鮎釣りの世界を革命する力を!
−リハビリ小遠征6月編−(2018.6.1〜6.3)
自分の力を総動員するという宣言通りに、力一杯に楽しんできてチョット力尽きた。そして知らぬ間にヌカカに結構刺されてた手が痒い。
正治さんに誘われて、じゃあちょっとやってみるかと軽い気持ちで始めようとした鮎毛鉤釣りだけど、始めようとしたタイミングで近所を流れる川に見たことない量の稚鮎が遡上し始め、どうにも気になってたまらなくなり、鮎の毛鉤釣りについて、自分ならどう攻めるかを想定しながら、様々な角度から調べたり、準備をしたりしていく中で、どうにも高価な長い竿を使う「友釣り」至上主義的な鮎釣りの現状に因習と商業主義の腐臭を感じて、「革命」とかいかにも大仰ナ言葉を使ってしまったけど、とにかく金はかららないけど面白くて工夫のしがいのある「鮎釣り」を実践して紹介しなければならヌ!稚鮎の遡上量が多いのはそうせねばならぬ巡り合わせなんだろうと勝手に解釈してここ数週間ひたすら戦略を練り毛鉤を巻いていた。
正治さんの住む港町の河川は関東の鮎毛鉤釣りの聖地であり、ここで本場の鮎毛鉤釣りを学ぶことから鮎毛鉤釣りを始めたいとは思うものの、解禁したら即釣っちまいたいという思いもあって、前哨戦として6月1日解禁日の朝に挑戦した近所の稚鮎のライズはフライであっさり攻略成功。その日の夕方に意気揚々と翌日の聖地での釣りに向けて旅立った。
正治さんの仕事も早く終わったようで、まだ明るいうちに駅で拾ってもらって、それじゃあ下見しておきましょうかということで釣り場を見に行く。
土手を越えて川岸に降りていくと、淵というか平瀬の終わりにしゃがみ込んで流し毛鉤で釣っている爺様が居て見てる間に1匹釣れていた。ライズが見えているのか毛鉤を完全に下流側に流し込んだ状態で竿を止めてアタリを待っているようだった。やや上流に移動して平瀬で釣っている人もたまに打ち返すけど下流側に流し込んだまま待っている感じだった。正治さんも流し毛鉤は普通もっと打ち返して流すはずだけどと言っていたので、それでは釣れない割と渋い状況なのかもしれない。実際見ている間に釣れなかったし夕方なのにライズもなく、数日前の雨の影響で増水しているのかもとその人は言ってたので、これは増水時のヤマメと一緒で淵尻狙いが肝になるかなと予想。実際には上流域と違って瀬と淵の連続じゃなくて、早瀬が落ち込むちょっと淵っぽいのが有ったり無かったりでその下流にそこそこ水深のある水面があまり波立たず流れる平瀬が来て淵尻というか平瀬尻がきてまた早瀬という渓相なので平瀬尻あるいは早瀬の頭狙いになるだろうか。ただ次の日あちこち見て回って分かるんだけど、増水云々は的外れだったようで、実際には逆にしばらく増水がなかったので石に付く水苔がビローンとなびくぐらいの「垢腐れ」の状況になっていた。
解禁日の夕方の割に人が少ない上に釣ってる人もあんまり釣れていないという不穏な雰囲気。
情報収集と私の明日の日釣り券を買うために地元の釣具屋に行くと、店長さんは店を奥さんにまかせて毛鉤流しに行っていて留守。奥さんから情報聞くと、毛鉤は流し釣りはいまいちみたいで、沈めるチンチン釣りは多少釣れてたみたいとのこと。
鮎毛鉤釣りには大別して、深い所を天秤の付いた仕掛けでミャク釣り的に竿で誘って狙う「ドブ釣り」、7本ぐらいの毛鉤で仕掛けの前後に浮子が付く水面直下表層を狙う「毛鉤流し釣り」、4本ぐらいの毛鉤で最後の毛鉤の手前にガン玉うって、玉浮きで流す中層から低層狙いの「チンチン釣り」の3種類がある。
今回我々は流し釣りとチンチン釣りをするつもりで、特に私は初めての場所で中低層の魚の居場所なんてのは正治さんの情報に頼るぐらいしか手がないので、基本的に水面の反応を探して「流し釣り」を主軸に組み立てるつもりでいる。鮎はヤマメとかと比べると川に居る個体数が多いので、毛鉤に食ってくるようなやつの居る場所は水面の反応を中心に見ていけばそれなりに何とかなるという読み。
日釣り券を入手して、店長さんそれ程遠くないところで釣ってるようなので、情報仕入れに探しに行く。
車を止めてテクテク歩いて行くと、そろそろ日が落ちそうになっているなか、カジカがフキョキョキョキョキョッと鳴いている。土手の上、川側を見るとユスリカらしい小さな虫が飛んでいて、反対側の草むらの方ではフライフックで20番ぐらいのカゲロウの成虫が頭を上にしてユラユラ上下に揺れている。成虫が飛んでるってことは魚が追っかけるであろう幼虫から亜成虫への段階はもう少し早い時間だろうか?土手の虫では川から遠すぎて今一状況分からん。よっぽど水生昆虫の生態に詳しくないと、川につかって目の前で魚の反応とかでもみない限り分からないと思うけど、それでも基本ってのはあって、川の水生昆虫の羽化のタイミングは、昔はフライフィッシングの教科書にも載ってた「モンローリップ」な年間の羽化暦のように、冬はユスリカとか小さい虫が水温の上がる昼に羽化して、それがだんだん季節が巡り水温が上がるとともに、小型のカゲロウやらトビケラも羽化し始めて時間帯は朝夕に分かれていき、一番水生昆虫の羽化が多い5月には、英語じゃその名も「5月の羽虫」な「メイフライ」であるカゲロウの大型種も羽化するようになって、この頃には完全に朝早い時間と夕遅い時間が「マズメ時」になっている。その後は夏になると羽化する昆虫が減って、秋にまた春ほどじゃないけど羽化する昆虫が増えて朝まずめ夕まずめな感じになって、徐々に水温低下とともに水温上がる真昼に羽化の時間が近づいていくというのが、大雑破な水生昆虫全体としてみた羽化の季節変動である。だから、6月の鮎は水面では朝早くや夕遅く虫を食うだろうというのが予想としては成り立つ。成り立つんだけど例外や細かい場所毎日毎の違いやらは当然あるので、釣り場になるべく立って、目を開き耳を澄まし匂いをかぎ風や湿度や気温を肌で感じ、頭必死で回して考えながら、場数踏んで情報蓄積していくしかないという基本はどんな釣りでも全く同じ。
しばらく歩いて店長さん発見。しかし釣れてなくて1匹だけとのこと。地元の釣具屋の店長さんが1匹だけってえらい渋い状況だな。店長さんも遡上量は多かったのに何でだろうと首をかしげている。この時期鮎がいれば跳ねてるはずだけど、それもほとんどないとのこと。
釣り仲間の情報では、上流の釣り場で流し釣りよりは沈めるチンチン釣りのほうが良かったようだとのこと、毛鉤は赤いのが良かったとのこと。早期の毛鉤は赤が効くというのは定石のようだ。
暗くなって帰り支度していたら、川面でバシャバシャと始まって、道具仕舞ってた店長さんも今頃かよとボヤいていた。日没終了という期限はあるにしても遅い時間まで粘った方が良さそうだ。
昨年、解禁直後の6月前半は1日で100釣れるようなバカ釣れだったそうだけど、毎年同じようでいて違うのが自然というもので、むしろあんまり何でも釣れる状況ではせっかく巻いてきた自作の鮎毛鉤とかが本当に役に立つものなのか量りようがないので好都合である。
全くアタリもカスリもしない釣れない状況だと、これまたどうしようもないけどそこまで酷くはないようなので、ハッキリいってアユは数の多い魚なので口の数が多いから、ちゃんと攻略していけば10匹ぐらいはどうにかなるだろうと予想。草原のライオンとシマウマの数の差を考えたら植物食性のあるアユがヤマメに比べたら桁がいくつか違うぐらいには多いのは明白で、むしろ数的なイメージからすれば雑食のオイカワぐらい沢山川にいる魚で、かつ居ればその川の優占種となる魚なのでアユの多い川でアユを釣るのはオイカワの多い川でオイカワを釣るのと同程度の難易度だと思えば良いと思っている。ヤマメでもオイカワでも渋い日には苦戦するけど、水面で虫食ってくれる状況があればスカ食うような極端な苦戦はないだろう。それは朝の近所の釣りでも感触が得られている。朝前哨戦行っておいて良かった。ひょっとしてアユを毛鉤で釣るのに特別な難しさが有るんじゃないかという不安があったけど、そんなモノはないと確信を持って鮎毛鉤釣りに挑める。あるのは、アユに特別じゃない、どんな魚を釣るのにも普遍的にある難しさだけだ。
でもって、翌朝早起きして5時過ぎに昨年正治さんが一番釣った場所に入る。ブロックが川を横断して配置してある砂止めの下流の淵から平瀬が良かったとのことで正治さんは迷わずそこでチンチン釣りから入るけど、私は砂止めの上の淵でライズが見えていたのと、昨夕淵尻か平瀬尻だなと思ったのもあって砂止めの上に入る。
砂止めの上流岸近くは淵尻が早瀬の頭のようになっていて脛ぐらいの水深で石でよれた流れの筋が見える速い流れ。その流れの中でバシッバシッという感じで水面で何か食ってくる感じのライズがある。たまに単に遡上しているだけみたいな全身見せる跳ねもあるけど、食ってる感じの飛沫の方が多い。
市販の職人さん作成の7本バリの毛鉤流し釣り仕掛けを4.5mの竿で上流斜めに投げて岸側ライズしているあたりを自然に流して、流しきって仕掛けがターンしたら少しその位置で待つ時間を長めにとってたまに誘ってからまた上流斜めに投げ直すというのを岸際割と上流からライズしているので、やや上流から始めてだんだん下がっていって砂止めのブロックの手前に来たあたりで流しきって待ってた状態で食った。アタリは手にククッと直接的にきた。割とさい先良く1匹目だなと思ったら、たも構える前にポロッと落ちた。ガックリ。
気を取り直してやっぱり流しきった後だなと意識して狙っていくけど、どうにも続きが釣れない。ライズは相変わらずあって何で食ってこないのか分からない状況。やっぱり鮎毛鉤釣り独特の難しさってあるのかと不安になりつつも、とりあえず何か手札切らなきゃナと仕掛けを自作の1組目に変更。
これが功を奏したのか何なのか変えたらきた。今度は慎重に寄せてきて金魚網で無事すくって記念すべき聖地での1匹目。10センチないぐらいの小さめだけど最初の一匹は何物にも代えがたい嬉しさがある。
しかも、釣れた毛鉤が「水の女王」というある意味予想外の毛鉤でとても感慨深い1匹目となった。毛鉤の名前は勝手に自分でつけたもので、どんな毛鉤か興味があれば以前書いたブログを参照願います。http://namazerpenn.blogspot.com/2018/05/blog-post_20.html
ブログでも書いたけど、オレンジの胴に白黒鹿の子斑の蓑毛というこの派手な毛鉤は、活性高くてバカスカ釣れているようなときに、その派手さで鮎を魅了してバカ当たりして欲しいということで、三振かホームランかで良いと打線に入れたハズなのに、割と渋めの状況でむしろ犠打のような堅い仕事をしてくれて嬉しい誤算。
ワシの巻いた毛鉤でもつれるやんケ!と俄然嬉しくなって追加を狙っていくと、ほどなくしてもう一匹ゲット。と思ったらウグイだった。でも嬉しい。ちなみに毛鉤は「銀飛螻蛄」でこれまた派手系。
派手な方がイイのかなという気もするけど、その後はライズ続いているのに沈黙で、それではと2枚目のカードを切って2組目の自作毛鉤仕掛けを流して見るもコレも不発。
しばらくして、ライズは結構あるので今日は活性高くて、砂止めの下の平瀬の実績ポイントで釣ってる正治さんの方は爆釣してたりして、と見に行くと全然渋いらしくまだ釣れていないとのこと。
それではと戻ろうとすると、すでにさっき釣ってた場所には釣り人入っていた。まあでも淵尻か平瀬尻が良いんだろうなと、正治さんも誘って下流の砂止めの直上を狙いに行く。
途中、広い淵の対岸浅いあたりでライズがあったり、平瀬で正治さんが結構良いのを手元で落っことしたりはあったけど、砂止め上は今一水深変化がないというか石も入ってなくて、さっきの場所と違ってライズもなくこりゃダメだと、正治さんは実績ポイントに、私はライズしてた川幅広いところが気になったので狙う。
ライズしている膝ぐらいの浅場の上流側に回り込んで、流し釣り仕掛け自作1組目でライズを狙って仕掛けを流し込んでいく。
やっぱり流しきったあたりで何度かアタリがあって食った。オイカワだったけど、派手な毛鉤が良いのかと「仇虫」から替えてた、ボディハックルを黄色のダチョウ羽毛で追加し巻いた「水の女王黄駝鳥荒巻」で明らかに派手な方が良さそう。
でも水面でライズしているのはオイカワかなという気もしてきたので、もう8時頃で日も高くなったし中下層狙いでチンチン釣りも試してみようと仕掛けを変えてみる。釣り下っていくと割とすぐにヒットしてオイカワでやっぱりかと思ったけど、オイカワでも別に良いジャンという釣れれば何でも嬉しい釣り人なので、そのまま釣ってると玉浮きが派手にピョコッと動いてあわせたら結構良い引きしてくれる。デカめのオイカワかなと思って寄せてきたらアユだった。
後で計ったら12センチとこの時期毛鉤で釣れるサイズとしてはまずまずの大きさで素直に嬉しい。アユの特徴である黄斑もしっかりでてて、この黄斑は食べてる「苔」の植物プランクトン由来なので虫を主に食ってる「鮎稚魚」から既に苔を食む「鮎」になっていると感じられてこれまた喜ばしい。毛鉤は名前分からないけど、ちょっとオレンジがかった明るい茶色の毛鉤でやっぱりオレンジ良いのかも知れない。
ほらね、鮎も混ざってるジャンとしばらく粘るも追加はなく、上流に移動していくと朝一入った場所が空いていたので入る。
コレがまだライズがあって、明らかに跳ねてるだけじゃなくて何か食ってる感じなんだけど、流し釣り仕掛けに戻してたまにアタるけど掛けきれない。地味な方が良いのかと地味なの多めの2組目に替えて、毛鉤を小さくした方がイイかとか毛鉤交換も試してみるけど反応薄く、でも隣の長竿で流し込んでいる釣り人がたまに釣ったりしているのでライズもあるし粘ってみる。正治さんは上流見てくるとのこと。
私の後に入ったらしい釣り人がやってきて、寝坊して遅れてきたけどここで朝は何匹か釣れましたとのことで、それはワシが抜けたタイミングで入れたからジャと悔しかった。
釣れないので上流の正治さんを探しに行くと戻ってきてて、やっぱり砂止めの上でライズしていて、でも釣れないとのことで、昼飯時まで時間があるので再度そちらで時間を潰すことに。平瀬の終わりぐらいでおっきな石の前後でライズは散発的にあるけど食ってこない。監視のオッチャンが回ってきて対岸の方が石に付いた垢が腐ってなくて良いはずと言ってたので、11時近くなって飯食いに行く前に覗いてみたら、確かに流れ強くてライズもやっぱりあって食っては来なかったけど、釣り人いないこともあり夕まずめをここでヤルというのも案として頭に置きつつ昼飯休憩。
11時開店の海鮮どんぶり屋にタイミング良く入って、地魚刺身定食など堪能して、さてどうするかということで、店長さん情報の上流を探りに行って、いくつか場所をチェックしてみようということになった。
最初、多分店長さんが言ってたポイント、ここは人気ポイントとのことで早瀬の流れ込みから淵のよな平瀬のよな広い川幅に繋がる大場所で、上流流れ込みは水垢が良い状態なのか友釣りの竿が林立している。でも、下流の橋のあたり平瀬尻にあたる場所は解禁直後の休日にしては人は少なく、「今日は流れ込みじゃなくて尻だよ尻」とケツからいって釣りまくるつもりで、準備を始めるとなんと変な方向に力を入れたわけでもないのに4.5m穂先折れた。後で瞬間接着剤でリリアンつけ直しだなと、予備の3.7mでチンチン釣りの用意して始める。
葦の生えてるあたりから始めて、スタート時にいきなり正治さん2連発でバラし。魚は居るし活性も高いようだ。ほどなくして正治さんは今期初アユゲット。
私の方は、魚は沢山いるのは、逃げていくのが見えているし、ライズなのか跳ねてるだけなのかな水面で単発の動きもあって間違いなさそうだけど上流に移動した正治さんとは逆に橋を越えて下って探りを入れてみる。入った側の岸に流れが当たっているけど、逆側の浅瀬にライズがある。これは朝の2匹目を釣ったパターンかとしばらく狙ったけど、浅くて根がかるのでオモリ外して流したら1回水面で出たぐらいで反応なく、戻りがてら流れを狙って1匹釣れたと思ったらウグイ。あまり釣れていない状況なので釣り的にも夕飯的にも釣れてくれる魚は何でもありがたい。腰にぶら下げてるズック魚籠に確保していく。
上流向いているとたまに死んだアユが流れてくる。と思ってたら死にそうになってクルクル回ってるのも流れてきたのでタモですくって確保。冷水病とかの病気だろうか?まあ人間にうつる病気じゃないしオカズにはなる。
その後は元に戻って正治さんの下流、平瀬尻の浅い場所に陣取って流し釣りも試したりするも反応はない。しかし、結構な頻度でクルクルと白い腹を見せながらアユが流れてきて、死んだのはさすがにパスだけど、まだ生きてるのは確保。
魚は生きて背中を上にしていれば保護色なのでかなり近くを泳いでいないと見えないけど、弱って腹見せてたりすると5〜10mぐらい離れていても目立ってよく見える。
足下近くに元気に泳いでるヤツもかなり見えてアユの数自体が多いのは確かなんだけど、でも食ってこない。
釣れない時間帯に入ったようなので、14時過ぎに一旦上がって、コンビニに瞬間接着剤買いに行きつつ、他のポイントも見て回る。いくつかポイント覗いてみたけど、やはりさっきの場所が魚も多かったし良かろうということで、15時半頃に再度戻ってきて夕まずめはここに賭けてみることにする。
竿先修理してさあ再会、と思ったら伸ばしたらなぜか3番が折れていた。15年以上前に買った「渓宝ハヤ硬調450」という3千円ぐらいの安竿だけど、軽くて使いやすくて気に入っていたけど、そろそろカーボンの繊維が切れまくって寿命か?もう一回ぐらい直して使うか、そろそろ買い換えか悩ましいところ。
仕方ないので引き続き予備の3.7mで出撃。こちらは中古で安かったとはいえメイドインジャパンな宇崎日新の竿で、古い分重いけど丈夫そうでかなり気にいってきた。「精魂」という名のようだ。
流し釣りで行く。2組目自作仕掛けで入ってすぐのところでオイカワゲット。
これは良い時間かなと、期待するけどその後食ってこず、沖側に移動していって午後一に目星つけておいた平瀬尻から下の早瀬頭ぐらいの膝から脛ぐらいの浅いエリアの石で水流がよれるあたりを意識して流して終わって伸ばした仕掛けでしばらく待つ感じで狙う。竿短めなので、魚なるべく寄ってくるように姿勢低くを意識して水中の石に座ったり浅い場所では片膝ついたりして石化けして狙う。フライでヤマメやらオイカワのライズ狙いとかしていると自分のキャストできる距離のちょっと外に魚が離れてしまうというのはありがちで、釣具屋の宣伝に騙されてやるなら飛距離を出して対応するんだろうし、今やってる鮎毛鉤釣りなら竿を長いのに替えるんだろうけど、結局そういう方法はいたちごっこで、さらに遠くに魚を追いやるのがオチだったりする。それが姿勢を低くして大人しく待ってるだけで、数mは魚のほうから接近してくる。浅い場所なので必ずしも餌食ってる動きだけじゃなくて「遡上」してるような跳ねもみられるけど、とにかく魚は3.7mの竿と仕掛けの射程距離内にも入ってきて跳ねたりしてる。けど、なかなか食ってこない。
日が高いうちのライズは食ってる虫が小さいとかもあるかもと、一番後ろの鉤を22番で巻いたのに小さくしてみたりも反応ない。小さくしてダメなら派手にしてアピール勝負かなと1組目の仕掛けに替える。自作の毛鉤でも釣れるというのが分かったので、おそらくこれからはサイズやら色、素材、ハリスや金玉の重さ等、自分の思うように変えて用意できる自作鮎毛鉤を使っていくだろう。店長さんに選んでもらって買った播州毛鉤職人謹製の「青ライオン」は迷って行き詰まってしまったときに結ぶお守りとして取っておこう。
根掛かりで「蛹」がなくなったので替わりは今日好調の「水の女王」。しばらくして待望のヒット。アユ3匹目。まあハリ数増やしたのでってこともあると思うけどやっぱり「水の女王」ということは、これは今日のアタリ鉤といって良さそう。タモの中で暴れてくれて絡まったのもあって「雉」も「水の女王」に交替。コレで全7鉤中4鉤が「水の女王」という思い切った打線。
ハリスがホンテロンじゃなくてナイロンなのは食いには影響ないというかナイロンの方が毛鉤の動きは良さそうで、食い込みとかも良いんじゃないかと思っているけど、絡むとグチャッとなるのは高活性で連発してるときには手返しを悪くするので、1匹づつ拾うような低活性の時はナイロンで絡まないよう丁寧にタモに入れるのを心がけて、何でもバンバン食ってきて堅いハリスでもお構いなしな感じの手返し上げて行かねばならぬ高活性時はホンテロンやフロロのハリスや仕掛けという使い分けもありのような気がする。というか渋い時間は流し込んで下流で待つ時間が多くて食ってくるのも下の方の鉤で高活性時は上の方のハリも食ってくるようなので、上4本ホンテロンハリス、下3本ナイロンハリスなんてのも有りだと思うので今後試してみたい。
そこから、石化けしつつ、それでもしばらく狙っていると魚が警戒してかどっか行くので、微妙に前後左右に移動しながら粘るが、しばらく時間が空く。アタリはたまにあるけどかかり切らない渋い食い方。
18時過ぎになって、跳ねてる魚とかにはあまり変化ないけどアタリの頻度が明確に増える。遠目近め右左、同じ場所ばかり狙って警戒されないように流して下流で待ってる間にコンとアタる。
2匹ほどバラして1匹追加。本数多いので当たり前かも知れないが「水の女王」で。明らかに釣れる時間に突入したんじゃないかと思って写真も撮らずに頑張るけど、意外に渋くてアタリはポツポツあるけど掛けきれなくてこのまま終わるのかなという感じになってきて、帰る釣り人も増えてきた。
一人、後から来て上流に投げた仕掛けが絡むぐらいに近くに入りやがった長竿の親父がいたんだけど、コイツが岸から下流に毛鉤流している少年のまさにその狙っている場所から上陸しやがって、ドタマにきた。私の仕掛けが絡んだのは、今日は下流に流してしか釣れてないので上流側に投げるとは思ってなかったのかなと、まあ腹は立ったけど解禁直後の休日で多少混むのは仕方ないし、いくらでも他に場所あるのにウザいとは思ったけどそういう距離感のおかしいヤツなんだなと、関東近郊の釣り場じゃ珍しくもないことなので放置しておいたけど、さすがにそれはネエだろよ。アンタ様がどれだけお偉い釣り人なのか知らんけど、釣り場じゃ老若男女みんな対等でお互いの釣りを邪魔しないように、なんていうのはルールやマナー以前の問題だろ。ナニ考えてけつかるんだ?どうせ釣れないから関係ないとでも思ってるんだろうか?地元の少年が実は良い場所知ってるなんてのはありがちで、実際その場所のやや下の岸際で正治さんは2バラししてるし私はオイカワだけど1匹釣ってる。陸っぱりで岸際狙いは割と良い線行ってると思って見てたぐらいだ。正治さんも私への接近も含めだいぶお怒りだった。少年よ、あんなクソみたいな大人にはなるんじゃねえゾ。
ムカつきながらも、そろそろ終わりを意識して戻りながら探っていた19時前に、やや平瀬尻の浅場より上流、膝ぐらい水深あるあたりで、いきなり連発し始めて、ものの10分ぐらいでアユ5、オイカワ1をゲット。特にオイカワはデカい雄で良い引きしてくれた上に婚姻色出まくってて格好良かった。赤いのがイヤイヤしながら上がってきたとき胸が高鳴った。
連発している間は流しきったところではなくて、流してる間に食ってきて上の方の鉤「閃光うさ耳」とかも食っていて明らかに食い方が違う。
粘った甲斐があった。正治さんと二人で店長さんの情報も参考にしながら、夕まずめの場所を選定して作戦はめた「してやったり感」が気持ち良い。マズメ前に帰ったバカ親父めザマァミロ!バーカバーカ!大間抜け!!
日没までの規定なので、アタリも途切れたし終了。ちょっと上手の水深あるあたりで正治さんも同じような時間に連発していた様子。ウグイも結構釣れたようで、あがるとき「ウグイどうしようリリースしようか?」と相談されたけど「すでにボクが釣ったのはクーラーに収めてます。ヤツらを食うのにこいつらを逃がすんじゃ不平等で示しがつきません。我々の辞書に外道の文字は無いはずです。」と確保。長野じゃご馳走ですよ的な長野県民に聞かれたら怒られそうな差別的発言もしたような気がする。
今日の私の一日の獲物たち。アユも美しいと思うけど、このオイカワの美麗な婚姻色を見て、ときめかないようなヤツは川で釣りなんかしなくて良いんじゃないかと真剣に思う。
帰宅して、夕食時、鮎は旨いのは当たり前なのでハラワタごといただきます。オイカワとウグイは泥食ってるとそれは食べたくないのでハラワタ抜いてついでに内容物チェックするけど、泥っぽい物しか入っておらず水生昆虫的なものは見当たらなかった。
オイカワ、ウグイは衣つけて揚げた方が良いんだろうか?と正治シェフが迷っているようなので、ここは素材の味を生かす方向で素揚げで、とオーダーしておいた。
アユの味なんて旨いに決まってるので今更書かなくても良いと思うけど、結果から書くとオイカワとウグイもどちらも旨い。大きいオイカワは骨が硬くて頭からバリバリとは行かず雄同士が戦うための武器である追い星の堅さを口腔で再確認させられたけど、身の味は大きい方が川魚の味がして美味しかった。ウグイも大きい方が美味しくかつ骨も柔らかく頭から食えたので、泥臭かったらどうしようと不安だったけど、全くの杞憂で食べるに値する獲物だと判明した。綺麗な川にいればウグイも泥臭くもなんともなく充分美味しい魚でした。長野県民の皆さんゴメンナサイ。淡水魚の味についてよくご存じで、かつ、地元に綺麗な川をお持ちで敬服します。そういや渓流解禁で行った千曲川そばの民宿で食べさせてもらった佐久鯉の鯉コクもとても美味しかった思い出。
という感じで、バカ親父にはムカついたけど、鮎毛鉤釣り初挑戦は渋い中でも良い釣りができて満足である。正治さん的には、昼間もチンチン釣りである程度拾えて、マズメは流し釣りでそれこそ何10匹と釣れる爆釣を味あわせたかったようで、その気持ちはありがたいけど、でも充分以上に楽しい釣りだった。釣りってのはなかなか予定通りに爆釣とはいかないもので、今回なにが良くなかったのか、雨量が少なく垢腐れしてたのが悪かったのか、病気の影響で活性落ちてたのか結局原因は分からない。それでも渋くてもスカ食わずに釣りを構築し楽しむというのが、完全には予測できない自然相手の釣りでは重要な技術だと思っている。
特にナマジ的には「水の女王」で釣れたのが凄く価値のあることだと感じている。
アタリが遠い渋い状況だと、地味に小さくとルアーでもフライでも考えがちだけど、往々にしてアピール力勝負で行った方が結果が出たりする。今回の毛鉤釣りにおいても、夕まずめ以外の居るんだけどなかなか食ってこない状況で最後に口を使わせたのがオレンジのこの鉤のアピール力だというのは特別な感慨深さがある。
今回、良い釣りできたのは、いろんな釣り人のおかげだと思っている。それは案内してくれた正治さんや色々教えてもらった店長さん、あれこれ毛鉤について知見を提供してくれたケン一のような直接関係した釣り人のおかげという以上に、欧米のフライフィッシャー達が営々と続けてきた研鑽の賜物である今現在のフライフィッシングの技術や知識経験参謀役をもつ私が、これまた江戸時代からの歴史の中で日本の毛鉤釣り師が営々と続けてきた伝統を新たに学んで、その両方の知識や技術を縦横に織り込んだような釣り方で鮎毛鉤釣りに挑むことができた。その象徴的な存在として、その名も美しい伝統的なウエットフライである「クイーンオブウォーターズ」を単純化して鮎毛鉤の形に落とし込んだ「水の女王」でアユを釣ることにより、私の中で、この部分はフライ、この部分は毛鉤という感じで、ちょっと混ざりきらずに分離していびつなモザイク状になっていたのが、綺麗に溶け合って美しい色合いになり始めたのである。
そういうフライフィッシングと鮎毛鉤に関係するすべての人々やあるいは事柄に、私は敬意を払わなければならないと感じている。なかでも「水の女王」に関連して特に名前をあげて感謝しておきたいフライフィッシングの先人として「フライフィッシング教書」の田渕義雄氏がいる。「フライフィッシング教書」は元々シェリダン・アンダーソン氏が書いたイラスト付きの英語のフライフィッシングの教科書を田渕氏が翻訳をつけると共に、日本でフライフィッシングを楽しむ釣り人のために実践的な技術の追補をすると共に、フライフィッシングって、釣りってこうやって自由に楽しんだらいいんだよと教えてくれる指南書となっている。
私が買ったのが大学生の頃だったのでもう二昔は前の技術書だけど、今でもとんでもない版数を重ねて釣具屋には置いてあったりする隠れたロングセラーである。純粋に釣りの技術的な部分では今時もっと優れた進歩的な教科書はあるんだろうと思う。ただフライフィッシングの「楽しみ方」を解説した教科書でこれ以上の物はいまだないと思っている。僕のおばあちゃんも草葉の陰でそう思っているだろう。読んですぐにいても立ってもたまらずにコータックのクソ安い初心者用フライセットを買ったのが私のフライフィッシング事始めである。
田渕氏が紹介していたクィーンオブ・ウォーターズは伝統的な形式を重んじる格好つけの俗物なフライマンが見たら「こんなものはクィーン・オブウォーターズじゃない!」と怒り出しかねないぐらい独自の味付けで、本来二枚あわせで平たく付けられるはずのオシドリの白黒斑の羽毛製のウイングは、ラーメン食うのに邪魔なので束ねた長髪みたいにぞんざいに束ねて取り付けられているし、テールも素材一緒で同じような長さとぞんざいさでやっぱり束ねられている。ボディーが鮮やかなオレンジのフロスで巻いてあるのは良いとして、グルグルと薄茶色っぽい「ジンジャー色」のボディーハックルも良いとして、そのボディーハックルの毛先がバッサリと刈りそろえてある様は、緑のブナ虫を模しているのかもと紹介されている「グリーンキャタピラー」の別名「試験管ダワシ」を彷彿とさせる有様で、興味がある人は本買ってみて欲しいけど、言葉で説明すると田渕版クィーン・オブウォーターズはオレンジ色した派手な試験管ダワシにぞんざいに束ねた白黒の毛を上と後ろに付けたフライである。
最初に知ったのが田渕版だったので、ニゴイとかさんざん釣った後で、伝統的なスタイルで巻いた版を知ったときにはちょっと愕然とすると同時に、フライフィッシングってこのくらい自由に好きなようにやっちまって良いんだと認識してしまった。
伝統的な鮎毛鉤を愛する人から見たら、私の巻いた和洋折衷の鮎毛鉤など言語道断かも知れないけど、すべて田渕義雄氏が悪いんです。私は彼にそそのかされてついやっちゃっただけなんです。っていうぐらいにもろに影響を受けている。おかげで楽しくて仕方ないので感謝の気持ちで一杯だ。釣りは自由である。
その自由な釣りを愛する私から見て、鮎釣りの現状はとても不自由に見える。端的にいって10mもあるようなクソ長くクソ高価な長竿を使った友釣りこそが鮎釣りである。という風潮がきつすぎて、他の釣り方が霞んでしまっている。
友釣りも面白そうだとは思うけど、私のような何でも手を出す釣り師でさえ面倒くさそうで金もかかりそうで手が出ないという、特殊で取っつきにくい釣りが、川を占有して使うような状況を、制度もそうなっているし、高い道具が売れたら大喜びの釣り具会社、その提灯持ちの釣りメディアもこぞって後押ししている。
鮎毛鉤釣りや鮎餌釣りの禁止の川が多いなんて馬鹿げてる。おとり鮎売れないと困るからだろ?とゲスの勘ぐりをしたくなる。
そういう因習の匂いのする体制側の鮎釣りを打破し、近所のガキから足腰ヨタった爺様たちにまで鮎釣りを川を解放すべく革命を起こすため、私はここに高価な長竿を使う鮎友釣り勢力に宣戦を布告する。
ゲリラ戦上等で「そんな手使うの?」という手も使って徹底的に長期戦を視野に闘うつもりなので震えて眠れ。命乞いは聞かないし容赦もしない。無慈悲に沢山できれば大きなのも楽しく釣る予定なので覚悟しておけ。
ナニが「鮎の友釣りは餌じゃなくておとりを使う世界でも他に類を見ない釣法」だ。今でも新潟三面川に雌のサケをおとりに使いやってきた雄を引っかける漁があるけど、これは元々アイヌの漁法だったはずでロシアの方のアイヌもやってただろと思うし、雌をおとりに使う方法ならトンボ釣りとかもそうだし、もっというなら植物食性の強い故に同じように苔の生える石に縄張りを作るボウズハゼを友釣りで釣る文化が世界どころか我が国にある(あるいはあった)のをご存じないのかね。そんなもん魚の習性毎に釣り方色々考えるのなんて、古今東西世界中ありとあらゆるところでやられているはずで、友釣りだけが特別な素晴らしい釣りだと思いあがるなよ。面白い釣りなんだろうことは否定しないけど、そもそも他の釣り方と比較して上下が決められるようなものじゃないだろ?
「鮎は成長すると苔を食べるようになるので、稚魚の間はともかく大きくなると毛鉤や餌では釣れなくなる。」って嘘を信じ込まされて、友釣りしかないと思っている人は体制側のプロパガンダに騙されるな。友釣りが行われるようになるまでは通年ドブ釣りにより毛鉤で釣られていたし、鮎のエサ釣りの名手は条件によっては大きいのも友釣りより釣れるよと紹介している。鮎だって増水で苔流れたり逆に日照りで垢腐りで食う苔無いときは川虫だって食うだろうし、そもそも縄張り作れなかった鮎は苔あっても川虫とかしか食えないでしょ、ってことらしい。
そういう嘘ばっかりの出鱈目を信じ込まされて、高価な道具を使って高度なと本人が思うけど、実際には他の釣りの技術と同じように高度なだけの技術を駆使しているオレ様ってスゴい釣り師!と勘違いして思い上がった釣り人が、他の釣り人を閉め出してさも当然のように川を独占してるのをオレは許さない。
許さないから、友釣り以外の毛鉤釣り、フライフィッシング、エサ釣り、サビキ釣りでたくさん釣っちゃう。暑い中ご苦労さんな友釣り師が混雑する釣り場で貧果に沈んでるようなときに、近所の全く無名の鮎釣り場を開拓しておいて、涼しい時間にさくっと手軽に釣って楽しんじゃう。
漁協の放流量とかくっだらねえ情報である。東京湾の都市河川にも鮎があがってくる自然再生の世紀に生態系本来の恵みである天然遡上鮎を追わなくてどうする。そういう鮎は放流のための経費なんてものかかってないから、うまくすると入漁料なしでタダで釣れる。
当面は鮎毛鉤釣りの技術の習得だろう。近所で釣り場釣り方開拓するのとともに、7月にもう一度本場の川に行って楽しく研鑽を積みたい。
フライフィッシングと日本の毛鉤釣りのどちらが面白いかとか、どちらが釣れるかとかは、個人の中には答えがあっても良いけれど、客観的には答えはない。一番強い格闘技は何か?に答えがないのと同じようなモノである。鮎毛鉤釣り始めてみて、フライのようにライン伸ばして遠くを狙えないのでフライフィッシングに親しんできた釣り人としては最初やりにくさも感じた。でも、逆にそのラインを伸ばしてキャストする面倒くさい技術が要らない、のべ竿で直接的に仕掛けを操れることの利点、というのも釣っていると見えてきた。端的に言うと浮子が2個と7本も毛鉤が付いた仕掛けをフライタックルでは投げられない。毛鉤の数を多くできるというのは単に個数が増えたという以上の利点を生む。どんな鉤が効くのか毛鉤交換しなくても同時に流して試せるし、派手に寄せる鉤と食わせる地味な鉤的な相乗効果を狙った「打線」を組める面白さなんてのはものすごい魅力である。友釣りも含めどんな釣り方にもそれぞれ得手不得手がありそれぞれの魅力がある釣りで、本来自由に選べるべきなんだろうけど、混雑しがちな釣り場で釣り方が違うとそれぞれやり方が違うことによる問題が生じたりするだろうからある程度釣り方を制限してしまうのもやむを得ないと思う。けど、あまりにも「友釣り優先」な現状にはムカつくので、少数派の天邪鬼としては友釣り以外の釣りも佐世保と主張しておきたい。オレたち少数派にも鮎を釣らせて呉。
これから近所中心にアユを狙っていくのに季節的な戦略を考えてみると、毛鉤が効くのはルアー的に反射食いさせるというのもありだろうけど、基本的には水生昆虫を食っているアユを狙うという性格があるだろう。となるとシーズン最初の頃には水生昆虫の羽化が多いので釣りやすいのも納得だし、盛夏になると釣りにくくなって、実はあまり毛鉤で釣られてないけど秋にはまた水生昆虫の羽化が増えるので、数は少なくなってるはずだけど大型に育ったアユが毛鉤を食うと予想できる。口数減るので絞り込み難しくなるけど近所では1カ所オイカワ釣りに行った場所で心当たりがある。
アユのエサ釣りについては、先ほど書いた名手である西野弘章氏の「川釣りの極意」を教科書に勉強してみたい。仕掛けは単なる玉浮子仕掛けで単純明快だし、釣り方もこんなことまで書いてしまって大丈夫なのかというまさに「極意」的なところまで解説してくれているので、アユのエサ釣りが禁止されていない天然遡上の多い川が近くにあるなら、ぜひこの本を買って私の同志となって闘って欲しい。
琵琶湖の稚鮎釣りに端を発するらしい鮎サビキ釣りも、釣れるよというタレ込みをいただいているので、エサ釣り毛鉤釣りに融合させて自分なりの鮎釣りにして情報発信していきたいという野望を持っている。
読んだ人がうらやましく思って、同志となって闘ってくれるように、マニアックに楽しい釣果だけでなく無慈悲に良い釣果を顛末記に乗せていきたい。
野望の果てには、長い竿もお金もあんまり使わずに「アユ友釣り」もやっつけてしまいたいと思っている。
長い竿に関しては、釣具屋が売るから長い竿使う釣り人がいて、そうすると結局竿の届く範囲から魚が逃げるからもっと長い竿が欲しくなるし、隣の人より短い竿だと釣りにくくなってるだけで、釣り人いない釣り場なら問題なく短い竿で釣れると思っている。広い川幅の深みとか狙うのにどうしても長竿が必要な場合とかもあるのかもしれないけど、小規模河川や支流なら長くても邪魔なだけだ。
飛距離がいかにも重要なように喧伝されているシーバスのルアー釣りの世界で近距離戦特化で長年やってきてるので、遠くの魚なんて高い道具買える金持ち連中に任せておけばいいぐらいに思っている。
そういう釣りが格好いいと盲目的に信じ込まされている哀れな体制側の飼い犬たちが多ければ多いほど、小規模河川や支流は混雑から免れるので狙わせてもらおう。
友釣りはオトリ鮎が買えなければできないだろうと思ったのなら、あなたは体制側に飼い慣らされているのかもしれない。
「オトリ鮎なんてなくても実はフナでも案外良いんじゃ」とかなんとか一平爺さんもつぶやいてたように記憶している。
アユじゃなくていい。ルアーでもいい。釣ったことなくてもそのぐらいは明確に断言できる。
「バカなことを言いやがって、アユはあの黄斑を目印にオトリに喧嘩を仕掛けるのにオイカワとかでオトリになるか!」とか前時代的に非科学的な根拠もない出鱈目を信じている人は反省した方がいいッス。
アユが攻撃を仕掛けるのは、前傾したり頭を上げたりしないで水平姿勢で縄張りに進入してくる魚っぽいもの全部だそうで、体高あるフナでも派手な婚姻色のオイカワでも容赦なく追い払おうとするとの研究報告がございます。黄斑のあるなし全く関係なしだそうでっさ。
そういわれてみれば、アユ以外の魚に縄張りの苔食われ放題に放置するわけなくて、追っ払って当然である。苔食う魚は体高高いタナゴから色が違うオイカワから底物のハゼ系まで種々いるから、そのあたりを釣ってオトリにしても良いし、水平姿勢が保てるルアーでも良いと思っている。その川にかかる規則で禁止されていないならそれでやれるはず。
オトリが弱って鼻をあげる状態では追いが悪いので元気なオトリを使えという基本はそういうことなんである。怪しい出鱈目と押さえなきゃならない基本の違いをちゃんと根拠もって判別しないといけない。基本を押さえて後は細かいところは詰めるにしても、金かけなくて短竿でも、釣れるアユは釣れるに決まっている。
という感じで、近所にアユたくさん遡上してきてるし、こいつらがサギにでも食い尽くされたりしない限りは禁漁まで鮎釣りも楽しんで、革新的な釣りをしていきたい。
というところで今回の遠征おしまい、じゃなくて2日目はまたお日柄も良く、午前中は前回ポロリしてしまったヒラテテナガエビのリベンジマッチと、午後は前回で味をしめた磯釣り師と磯遊び家族連れの隙間の釣りの予定で2日目に突入なのである。
朝ヒラテテナガ狙いは、かなり体力戻ってきたけど前日一日川に浸かってやっぱり結構疲れたので、ゆっくり寝て8時頃から開始。先週歩いてるエビをみたとのことだったのでいよいよ良い季節かと期待したけど、だがしかし、で垢腐れが良くないのか反応なく、やっと何者かが餌食って石の下に潜り込んで出てこなくなったのを根性で石持ち上げて引っ張り出したらモクズガニだった。その他に前回より少なくなったスミウキゴリも釣れたけど、垢腐れのひどくない淵尻の流れの強い浅場とかも探ったけど打開策見つからず、2時間ほどで見切って移動して午後の予定だった磯の小物釣りに突入。
行楽日和で潮だまりで遊ぶ家族連れを横目に、10時半頃スタート。
最初クロホシイチモチが連発。
他のも釣りたいと思っていると、ルリスズメダイらしい青い魚がエサをつついているのが見えるので狙うけど、クサフグに邪魔されて苦戦もクサフグはゲット。
前回釣れなかったササノハベラが釣れた。体側に白い斑点が見えてホシササノハベラだと思ってたけど、目の下のラインが胸ビレ向けて下に曲がっているようにも見えて自信なし。ササノハベラで卒論書かせてもらったのに情けない。もっと目を鍛えないと。
前回釣れなかったベラシリーズの2種めニシキベラ。美しい魚だ。
美しいといえばキタマクラのあやしく毒々しい美しさよ。
今日はいつもは磯釣り師が陣取っている先端があいていて2人でやれそうということで、岩を越えて行くけど磯釣り師が立ってた場所に餌、ラインゴミ、吸い殻が散乱していて怒りを通り越して不思議に思う。なに考えてたらこういうことができるのだろう。どの釣りでもゴミするような輩はいるけど、磯釣りって結構お金掛かる釣りで、本格的にやってる人間はそんなルールやマナー以前の行為はしないだろうと思ってたけど、やはりこれが釣り人というものなのか?
とりあえず吸い殻とラインゴミぐらいは拾っておいた。
メジナの群れが見えていて、釣り始めると早速釣れてくる。何匹か釣ってニシキベラ追加。
小っちゃいけどキュンキュン引くのが掛かったと思ったらメッキみたいなのが上がってきた。シマアジやン。今日は磯でメジナとシマアジ釣ったったゼ。まあ大きさはあれだけどナ。何匹か追加。
シマアジ行ってしまうと、餌がキタマクラかクサフグに食われていることが多くなりしばらく低調。しかし膨れたクサフグ可愛い。
足下のベラを狙っているとニシキベラに混じってホンベラ。
一匹ちょっと大きめのオハグロベラが活性高く水面近くまで追ってくるので、再度追わせて食わせてゲット。背ビレも長いしこのサイズなら雄だろうか。旨そうだけど今日は正治さんが一人で食べる分だけということでハリ飲まれた魚中心に確保しているので元気な個体はだいたい放生会。コレで2人で釣った種類数が合わせて10目、私が釣ってない魚では正治さんにウミタナゴが釣れている。
その後、しばらくしてサバが回り始めてバタバタと釣れ始める。さすがにこのサイズはリリースしたいのでハリ持って放してやるんだけど、おかげで背ビレの棘数数えられず、今一自信ないけどやや平べったい体型と太めのシマからマサバかな。今日10目目。
サバのなかから違う色のを拾うとシマアジ。
サバが居なくなると、フグタイムでしばし不釣も1目追加のアヤアナハゼ。
再度サバ回ってきてサバサバたまにシマアジという感じでキュンキュンの引き味を楽しむ。
14時頃餌のオキアミもなくなってきてそろそろ終わりましょうと最後のオキアミを投入したら本日何匹目かのメジナで気持ちよく終了。
2人とも30匹は釣って大満足。ハリ飲まれた魚中心にお土産になった魚たちだけでも今日は正治さん豪華な釣り人飯で、正治さん大きな雄のキュウセンも釣っててベラの煮付け好きとしてはちょっとうらやましい。2人で結局13目釣った。
魚のサイズは小さいカモだけど、そんなものは竿や仕掛けをあわせて繊細にしてやればイト鳴りするぐらいに気持ち良い引き味楽しめるし、店じゃ売ってないような味の良い獲物が全部持ち帰ったら食べきれないほど釣れてくる。
正直、こんなアクセスしやすい潮もきつくない波穏やかめの、潮だまりでは親子連れが磯遊びしているような磯で本格的に大物グレとか狙ってもろくな釣果は得られるわけないし、そもそもゴミするような可哀想な釣り人に釣れる程、大型グレは簡単じゃないだろう。アホがカッコだけつけていっちょ前の装備で磯に立ってみたところで、高価な道具が魚を釣ってくれるわけでもないので、正治さんが帰る磯師に、どうでしたか?と聞くと皆一様に「全然ダメ」と答えるそうだけど、そらそうだろうなと思う。
人が狙ってない「餌取り」を狙うという発想の転換さえできれば。延べ竿一本で撒き餌もなしという軽装備(救命胴衣と日焼け対策はしっかりと)で、単純明快に楽しい釣りができて美味しい夕ご飯にもありつけるのにナと思うけど、そういう何が君の幸せで何をして喜ぶのかわからないまま、釣具屋や釣りメディアの垂れ流す情報に踊らされているだけの釣り人を見ると本当に哀れに思う。もっと真面目に真剣に楽しめや。ワシから見てすら安易で適当すぎるんじゃ。
別に磯師だけじゃない。どんな釣りでも一緒。
早めに切り上げて、今回の小遠征も満足して終了。ヒラテテナガは返り討ちだったけど、また狙えばいいさ。
今回、面白かった釣りに水を差すような無粋な釣り人の行為があった。それは今回に限らず結構ありがちなことで、これまでもそういうことについて説教臭いことも書いてきた。
本当はそういうの読んで気分悪くなってもらいたくなくて、楽しいことばっかり書いてみんなにも楽しんでもらいたいと思っている。
自分だって根掛かりすれば、避けようとしているし嫌だけどゴミも出すこともあるし、偉そうに説教できる立場かよとか思うし、ゴミ拾うのとかも、そういうのは誰も見てなくても黙ってやるから格好いいんであって自分で書いたら「オレってエラいでしょ」って誇示したがる意識高い系みたいで格好悪いと思ってる。
でも、先に釣ってる人の邪魔をしないとか、釣り場にゴミを放置しないとか、ルールとかマナーとか以前の「人としてどうなのか?」っていうレベルのバカが少しでも減るのなら、がんばって書いてみるのも必要なのかなと思って、今回も書かなくても良いかなと結構悩んだけど書き記してみたところ。
他人の釣りを否定するなと主張しているのに、己もバカの釣りを否定する矛盾というのも感じているし、そうすることで自分もバカの位置に落ちてしまってるなと忸怩たる思いがあるけど、バカには思いっきりバカと罵ってやらないと、ちっともこたえないようなので口汚く自らの品性を貶めて罵っている。
そういうバカを少しでも減らして、なるべくたくさんの人に釣りの楽しさを知ってもらうためにはどうすればいいのか?ということについては常に悩む。
たくさんの人に読んでもらう技術としては、正直バカが多いんだからバカが読みたがるようなことを書けばいいだろうかと、思いあがったことも考える。人は自分に都合のいいようなことを信じるし読みたがる。だから運動せずに簡単ダイエットとかの本はバカが買うのでいつでもよく売れている。
「釣りには魔法のテクニックも道具もない」とか本当のことを書くより「これさえ読めばあなたも爆釣」とか書いた方が読まれるのだろう。
「正直なことを書くとね、みんなシラケちゃうからね。」と田渕義雄氏も書いている。それでも正直なことを書いた「フライフィッシング教書」が読まれ続けているのは、やっぱり内容が優れていたからだと思う。
一瞬もてはやされてもすぐに忘れ去られ消費されるダイエット本みたいな薄くてやっすい情報を書いても仕方ない。
内容についてはソコソコ面白いし独自性のあるものが書けていると自負している。でもあんまり自分でそういうことを書くのも恥ずかしいと思う。普通は優れた人って自分じゃそうはいわないもので、スゴい人ほど志が高いから「自分なんてまだまだです」とか謙遜して言うもんだと思っている。
でも、それはある種の逃げでもあって、本当に内容が良ければ自信を持って人に勧めて恥ずかしくないはずで「川釣りの極意」なんて、大層な題名で中身大したことねえんダロ?と懐疑的に手に取ったけど、読んだら本当に「極意」といって良いような革新的な内容で素晴らしかった。
やっぱり目指すべきはそういう「有言実行」なカリスマ的な釣り師なのかなと思って、最近は頑張って強めの言葉使ったりしてるし、今回も「革命」とか大仰な言葉も使ってみた。
でも、カリスマなんて言葉の価値も堕ちていて自分で言ったもん勝ちの世界になってるけど、始めたばかりの鮎釣りはおろか、長くやってるルアーの釣りとかでも、技術的に極めた達人でもなければ、名前が知られるような名人でもなく、そういう良くいる程度のカリスマやもちろん本物の「釣り星人」となどは比べるべくもなく、自分ごときは町に一人ぐらいはいるだろう程度の釣り天狗にすぎなくて、もっと技術も磨かなきゃならんし知識も経験も足りてないと思うから、カリスマらしく断言して民衆を導くようなことは書けず「こうすれば釣れたり釣れなかったりします」とかいう、当たり前じゃボケなことしかやっぱりワシよう書かん。と思うのである。
そういうわけで、今回悩みながら最大限頑張って民衆を導く釣り界の革命児たらんと書いてみたけど。このぐらいが限界です。これで勘弁してください。
たくさんのバカどもに読んでもらうことは難しいかもしれないけど、今読んでくれてる人たちが楽しめるような、隙間産業的でちょっとひねくれてて面白い視点の情報をこれからも提供していきたいと思いますので、みなさま今後ともどうかご贔屓に。
あと鮎の友釣り好きの方々、行きがかり上攻撃対象にしてしまいましたが、友釣りがダメとか嫌いとか言ってるわけじゃなくて、友釣りだけが特別だとかいう風潮が嫌いなだけです。お気を悪くされたならヒラにご容赦を。あと長野県民の皆さんにも改めて謝罪を。ゴメンナサイ。
←to be continued (ここでまた皆さんイエスの「ROUNDABOUT」を頭の中に流してください)
○オマケ:今回小遠征の準備の様子を綴ったブログを再掲
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