしょう。
（註１）則さん自身はオレはこういうスタイルでやる、そういうスタイルは嫌いだとはっきりいうけど、それが間違っているとか、○○でないとダメだとまでは言っていないような気がします。中坊の私にしても語られるトップの世界に魅了されて勝手に思いこんでいた部分が多かったような気がします。
しかし、影響された人間は変に頑なになっちゃっている人が結構いるような気がします。
釣りには、釣りに限らないのかもしれませんが、１００％正しいということもないし、０％の全くの間違いというものもないと思うので、「○○でないとダメだ」と安易に断言しているような意見や記事を目にすると信憑性を疑わざるを得ません。
個人の心の中で１００％というのはあったとしても、他者に対してそこまで言い切るのは何かおかしいと思います。
（註２）最近のアンバサダーはウルトラキャストデザインとかでスプールに穴が開いていて中心にシャフトが入っています。昔はスプールとシャフトが一体でした。その他にもドラグも効きが良くなっているような気がします。全体的な剛性感とか高級感は昔のモデルの方があると思いますが、今のモデルも同じ丸形でも進化しているようで、ライギョ用に久しぶりにアンバサダーを買ったときにバラしていじくって、「フムフムここはこうなったのか。」とか確認しながら、短くはない時が流れたことを感じました。
（２００８．４）
○アンバサダー６６００ＣＬロケット
ロウニンアジ狙いのルアーキャスティングへのベイトキャスティングリールの導入を検討して、道具のセッティングを詰めたりしているのだが、大型のベイトキャスティングリールはレベルワインダーがないことも慣れない点だが、一番なじみがないというか体が初めての動きに戸惑うような点は、引き手の左手でサミングをする点である。
イシダイ釣りはじめ磯の底者狙い、鯉釣りの長竿使いの釣り人には、当たり前にやってる動作なのだろうと思うけど、これが結構難しい。
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おそらく、これは習うより慣れろなんだろうと思う。
とにかく数をこなして、体に覚え込ませるしかないだろうということで、河原でキャスティング練習という選択肢もあるのだが、当方、キャスティング練習が続かない性分である。フライロッドのキャスティングも、練習はとりあえずラインが前にナンボか飛ぶようになってからは、釣り場であまりの下手さにうまい人がたまらず教えに入るというような事態を除いて、練習全くせずに釣り場で魚に向けて竿を振っている。
というわけで、「河原でキャス練」という案は却下。じゃあ普段の釣りにベイトリールを持ち込んで、「引き手サミング」の練習をしようということになる。
まあ、当方の場合、普段の釣りでリールを使うのはシーバス釣りがほとんどなので、シーバス釣りにベイトリール使用ということになる。
その場合、軽めのルアーを使う、春のバチシーズンと夏の河川・運河はベイトリールはむかないので、大きめのミノーや重いバイブレーションを投げる秋のカヤックシーズンと冬のサーフ・干潟だろう。
冬のサーフ・干潟は手がかじかんでバックラッシュとか直すのがつらそうなのでパスして、とりあえずカヤックシーバスに導入したい。
特に、ナブラうちではなく、杭まわり狙いの場合、フッキングしたらそのまま竿をたててグリグリベイトリールを右手で巻きまくって、杭から魚を引っぺがすというのは案外ハマってくれそうな気もする。シーバス狙い用の１６ＬＢナイロンを巻くリールサイズなら、ダブルハンドでも普通に右手でサミングするような位置にリールシートが付いているはずではあるが、ちょっと改造して「引き手サミング」練習用ロッドを用意しよう。
そう思って、いい塩梅の竿無いかなと釣り部屋の竿立てをゴソゴソやっていると、あったあったちょうど良いのが。中古屋で「オレが買わずに誰が買う」と買ったものの、今一使うあてもなく眠らせていた、７ｆのアグリースティックのボートロッドというか船竿があった。
トローリングロッドのような、フォアグリップから上とリールシートから下が金具でジョイントされる方式の竿である。
アグリースティックなので当然グラスソリッドのティップで、リールシートまわりが金属なのもあって全体的に重い。キャスティングはあまり想定していないボートロッドなので、軽さより丈夫さ重視なのだろう。
でも、重い竿は今回の練習のためにはもってこいである。「引き手サミング」のキャスティングに必用な筋力を鍛えてくれることが期待できる。
パワーは、いつも使っているスピニングのアグリースティック６．５ｆのボートロッドよりややソフトな感じだが、ちょと長めなこともあって良い案配になるような気がする。曲がりながらも丈夫なバットで引きを受け止め、リールをグリグリ巻いて寄せてこれるイメージが湧いてくる。
リアグリップを引っぺがして、リールシートの位置を「引き手サミング」用に調整・設定して、本来のリールシートはさすがに金具なのでいじるの難しそうなので、テニスのグリップテープかなんか巻いてごまかして、グリップエンドは腹に当てられるように大きなフライロッド用とかのを探してきて、というのが改造の大まかな感じだろうか。
さて、それではこれにどのリールをあわせるかと考えると、とりあえず海の釣りでよく使っているＡＢＵアンバサダー６５００Ｃ４が、最近のモデルでドラグも割と良いし、巻き取りスピードが１：６．３と早いのも使い勝手が良かったので、ＰＥ４号巻いてあるのを巻き直して使おうかと、久しぶりに引っ張り出してみたら驚いた、なんとあちこち錆びて、というか細かく腐食している。パーミングカップの表面が腐食されているし、メインの枠と両サイドのカップの接合部分もあちこち腐食されている。
当然、海でつかったあとには真水で洗ってから保管しているのだが、アンバサダーが錆びたというのはショックである。
アンバサダーといえば、開高先生が紹介していたように、「海に落とした釣り人が１年後かそこらにそのタックルを釣り上げて、蛎殻付いているアンバサダーを掃除して油を差したら問題なく使えた。」なんていう伝説のある、一生物の釣り具であるという認識で、錆びるなんて想定外だった。「ＦＯＲ ＬＩＦＥ」がキャッチコピーじゃなかったのか？
昔の真鍮のボディーとパーミングカップ以降のアルミ系の軽量ボディーでは当然違うだろうという意見はごもっともだが、当方が１０代の頃（８０年代後半）に買った赤いアンバサダー５０００は、海で使っても普通に手入れしていれば錆びたことなど無い。最後に使ったのがボートシーバスで、しばらく行方不明のあと出てきたときも全く問題なかった（ドラグパッドの位置を把握しておらず固着していた案件を除く）。
ＰＥＮＮインターナショナル９７５ ←ドラグパット固着事件はこちら
そのへんどうなのよ？とネット検索してみると、アンバサダーで磯でスズキとヒラマサやっているマニアックな人の深いサイトがヒットしてくるのだが、その方もアンバサダーの錆には苦戦されていたようではある。でも錆びるのは一部のパーツだけでカップが腐食するとかは想定されていない。当方の洗ったあとの拭き取りが悪かったとかその手なのか？彼の評価によると、今時の丸アブのベーシック機５５００Ｃ３は十分海での使用に耐える優秀なリールとなっているとのことであり、自分の錆びた青いＣ４（Ｃ４という名のスピニングもあったが６５００Ｃ４のことね）を目の前にして、どう考えたモノか悩んでしまうところである。年によって金属素材や塗装の細かい仕様は改良や経費削減のために地道にマイナーチェンジが繰り返されていて、たまたまショボイ年式のがあたったのだろうか。買ったのは平成１５年前後である。ちなみに海では使っていないが、雷魚用に同じ頃買った６５００Ｃのカモフラカラーの方は全く問題生じていない。
最近のアンバサダーは軽いし、ドラグもいいしで、アンバサダーも進化してるんだと感心していたが、どうもそう単純ではないようなのである。
最近の釣り具がダメになっていく方向の原因に、「軽くする」というのが、大いにあるように思えてくる。錆がいやならグラファイトボディーのリールを選択しろというごもっともな話もあるだろうが、多少重くても耐腐食性に優れた素材を使ってくれ、基本構造はオーバースペックなぐらいに丈夫に組んでくれというのは、少数派の意見になってしまったのだろうか。
色々調べると、日本のカゴ釣り師の皆さんは、ベイトリールユーザーで、かつアンバサダー好きで錆が嫌いらしく、日本だけのモデルで真鍮ボディーの６５００ＣＳロケットというのがあるらしい。カゴ釣り師の皆さんやるじゃないですか。アンバサダーで遠投ウキとコマセカゴぶん投げて、青物やらマダイやらゲットという渋い釣りをしているらしい。巻き取りスピードも１：６．３とハイスピードなモデル。Ｃ４錆びたし、これを買おうかと思ったのだが、ちょっとばかり「お高い」。４万円近くする。
やっぱり、良い物はそれなりの値段がするということなんだろうが、普段の釣りに使うリールは１万円前後、２万円ぐらいまでの普及品を使いたいと常々思っている。釣り具用の資金は潤沢にあるのだが、スタイルとしてあんまり高価な道具をひけらかしたくないのである。当方は奥ゆかしい釣り人なのである。とかいいながらＰＥＮＮインターナショナル９７５を使っていたりするが、あれはジャンクを安く手に入れた「目利き」の勝利ということでお許し願いたい。
まあ、多少錆びたとはいえ６５００Ｃ４はまだ使えそうなので、錆びた部分はペイントマーカーで塗りつぶしてさび止めし、ネットで換えスプールでも探そうとしていたら、同じ６０００番台でオレンジのボディーの６６００ＣＬロケットという並行輸入品が目に付いた。
アグリースティックのオレンジのスレッドとマッチして素敵じゃん。ということで衝動的に購入。８千円程度と安かった。
色と名前は違うけど、スペック的にはＣ４と同様。ただリリースボタンがサムバー方式というのか、いわゆる「ベロ」の仕様。Ｃ４の「ベロ」バージョンという位置づけか？
当方所有のＣ４のように錆びるのかどうなのか、まあしばらく使えば明らかになるだろう。オレンジ色のこいつにオレンジ色のナイロン１６ＬＢを巻いて秋に備えたい。Ｃ４とこのオレンジのロケットが錆びて朽ち果てたら、カゴ釣り師御用達の真鍮製ロケットを購入検討だな。結局それが一番安くすむかも。２０年使えるなら４万の高級リールもコストパフォーマンスは悪くない。
リールが錆びるというのは困りものだが、錆びでもしないと、当方の５０００のように２０年以上も使ってしまって、新しいリールなんて買わないということになるので、錆びない、壊れないリールなんていうのはメーカーが作り続けることが難しいのかもしれないと思ったりもして。２０年以上前に２万円強のリールはとても高価だったが、今でも使える状態にあるのを見ると高くはなかったと思う。
まあ、それ以上に、大学生の頃に買った並行輸入のアンバサダーＭＡＸ（日本名はたぶんアブライト）というグラファイトボディーの軽量なベイトリールが、長年バス釣りに使っていたけど、何も壊れなかったというのは安かった。当時、新品７０００円で買った安リールなのに全然壊れる気配はなかった。今は壊れないまま引退して蔵で眠っている。
ベイトリールは５０００やアブＭＡＸを見ると分かるけど、あまり消耗する部品がない。壊れるとすれば今時のベイトリールではスタードラグの根本の軸に入っている瞬間逆転防止システムぐらいか、昔のツメの逆転防止システムの方が長く使えたような気はする。まあ、そのぐらいのパーツ交換はたいした手間でもないし、パーツ自体もたぶん規格品の一方通行のベアリングの流用で済むはずで入手も難しそうではない。
ウルトラキャストデザインの出始めの頃は、レベルワインダーを回すギアが摩耗していってスプールが偏る傾向があったようだが、改善されているようである。
一時期、リールシートからリール本体がもげるという事態も起こっていたように聞くが、改善されたのだろうか。まあ当方のような力わざでリールを壊したことのの無い非力な釣り人はあまり気にしなくて良いのかも知れない。
ベイトリールって、ツーテンの虎ファンさんがよく言っているけど、丸アブ（５５００Ｃとかの非パーミングカップ）が出た時点で、ルアーキャスティング用としての進化は実用上十分な高みに達してしまったという意見に当方も深くうなずく。
それ以降のベイトリールの歴史は、精度向上やらの進化も多少はあっただろうけど、余計な改悪や回り道がほとんどだったような気もする。いまでもデザイン以外はあまりいじられていないのではないかと思う。あとはいかにコスト削減して安く作って沢山売るかというあたりか。それでも、今の丸アブの、錆や強度面はおいておいて使いやすさとか値段とかを見ると安くて良くなったと思わざるを得ない。
スピニングリールは、元々構造的に弱点を色々もった機械なので、ここ１０年でもだいぶ変わったと思う。ステラ、ソルティガは、それを評価するかどうかは別として、かなり高いところに来ていると思うし、ＮＥＷスピンフィッシャーのコスト削減しまくったシンプルさの境地も、なかなかに面白い方向性だと思う。
１０年たったらスピニングはどうなっているかよく分からない。
でも、ベイトリールは１０年たっても、デザイン以外はあんまり変わっていないだろうと予想できる。
（２０１２．６．９）
○アグリースティックＢＷＢ１１０３Ｌ（シェクスピア）の引き手サミング用改造
早速だが、グリップのリールシート位置を移動する改造を行った。元の姿は下の写真ようにバット側パーツの一番上にリールシートがある。このリールシート自体はグリップテープで覆い隠すなどして、その下の位置に新たにリールシートを持ってくる。グリップエンドは大きめのを探したが見当たらずＦＵＪＩのスタンダードなモノを選択。
グリップエンドをカッターで削り、グリップのＥＶＡを帝王切開で真っ直ぐ切り裂いて外す。再度外したＥＶＡを使う予定。
新しいリールシートの位置決め。古いリールシートの直下ぐらいでよさそう。
リールシートを接着する位置にスペーサーテープを貼り、エポキシで接着する。元のグリップも可能な限りスペーサーテープで段差を無くしておき、防水テープでグルグル巻きにしておく。
グリップはさっきはがしたＥＶＡを適当な長さにつめて使用。一旦切っているので、ウレタン系接着剤で切れ目もふさぐようにした上で、テープで切れ目のところにすき間が空かないようにグルグル巻きにし、さらにデカクリップで圧をかけて２日ほど放置。
帝王切開の跡が開いてこないように、３カ所ほどせき糸で縛りを入れる。
元のグリップの部分に防水テープの上からテニスラケット用のグリップテープを巻く。
バットエンドもスペーサーテープを噛ませて、エポキシで接着。ついでに縛ったせき糸もエポキシでコーティングしておく。
完成。どんなモンだろうか？秋に実戦投入予定だが、その前にはやめに１度投げておきたいところ。
（２０１２．６．１６）
左手サミング練習用シーバスタックルのリールをＰＥＮＮインターナショナル９７５に替えた。
まあ何とかなりそうである。重いのは左手サミングなので関係無かった。巻き取りスピード不足も青物狙う時ほどスピードいらないのでどうにかなりそう。長いシングルハンドのハンドルが右手に当たってキャスト時にクラッチつながってしまうときがあったが、進行方向の左に投げると大丈夫なのでそういう位置取りをしたら何とかなった。シーバス釣りにむいているリールではないと思うが問題があるほどではない。
ＡＢＵ６６００ＣＬロケットは、やけに糸噛みすると思って、ちょっと調べたら軸がズレていた。問題大あり。スプールの右側上方だけ１６ポンドのナイロンが入ってしまうぐらいのすき間が空いている。超ショック。ＡＢＵでそれはねえだろというガッカリ感。並行輸入の安物買わずに遠投カゴ釣り師御用達の真鍮のロケット買っときゃよかった。中古屋にこんな程度の悪いモノを出したら買った人間迷惑するので、売るにも売れず死蔵するしかなさそうだ。エストニアで作られてもラパラはいまだにラパラだし、ＰＥＮＮも中国製になってもＰＥＮＮだけど、ＡＢＵはピュアフィッシング傘下でＡＢＵで無くなったのか？外国の釣り具メーカーってピュアフィッシングとプラドコの２社に吸収されたと思っていたけど、今調べたらＰＥＮＮとラパラはまだ吸収されていなかった。ラパラは逆にストームとルーハーとフックのＶＭＣを吸収してた。
（２０１２．１１）
○アンバサダー修行（２０１２．１２．１５ブログ再掲）
ＡＢＵ社アンバサダーは永年世界中で愛されてきたリールであり、種類も多ければ年式による違いも多様で、強烈なマニアの人々が沈んでいる「はまると深い沼」が待っているのは目に見えているので、必要最低限のモノ以外は買わないつもりでいたのだが、左手サミング仕様のベイトロッドでのシーバス釣りに使おうと、久しぶりに蔵から出した１０年くらい使っていた６５００Ｃ４の外部が腐食していたのに端を発し、新しい今時の６６００ＣＬロケットを並行輸入で安く購入したところ、これが「軸ズレ」というＡＢＵとしてあるまじき許し難い不良品で、やむなく、シーバス釣りにはアメナマぶっ込みで愛用していたＰＥＮＮインターナショナル９７５を引っ張り出した。
９７５は重くてギア比が１：４．５と巻き取りスピードが遅いモノの、左手サミングなので重さは問題にならず、巻き取り速度の遅さも、バイブレーションやミノーを使ってシーバス釣るにはそれほど問題はなかった。
しかし、１点予想していなかった問題が発生。ハンドルが割と長いシングルハンドルなのだが、これが邪魔でキャストする時右腕に当たって、クラッチがつながってしまうという事態が結構発生する。
左巻のリールにすれば簡単に解決できるのだが、元々の目的がロウニンアジ釣りで大型のベイトリールで左手サミングでキャストして右手でゴリゴリ巻くということを想定した練習なので、左手で巻いちゃう方向に行くのは本末転倒である。ロウニンアジ用に想定しているＰＥＮＮ５４５ＧＳのハンドルでは同様の支障は生じない。なぜならハンドルまわしてもクラッチがつながらず、レバーをもどすとクラッチがつながる手動方式だからである。自動にしてくれよと思っていたが、手動でないとトラブルが生じるので理由があってそうなっているのだと理解した。
いずれにせよ９７５については対策を講じなければならない。たぶん同じ規格だろうということで一つ小さいサイズの９６５についているコンパクトなダブルハンドルを入手したが、これが穴が小さくはまらないんでやがる。
仕方ないのでネットであちこち探して、金属加工の町工場で注文に対応してくれるところを見つけて、郵パックでモノを送ったところである。
ハンドル交換が終了して帰ってくるまで、リールをどうするか。腐食したとはいえ、まだ使えるＣ４にするかと思っていたが、中古屋でウルトラキャストデザイン以前の非パーミングカップの６５００Ｃが１万ちょいなちょいなで売っていたので、思わずリアクションバイト。ハンドルはこれもシングルだが、腐れ６６００ＣＬのハンドルはずして装着すりゃＯＫだろ。ということで９７５のバックアップ機はとりあえず確保。
結局、たまに修理やらメンテやらに出すことを想定すると、リールは同じ用途に使えるものが２台は必要で、可能なら同じのを２台欲しいが、いかんせん９７５はちょっとばかしお高い。
スプールと軸が一体だったウルトラキャストデザイン以前のアンバサダーは真鍮製でなくても当方のファーストアンバサダーである赤い５０００がシーバスやらヒラメ釣りやら海で使っていても別に腐食していないのでたぶん耐腐食性は大丈夫だと思う。
まあシーバス用、ぶっ込み釣り用のベイトは９７５と６５００Ｃの２台体制で大丈夫だと思うが、ちょっと深めを釣ったりするアイナメボートやらのためにはもっとギア比の高い巻き取りスピードのあるリールが欲しい。ルアー回収を素早くしないと手返しが悪い。６５００Ｃはハイスピードというシールが貼ってあるがギア比１：４．７でＣ４の１：６．３と比べるとさすがに遅い。ボロッちくなったＣ４をサブにまわしてもう一台「早いアンバサダー」が欲しい。
並行輸入品は懲りた。不良品でも文句の持っていき場がない。でもお高い真鍮製の早いヤツ６５００ＣＳロケットガンナーを店で新品で買うというのは、普段の釣りは１〜２万円までのリールを使うという自分の中の掟に反する。
となると中古だが、中古釣具屋で現物を見て買えればベスト、ヤフオクでも機関良好となっていれば、使われた実績がある中古だけに、新品の初期不良のようなリスクは減るので、あとは値段と相談するというところか。
真鍮じゃないパーミングカップやらのモデルは、安い出物があれば耐腐食性等でやや冒険だが、ばくちで買って試してみろというところか。
アンバサダーの深い沼に足をちょっと突っ込んでしまった感触があるが、これだけ情報が溢れていて深く突っ込んでいる人が多いアンバサダーでも、自分の必要としている機体がどれで、それを入手するにはどうするべきか、なんていう極めて個人的な事情は自分にしか分からないわけで、結局、身銭切って修行しろということなんだろう。
○アンバサダー修行中
雨の土曜日、暇なので軸ズレのアンバサダー６６００ＣＬロケットを何とか使えるようにならないかと、分解して軸受けの位置を変更できないかとか、いじり倒していた。
下の写真のように右の上のほうだけ、１６ＬＢのナイロンがスポッと入るぐらいのすき間が空いている。
こういう軸ズレの対応策がネット上にないかと探してみたら、１件ヒットしたが、軸受けをルーターかなにかで削っていた。さすがに金属加工は知識も道具も無いのと、そもそも削るのはできてもその分逆サイドを埋めることはできないはずで、ようするに軸受けに軸がガバガバの緩い状態で刺さっている状態になるのであまりいい手だとも思えない。
つらつら考えていると、ライン噛み防止にインスプールのスピニングリールだとすき間を優しく埋めるブラシのようなフカフカが付いているのを思い出して、すき間に何かつめれば良いのではないかと思いついた。
非常に狭いすき間を精度良く埋めてやる必要があるのと、スプールの回転に干渉しないように盛りすぎない具合が難しそうで、かつ金属のフレームにくっつけるには、エポキシとかパテだとすぐに剥がれそう、かといってハンダを高精度に盛る技術など持ち合わせていない、ということでしばし迷っていた。
でもよく考えると、すき間を埋めたモノが剥がれる恐れは、そもそもスプールが当たらないようなすき間は最低限必要なので、スプールと埋めたモノが接触するわけではないし、ラインがたまに入り込みそうになるのを押し戻せば事足りるのであまり気にしなくても、とりあえずくっついている程度で良いのではないかと思い、それならある程度ボリュームの調整も重ね塗りなどで可能なフックホールシーラーを使えば良いだろうという事でとりあえず盛ってみた。
フレームのすき間が空いている側にフックホールシーラーを盛っていく。割と適当で良いだろう。なぜならフックホールシーラーは半乾きの時に多少成形できるからスプールはめて押してしまえばいいのである。盛ってしばらくして半乾きになった状態で、スプールをはめて回転させてやる。この時点で、ほぼすき間をきれいに埋める程度の厚さになっているはずで、さらに乾燥が進むとフックホールシーラーは縮んでもう少しすき間は広がるはず。必要なら再度盛ってやろうと思う。
フックホールシーラーはすき間を埋めたり、保護膜作ったりとなんだかんだと使い勝手が良いので、釣り具メーカーから出ているのではない「ＰＡＮＤＯ」というお徳用サイズのを買った。
とりあえずここまで来て、いったいどの程度の「すき間」が適正なのだろうかと、我が家のアンバサダー他ベイトリールの主だったところを出してきて調べてみた。
赤い５０００、腐食した６５００Ｃ４、ライギョ用のカモフラの６５００Ｃ３あたりは１６ポンドはもちろん、１０ポンドでも入るすき間はない。
だがしかし、最近中古で買った６５００Ｃは１６ポンドが入るすき間が１カ所ある。こいつはスプールと軸が一体なのでウルトラキャストデザイン以前でそれなりに古いはずである。となると軸ズレは昔からそれなりにあったと見た方が良いのかも知れない。しかしなぜ２回連続でそんな「ハズレ」を引いてくるのかと思うと非常にガッカリである。
こいつにもついでに盛ってやった。
フックホールシーラー盛ってすき間を埋める方法で糸噛みが防げるのか、ちょっと実戦で確かめてみる必要があるだろう。ややこしい話であるが楽しんでみよう。
引っぱり出したついでに、我が家のベイトリールを再度のモノも含めて紹介。
主にバス用、マイファーストアンバサダーの赤い５０００、左の安くて軽くて重宝したアンバサダーＭＡＸは日本では「アブライト」の名ででていました。たぶん日本の釣り人はこの手のカーボン樹脂ボディーのＡＢＵをアンバサダーとは認めていないでしょう。
ライギョ用の６５００Ｃ３カモフラカラーは当方用、右の見慣れないリールはクァンタム１４３０ＭＡＧで同居人用。
クァンタム１４３０ＭＡＧはどうせアメリカ通販モノだろうと思われるだろうが、実はバレーヒルが正規代理店で輸入したモノでバレーヒルのシール付き。ライギョ用としてはそれなりに使える丈夫さと糸巻き量。同居人は手が小さいので丸ＡＢＵは使いにくいらしく「平べったいリールにしてくれ」といわれて即買ってきたモノだが、同居人は蔵のアンバサダーＭＡＸのことを言っていたらしく「いくつもリール買いやがって！」とご立腹であった。ＭＡＸでは強度も糸巻き量も足りないんだってば。
日本には「ＦＩＳＨＥＲＭＡＮ（漁師）」という釣り具ブランドがあるが、クァンタムは「量子」という意味である。量子コンピューターはＳＦ的未来の道具だが、量子リールは我が家にも既にあるという。
アイナメ等船用、とりあえず巻き取りスピードが早いギア比１：６．３の青い６５００Ｃ４とオレンジの６６００ＣＬロケット、Ｃ４は表面腐食、ＣＬロケットは軸ズレということで中古で良い出物があったらチェンジしたいところだが、Ｃ４はとりあえず機能的にはまだ問題は生じていないし、ＣＬロケットもすき間埋めたのが上手く機能すれば、まあたまにしか使わないのでこいつらでも良いのかも知れない。
左手サミングシーバス用、アメナマ・アカエイぶっ込み用として、今ハンドル交換に出しているＰＥＮＮインターナショナル９７５と買ったばかりの６５００Ｃ。
６５００Ｃは初めてのパーミングカップ以外の丸ＡＢＵだ。どんなもんだろうか楽しみである。
（２０１２．１２．１５）
○クリスマスプレゼント
故郷のＦ師匠から、アンバサダー詰め合わせセットが届いた。
アンバサダーで悩んでいる当方を見かねて、使っていないヤツがあるから送るよと言われて喜んでいたたが。２５日に届いた現物を目の当たりにして、ちょっとは遠慮した方が良かったと思わないでもない。４台はもらいすぎたと反省している。
が、Ｆ師匠は「気にせんといて、使わんかったら人にあげたりしても良いし、いろいろ比べて楽しんでみて」とのことで、ありがたくちょうだいする。作られた時代もタイプもバラエティーに富んでいてアンバサダー修行がはかどりそう。
Ｆ師匠も虎ファンさんも、８４年以前くらいの旧ＡＢＵが製品として良かったという意見で一致している。
特に、Ｆ師匠はライギョ釣りでドラグをがっちり締めてリールが壊れるぐらいのテンションかけてフッキングするので、今時の丸ＡＢＵだと瞬間逆転防止機構がすぐにいかれてしまうので、旧ＡＢＵのフレームを強化フレームに交換して使っているとのこと。瞬間逆転防止機構は、ドラグ最大値の範囲内で使っていれば問題なさそうだが、それ以上の強い力をかけるとその分逆転防止の一方通行ベアリングの転がる棒が押さえ込んでいるブッシュをきつく締め付けるので、ブッシュの表面が凹んでしまうようである。
２人して、「瞬間に止まって遊びがないって、別にいらん機能やよな。」と頷きあった。
非力な（というよりはフッキング時の「巻き」が弱い）当方的にはライギョ釣りでも、瞬間逆転防止機構付きの６５００Ｃ３は壊れなかったので、Ｆ師匠が使わず保管していた瞬間逆転防止機構付きのＡＢＵ達もたぶん使えると思う。今時のＡＢＵは内部のパーツに錆びないものを使っているらしいので、ドラグ効かせてファイトすることを前提にするなら海で使うには良いのかも知れないと、ショアからＡＢＵ使ってヒラマサとか釣っている方のサイトを見て思っている。
１台は、６５００Ｃ。これは８０年代もので古め。当方が初めてＡＢＵを買った頃の人気機種５５００Ｃシルバーを思わせるパーミングカップのモデルで、たぶんこれが今後、残りの釣り人生を共にするメインの丸ＡＢＵになりそうな気がしている。正月アイナメ釣りに使ってみる予定。
２台目は、６５００ＣＳロケットクローム。これは是非使って使い心地を試してみたかったカゴ釣り師御用達の１台。真鍮製で丈夫そうだが、ライギョ釣りには重すぎてしんどいのと、瞬間逆転防止機構がダメという事でＦ師匠的には不合格だが、腐食に強い真鍮製なので、重いのも左手サミングなら気にしないし、カヤックシーバス用には良いかもしれない。来秋導入予定。レベルワインダーが無い状態なのでパーツを入手する。
３台めは、アカベロクロボディーの６６００Ｃ。クラッシックシリーズとかいう復刻版のよう。新品同様。問題無く使えそう。メインは上２台でバックアップになりそう。
４台目が７０００Ｃでこれは結構古そう。フットのナンバーで年式とか分かるようだが、今一見方が分かっていない。ズシッと重くて海の大物用の感じ。ボタン押したときに「カシャ」という軽い音ではなく、ボディに「カッチッ」と重く響くように鳴る、剛性感と重量感が頼もしい。ＰＥＮＮ９７５のバックアップはむしろこのサイズか。なかなか男らしいリールだ。
あれこれいじりつつ、実戦投入してどれが自分のアンバサダーとして適切か考えていきたい。
迷えるときに導いてくれる。師匠とはありがたいものである。感謝。
（２０１２．１２．２６）
○ベロとフレームとプレートとスプールと
オレンジの６６００ＣＬロケットのフレームとスプールの右上部にすき間がある原因は「軸ズレ」と書いていたけど、
�￣Δ蛤犬離廛譟璽箸里匹舛蕕�、あるいは両方、の軸受けの位置がズレている。
�▲侫譟璽爐�ゆがんでいる。
のいずれかの可能性が高いとみていた。この場合�△離侫譟璽爐量簑蠅任△譴弌▲侫譟璽犲�体を新品で買ってきても良いし、アンバサダーはパーツの共有性が高いリールなのでジャンク扱いの安い中古品でも探してきてもフレームは確保できる。
とりあえず、Ｆ師匠からはいただいた赤ベロの６６００Ｃのフレームで直るかどうか確認するようアドバイスももらっていたので、正月明け昨晩試してみた。アンバサダーの百の位が「６」のリールはいわゆる「ベロ」仕様のサムバーモデルでフレームは６６００と名前に入るリールなら基本共有できる。
結果的には、どうも予想外の３番目のケース「��スプールが偏っている。」という不具合のようだ。
理屈から言って、スプールが偏っていたら、すき間の位置がクルクル回すたびに移動するはずで、そうはなっていなかったので、正直「何を言っているのかわからねーと思うが、オレも何がおきてるのか分からなかった」状態で、とりあえず「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ！」という感じである。
上が問題のオレンジの６６００ＣＬロケット、下がいただき物の赤ベロ６６００Ｃ。
分解すると、クラッシックな見た目の６６００Ｃもスプールと軸が分離するウルトラキャストデザインで今時仕様、スプールも交換できそう。
とりあえず、分解してフレームだけ入れ替えてみる。
ＣＬロケットのフレームを移植した黒ベロ状態のＣ。
この時点で、すき間に１６ＬＢナイロンが入るので、これはフレームの不具合で、削りすぎてすき間の空く部分が生じているのだと思って納得しかかっていた。これで、Ｃのフレームを組み込んだＣＬロケットにすき間がなければ、フレームだけ交換すれば問題解決できる。
しかし、Ｃのフレームを組み込んだ赤ベロ状態のＣＬロケットも１６ＬＢナイロンが入るすき間がある。
ひょっとしてＣの方も、もともとすき間があったのかと疑って、元に戻して試してみるが、１６ＬＢが入るような隙間はどこにも認められない。フレーム交換したら不具合のあるリールが２個に増えるという謎の現象が生じるのである。
こうなると、原因はフレームの問題じゃないらしい感じで、「��スプールが偏っている。」の可能性も考えなきゃだし、ややこしくなるけど、�´↓�の複合要素の可能性も浮上してくる。
とりあえずは「��スプールが偏っている。」の確認のため、ＣとＣＬロケットのスプールだけ交換してみる。
なんと、Ｃの黒のスプールをはめると、ＣＬロケット１６ポンドが入る隙間は無くなる。
スプールだけ確保すれば、何とかなりそうである。Ｆ師匠にＡＢＵのパーツ類の品揃えが豊富でネット通販もやっている「藤岡釣り具」を教えてもらっていたので、注文しようとしたが、ウルトラキャストデザインの６０００番台用のスプールは欠品中であった。
当面黒のＣは使う予定がないのでスプールだけ使ってしまっても良いが、新品同様のリールから部品取りするのも気が引けたので、他の手が無いかと考えていたら、そういえば昔、カモフラの６５００Ｃを買う前にライギョ用に使っていたアンバサダーシックススターという安いモデルがどっかにあったはずだと思い出し、蔵を探したところ出てきた。
こいつは、ウルトラキャストデザインのスプールのハズなので分解して、ＣＬロケットのスプールと交換する。ブレーキの形状がシックススターは２本爪でＣＬロケットは６本爪で、どうも２本爪だとＣＬロケットハンドル回したときにカツカツと異音がするので、ブレーキの部品ごと交換したらおさまった。金のスプールが元々はシックススターに付いていたものである。
スプール交換後のＣＬロケットは、１６ＬＢが入るような隙間は見当たらず、回転もスムーズで問題無い様子。
逆に問題有りと思われるスプールを組み込んだシックススターは回転が引っ掛かる感じで、クラッチ切ってスプールをフリーにして指ではじいても引っ掛かって回転しない。どうもこのスプールが偏っているのが元凶と見てほぼ間違いなさそうである。とりあえずの問題解決にはこぎつけたようである。
ＣＬロケットは実戦投入して問題無いか確認してみたい。シックススター処分せず保管しておいて役に立った。
とりあえず、ＣＬロケット復活したっぽいが、正月東北のボートアイナメで使った６５００Ｃが結構調子よかったので、サブに回すかも。
銀の６５００Ｃは８０年代前半のものらしく、キャストしたときの感じとかがマイファーストアンバサダーである赤の５０００とよく似ていてしっくりと手に馴染んですごくいい。結局、自分の道具の好みは、自分がその道具を使う釣りをおぼえた時代の道具に強く嗜好が偏るような気がする。でも最近のモデルである真鍮製のＣＳロケットも使うの楽しみだし「自分のアンバサダー」探しの修行は引き続き継続したい。
（２０１３．１．７）
○計量
遠投カゴ釣り師御用達のＣＳロケットクロームを、使えるようにレベルワインダーを取り付けて、ハンドルも長いシングルからダブルに変更した。
パーツは藤岡釣り具のネット通販で買ったのだが、ハンドルはどうせならオレンジとか青のノブのカラフルなヤツにしようとあれこれ迷ったのだが、結局クローム仕上げの黒のノブの地味なハンドルにしてしまった。プレート赤やらオレンジやら青やらカモフラやらのリールは抵抗なく使えるけど、パーツだけ派手にしたリールってなんだか自分の中では許可が出なかった。
ＣＳロケットは、真鍮製で重いということで、実際持ってみるとズッシリした重量感なので、どのくらいのものかライン巻いた状態で計ってみる事にした。
まずは比較のために、今時の丸ＡＢＵ代表として６５００Ｃ４。約３５０グラム。
つぎに８０年代のパーミングカップの６５００Ｃ。予想に反して約３２０グラムとＣ４よりちょっと軽い。Ｃ４は何が２０グラム分重いのだろう。謎だ。
次に、今回のメインディッシュ。６５００ＣＳロケットクローム。確かに重い約４８０グラム、パーミングカップのモデルより１００グラム以上重い。重さが敬遠されるのも理解できる。逆に引き手サミングの釣りである遠投カゴ釣りではあまり重さは気にならないので、丈夫さと腐食への強さが評価されて愛用されているのだろう。
試しに、一クラス上のサイズのＰＥＮＮインターナショナル９７５を計ったら、ロケットクロームよりは軽かった。約４５０グラム。金属ボディーでごつくて重いイメージがあったが９７５はアルミ系でそれなりに軽いのかも知れない。
さらに、９７５と同サイズぐらいの７０００Ｃを計ってみたらぶっちぎりの約６３０グラム。それはクラッチボタン押したときの音の響きも違うだろうというモノ。こいつも真鍮製なのだろうか。６５００Ｃあたりは５０００番代とたいして変わらない印象だが、７０００Ｃはリールフットとかの作り方も違ってかなり丈夫な印象である。なかなかに男らしいリールだ。２０ＬＢナイロンたらふく巻いたので、デカいアカエイこれで狙おうかとも思う。
参考まで、重いリール３台の大きさの比較。左端９７５が一番軽いという事実はやっぱり意外だ。
（２０１３．１．１２）
やはりカーボン樹脂系ボディは軽い。アンバサダーMAX。
（参考１３．１．２７）
○試投
せっかくラインも巻いたので、６５００ＣＳロケットクローム、７０００Ｃ、比較対象兼塩抜きに６５００Ｃをワカサギ釣りのダム湖に持ち込んで試投してきた。
６５００ＣＳロケットクロームはＪＯＳさんも、そのサイズの割にズシッと来る重量に驚いていたが、キャストの飛距離は出そうな回転の良さだった。まだ慣れていないので、思い切って振り切るとバックラッシュしそうで怖いのでおそるおそる投げている感じ。６５００Ｃの方が手に馴染んでいるので思いっ切り振れるが、まあ慣れればＣＳロケットは飛びそう。
この重いリールを利き手でサミングする形で振り回すのはさすがに身体に悪そう。手首が逝ってしまいそうな重さだが、引き手サミングだと重さはそれほど気にならない。Ｆ師匠的には、�―峇峙嫖硝瓢澣々修�太いＰＥ使ってドラグ締めまくって力入れてフッキングすると一発でいかれる、�⊇鼎�てライギョタックルでフルキャスト続けるとしんどい、�２鹽召�良すぎて馴染めない。ということで「不合格」となったようだが、当方がナイロンライン使用でドラグをライン強度１／３ぐらいにセットして、左手サミングで使う分には、あまり欠点のないリールである。回転良すぎるのは確かにちょっと慣れるのに時間かかりそうだが、真鍮製で耐腐食性とかが高く長持ちしそうなのはモロに好みだ。カラーもピカピカの銀一色というのは割と気に入った。エイ釣りとカヤックのシーバス杭撃ちには今年はこいつをメインでのぞみたい。
早速エイ釣りには使ってみた。釣れなかったけど。
７０００Ｃもキャストしてみた。２０ＬＢの太めのナイロンだが、８号ナツメ錘で充分釣りになる飛距離は出る。アカエイ、１６ＬＢで不安を覚えるサイズが釣れるようになったらこっちを使っても良いかもしれない。そこまでたどり着きたいところだ。ブレーキブロック４つついているのを２つにした方が投げやすく感じる。好みの問題だとおもう。
（２０１３．１．１２）
○７０００ＣでたぶんＯＫ
ここしばらく、いただき物のアンバサダー７０００Ｃを分解清掃したりドラグチェックしたりて、つくづくベイトリールって進化してねえなと感じたというか、７０年代頃には完成の域に達していた丸ＡＢＵは、今現在でもたぶん何の問題もなく使えてしまうだろうという事を再認識させられた気がする。
丸ＡＢＵの欠点として、当方はドラグがきつめに設定すると安定しないというのと、Ｆ師匠が強化フレームを愛用していることにも示されているように、溶接したリールフットの強度不足があると思っていたが、それは、そもそも６０００番台までのリールは軽量なキャスティングリールとして、それほどドラグを締めて使わない想定で作られていて、そうすると溶接が吹っ飛ぶほどの負荷はかかり得ないので、壊れないというのが設計思想としてあったのだと思う。
事実、フロリダ用にベイトタックルはＰＥＮＮの９７５とバックアップをもう一台と考えていて、最初、巻き取りスピードの速い６５００Ｃ４はどうかと、実際に想定される３キロドラグをかけてみたところ、全く安定せず引っ掛かってはズルズルと出ての繰り返しで使えそうになかったけど、７０００Ｃは３キロぐらいでは安定してドラグが作動した。７０００Ｃあたりからドラグ値を上げて大物とやりとりすることを想定しているように見受けられる。
分解してみると、自分の不勉強を恥じるしかないが、最近のベイトリールのドラグ方式だと思っていた、メインギアのところにカーボンシートと金属板を交互に配したディスクドラグが既に採用されている。
フットナンバーから８２年製と思われるが、３０年前には既に当たり前のドラグ方式だったのだ。
むしろ、５０００番台とかには、大きな土星の輪っか型の１枚ドラグで充分なドラグ値で釣りすることを想定して簡略化、最適化してあったのだろう。
ついでに、リールフットも７０００Ｃでは溶接法式ではなく、１枚板のプレートで頑丈な作りになっていて抜かりなく大物仕様。
じゃあ、この３０年間、ベイトリールは次々新製品が出てきたけど何をやってきたんだと言えば、１つ大きな方向性としては軽量化、後はジギングなんかで必要な高速化、その他はまあ、船釣り用のスマックなんかに見られるような、あったら便利程度のギミックの搭載だろうか。
それらが無意味だったとは思わない、確かに７０００Ｃは重い、そこそこ重いアルミ系のＰＥＮＮ９７５がライン巻いての実測で約４５０グラム、７０００Ｃは約６３０グラムもあった。
「道具の重いのは身体を鍛えて対応」が信条だが、さすがにキャストし続ける釣りには使う気にならない。今回、ターポンはサイトフィッシングで、見つけて一投必釣のスタイルなのでキャスト数は多くなさそうなので大丈夫と踏んでいるが、ライギョ釣りに使えといわれれば「勘弁して欲しい」と泣きが入るだろう。
レベルワインダー付きのベイトリールではダイワのミリオネアブラックシープが優秀らしい。見た目がいかにもなヘビメタ臭がしてちょっと一般ウケしないというか、所有がためらわれるのが難点だがそこはご愛敬か。
ジギングに使われる、レベルワインダー無しの高速ベイトリールはダイワもシマノも出しているし、アメリカ製のアキュレートやアベットも最近は売れているようだ。いずれもアルミ系で軽くてギア比が高い。使ったこと無いけど単純な構造だからよほど下手くそに作らない限りちゃんと機能するはずだ。特許技術もほとんどもう切れてるはずなので、アベットのような小規模な会社でもベイトリールは作りやすいのでは無かろうか。
ちなみに、５号以上の太いラインを使うような、というか５キロ以上とかの高いドラグ値をかけるベイトリールにレベルワインダーが付いていないのは、ファイト時、ラインの横方向にかかる力がレベルワインダーをへし曲げるからだそうである。３キロドラグなら大丈夫かなと思っているが、曲がるようなら現地でレベルワインダー取っ払えばいい。
丸橋大先生の１６ＬＢラインでのロウニンアジ世界記録の時のリールがアンバサダーなのを見て、「うわー、アンバサダーのドラグで良くやるよな、さすが丸橋大先生。」と思っていたが、アンバサダーに対して大変失礼であったことをここに深くお詫びする。アンバサダーのドラグは昔から実用充分に優秀だったのである。
７０００Ｃにはちょっと惚れた。
（２０１３．１．２７ブログより転載）
○６５００ＣＳロケット カヤックシーバスで活躍。
○７０００Ｃ アカエイゲット！！
（２０１３．１０）
私の私のリールは左利き
ロウニンアジ狙いのルアーキャスティングを念頭に、左手サミングでベイトリールを使う練習がてら、秋のカヤックシーバス釣りに左手サミングの竿を用意してここ数年使ってきた。
今回遠征でロウニンアジのそれなりに良い型を釣って、じゃあもっとデカイのをベイトリールで狙うか？と自問すると、あんまりそういう気持ちが自分の中にないことに気づく。
もっとデカイのをという強い気持ちが、それなりに自己満足するサイズを釣ってシュッとしぼんだのもあると思うけど、それ以上にベイトリールでロウニンアジ用のポッパーを投げ続けるのは、しばらく左手サミングでシーバス釣ってみたけど、ちょっと技術的に難易度が高いように感じてもいる。
シーバス釣りでもたまにバックラッシュしたりしているが、ロウニンアジ狙いの時合いが来てる時にバックラッシュとか、まあスペアタックルは持っていくので竿ごと交換すれば良いというのはあるけど、イラッとしそうなことは目に見えている。
で、左手サミングはお役ご免としても良いのだけど、ちょっともう少し左手サミングを追求してみたいという気持ちが芽生えている。
使い始めた当初から感じていたのだが、左手でサミングして右手を上にしてロッドを握って振ったときに、右手巻きではなくそのまま左手巻きだと、右手を持ち替えずに済むので一連の動作が格段にスムーズになる。
左手サミングでスムーズにキャストができると、ちょっと面白い使い勝手の道具立てになるような気がしている。
普通のボートロッドクラスのベイトリール仕様の竿なら右手で振って右手でサミングするので、リールはあまり重いと塩梅が悪い。太い糸を沢山巻きたくてもリールサイズをあまり上げられない。
でも、左手サミングなら多少重くてゴツいリールでも、それほど苦にならずに振れる。ロッドが軽く振りきれるかどうかに、全体のタックルの軽さ以上に「バランス」は大事で、あまり振り回さない支点にちかい左手のところにリールがあればバランス的に振るのは軽い。
想定しているのはＡＢＵ７００１Ｃあたりの男らしいリールで、ルアー連投する釣りにも使えるようになるんじゃないかなどと思っている。例えばライギョ釣りとか遠征で行くアマゾンなんかである。アマゾン行く予定無いけどイメージ的にね。
別に普通の右手サミングのロッドで右巻き６５００という選択肢もあるけれど、６５００番台と７０００番台には設計思想上のラインが引いてあると感じていて、大物をドラグ効かせてやっつけるときとかには７０００番台以上がふさわしいような気がしている。まあライギョは６５００でドラグ滑らないようにガッチリ締めてやれば良いんだけど、国内でハマりそうな魚種が他にないので虎ファンさんが九州にいる間にトライできたらしてみたい。
ということで、とりあえず左巻きのリールである６５０１Ｃ３を中古で安くゲット。しばらくこいつと左手サミング用のアグリースティックでシーバス狙ってみてどんな塩梅か見てみたい。
良い塩梅ならライギョロッドクラスの左手サミング仕様に魔改造した竿を用意することにしよう。
大型のベイトリールをキャスティングに使うイシダイ釣りだの遠投カゴ釣りだのでは長竿で左手サミングが当たり前だけど、短めの７とか８フィートのロッドで大型のベイトリールを使う釣りで左手サミングのロッドって最近は見ない気がするし、右手巻きだと持ち替えが生じるので近距離キャストが多い釣りには、正直シーバスに使ってみても感じたけど、あんまり向かない。
けど、左手サミングで左手巻きにしてしまうというのは意外に盲点になってるのではないかと思って、ちょっとトライしてみようと思うのである。
道具について、最新の道具っていっても別に使い方が変わる訳じゃなくて、せいぜい使い心地が良くなってるぐらいのモンだと思っているので、スピニングならＰＥＮＮでいいやと思っているけど、こういうあんまりやられてなかった「新しい使い方」のための新しい道具には、求める気持ちはまだ枯れていない。
明日はカヤックシーズンスタートするか、ちょっと腰の具合と風に訊く。
※「明日」カヤックだした結果スズキゲット
（２０１４．１０）
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