○4300SS、430SS、430ssg(+714、714Z、720、720Z)

  渓流用、メバル用など4〜6ポンドのナイロンラインを使う小物釣りに使用しています。それぞれ1台づつ所有。

 10年ほど昔に東北に2年ほど住んでいました。その当時はせっかく渓流釣り天国の東北に来たのでとイワナを集中的に釣っていました。最初使っていた大森製作所のリールが壊れて、メーカーは既に無く部品も手に入らなかったので、次のリールとして何を使おうか迷いました。

 いろいろ悩んだ結果、5500SSを既に海で使っておりかなり気に入っていたので、小型の4300SSを買い、その後スペアとして430SSも手に入れました。

 4300SS、430SS共に小さなボディーですが色等外観の雰囲気はまさにスピンフィッシャーでPENNといえば海のゴッツイリールのイメージがあるのでそのギャップが面白い味わいを醸し出す愛嬌のあるリールだと思います。

 4300SS、430SSはフロントドラグにもかかわらずリアドラグの古いカージナルのように頭のボタンを押すとスプールがワンタッチで交換できる個性的なモデルで、大きなドラグパッドが入っていてドラグ性能も申し分ありません。

 竿はフェンウィックのHMGシリーズに始まるグラスコンポジットのブランクを使ったイーグルやランカーギアのウルトラライトを使っていました。

 渓流のルアーでの釣りのスタイルとしては、スプーンかミノーか、支流か本流かというような分け方もありますが、私が思うには大きく分けて近距離で魚がみえる釣り方と遠距離又は深みで魚がみえない釣りに分けると考えやすいと思っています。

 一般的には渓流のルアーというと、遠投性を強みとする後者のスタイルが一般的なのかもしれませんが、僕が得意とする釣り方は前者です。前者と後者では要求される竿の機能が違ってきます。ルアーがミノーだろうとスプーンだろうと竿は同じでよいと思っていますが、遠投中心で魚がみえない釣り方ではアタリを竿でとるため感度が良く遠投性に優れた竿が必要であり、近距離の釣りでは掛けてからのバラしがすくない、ショックを良く吸収してくれる、アタリや魚の引きに竿先が素直にはいるような竿が必要だと思います。目で見て魚の食ったのを確認できるので感度は重要視しません。

 ラインがショックを吸収してくれないような近距離で感度の良い竿を使っていると、魚のバラしが増えます。

 そういう意味でグラスコンポジットで粘ついた感じのアクションのランカーギアやイーグルは渓流に最適でした。

 支流の葦や立木が覆い被さる細流で障害物をかわしながらキャストし近距離で魚の反応を確かめながらイワナを釣り上がるのは東北の渓流の最高の楽しみ方の一つだと思います。フライでも結構釣りましたが、やる気満々でルアーを追ってくるイワナは「渓流はフライが楽しい」という良く聞く評判を私の中で覆してくれました。

イワナ(イワナ)

 メバル、セイゴ釣りにもこれらのタックルは活躍してくれます。

 バイトが多い割りにフッキングしないこれら海の小物のフッキング率を上げるには、感度の良い竿を使い魚信をのがさずあわせて掛けるという方向性も考えられますが、私のようにとろくさい人間はそういう技に頼るのは難しいので、アタリをはじきにくいややダルめのアクションのロッドが実用的だと思います。

メバル(メバル、ハンドルの塗装のはげ具合が渋い!)

 それから、4300SSとパックロッドの組み合わせは出張の時に鞄に忍ばせておくと力強い味方となってくれます。

 出張の夜、飲みの誘いを断って見知らぬ水辺に繰り出せば、その土地ならではの出会いが待っているのです。事前に宿は水辺に近いところを選んだりして準備は怠りません。

ハリセンボン(沖縄出張時のハリセンボン)

(2008.3)

○430SSg

 4300SSの後継として購入しました。残念ながらスペアスプールの互換性もないのですが、よけいな物が何も付いてないシンプルさ加減やちょっとクラッシックな感じに戻ったハンドルなど全体的にはなかなかルックスがよいので気に入ってます。

 このサイズのリールはハッキリ言ってシビアに性能が求められる世界ではないので、気に入ったらそれで良いと思っています。

 これからガンガン使って愛着をもてるように使い込んでいこうと思っています。

セイゴ(セイゴ釣りました)

(2008.3)

 5シーズン目に突入している430ssgだが、普段は帰ってから水道でジャブジャブ洗って軽く拭いて乾燥後、ラインローラーとハンドル、スプール外して主軸にオイルアップ。1度だけ逆転防止が調子悪くなったので分解して逆転防止の一方通行ベアリングに注油、という極めていい加減なメンテだが、全く何の問題もなく快調そのもの。シーバス釣りで春はほとんどこのリールで釣っているし、出張にも連れて行くので使用回数は多いと思うのだが、まだ壊れる気配はない。少なくともssgはシーバス釣りに要求される程度の性能、耐久性は問題無く備えていると言い切れる。分解図みてもらえれば分かるけど、極めてシンプルで、使えば分かるけど、うまく実用的に仕上がっているリールだと思う。もう2台買って生涯このクラスはこのリールを使い続けようかと思ったのだが、なんと2012年で生産中止のようだ。元々正規には輸入されていないし、アメリカの通販でもすでに売り切れて補充されなさそうな気配。「電子湾」あたりで出物を探すしかないのか?スピンフィッシャーも「V」はもう別物のリールのようなので買う気はあまりない。5年ってちょうど耐久性の評価がある程度出る頃で、5年使って次も買うかどうか決めるというような当方のような釣り人は常に買うリールがないという状態に陥っている。まだ、中古市場で入手しやすい4300SSをもう一台買う方が現実的か。困ったモンだ。

シーバス釣るにはこのぐらいのリールで充分という事は明白

(2012.11.11)

 

 430ssg2台確保しました。2012年12月2日のブログに書いたのでここにも再掲。

スピンフィッシャーお前もか!

430ssg3台

 休憩休憩、缶コーヒー買ってきたよ!俺キリマンね。みんなも選んでね、ロンギヌスは?コナ?はいコナね。アルビヌスはいつものブルマンね。じゃあ最後残ったから、ブルータスお前モカ。


 聞いたときは面白いネタだと思ったのだが文字にしてみるとそれほどでもない。まあそんなことはどうでもいい。

 どうでも良くないのが、PENNスピンフィッシャーのモデルチェンジである。

 釣り雑誌も買わないし、新しい道具にもあまり興味がないので、スピンフィッシャーの新しいシリーズ「V」が出るという事も、教えていただいて初めて知ったぐらいなのだが、「V」はスペアスプールの互換性もないし全くの別物のリールのようなので、漠然と3桁SSG・SSMシリーズは引き続き、メイドインチャイナの安価なベーシック機として続くんだろうなと思っていた。

 シーバスやら出張やら渓流やらに使っている430SSGは、使用頻度は顛末記の写真をチェックしていただければ分かると思うが、5シーズンを使い倒したといって良いと思うけれど、普段はラインローラー、ハンドルノブ、メインシャフトへの注油と、1度逆転防止の油が切れたので分解注油を行っただけの簡単メンテで全く問題無く使用できているので、実釣における耐久性も問題無いと判断し、総合評価で「合格」を与えて、残りの釣り人生においてこのサイズのリールはSSGで行こうと決めて、正規に輸入されていないサイズなので、米国釣り具通販大手のバスプロショップスに発注をかけようとしたら、2012年生産終了ですでに在庫無し状態であった。

 ようするに、「V」はフルモデルチェンジしたスピンフィッシャーの後継機で、今回SSG・SSMのモデルは6年程度でマイナーチェンジもほとんど無いまま生産終了してしまったということである。

 売れなかったのだろうという事は想像に難くないが、当方はリールというのはメーカーの研究室でいくら良い数値が出たとしても、実釣では研究室では思いもしていないような使われ方をしたり、落としたり潮かぶったりという複合的な要素により様々な不都合が生じるので、そういう釣り人が壊したリールのデータをフィードバックしたマイナーチェンジで、実釣上のバランスの取れたリールとして仕上げていくものだと思っている。実験室でクルクル回ったときのデータに基づくスペックなど糞ほども役にたたん。
 そのことは、最初ステラが出たときの評判の悪さ、トーナメントにインフィニットが搭載された初期のぶっ壊れまくった事例などにも現れている。最初からダイワ・シマノのハイスペックモデルも使えるリールだったわけではないという事実。

 そういう意味で、4桁スピンフィッシャーはその前の3桁スピンフィッシャーから大きく設計を受け継いで、細かいマイナーチェンジを繰り返しながら最終的にはSSJシリーズという形にたどり着いており、当方のメインリールはやっぱり4桁スピンフィッシャーで良いんだと思っている。実績の積み上げが半端じゃない「たたきあげ」のリールだと思う。

 で、430SSGだが、やっと耐久性も合格と判断できて少なくとも5年は使えるリールだし、たぶんパーツ交換しながらあと10年くらい持つかも知れないという感触がもてたので、買おうと思ったのにモデルチェンジである。最近のリールはどこもモデルチェンジ早いけど、それってようするに今の市場には「5年間実釣で耐久性が試されたリールが無い」ということなんだろう。よくそんないつ壊れるかわからん危なっかしいリールを使う気になるな、と思うのは当方だけだろうか。軽量が売りのリールってモデルチェンジする頃には「ちゃんと壊れる」ように作ってあるんじゃないか、というのはゲスの勘ぐりだろうか?

 実は、めちゃくちゃなロングランで昔から売っているスピニングがあることは知っている。意外に思うかも知れないがダイワである。アメリカ市場用だと思うが日本でウィスカートーナメントSSという名で売っていたのと同型らしいリールがSSトーナメントの名前で今でもバスプロショップスのカタログに載り続けている。小型リールをどうするかで当方がスピンフィッシャーと迷った候補のリールでもあった。どちらを選んでいても正解だったのかも知れない。アメリカ人はこういううわついていないベーシック機を買い支えるぐらいには道具を見る目があると思うとちょっと尊敬する。

 SSトーナメント買っても良いかなと思ったが、やっぱりスピンフィッシャーが好きなので、今回、430SSGはネット店舗だけで小商いしているような釣り具輸入元にお願いして、アメリカの問屋に問い合わせてもらって2台確保した。
 SSG箱売りじゃなくて、ブリスターパックというのだと思うが、安パッチい感じになってしまっているが、まあその程度の気安いリールである。
 末永くお付き合いよろしくお願いします。

(2012.12.2)

 PENNスピンフィッシャー430ssgの逆転防止機構メンテ 

 

<2018年11月10日土曜日ブログ再掲>

好き好き大好き寵愛してる。

諸君 私はPENNが好きだ
諸君 私はスピンフィッシャーが好きだ
諸君 私はPENNスピンフィッシャーが大好きだ

4400ssが好きだ
430ssmが好きだ
7500ssが好きだ
9500ssが好きだ
950ssmが好きだ
4500ssが好きだ
5500ssが好きだ
706zが好きだ
4300ssが好きだ

近所で 珊瑚礁で 河川で 渓流で 黒潮で
護岸で 地磯で 湖沼で 干潟で 水路で

水辺で使われる ありとあらゆるPENNスピンフィッシャーが大好きだ

水面で一心にバチを食っているシーバスにモグラ叩きでルアーを投げ込んでいくのが好きだ
アワせた直後空中高く跳び上がったシーバスが水中に戻って4400ssに重みを伝えてきた時など心がおどる

私の操る7500ssがロウニンアジの泳力を受け止める様が好きだ
悲鳴を上げて逆転するドラグがそれでもラインを切らさず持ちこたえた時など胸がすくような気持ちだった

4300ssのスプールに左手を添えて道糸の放出を調整し思う場所に投げ込んでやるのが好きだ
恐慌状態のイワナがルアーに追いすがってくる様などはもうたまらない

カヤックの上で4500ssのドラグを滑らかに滑らせながらワカシが疾走していく様をみる時など絶頂すら覚える

諸君 私はスピンフイッシャーを望んでいる

「PENN!! PENN!! PENN!!

よろしい ならばスピンフィッシャーだ
一心不乱のスピンフィッシャーを!!

我らはすでに時代遅れなのかもしれない
だがスピンフィッシャーは一騎当千の古強者だと私は信仰している

メイドインジャパンの高級機種を崇拝している連中に恐怖の味を思い出させてやる
天と地のはざまには奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる

状況を開始せよ
征くぞ諸君



 ほんとすいません。714と714Z買っちゃいました。
 とりあえず今使ってる人生初のインスプールのスピニングリールである「トゥルーテンパー727」は調整もすんで快調だし、”釣れてる時は道具を換えない”は鉄則だと思うので、少なくとも今期はトゥルーテンパー先生にインスプールのなんたるかを教わりつつ修行するんだろうなと思ってて、どうせ自分のことだから次はPENNのインスプールに手を出すのは分かってるにしても、とりあえずは鬼が笑うような先の話だし、考えないでおこうと一旦放置することに決めた。そのうち本国人気に応えて大型インスプールを復刻生産しているピュアフィッシング社が小さいインスプールも復刻するかもだしその時買えばいいやとも思ったのは以前書いたとおり。
 しかし、一旦放置と決めた次の瞬間からもうPENNのインスプールのことしか考えられなくなってしまったのだよ諸君。
 気付けばネットオークションで落札相場調べてたり、使ってる人の評価を読んでみたり、昔のPENNリールジャパンやコータックのカタログで糸巻き量とか調べてみたり。
 「もうコレは買うしかしかたないナ」
 と観念して、ネットオークションで”第1世代”緑の714と”第2世代”黒金の714Zを落札した。
 幸いPENNスピンフィッシャーはカーディナルやミッチェルのような人気機種じゃないので、70年代の緑の時代のモノでも写真の箱入り娘で多少スレ傷がある程度のものが1万円台前半、90年代の半ばまで第4世代と並行して現役で売られていた714Zなど単なる中古価格でしかなく7千円ぐらいが程度良いやつの相場である。ポチッとナってなもんである。入札私だけで、だいたい相場の値段だった開始価格で落とせてあんまり人気がなくて助かった。

 「おいおい、買うのなら同じ機種を2台じゃないのか?」と玄人衆なら思われるかもしれない。もう生産してない機種なら予備機としてや部品取りを考えると、同じのを2台買うのが、収集ではなく実戦投入を目的とするなら理にかなっている。特に同じスプールが2個手に入るのは大きい。
 でも心配ご無用。スピンフィッシャー714と714Zは実は”色違い”といって良いぐらいの機種で、設計もほとんど変わっておらず、部品もほぼ共通なのである。
 なので、左の写真のような着せ替え人形的お遊びもできる。意外と黒銀は渋くていいジャン。

 スピンフィッシャーの歴史は1961年にまで遡る(「ベールアームは世界を回る」「MYSTIC REEL PARTSホームページ」参照)。
 その歴史をチョイと紐解いてみると、一番最初の機種はおそらく「700」でローターのカップが多分その後の機種のように鋳造(ダイキャスト)してから内側を削ったものではなく、筒状の上部と叩き上げたカップ状の下部を溶接しているらしいことがローター上部と下部の色の違いから見て取れる。
 ただ、この初代から内部のギアだのの機構はお馴染みのウォームギア方式が鎮座してたりして、90年代の半ばまで「Z」シリーズに引き継がれて続いたスピンフィッシャーのインスプールのリールは、基本的に同じ設計を使って30年以上マイナーチェンジを繰り返して生産されてきた超御長寿シリーズなのである。小型の714についても箱に入ってた取説に「1975」年の文字が見えるので70年代には登場していたようである。ちなみにスピンフィッシャー714のミドルネームは「ウルトラスポーツ」のようで714Zにもミドルネームは受け継がれているのが本体側面に見て取れる。ちなみに一番小さい716、716Zのミドルネームは「ウルトラライト」。他もミドルネーム?あるんやろか?
 ”PENN公式”と言って良いピュアフィッシング社の整理では緑の(たまに青も見かけるけど、百貨店別注の茶色もあったそうな)700番台が”第1世代”で、黒金の「Z」付きの700番台が”第2世代”とされているけど「MYSTIC REEL PARTS」さんところの整理では、むしろ「Z」付こうがインスプールの700番台(とアウトスプールの747と757)は全て”第1世代”で、逆に公式では”第3世代”にまとめられている”3桁ss”と”4桁ss”が実は世代が違っていると整理している。外見で見れば同じアウトスプールで似ている3桁ssと4桁ssが意外に設計に変更が加わってること、外見が緑から黒金に大きく印象を変えた無印とZ付きの700番台が実は色違いに近いことを知ると、ピュアフィッシング社の公式見解より「MYSTIC REEL PARTS」社の整理の方が的を射ていると思える。両者の整理の観点が、視覚的に分かりやすく歴史を示したいのと、部品を注文する都合上設計等の実態を反映させているのと、というそもそもの目的の違いがあってどちらが間違いということではないのかもしれないとは思うけどね。さらにいうなら細かな仕様変更が繰り返されてきているので同じ世代でも年式や”ssj”のように販売地域によっての違いがあったりするので簡単に整理なんてできないよね。

 一番上のずらっと5台並べた写真は、下から714、714Z、430ss、4300ss、430ssgでスピンフィッシャーでは2番目に小さいサイズのリールで渓流やらシーバスなんかで使う機種達なんだけど、714、714Zを分解して内部構造把握しつつ使えるように調整しようと思ったら、他の後継スピンフィッシャー達との違いもなかなか面白かったのでコレからちょっとその辺について紹介してみたい。

 まずは、714と714Zの公式第1世代と第2世代の違いについて「最大の違いは色の違い!」と書いてしまうとズルッとずっこけてしまうかもしれないけど、結構真面目に色とか外見とかって性能やら内部機構やら以上にリールにおいて重要な要素だと思うんですよ。だって、スピンフィッシャーっていったら黒金仏壇カラーで、その印象は「海で強いぜスピンフィッシャー」な性能面の印象と分けがたく関連づけられて確固たるイメージが形作られるに至ってて、ピュアフィッシング社の下での第5世代「SSV」や新しく出たばかりの第6世代「SS此廚發修稜杰Г鯑Ы韻靴討い襪阿蕕そ斗廚瞥彖任砲覆辰討い襦その違いが小さかったとは思えない。
 色以外の変更としては、大きいモノでもサイドプレートが重い金属製から樹脂製に変更されて軽量化が図られていること、あとは本体のハンドル軸の根元に注油穴が設けてあったのが入手したZでは省略されていたこと、ドラグノブの形状がちょっと違うぐらいのもので正直設計的にはマイナーチェンジだと思う。むしろサイドプレートをあけて違いに驚くのは714のグリスの盛りっぷりで「日本よ!コレが本場米国70年代方式のグリスシーリングだ!!」とでも言わんばかりで、面白すぎたのでそのままの状態を保存すべく714のグリスについては”ソッ閉じ”しておいた。プレートの方にギアの形が分かるぐらいに水色のグリスが盛り上がっているのが写真でおわかりだろうか。

 ハンドル軸根元の注油穴については、430ssとの関係もあって面白い。この部分に注油穴を設けてあるのは、実は手元にあるのでは714と430ss。
 多分コレ、714Zに注油穴がないのは途中から省略されたんだと思う。714Zと430ssはインスプール版とアウトスプール版の兄弟機だと思っている。1枚目の写真で比較してもらってもハンドルの上のあたりの本体の丸いちょっと官能的な感じの曲線なんかも同じで、それは2枚目の写真見れば明らかなようにでっかい真鍮製のウォームギアが鎮座しているからそういう曲線になるんである。機能美っていっていいでしょ。
 で、この3機はローター除いた内部の機構はほとんど一緒で430ssで逆転防止がカリカリ鳴らないサイレントドック方式になってるくらいで、だいたい一緒なのは写真でも分かるだろうか?714は内部も緑。
 こいつらにはベアリングがローター軸に1個だけで、しかもハンドル軸は片軸で支えている形なので支えているハンドル側のスリーブは長くて、途中に”油溜まり”の部分を設けた真鍮製のものである。そういう長くて摩擦面が大きいスリーブには注油が大事ということで油溜まりの所に注油穴がわざわざ開けられてたんだと思う。
 ちなみに、より新しい4300ssと430ssgのウォームギアはおそらく軽量化のためだと思うけど小さくなっている。この2機についてはオシレーションカムが一枚板を加工したモノから鋳造一体成型ものに変わっている程度で2機間で大きくギア方式を変えたモノではなく共通している。
 3桁430ssから4桁4300ssになった時には、スプールは共通のモノにしつつも、内部の設計を大きく変えており、この大きさにおいては、単にボディー素材が金属から樹脂素材に変わったことに伴うマイナーチェンジにとどまらず大きなモデルチェンジがあったと整理して良いように思う。ボディー素材とギアの他に、もう一つこの時の大きな変更を指摘するなら、ハンドル軸の両サイドにボールベアリングがぶち込まれて、ハンドルが左右どちらにも付けられるようになっているところか。

 話を714Zの「注油穴の省略」に戻すと、アウトスプールの430ssには注油穴があるのになぜそれより古い設計の714Zで省略されているのかと疑問に思うかも知れない。これは設計自体が714Z(実質714)よりアウトスプール化した430ssのほうが新しいのは事実なんだけど、714Zのほうが長く製造されていたから、経費削減かなんかで後年製造された714Zでは省略されていたとかじゃないかと、推定でしかないんだけど思っている。1995年のコータックのカタログでは714Zが健在でまだ注油穴が残っており、アウトスプールの430ssは既に4300ssに代替わりしていることが確認できる。私の手元に来た注油穴無し714Zはそれより後年の製造なのかなと想像して楽しんでいる。

 こういう、部品を同じ世代の”大きさ違い機種”はもちろん、世代超えていろんなモデルで共通にしてしまうというのは「せっかくニューモデル買ったのに古いのと同じところばっかりで新鮮味がないジャン」と、アホな客に思われてしまいがちだけど、進化した部分や設計思想に基づいて変えた部分以外を「変えない」というのは、新しく設計し直したり金型作ったりという経費が削減できて製品単価を抑えることができて売る側も買う側も利点が大きいはずである。また、共有部品で長く修理が可能になるのなんかは、ちょっと売る側は困るカモだけど使う側からしたら良いところばかりなのに、今のリールは同じ時代の旗艦機種の本体設計を流用して、素材やら部品やらの経費抑えた普及機作るなんてのはあるけど、世代間はあんまり共通の部品なんて使ってなくて「モデルチェンジ後は買い換えてネ」という売る側の都合ばかりが強く感じられてあんまり気分良いもんじゃない。
 ダイヤモンドキャリアーがベールスプリング折れて、ナマジ的次世代小型主力機を選定する際にダイワトーナメントssと4300ssで比較検討した末に4300ssで行くことに決めて、やっぱりぶっ壊れたときの予備機は欲しいなと思ってたときに釣具屋の棚に眠っていた430ssを発見して、スペアスプール共通ということで即購入。実釣でも感触を確かめていたところ、まだ雪深い季節の岩手の渓流で雪道でコケてハンドルを折ってしまった。まあ一人で携帯も持ってない時代に山に入っており、足でも折ってたら遭難沙汰で430ssのハンドルが代わりに折れてくれて助かったと思うことにしようと、すでに4300ssに代替わりして久しいし、取り寄せようにもハンドルだけはもないだろうなとSスイにダメ元で聞いてみたら、あっさり「大丈夫ですよ。430ssのハンドルはインスプールの714Zと共通で714Zはまだ売ってますから部品在庫あるはずです。」との回答。無事430ssも復活して、やっぱりPENNだなコリャとPENN愛というかPENN信仰が深まったのであった。


 今回も714Zを使う前提で部品を買い足ししようと、ついでにあれこれ足りなくなりそうなのがないかチェックしていたら、部品使い回しの多さのおかげで、実際に在庫しておかなければならない部品種類数が少なくて済むことに改めて感心した。714と714Zのドラグパッドは純正は白いテフロン製なんだけど、もう「MYSTIC REEL PARTS」さんにも在庫がないということで一瞬焦ったけど、説明読むと「パーツナンバー56-440を耳切って使えばいいんですよ」てなことが書いてある(訂正:大きさ確認したら耳付きのままで少し隙間が空くけど使えた)。パーツナンバー56-440は黒っぽい灰色のカーボン製の3方耳付きのドラグパッドであり440ss、4400ss、440ssg、430ss、4300ssに共通で714系にも使用可能な使い回しの効く部品なんである。という例で部品共通が便利というのがおわかりいただけるだろうか。

 ということで、どこを第2世代と第3世代の切れ目とするかは別にして、大きな変更に伴って変えるところだけ変えてきたスピンフィッシャーの歴史について、同じ大きさの機種が”公式”の第1世代から第4世代まで5台揃ったので、ついでにと重量とかも測ってみたら、これまた面白い結果が出てきたので、ナマジ推論と合わせてご紹介したい。

 早速計測結果を書いていくと、714:275g、714Z:254g、430ss:260g、4300ss:248g、430ssg:283gとあいなりました。
 ちなみにライン巻いてない空スプール状態で、グリスやオイルは入れたままの湿重量。
 714から714Zの間で20gぐらいの減量に成功しているのは、片軸でハンドル軸を受ける設計だと強度とかは必要ないサイドプレートを樹脂化したのが効いてるのと、地味に714のグリスシーリングの”グリス重”が効いてるのかも。
 でもって714Zをアウトスプール化した兄弟機430ssは5グラムほど重い。インスプールの方がシンプルに軽く作りやすいというTAKE先生説を裏付ける結果。まあ5グラムなんてワシャ気にならんけどね。
 でもって4300ssはでっかいウォームギアがこのクラスでは過剰だろうという意図からかギアを小型化し、本体も軽量化のため樹脂製にしたかいあって、最も軽い248gを記録した。他のメーカーの同程度の糸巻き量のリールと比較したらそんなに軽くないのかも知れないけど、軽量な小型リールにしたいという意図が明白に分かるモデルチェンジだったのだと思う。ちなみに糸巻き量は8lbで160ヤード。2号150mってところで日本製だと2000番程度か。
 でもって、人生後半を任せることにしている430ssgがまさかの最重量283g。どないなっとるねン。逆転スイッチすら省略のこれ以上無いぐらいにシンプルな造りなのにどこで目方食ってるんだ?としげしげ眺めてみると、なんとなくカッチョ良い今時風のハンドルが怪しいので、4300ssのハンドルと比較してみた。結果、4300ssハンドル:25gに対して430ssgハンドル:33gとこれだけで8グラムも違っている。TAKE先生のお言葉「ハンドル軽いは七難隠す」を信じるならとんでもねえ改悪である。
 たぶんおケツの金属部品も重いんだろうし、550ssgから下の大きさの機種で共通という逆転防止機構の一方通行のベアリングもこのリールに対しては過剰な丈夫さで重くなる要因かも知れない。
 ただ、この430ssgが人生後半を任せるに値するリールだという確信は私の中で全く揺らがない。だって使ってて重くもないし、丈夫なことは証明してあるし、なんと言ったって快適に魚釣れてるモン。いいリールだもン。重い分丈夫で安心だモン。

 重さとか、ベアリング数とか値段とかのカタログ数値、人様の評判なんてそれほどあてになんないって話だと思う。使ってみて自分に合ってるかどうか、使いやすいかどうか、好きになれるかどうか、それだけのことだと思う。
 小型リールにおいて自重の重い軽いはハッキリ言って気にしたことすらない。4300ssから430ssgに変えたときも、重いとは思わなかったし今回測るまで知るよしもなかった。
 でも回転の重い軽いや特性の違いは気になる程度に違うと思っている。ローターが金属で回転に慣性力が強く働いて回り続ける傾向のある430ssと樹脂製ローターの4300ssでは4300ssの方が巻き取りや回転が軽く感じる。
 ただ、渓流ではそれほど慣性力の強いローターの利点を感じることはなかったけど(悪いとも感じなかった)、海のおもいっきりルアーを早曳きしなければならないような状況では”回り車”のように勢いついて回り続けてくれる重いローターは使いやすくて有利だと感じてた。今時息止めての高速巻きなんて流行らんからローター重いリールが評価されることなんて無いだろうけどさ。
 てなぐらいで使い方やら個人の好みによって、どんなリールがイイかなんて違って当たり前。
 私は430ssgのというか第4世代スピンフィッシャーの、とにかく経費削減して単純化して部品削れるだけ削りつつ、スピンフィッシャーらしさは出して安っぽくならないようにという、身も蓋もない方針に基づいて作られただろう必死さと、ある程度スピンフィッシャーらしさが残せている風合いに好ましさを感じる。ハンドルなんか軽きゃいいんじゃと安っぽい見てくれのが付いてたら、ただでさえ樹脂製で安っぽいのにデザインで見るところネエじゃん。”PENN使い”にとって8gぐらいはどうてっことねえよと思うのである。全体で35gも違うって?そんなモンは誤差のうちじゃ。ゴチャゴチャいうてると9500ss(1kg近くありまっせ)でぼてくりまわすゾ、体鍛えとけヤ!!

 ということで430ssgを最後の小型スピニングと心に決めつつも、714Zにも浮気してみるついでに、新型の第6世代やまだ触ってない第5世代も使ってみようかと検討してはみた。結果、それは止めておこうということになった。
 多分Vも困睥匹ぅ蝓璽襪覆鵑世蹐Α困呂泙斉罎良分は多いけど、垢錬丕釘裡里蕕靴丈夫でメンテナンスしやすくて黒金なのは写真と展開図見ただけで分かってしまう。ドラグも相変わらず良いんだろう。
 でも、既に日本のリールと一緒で同年代の他のシリーズとの基本設計とかの共用という方式になってきているようで、垢療験図見て部品番号でみる限り昔のシリーズとの部品共有はなく、世代間断絶みたいなことになっている。
 第4世代が出たときには、4桁第3世代で充分間に合ってたけど、スペアスプール共通という世代間をまたぐ使い回しが効くのは愛用者には実にありがたいと感動して、一票入れるつもりで買ったけど、Vと困砲呂修海泙任靴毒磴せ戮┐覽鼠を感じない。
 Vにも困砲癸隠娃毅娃阿箸いΓ毅哀櫂鵐疋淵ぅ蹈鵐皀離侫ラが255ヤード入るとんでもない糸巻き量の超大型機が用意されているので、磯からサメとか釣るのにスピニングで太いナイロンラインの糸巻き量が欲しいときにはお世話になるかも知れないし、6500サイズに設けられているマニュアルピックアップ方式のベールレス仕様機も気になるけど、とりあえずは必要ないかなと。

 それから、根っこの部分で、世代が新しくなる毎にやっぱり部品数が増えて、スピンフィシャーですら複雑化しているということが、自分にはあんまり好ましく思えないというのがある。
 もちろん部品が増えて複雑化した分性能や機能が上がっているのだろう。それは悪いことじゃないのかもしれない。でも、自分が釣りを続けて上手くなっていく過程において、そういう複雑で高性能な道具を使いこなせるような方向を目指しているのかと言えば、明確に違うはずである。
 できるだけ単純化して、面倒臭くねぇ道具と技術で釣れるようになりたいと思っているのである。
 私は魚を飼うのも好きなんだけど、観賞魚飼育においてとても参考にさせてもらい、いろいろと蒙を啓いてもらったサイトに「■GOOD AQUA■」というのがあって、その中で管理人さんが「上級者になるほど、高額で複雑な機器を使うというのはおかしいだろう、水槽管理が上手くなればなるほど道具に頼らなくて良いはずである」という趣旨のことを書いておられて、当時常識となりつつあった水草育成に二酸化炭素を添加する方式を前提とした、水の攪拌が少ない外部濾過装置等を使わず、ホームセンターで売ってるような60センチ規格水槽にセットの上部濾過槽とショボい照明を使って二酸化炭素の添加も行わず、その条件でも育成可能な水草を適切に選んだりしながら充分美しい水草水槽を育て上げていた。
 我が家の水槽における水草育成は、限られた水量の中に二酸化炭素を多く溶かし込むのは難しいし限界もあるけど、空気中には近年の増加が問題視されるぐらいの二酸化炭素が含まれているので、水中は根っこの繁茂を楽しむモノと割り切って、水上葉を展開する水草でお茶を濁している私である。
 でも、釣りにおいては道具に頼りすぎない、真に自分に必要な道具を適切に選び、その道具に見合った技術で釣りができるところを目指して行きたいと思っている。志は高いのである!エッヘン。
 そう考えると、インスプールで単純な第1世代が必要な場面はあるかも知れないけど、第5世代以降の高性能さはワシにはあんまりいらんのじゃなかろうか?
 古くからの愛用者に対するサービスも含んでいるだろう古い機種の復刻とかあったら一票入れるか考えるだろうし、感心するような単純かつ新しいスピニングリールが出てきたら喜んで買いたいと思うけど、単に高性能化するだけじゃ今更買う気にならんのよねというのが正直なところ。
 そう思って、もうスピニングリールなんて新たに買うことはないだろうと思ってたら、インスプールなんて思わぬ方向に求める答えの手がかりがありそうだったりして、世の中わからんもンである。
 思いもよらない意外なところから新しいスピニングリールが出現するかもしれないよ。なんてネ。

 次回は714Zの調整ネタの予定。まだ続くのですじゃ。お楽しみに。

 

<○2018年11月17日土曜日ブログ再掲>

覚悟完了!PENNスピンフィッシャー”ウルトラスポーツ”714Z

 覚悟とは性能を凌駕する魂のことなり!

 ということで、714から三十有余年にわたり釣り人の魂と共にあった漢のリールである714Zの実戦導入の準備は整った。

 今回はその準備の模様など、古リールに興味のある人の参考になればと公開してみる。
 さあ皆さん思い切って踏み出して、共に深い沼に沈もうじゃありませんか。




 とりあえず、お手入れの基本は分解清掃からだと思うので分解して、クレ666吹きかけて歯ブラシでゴシゴシ、ティッシュでキュッキュから始める。
 ちゅうても単純な設計なのですぐバラせる。ローターの下は706Zと似たようなもので極めて部品点数が少ない。
 ローター周りもそれ程ごちゃついてはいないのでたいしたことはない。
 でも造りは無骨でも丁寧かつ丈夫な感じで、そこはPENN伝統の持ち味に加えて古い造りのリールならではの風合いかと。
 ラインローラーを止めてるナットがかしめてあり力掛ければ外せそうだけど戻せなくなるとまずいのでとりあえずラインローラー回ってるし外さず進める。


 古いグリス、オイルを拭き取って新たに主軸とボールベアリングにオイルを注し、グリスをギア周り中心にグッチャリとグリスで濡れていない場所がリール内部にないように盛って、ベアリングの上下もグリスシーリング。
 とりあえずこれで、組み立てればギア等内部機構関係はひとまずよしかなと思って蓋締めてハンドル回したら妙に重い。
 何か間違えたか?
 同じような内部機構の430ssは同様の注油等で軽快なのでどうしたもんだろうと考えて、ハンドル軸とそれを突っ込む長いスリーブはグリスじゃなくてオイルだったかな、この時代のは省略だけど元々はここにオイル穴空いてたぐらいだしと、また蓋開けてグリスぬぐってオイル注して戻して、しばらく回してなじませたら軽くなった。
 軽くなったといってもウォームギアなのでそれなりだけど、そこは味わいってことで。


 この状態でも、とりあえずは使えるといえば使えるんだろうけど、トゥルーテンパー先生の教えによると、ラインローラーの傾きがきついと糸ヨレがきつい。結構傾いてる。
 なので、ベールアームが返ったときに受け止める部分の樹脂製のクッションを嵩上げして水平近く調整。
 クッションは塩化ビニール製のパイプ輪切りにしたのが丈夫でいいのでそれを使った。トゥルーテンパーで経験済みなのでサッと対応できる。

 ついでに、ベール返りがガシャンと強い場合は開く角度をバネの穴の位置やらバネやらいじって優しくカションと返るようにすると部品長持ちするようだけど、強いのか弱いのかあまり他の例を知ってるわけじゃないので、とりあえず保留で様子見。



 あと、実戦においては物資の補給は必須。スペアパーツだのは壊れてからでも間に合うけど、スペアスプールの弾数は釣果に直結するので素早く確保しておいた。
 高級リール様をスペアスプール無しの一台きりで使うぐらいなら、使える安リール2台買ってスペアスプールも2個ぐらい追加したほうが実釣能力が格段に向上するはずだと思う。
 714Zは高級リール様以上に「故障しない」リールだと判断して、いざとなったら緑の714を2台目として運用するけど、基本1台での運用を試してみようと考えている。
 しかし今時の物流はすごいね。米国のMYSTIC REEL PARTS」にネットでポチッとナと注文して1週間とかからずモノが届く。


 これで使えるなと、ラインなど巻いてみる。
 ここで問題発生。ライン巻いたらえらい後ろ巻きというかテーパー状に巻けてしまった。
 これって実は90年代あたりのスピニングリールの標準らしいって話で、キャスティング競技や砂浜からの投げ釣り遠投のためのスピニングリールやらからきたテーパーの付いてるロングスプールがルアー用とかの小型スピニングにも流行ったことの影響で、既存の機種でもやや後ろ巻きに調整されて売られてたんじゃないとか聞く。
 確かに遠投性だけでみたなら、前に巻かれたラインが邪魔にならないので、ラインが放出されるときスムーズに出て行くので利点となる。
 手返しとか無視していい遠投競技なんかでは、とにかく1発投げられればそれで良い的な考え方でミッチェルとかにも”ウエディングケーキ”みたいな変態リールがあったし、日本製でも今でも続いてると思うけどアウトスプールのスカートぶった切った超長いスプールのとかがある。

 でも、ルアーの釣りでは繰り返し投げ続けるので、ラインが放出されやすいことによる負の側面である、ドバッとラインがダマで出て行ってしまったりする不具合が生じやすい。なのでルアー用のスピニングリールのスプールの歴史を俯瞰すると長くなったり短くなったりしつつなんとなく普通なところに戻ってきている。ダイワは近頃逆にテーパーを付けてトラブル防止を謳ってるけど、正直、羮に懲りて膾を吹いてるように見えて馬鹿臭い。普通でいいんだろこんなモンよ。普通の道具で普通に投げられねえんなら腕が普通より悪いってことだろヨ。ってなもんである。

 ということで、普通にまっすぐ平行に巻けてテーパーも逆テーパーもつかないように調整する。
 後ろ巻きになるのを調整するには、前に出すぎてるスプールを下げてやる必要がある。前に出すだけならスプールの根元に高さ調整で追加でワッシャーでも噛ませてやれば事足りるけど、下げるには逆に引き算でスプールの根元のワッシャーを薄くするか、それでも足らなければ主軸の後端のネジ止め位置を加工する必要が出てくる。後者なら金属加工の手段をもたない素人の手に余る。
 とりあえず様子見で、まずスプール根元のワッシャーを抜いて、直接スプールの底面と、スプールが刺さってる軸のスプールを受ける面が接触するようにしてラインを巻いてみたらほぼ平行に巻ける。金属加工までは必要なさそうで一安心。
 後はいかに薄くて丈夫で滑りの良い素材を見つけてきて、純正のワッシャーを代替する薄いワッシャーに加工するかというところだ。
 さすがにそのままワッシャー挟まず金属どうしが接する形だと、ドラグが滑るときに摩耗するだろうからまずい。ドラグパッドの大きなテフロンが押さえつけられる力でドラグの効きが調整されるので、ドラグパッドのテフロンシートよりワッシャーが滑りが悪いとワッシャーがドラグパッドの役割を奪ってしまう形になり、せっかくPENN純正の効きの良い安定したドラグがもったいない。
 同じテフロンのワッシャーなら直径が小さいので総体的に摩擦が小さく、径の大きいドラグパッドの仕事を邪魔しない。純正はテフロンのワッシャーである。
 通販でテフロンの薄いシートを探すと、条件に合うようなのがなかなか見つからなかったけど、代わりに使えそうなのを見つけた。
 パン生地こねたりうどん打ったりするのにベタ付かないクッキングシートというのが、ガラス繊維の薄布をテフロンコートしたもののようで0.13ミリと紙のように薄いけど耐熱性とかもあってよさげで、60×40を3枚もいらんけど値段も千円位なので必要な大きさの穴開けポンチと共に購入。
 届いてみるとこれがなかなか良い塩梅の丈夫な物で薄さも申し分ない感じなので早速ポンチで抜いて純正のワッシャー外したスプールの根元にグリスちょいと盛って装着。
 ドラグの作動は問題ないようで滑りも充分良いようだ。これでしばらく破れたりしないか確認しつつ使ってみよう。多分大丈夫そうな感触。
 これ素材としてなかなか優秀で、台所用品としてももちろん使えるけど、薄くて丈夫で滑りが良いという性質はリール改造の素材としてもあれこれ使えそうな予感。良い買い物だった。

 で、改めてラインを巻いてみたらちゃんと平行巻できてて、スプールナイロン8ポンド用2個とセイゴ釣り用の4ポンド1個を用意して準備完了とあいなった。
 すでに430ssgの代わりにシーバス釣りに行くときの控えとして持っていってるんだけど、トゥルーテンパー727が普通に6時間労働とかこなせるようになったので今のところ出番はない。
 バチ抜け時期は竿との相性から4400ssを使うので、多分初陣は来年5月ぐらいか。その前にセイゴ釣りで試投してみるか。
 いずれにせよ楽しみである。
 

 インスプールのリール使ってみたら、そんな特殊でもなくて普通に使えるし、単純で自分で整備したり調整したりという余地があるのも、道具いじる人間には楽しい玩具である。
 興味があるけど、アウトスプールに慣れてるからな、と二の足を踏んでいる人がいたら、一つだけ重要な点に気をつけて思い切って試してみて欲しい。
 たった一つのインスプール初心者の冴えたやり方、は「熊の手」対策が施されている設計のリールを買うことである。
 今使ってる、オリンピックのトゥルーテンパー727も準備完了714Zも、ベールを返す時に手で無理矢理返そうとしても返せない。ベールを開いた状態で引っかけて止めるための部品が分厚く、かつ、ローターから保護の出っ張りが突き出ている。
 オリンピック、PENNの70と71が付く系以外にもダイワの古いインスプールにもこういった熊の手阻止策は講じられているのが見て取れて、なんてことはない昔の釣り人も手で起こして壊しがちだったんだろうと推測できる。
 むしろ人気あって値段の付いてるミッチェル、カーディナルの両巨頭が玄人向けで、値段も安くて入手しやすいそれ以外にこそインスプール初心者向けの機種が多い気がする。
 右手の人差し指でライン放出調整してハンドル巻いてベール起こすのはすぐに慣れます。

 ミッチェルのベールを手で起こして壊して以来30年に及んだトラウマを克服し、今ここに声を大にして叫びたい。

 インスプールしましょ!!

(2018.12)


○2019年1月26日土曜日ブログ再掲

金かかってりゃ良いってもんじゃねえと思うのさ

 常々、ゴチャゴチャと使いもしない機能がついてややこしくなっている「ウ○ンドウズ10」について、無駄な機能が邪魔で使いにくいと思っているのだけど、ここしばらく使っているタブレットパソコン「FIRE」はその逆で、できないことも多いけど単純で使いやすいと感じている。
 入っているオペレーティングシステム(OS)はスマートフォンに使われている「アンドロイド」系らしく、端的にいってスマホ並なんだろうけど、複雑なことはできないにしても、ウェブサイトをブラブラ覗いて、メールのやりとりして、動画見て、文字データの入力編集して、写真の整理してという、我ら情報弱者が普段据え置きのパソコンでやらせていただいているほとんどのことができる。
 今タブレットで私がやれていないことは「自炊」とサイトの作成更新作業(ブログはできてる)ぐらいで、自炊は今のスキャナーはタブレットも対応できるようだし、このFIRE用OSでウェブサイト製作できるソフトさえ見つけてくれば(きっと探せばあるよね?)、「次はリナックス勉強してリナックスマシン買うぞ」と思っていたけど、動画見るのに塩梅良いように大きめの画面のタブレットPC買えばスマホ感覚でサクサク簡単のPC環境が整ってしまいそうに思う。かつ、今使ってるFIREタブレットは少数派なのでウイルスやらの標的にもなっておらずセキュリティーソフトも必要ないようだ。面倒くせえ腐れウ○ンドウズともコレでやっと縁が切れるんじゃなかろうか?今のPCあと2,3年使う予定なのでそれまでに手を切る準備を進めたいところだ。

 なんでスピニングリールネタの枕にパソコンの話をしたかというと、面倒臭くごちゃついてしまった昨今のコンピューターソフトにおいて、意外に需要があるのが「シンプルバージョン」「クラッシック」「ダウングレード版」なんていう、余計な機能を取っ払ったソフトで、「一太郎Lite」なんていうのが使ったことあるソフトでは必要充分な感じで使いやすかったのを憶えている。
 そういうのと同じように、スピニングリールにおいても余計なモノが付いているなら取っ払うというPCの世界でいうところの「ダウングレーディング」のような改造が一つの方向性としてあり得るんじゃないかと思って実践してみたので、パソコンソフトとよく似てるなと思いつつ書き始めたところである。
  
 今回、改造したのは愛機スピンフィッシャー430ssg。この第4世代スピンフィッシャーの特徴を一言でいうなら”部品数少なく安あがり”だろうか。逆転防止機構を一方通行のベアリングに任せて逆転スイッチも省略、伝統のウォームギアを搭載しつつ、これでもかというぐらいに部品数減らして単純化し経費削減した設計になっている。
 金黒の外観と丈夫さはスピンフィッシャーの伝統でドラグも定評あるところ。何度も取り上げている全体的に私好みの小型リールなんだけど、やや気に入らないのはいつも書いてるように海水入りそうなラインローラーに錆びる心配のあるベアリングが入ってること、表面塗装に一部腐食が見られること、寒かったり油かが切れたりすると逆転防止が不安定になることの3点だけど、腐食は見た目だけの話だし、逆転防止は小型リールでは竿持った右手の人差し指でローター止めてしまえば何とかなるし逆転防止を一方通行のベアリング1ッコに任せているからこその単純さは、このリールの思い切り良さで美点だとおもうので、ラインローラーのベアリングだけなんとかならんかなと思って対策を考えてみた。

 方針簡単。ボールベアリング2個入ってるのを、滑りが良くて摩擦に強い丈夫な樹脂製のブッシュに交換してしまえば良いのである。こういう軸受けとか摩耗が想定される場所のスリーブやらブッシュにはジュラコンという樹脂が一般的に使われるようなので前回の「アクションM」の改造用のワッシャーと一緒に「モノタロウ」でぴったりのサイズがないかと探したところ、外形と厚みが7mm、2mmでぴったりで内径が欲しい4mmよりちょっと小さいのがあったので、50個もいらんがなと思いつつも数百円なのでスペアにもなるし別の用途も出てくるだろうとポチって入手。こうしてみるとベアリングもそんなに高価じゃないとはいってもやっぱり桁が違う。という感じで、わざわざ部品を安いのに換装するのである。でも樹脂製なら錆びるのは心配しないで済む。
 例によってハンドドリルのヤスリでドリドリと内径を広げて、外径がベアリングの填まってた穴にギチッと固定される大きさなので、今回穴の方で軸と滑らせる方針で気持ち大きめまで拡張。
 ジュラコン結構堅いのは一連の作業で身に染みたけど、アクションMの時より厚さ倍で2個加工したので時間かかった。奮闘のかいあって、中心もズレず上手く削れたようで無事填まってくれて、組み込んでリールオイル注して回転具合を見てみると問題なく滑らかに回っているようだ。実際に使ってみて糸ヨレ酷くなったりとかの問題が出ないか確かめていきたいけど、しばらく714Zを使う予定なので実戦導入はしばらく後になりそうではある。

 ついでに、10年も使ってるのでさすがに不具合出始めた所があって修繕してみた。
 本体に蓋を留めているネジの1本が、ネジの頭じゃなくてネジそのものが樹脂の穴を潰してしまったのか1本効かなくなってしまっていた。
 右の写真は第3世代4400ssのネジの雌ネジ部分を写しているんだけど、樹脂製の本体にネジを打つにあたって、雌ネジは樹脂に金属製のモノを埋め込んである。この方式だと雌ネジ自体が樹脂から抜けるという不具合は見たことあるけど、ネジ山自体は潰れにくく耐久性がある。
 しかし、第4世代の430ssgにおいては”経費削減”が重要な設計思想だった世代なので金属製雌ネジなんてわざわざ使わずに、樹脂に穴を直掘りしてネジをタップネジと呼ばれるネジ山の歯の大きなネジをつかう形にしている。
 10年持ったので耐久性に問題があったというわけじゃないんだろうけど、金属の雌ネジ方式よりは寿命が短かったようには思う。ちなみにこのリールはほとんど手間のかからないリールで逆転防止が油ぎれで効かなくなったのが何回かあった他は特に開けて整備もしなくてラインローラーとハンドルノブへの注油ぐらいしかしてこなかったので、マメに分解清掃する人ならもっと早くネジ穴潰すかも知れない。
 PENNって毎釣行ごとに分解清掃必要な印象があるかもしれないけど、ワシ調子悪くならなければ分解なんてせんけど特に不具合起きてない。毎回水没させるような深く立ち込む釣り人でもなきゃ適当に扱っても大丈夫。

 穴も広がってしまったことだし、金属製の雌ネジを探してきて埋め込むかと調べてみたら、金属のバネ状の雌ネジを押し込んでネジ穴を再建する「リコイル」というのが簡単そうなので、専用工具と共に早速取り寄せて使ってみた。
 通常、アルミとかの柔らかめの金属に使うようで、その場合は接着剤もナニも必要なく穴削ってグリグリ突っ込んで完了という工程のようで、最初その方式で行ったら、穴が既にタップネジの大きな歯で広げられているせいか、引っかからずにリコイルごと抜けてしまってネジが留まらない。
 リコイル自体は伸び縮みするバネなのでネジ山のピッチに合わせて変形するので、それならと元々のタップネジをリコイル突っ込んだ上でねじ込んだら、今度は効いたかなという感触だったけどネジ抜いてみたら真ん中写真のようにリコイルごと抜けてきてかつすぐにユルくなって塩梅悪い。
 仕方ないので、リコイル埋め込むときにエポキシ接着剤ベットリと塗って穴を狭くしつつ固定してからタップネジじゃない方のネジで留めたら今のところきちんと締まって蓋が固定できている。
 しばらくコレで持ちそうだけど、コレでも抜けたりユルくなってきたらネジとリコイルの太さをもう一段上げて対応とかするのだろう。
 
 同じリール3台確保しているので、修繕した個体があと5年持ってくれれば15年使えたことになるから、残りの2台で30年持つ計算になるので35年経ったらそろそろお迎え来てるだろうからちょうど良い感じである。
 430ssgは正直言ってそれほどデキの良いリールじゃない。4300ssの方が完成度が高く耐久性も良いと思う。でも気がつけば10年にわたって気持ちよく使えていて、時に調子悪かったりもあるけど所詮完璧なモノなんてないんだし、長いつきあいになっている分の愛着は確実にあって、直せるところは直しながらずっと使い続けていきたい。
 このリールの一番良い点は、釣り場でまずリールが他人のと”かぶらない”という点だと思う。個性重要。なにしろ正規には国内に入ってきてないはずの大きさなのでネットオークションでも見かけないし、ネット上の評判もうち意外ではあんまり見たことがない。っていうか今ググってみたら「やっぱり」という感じの全国のPENN使いなお歴々が一応入手されてはいるようで笑えた。

 でも主力機として使いこんでるってのはワシぐらいで、ワシ日本一の430ssg使いかもしれんと密かに誇らしく思うのである。ネットで公開しておいて密かにもクソもねぇんだけどナ。

(2019.2)

○2019年4月13日土曜日ブログ再掲

すべてがZになる?


 以前、インスプール初心者にはベールを手で閉じようとする”熊の手”対策でバール反転レバーの保護のための”棚”がローター本体から張り出している機種が良いよ、とお薦めしたところである。
 まったく今でも「ワシ、我ながらイイこと書いてはるな」と思うところだけど、そういう”初心者用インスプールスピニング”の中でも、PENNスピンフィッシャーの714Zはダントツにお薦めできるリールじゃないかと感じている。
 ハッキリいってつまんないぐらい良くできていて、釣っててライントラブルだのが全くないとまではいわないけど、それはスピニングならどれでもそうって話で430ssgと同程度には気持ちよく問題生じずに使える。
 使えるから魚も何の問題もなく釣れる。少なくとも道具を言い訳にしなければいけないような不具合は生じそうにない。釣れてないのは腕が悪いせい。
 だって、初陣で仕留めたのが写真の80のコイだったんだけど、ドラグも流石PENNというかんじで安定して効いてくれるし、”投げて巻く”部分についても思いのほか調子が良い。とくに飛距離は直径大きな浅いめのスプールって実は有利なんじゃないか?って感じるぐらいに放出性良く飛んでくれる感じがあって投げてて気持ちいい。
 さすがにウォームギアは巻きが重い部分はあるけど4300ssや430ssgで慣れているので気にするほどのこっちゃない。ワシ、魚かかったらゴリ巻きせずに基本ポンピングで竿でよせた分だけ巻くから「重くて巻けない」とかいう、そう書いてる記事とか見る度に「ポンピングしろよ、それがいやならベイト使っとけ!」と心の中で突っ込まなきゃならんような台詞は吐かなくてイイけんね。まあコイの80問題なくあげときゃ春のシーバスならメーターぐらいまでは問題ないんじゃないの?釣ったことないから知らんけど。
 正直、もっと苦戦して、スペアスプール頻繁に交換して「ジャジャ馬乗りこなしてやってるぜ!」ってな達成感にひたれるモノかと思ってたけど拍子抜け。右手の人差し指でラインの放出調整して糸ふけ出さないようにしてハンドル巻いてベールを戻す、という古式ゆかしい”基本のスピニングリールのお作法”さえ手に憶えさせてしまえばどうってことない。憶えるまでには何度もベールを左手で起こしそうになるけど、トゥルーテンパー先生の”熊の手対策の棚”がワシの熊の手を何度も止めて教え込んでくれてたので、714Zでは既にベール手で起こそうとすることはなかった。
 さも「使うのが難しいインスプールのリール使ってる俺ってエラい」っていう雰囲気出してくるよな”ややこしいインスプール使い”は、多分ライントラブル防止のための、ラインローラーの水平を出すとかスプールの高さ調整でラインが後ろ巻きにならないようにとかの然るべき基本を押さえてないのでトラブル多発のリールを使ってて、それを喜んでるンじゃないだろうか。気持ちは分からんでもないけどウザいよね。
 まあ、そんなわけで714Zは”熊の手対策付きリール”でデキが良いのでお薦めできるっていうのに加えて、不死鳥のように復刻版が出るカーディナルを除くと、インスプールでは最後まで生き残った部類で、日本市場で90年代まで売ってたロングセラー機であり中古の弾数多くて、かつそれ程古くなってない程度の良いのも多い。値段も高くもなく安くもなくほどほどで7、8千円ぐらいが相場とお求めになりやすい。
 かてて加えて、PENNなので丈夫で部品もまだ結構手に入るということで、ダイワやオリムピックの古いインスプールより長期運用を考えると安心感がある。
 「PENNスピンフィッシャー714Z」ピュアフィッシングさん復刻してくれないかしら?米本国では一回復刻あったらしいような不確定情報あったけど日本でも是非。

 で、なんでワレ716Zまで買ってるねン?と責められると私も心苦しい。
 つい出来心でやってしまったんです。反省してます。って感じだけど、渓流もこれまで4300ss、430ssgの大きさで私にはちょうど良くて、4200ssは小っちゃすぎて巻き癖とかキツくてダメだと感じてたので、インスプールでも714Zで良いだろうと思ってたんだけど、正月に気仙沼に置いてあったフェンウィックHMGのGFS55Jが似合うんじゃなかろうかとこちらに持って帰ってきて付けてみたら、微妙にリールが大きく感じる。スプールの径が大きいのでちょっとバランスしない感じになってる。まあそのへん好みの問題という程度なので使ってれば目がそのうち慣れるんだろうと思う。思うんだけど、もう一つ小さい716Z”ウルトラライト”ならスプールの径はそれ程小さくないようだし、よく似合うんじゃなかろうかと思ってしまい、思ったらポチッとする手を止められなかった。病気が憎いッ!憎い憎い憎い!!渓流なんていつ行く予定があるっちゅうねんッ!
 でも、おかげさまで716ZはGFS55Jのリングシートにしっぽりと似合ってくれて、アタイ後悔なんてしてないワ。ちなみに相場は714Zよりちょっと高め。
 そして買ってみるとチマチマとした発見が。
 710系Zシリーズにはハンドルの根元に油差しの穴が開いている初期型と開いてない後期型があるというのは、714Z買ったときに気がついていて、写真の上の方が後期型の714Zで下が初期型の今回買った716Zなんだけど、じつは油差しの穴以外にも違いがあることが判明。
 下の写真をよく見て欲しい。銘板が714Zでは平らなのに対して716Zではリングが盛り上がっていて立体的、っていう細かい違いより実は大きな違いがあって、後期型714Zの蓋が樹脂製なのに対して、初期型716Zは蓋が金属製なのである。よく見ると金属製の蓋の方はのっぺりとしているけど樹脂製の蓋の方は枠っぽい出っ張りがある。
 714と714Zの違いについて書いたときに、714Zになった時に緑から黒金に色が変わったと共に蓋が樹脂化され軽量化が図られた旨書いたけど、謹んで訂正したい。ま〜たまた嘘書いてました。度々スイマセン。
 スピンフィッシャー710系はZシリーズにモデルチェンジした時に色だけ黒金に変わっただけでしたとさ。ズルッとずっこけるけど、前回書いたとおり見た目って重要だからイメージカラーの変更は大きかったと思う黒金好きなナマジであった。
 でもって初期型が金属蓋で油差し有り、後期型が樹脂蓋で油差し無しかっていうと、どうもそれだけじゃないようで、中期型とでもいうべき樹脂蓋で油差し有りも普通にあるようだ。PENNの場合部品共有でマイナーチェンジしながら継続的に売っていくというのが普通なので、後期型に移行しようとしたらまだ油差しの穴の開いた本体が残ってたのでとりあえずそっちの在庫から樹脂蓋付けてさばいていったというのも充分あり得るけど、それにしては数が多いので、段階的に、軽量化でまず樹脂蓋になって、その後に経費削減か機械油の品質向上とかでいらんだろとなって油差しの穴が廃止ってなったと考えるのが自然か?復刻版が樹脂蓋で油差し有りという可能性もあるかも?いずれにせよ中古市場では3タイプがあるのでお好きな人はその辺の細かい違いも楽しんでいただければ幸いである。
 お約束で、また716Zもスペアスプールとか買ってるわけなんだけど、世のPENN使いな諸先輩方の記事とか読んでると、710Z系にはベールスプリング以外で壊れやすい部品が2カ所有るようで、1つはワンタッチスプールの着脱のための主軸の先端に付いた銅製の3本の爪で、これはハメ殺しなので壊れたら主軸ごと交換が必要なようだ。もう一つはベールスプリングが強いのでベールワイヤーに負担がかかって長期使用ではベールワイヤーかベールアームが折れるというのも目にした。これはベールワイヤー交換かもしくはベールアームのベールスプリングを引っかける穴をもう少しバネを絞らない方向にズラした位置に追加で開けてベール反転の衝撃を弱めてやるという改造も紹介されていた。なので、ついでに予備を買っておくかといつもの「MYSTIC REEL PARTS」さんに発注かけようとしたら残念ながら主軸もベールワイヤーも欠品だった。っていうのもあって復刻版出たら部品の欠品も解消されるだろうから期待しているのである。本体も1票入れるつもりで買うんだろうけどさ。
 現実的には、主軸については714,714Z、716Zで共通なので3本あれば足りそうな気はするし、ベールアームはまだ在庫していたので失敗した時用に確保して、穴開けて改造を試してみようと思う。いざとなったら中古一台追加して買えば良いっちゃいいか。

 さて、では最近の釣果写真にも出てくる冒頭写真の3台目の茶色いのは何なのか、そろそろ吐いたらどうなんだ?と取調室で刑事さんに凄まれそうなので白状します。
 「スピンフィッシャー720Z」ネットオークションで買っちゃいました。
 720系には他に720、722、722Zがあって、722と722Zが誤解を恐れず書くなら”PENNが作ったミッチェル408”で720、720Zはその低速巻き版なんじゃないかと解釈している。
 ミッチェルを真似して作られたリールなんてのは”オリムピック81”みたいな完全再現を始めいっぱいあって、むしろ世界的に売れた量産機であるミッチェルの各機種に同時代においては影響されたスピニングの方が自然というか、そういう流れがあったんだと思う。今のリールがみんな似たようなのばっかりで個性がないとかいうけど、昔も売れてるヤツの真似はとりあえずしておけってノリはあったんだと思っている。
 で、ミッチェル408は60年代に登場して、720系が作られたのは70年代中程らしいけど、その頃売れまくってた歴史的名機なんだけど、なにが特徴かという話は”ミッチェル大好きTAKE先生”がネッチョリ書きまくってるので詳しくはそっちを読んでもらうにして、簡単に説明するなら、「308譲りのスポーツフィッシングに対応した手に馴染む設計を引き継いで、力の伝達効率の良い”スパイラルベベルギア”を搭載し高速化を図った小洒落たフレンチリール」なのである。
 それを質実剛健、海にも強いぜなPENN社が「ギアを作るのは我が社も得意だし、うちもスパイラルベベルギア機作っちまおうぜ」と作ると、しちめんどくせぇ平行巻機構のロアナプラじゃなくてプラナマティックなんて省略で単純にギアの上にカム乗せて往復方式、ギアはローター軸のは真鍮切削もので、ハンドル軸のはステンレスを鋳込んだ丈夫なの、ハンドルノブはごっついアメ人の手に合うようにデカいけど、ちゃんと本家のように捻りの入った樹脂製で、なんとPENNにしては珍しく全体的な造形も本家とはまた違ったアメリカンポップカジュアルな感じでオシャレに仕上がってるスピニングが誕生するのである。
 特に、初期のZ以前のモデル(当時はスピンフィッシャーの名前は付いてなかったという情報有り)の青いやつで蓋の上に魚が二匹書いてあってその魚に「PENN」「722」とか書かれているデザインのは、なんちゅうか愛らしい見た目で素敵スピニングなんである。
 ただ、そういうオシャレな部分が逆にPENNリールとしては異質で異端でいまいちピンとこない部分もあって、「722Z良いっスよ」という書き込みをいただいたときも「ワシの使うペンのインスプールは710系じゃけん」と邪険なつれない態度を取ってたぐらいだけど、その実、喉から手が出るぐらい欲しくて仕方ないのを押し隠してツンデレっていたのである。
 屁理屈こねて遠ざけておかないと、古い時代のとか結構な値段もついてるのでエラいことになりそうで「あの葡萄は酸っぱいに違いない」と自分にいい聞かせていたのである。
 でも病気だから一度でも欲しいと思ってしまったら負けである。結局買うことになる。ブクブクと底の無い沼に沈んで行くのみである。

 とはいえ、90年代まで生産されてた黒金のZでも7千円ぐらいの実用機価格が相場だし、古いのは大1枚は軽くしているので使うアテもないのにおいそれとは買えず、程度悪い部品取り用とかの個体が出てこないかなと長期戦覚悟で狙ってはいたけど、そんな都合良いやつがそうそう現れるわけもなく、部品破損個体がオークションにかけられても、PENN使いどもは部品在庫有るかどうかぐらいすぐ把握できるので意外に値段が落ちなくて全然自分の入札額では落とせそうもなかった。
 ところがどっこい待てば海路の日和ありで、蒐集家が720系まとめて何台も放出するというまたとない機会が巡ってきた。さすがにまとめて全部落とせるほど潤沢な資金を持ってる入札者はいないだろうから、人気が割れて一台当たりの競争者が減るのは明白。
 箱入り美品から、ベールアーム折れてベールワイヤー無しのボロ個体まであって、どれに狙いを定めるか吟味を重ねて最終的に落札した個体に絞った。
 ベールワイヤーは「MYSTIC REEL PARTS」さんにも在庫がないようだったので一番ボロいのは回避して、2番目にボロい個体で「ハンドル回すとスプール上下することは確認、それ以外は不具合あり」という、どんな不具合かも良く分からないうえに銘板が剥がれていて720Zか722Zかも分からんという茶色い一台に決めた。
 茶色というのはメイシーズだかどっかの百貨店で売ってた色だとか何とか目にしたことある。PENNの青は薄い空色でなかなか合わせる竿が難しいし使う人間も選ぶ気がするけど茶色は無難かつ渋くて悪くない。っていうかイイ。
 不具合の状態やら、ハンドル一回転で何回ローター回るかとか質問したくなるのをグッと我慢して値段が釣り上がるのを回避し、開始価格3000円を例によって3200円で入札して見事3100円でハンマープライス。

 無事入手できて我が家に来て、ハンドルクルクル回してみると1回転でローターは4回転。ということはギア比1:4の720Zで確定。ちなみに722のほうは1:5。低速機なら同程度の糸巻き量の714Zとも使い分けできそうで結果的に正解だったかも。
 回転は重くもなく問題なさそうだけど”それ以外の不具合”がちょっと触った段階では酷かった。
 ベールスプリングは生きているようでベールは返るんだけど、反転レバーが機能していない。まあこれはレバーを押さえるバネの取り寄せで何とかなるだろう。でもドラグがまったく効かなくて締めてもスカスカなのにはちょっと何が起こってるのか分からなくて不安にさせられた。単にワッシャーはめそこなってるわけじゃない。
 ともあれ、分解清掃して購入必要な部品を洗い出していくしかあるまい。
 とりあえずスプール周りからかなとドラグノブをはずすと欠けててバラバラと部品が抜けてくる。ドラグが締まらないのはこのせいかと思ったけど、よく考えると欠けている樹脂製の部分は、ドラグノブのナットと調整幅持たせるためのバネとドラグに押しつける金属の皿とをバラバラにならないようにまとめているだけで本質的には部品さえあればドラグは締まるはずである。本格的に修復不能かなと不安になりつつ、とりあえずもう一方の不具合である反転レバーを押さえるバネを確認すると、取り付け方が間違っていただけでちゃんと組み直したら復活した。
 ドラグノブの方はあれこれいじるもドラグスカスカのままで、どうにもスプールとドラグノブ交換必要っぽいなと思って在庫あるか確認してみたらスプールはまだあったけどドラグノブは在庫がない。これはどうにかして直さないといかんなと危機感もってしげしげと眺めていたら、主軸のスプールが刺さってるところが、主軸そのものじゃなくて座面と一連の’’スプール刺し部"になってるんだけど、その上の部分がドラグの上面より先にドラグノブの皿状の部品と接触して皿がドラグをぜんぜん押さえていない。単純な話で皿の凸凹の面を逆に組んであったので機能してなかっただけだった。反転レバーのバネといいドラグノブといい壊した人間お粗末といわざるを得ない。おかげで安く手に入ったんだけど。
 たぶんスプールを填めてる主軸の部分にわざわざ太くした”スプール刺し部”を設けているのは、太くした分接触面積を増やしてドラグが効くときの摩擦抵抗を分散させて安定させるためなんだと思う。写真右のように4桁スピンフィッシャーでも同じような”スプール刺し部”が設けてあってかつスプールのほう軸が貫通する部分には樹脂製っぽいスリーブが入っていてベアリングなんていう錆びて経費がかかって過剰で下品なものをぶち込むより実用的な設計だと感じる。

 ドラグ締めるのは問題なくできるようで、とりあえず最悪の事態は避けられそうなのでドラグノブの修繕は後回しにして全体ばらしてパーツクリーナーで洗っていく。
 ドラグの構造はテフロンパッドの3階建て方式で何の問題もなさそう。
 スプールの裏についている音出しが欠損していたけどこれは在庫があったので注文。
 蓋をパカッとあけると鎮座しておりますどとらも傘状のギアが主軸上で直交するスパイラルベベルギア。歯も欠けてないし何ら問題なさそう。
 ただ、ギアを横?に配列できるウォームギアと違って重ねる形になるので本体の厚みが必要で本体内部スカスカな印象がある。本体自体は同じぐらいの糸巻き量でもウォームギア機の714Zの方が小さくまとまっている印象。714Zは8フィートのシーバス竿にはやや小さいと感じたけど720Zはちょうど良い大きさ。
 ギアは亜鉛鋳造かと思ってたけど、パーツクリーナーで洗浄したらピカピカしててアルミ(切削?鋳造?)っぽい。軸はステンレスで、裏に設けた逆転防止の歯は真鍮製。

 ローター外してローター軸のギアが本体にネジ止めされているのを外してもボールベアリングが見えてこないので、これはれいの開放式のボールベアリングで油断してると弾が飛び散って落ちるヤツだなと、お盆の上にティッシュ敷いて慎重に真鍮のスリーブをズラしていくと、なんとビックリ弾なんて入ってねえぜ。

 このリールはボールベアリング一個も使ってません!!”ブロンズベアリング”機!なんと素晴らしい!

 我が家ではダイヤモンドスーパー99についで2台目のボールベアリング使ってないスピニングリールである。漢らしいジャン。
 グリスアップする前から普通にローター回っててグリスシーリング後は全く快調という感じで重くもなくクルクル回ってくれる。
 展開図見て確認すると、720Zはボールベアリング無しの”ブロンズベアリング機”で722Zは途中から設計変えて入れたのかもしれないけどローター軸に一つボールベアリング入れている。
 要するに、力の伝達効率の良いスパイラルベベルギアでギア比が低いのであれば、力強く巻けるので、ことさら摩擦の小さいボールベアリングなど入れなくても実用上問題ないという設計思想のようだ。逆にギア比大きく高速巻き仕様だと巻きが重くなるのでボールベアリングが必要になるという判断なんだろう。
 PENNと大森というナマジ大好きなリールメーカーが、等しく低いギア比のスパイラルベベルギア機にはボールベアリングを入れていないというのは、それが妥当な機械的解答だからなんだと思えてくる。
 実際に使ってみて、ボールベベアリングなしでも720Zなんの問題もなくクルクルと回ってくれる。回転が特に重いということはなく714Zとかのウォームギア機よりは軽いぐらいである。
 以前、ローター軸のベアリングが錆びて金属製ブッシュに成り下がっている状態の4400ssを使ったことがあるんだけど、正直重くて巻くのが嫌になるぐらいだった。ハイポイドフェースギアも力の伝達効率は悪くないはずで、あのときはギア比が高いからそう感じたのか、もしくは回らないボールベアリングの幅だけで受けていると回転が不安定で、ちゃんと最初から適切に設計された”ブロンズベアリング”とかなら滑らかに回ってくれたりするんだろうか?
 いずれにせよ今時の高級スピニング様がベアリング数10ッコ以上とかを誇っているのを尻目に、ボールベアリング無しの720Zで普通に魚を釣るっていうのは密かに「あんないりもせんベアリングゴチャゴチャ入ったリール買わされてゴクロウサン」という底意地の悪い優越感が湧いてきて気持ちよく釣りができる。
 「リールにボールベアリング入ってなくても魚ぐらい釣れまっせ!!」

 ということで、分解清掃してハンドル軸やらブロンズベアリングにはオイルを注しておいて、その他はとにかくグリスで全面を覆うグリスシーリングでグッチャリにしてやれば、じつはこの時点で欠品はスプール裏の音だし機構のみであり、無いと困るような部品の不足やら修理不能の不具合とかはなく即実戦投入できそうな感じである。
 ということで、実戦向けて調整を施していく。
 まずは壊れているドラグノブの再建。そのまま部品を順番に並べただけでも機能はさせられるけど、スプール交換とかしようとするときに、ばらけてしまうようではやはり塩梅悪いだろう。一旦パ−ツクリーナーで脱脂乾燥後、順番に樹脂のノブに填めていってドラグを押す金具の”皿”を半分ぐらい残っている樹脂製部品の填まる土手に瞬間接着剤で固定。これだけだとずれたり外れたりしそうなので、樹脂の欠けたところに熱した針金で穴を掘ってそこにカーボンの心棒を突き刺して”皿”がズレないように瞬間接着剤で固定。欠けているところ全体にウレタン樹脂を盛って防水性を高めておいた。これで皿・ばね・ナットが抜け落ちてくることは当面防げるだろう。ドラグを締め付ける動作も問題ないようでちゃんとドラグ効いてくれる。
 ラインローラー水平に角度調整するのはベールアームが金属なのでゴツいペンチ2本でちょっとずつ曲げてやれば問題ない。
 ただ、ラインローラーが固着したまま放置してあったらしく、パーツクリーナーで漬け置き洗いしても腐食した錆のようなモノまでは除去できない。
 ラインローラーの左右面は平面なので目の細かいサンドペーパーで錆を落とせるけど、曲面であるラインローラーの内側及びラインローラーが刺さっているベールアームの軸は下手に削ると偏ってしまい回転を妨げることになりかねない。
 ということで、大まかな部分はサンドペーパーで落としつつも、仕上げはラインローラーに研磨剤を塗りつつ実際に高速回転させて”あたり”をとる方式でいってみた。研磨剤は金属磨き用のコンパウンドとかがあればそれに越したことはないけど、歯磨き粉が身近な品で研磨剤入りなので使える。学生時代昆虫の樹脂包埋標本作ったときにレジン樹脂磨くのに歯磨き粉持参するように指示があったぐらいで、クレンザーほど削りすぎて傷つける恐れがなくつるつるに磨ける。
 手で回すわけに行かないのでラインクリッパーの上に付いているルーターに輪ゴムをかけてもう片方の端をラインローラーにかけてアニメ見ながら半時ほど回してやったら良い感じに引っかかりも少なく実用充分な感じに回るようになった。
 これで準備完了。とラインを巻いてみると困ったことに写真のように、えらい後ろ巻きになっている。
 とりあえずスプール座面のテフロンワッシャーを薄いのに変更してスプールを下げてみたけどまだ足りないので、あれこれ考えて、ローターの下にワッシャーを噛ませて上げる方法はこのリールは使えなさそうな構造なので、ベールアームとベール反転レバーの位置と形をいじってちょい前巻き程度に調整した。
 具体的にはラインローラーの位置を高くしたいので、ベール反転レバーを下げることでベールアームのラインローラーの付いている側を上げてやる。そうすると当然ラインローラー自体は水平だったのがベールワイヤー側に傾いた状態になるので、水平に戻すためにベールアームのラインローラー取り付け部分をベールアームの反対側に反らして曲げて調整してやる。
 これでバッチリの調整具合と実戦投入したら、ベールワイヤーの付け根が若干ろう付け剥がれかかってささくれていて、そこにラインがかかってラインローラーにかかるのを妨げてるときがあったので、引っかかる段差がないように瞬間接着剤を薄めに盛ってサンドペーパーでならしてみたら問題なくなった。以降好調で8時間労働でも特にライントラブルも生じず快適に使えている。
 ここのところの経験が生きて、壊れた樹脂部品の再建とかラインローラー角度調整、スプール後ろ巻きの補正等が、基本が分かってきているのか多少リール毎に状況違うにしても慌てることなくすんなりできるようになってきている。

 ということで替えスプール、ベールスプリング予備とかも発注して無事届いてるんだけど、落札して届いた時点でも、なくても釣りにはなるスプール裏のドラグの”音出し”以外は最初からそろってる完品に近い中古品だったという、最初不安な滑り出しだったけど結局大勝利的な落札であったとさ。
 ちなみに他に確保しておいたほうがいいパーツあるかなと確認していたら、「720Z」の銘板もあったのでコレも確保したった。見た目的にもかなり良い塩梅のイイ個体に復活した。スペアスプールも用意したしライントラブル防止のための微調整も決まって、かなり実釣能力の高いリールに仕上がっていると自画自賛する。
 私にとって、初の”熊の手対策の棚”が付いていない”インスプール初心者用”じゃないインスプールスピニングだけど、トゥルーテンパー先生、714Z先生によくお稽古つけてもらった後なので、手でベールを起こそうとするようなこともなく快適に使えている。
 ボールベアリングさえ入ってない単純なリールで、そこら辺でフッコ釣って遊ぶぐらいなら何ら問題なく釣りができるっていうか、むしろ単純ゆえの使いやすさも感じているところ。ギア比が低いのも気が短くて巻く速度が速くなりがちなワシにはおあつらえ向きかもしれん。手を掛けて修繕したこともあり使ってて楽しく嬉しいのでしばらくこいつを使ってご近所のフッコたちに挑みたい。間違ってスズキ様なんか釣れちゃったらなお嬉しい。

 インスプールのリールとかいうと小難しそうなこと言う人が多いので敬遠するかもしれないけど、大したこっちゃないので興味がある人は、まずは”熊の手対策の棚”付きの機種で稽古をつけてもらって、そのあとは、人気のABU、ミッチェル、大森にいこうが、イタリアやら英国やらにいこうが、アメリカに行こうが旧共産圏に行こうが、温故知新で古い日本製にいこうが、それぞれの道にそれぞれのふかいふか〜い沼が待っていてズブズブと沈んで楽しめることうけあいなので、ぜひそういう方向にも楽しんでみてはいかがかな?と、ともに病と闘う仲間を集めるために感染の拡大を狙うナマジであった。

 そろそろ手持ちのネタもつきそうで、来週もいっちょPENNネタ連投でしばらくスピニングネタはお休みの予定。リール予備機を売りさばいたりして何とか90台に収めたし、そろそろスピニング熱は快方に向かってくれていると信じておきたい。

(2019.6)


2019年6月29日土曜日

仏の顔もサンドバックに浮かんで消える


 はい買っちまいました。
 PENN720

 一度でも欲しいと思ったら逃れられない運命だよね〜。
 ああ、この可愛らしい魚模様にキレイめのライトプルー、一体どんな竿にあわせてやろう。黒やグレーのブランクスなら無難ではあるにしても、このアメリカンポップな意匠造形の素敵なリールにはもっとスマートなそれでいて質実剛健な竿をあわせてやりたい。青であわせるならパームスのコーラルスターとかに青系があったか、でもメタリックな青いリールにあわせるならむしろミスタードンのような透明感のあるブルーの方が涼しげで良いのではないだろうか?心はウキウキと舞い上がるが、実際には今使ってるのは茶色の個体なのでしばらくは”コレだ!”という竿と出会うまでお蔵入りだろう。

 てなこと考えてましたが、壊しちまいました。修復不能に最悪な感じの壊れ方。オレの所に来たばかりにと思うと面目なくももうしわけなくも恥ずかしい。消えてなくなりたくなるほど意気消沈。
 まあ、あえて克明に恥をさらすことにより、我と己の汲み取り屋さんに来てもらった後のボットン便所の闇よりも深い罪深さを深く反省し、皆様が同じような過ちを犯さないよう他山の石となることをあえて選ぼう。まあワシそういう芸風やし。
 他人の失敗は自分に跳ねが飛んでこなけりゃ最高の娯楽!!っちゅうことで笑ってやっておくんなまし。

 茶色の720Zがボールベアリングが使われていないにもかかわらず、4:1という低速に力の伝達効率の良いスパイラルベベルギアがあわさって、使用上何ら問題がないというか快適に使えているという状況で、コレなら今の茶色のは結構ボロいしもう一台あっても良いなと慢性的PENN症候群を悪化させてしまい、かつ、まとめて放出されてたなかで茶色買った後、720、722系の落札相場が下がってる気がする。欲しい人間にある程度行き渡った感触で、見ているとそこそこ程度の良い個体でも7、8千円ぐらいで落札されることが多く、コレはいま買い時かも知れんと、かねてから欲しいと思ってしまっていた720の初期の青で本体蓋のプレートがお魚のがオークションにかかったので、ソレッとばかりに入札したら、例によって「自分が参加すると落札金額は一段上がる」の法則どおりで、7,8千円で決着せず大一枚ちょっと越えたところでハンマープライス。
 最後の方はワシともう一人で競っていて、わしが参加しなければ間違いなく7,8千円での落札になってたはず。
 でもまあ、そのぐらいの値段はしておかしくないブツだと思うので悪くない取引であった。
 多少表面の傷や腐食とかもあるけど、回転もベール反転や逆転も問題なく”機関良好”な個体で、しばらく本棚の目に付く場所に飾っておいたけど、腐食がこれ以上進まないようにするためにも、一回全部バラして注油してグリスを盛りまくってグリスシーリングしておくことにした。

 基本単純で部品も少ないのでサクサクッと済むはずだった。スプール外してドラグにグリス塗り塗りして、ハンドル外してと思ったらこれが固い。
 CRC666を吹き付けて、ペンチでコンコン叩いてから外そうとするんだけど回ってくれない。回す方向はリール巻くときの逆だから間違いようがないんだけどな?と力掛けていたらちょっと動いた気がしたので、これを外さないことにはハンドル軸のギアも外れず分解できないので思いっきり捻った。
 グリグリッと金属が変形しながら回るような嫌な感触があったので、慌ててやめてハンドル正回転させると、回るんだけど1回転に1箇所カツッと引っかかる所がある。

 コリャなんか壊したなと慌てて本体蓋外して確認してみると、ハンドル軸のギアが割れている。最悪だ。
 回った感触は何だったんだろうと、蓋外したままもう一度ハンドル逆に回してみるとアルミのギアに鋳込んである芯の硬いステンレスがアルミから剥がれてギアが回ってないのに芯だけが嫌な抵抗感を残して回ってしまう。
 完動品だったのに、我が家に来たせいで使えない状態になってしまった。
 マイコンNo.6の時もそうだったけど、使えるモノをわざわざダメにしてしまってもうし訳ない気持ちでいっぱいで、心はどんよりドヨドヨと沈んでしまう。

 一応この状態でも巻けることは巻けて、ただ、一定以上の負荷がかかるとハンドル軸の芯が回ってドラグみたいになっているし、ギアの割れたところが引っかかって一周毎にカツカツと音がしている。正常なラチェット音とか全然気にならないし、むしろ拍子がとれて良いぐらいだけど、さすがに自分が原因で壊した証拠の音を聞かされ続けるのは、責め続けられているようで精神的に辛すぎる。無理。
 アルミを溶接でもして引っかかる割れた部分は削って平面にして”あたり”取るとか、金属加工の技術があればひょっとしたら復活するかもとは思うんだけど、いかんせんそんな技術は持ってない。そもそも回ってるなら芯からギアの歯車部分抜いてハンドル抜けるだろうと思うんだけど、ギアの歯車の下に逆転防止のラチェットが填まってて、それが芯を固定しているのか芯は抜けず、にっちもさっちもな状態。

 終わった、大1枚もかけて入手したけどゴミにしてしまった。と暗澹たる気持ちに沈んでいたけど、ひょっとして720Zとギアもハンドルも同じだから部品まだ「MYSTIC REEL PARTS」さんで在庫してたりして。と、まさかとは思ったけどダメ元で確認してみると、なんと在庫してございます。ギアも銀色のハンドルもあるぅッ!!
 パヤーッと雲の隙間からレンブラント光線が差し込んで頭の上から天使が舞い踊りながら降りてくるような心持ち、あるいは、お釈迦様が天上から垂らしてくれる蜘蛛の糸にすがるカンダタのような気持ち。とにかく救われた。助かった。命拾いした。

 在庫切れになると困るので、条件反射的にポチッと発注。とりあえず1週間もせず国際郵便でブツは届く。
 ただ、填まっているギアを抜かないことにはどうにもならないので、歯車だけ抜いてハンドルの方に抜くのは難しそうなので、現時点ではまだ生きているハンドルを使用不能にしてしまうけど、ハンドルぶった切ってギアを本体から抜くしかないなと判断。
 ということで金鋸も買っちゃいました。

 また余計な失敗をしてさらにドツボにはまるのが怖くて、しばらく放置していたけどいつまでもそのままでは仕方ないので、覚悟を決めてやっつける。
 やることはハンドルぶった切って、切り残し部分を引っぺがしてギアを抜くってだけで簡単で、気をつけることといえば切ったアルミの粉が本体に入ったりしないように覆いをかけるのと、切り残し部分はなるべく薄くしつつ本体側の被せてある金具に傷をあまりつけないように鋸を入れるってぐらいか。
 アルミは柔らかい金属なので金鋸であれば簡単に切れる。津波の後のボランティアで建物の土台の鉄のボルトとか切ったけど鉄は固かった。ちょっと本体側の金具の表面削っちまったけどこのぐらいは許容範囲。見た目はそんなに気にしないんじゃワシ。
 切ったら切り残しの部分をマイナスドライバーでこじって剥がして折り取る。
 無事終了で抜けてくれてホッとしたのは良いんだけど、どうも固着してたのハンドルのネジ部とギアの芯とじゃなくてハンドルのネジの所と本体側の金具が斜めにかじってたかなにかだったようで、金具外したらハンドルのネジはスルスルッと芯から外れてきた。
 うーんこんなしょうもない固着でギアとハンドルが一組死んだのかと思うとなんか悔しくムカつく。

 ともあれ、これで全バラし完了することができて、入手したハンドルノブは黒いので元の白いのと付け替えて、ギアはついでにローター軸のも新品に交換しようと思ったら、微妙に高さが合わずにローターが締まって止まってしまう。ワッシャーの厚さか枚数の調整必要な感じだったけどめんどくさいので予備に保管することにしてローター軸のギアは元のをそのまま使うことにした。
 グリスグッチャリ内部はもちろん、本体表面にも腐食が見られる箇所を中心に塗り込んでおいた。これで当面腐食は止められるだろう。

 これにて無事復活。たまたま中古の銀色のスプールもネットで見つけて確保。
 結局、本体10200円、スプール3000円、部品はハンドル軸のギア10.30ドルとハンドル18ドルで3000円がとこ、加えて金鋸2000円で計約18000円なり。他にも予備部品買ってるので実際にはそれ以上で、未使用に近い箱入り個体が買えそうな値段になってるけど、いいんです。本人納得してれば金額なんてどうでもよしこさん。苦労した分愛着がわくってなもんなんです。
 とりあえず、これまでにネットオークションで手に入れたリールの中で、コイツがナマジ的に一番価値ある1台だと思う。ようやくたどり着いた最終兵器的な1台。とりあえずは所有しているだけで満足だけど、そのうち使ってみよう。PENNは実用機だからナ。


 というのと同時並行で、実はもう一台ぶっ壊している。720のギア割った時点で、買って分解清掃せずに放置してあった大森製作所ダイヤモンド「タックル5No.2」も、グリスシーリングしておかないと固着やら腐食やらが進んでしまうだろうから、一回手を入れておこうと意を決して分解清掃したら壊した。短期間に2機壊したのはだいぶペコッと心が凹んだ。マイコンNo.6も数えると買ったリール使う前に壊したのは3台目である。
 もともと、タックル5No.2とタックルNo.2は左ハンドル用のネジが付いてないのを買ってしまい、箱入りで左ハンドル用ネジ付きのを探して買い直してあった個体。

 なので内部構造は把握済みで、すぐ使うでもなしで放置してあった。
 回転が悪くてあきらかにベアリングが錆びてる。他は特に悪くないようなんだけど、固着しているとまたねじ切ってしまいかねないので、CRC666をぶっかけて一番寝かせて浸透させてから分解清掃した。
 にもかかわらず、ベールアームにラインローラを固定する円錐形のナットを外そうとして、ちょっと回った感触があったのでCRC吹きつつちょっとずつ回して戻してしながら力をかけたらメキョッと折れた。
 これ、これだけ慎重にやって折れるんならどうやっても折れるはずで、どうしたらよかったのか正直わからない。大森はネジのゆるみ止めの接着剤が強かった時期があったというのを目にした気がするけど、その時代のだったのだろうか?
 安く手に入るリールでかつタックルとマイクロセブン(アウトスプール)ともベール周りは共通なので、安い出物を待って確保すれば復活させることはできるんだけど、その場合、結局また1台使えないリールを作ってしまうわけで、ベール回り以外死んでますっていう都合のいい壊れ方のジャンクが出てこない限り自分的にはスッキリしない。
 折れた部分のラインローラーの軸に穴掘って雌ネジに加工してっていうのをどっかネジ加工してくれる業者でやってくれないだろうか?1本からの対応ってやってくれるにしても手間考えたら多分5千円から1万円ぐらいはするんだろうけど、これも金額の話じゃなくて3400円で買ったリール5千円かけて直しても、それで自分の気持ちがスッキリすればいいじゃないかという気がする。
 気がするんだけど、そこまでする必要性ってあんのかよ?って気もやっぱりするから、1台もらってもらったダイキリさんにもう一台、スペアスプールと部品の確保用に進呈するのがスッキリするし、リールも生きるのかなと思わなくもない。そもそもタックル5はも一つ下の大きさのNo.1が調整済み使用可能な状態でぶっちゃけNo.2はなくても良いッちゃ良い。
 でも、往生際悪くもうちょっと悩んでみたい。タックル5、評価は高くないけど単純な中に初期大森のしっかりとした作りが味わえる隠れた名作だけに簡単には割り切れない。

 2台続けてぶっ壊して、改めてPENNの部品供給体制のありがたさを感じたところである。40年から昔のリールの部品が、その後モデルチェンジ何度かした最後の黒金のZとも共通だったからというのはあるにしても、それも含めていまだに部品が手に入るという、永く使う釣り人の味方でありつづける姿勢。他には丸ABUが近いかもしれないけど、いずれにせよ大量消費文明の現代において希有な存在ではないだろうか。
 オレは一生PENNに愛を捧げることをここに誓う。でも大森ダイヤモンドに浮気はする。
 寛一お宮の昔から、浮気の原因は”ダイヤモンドに目がくらむ”と相場が決まってまさぁね。

8 件のコメント:

  1. お久しぶりです。横浜のハマサです。
    あの時代のリールが、完全に使えるって
    素晴らしいですね
    私は、国内販売がない機種がいつも
    気になっています。

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    1.  まったくです。素晴らしいです。

       日本製のリールで国内販売あっても輸出仕様の方が簡素で実用的だったりして、どんだけ日本市場ってゴテゴテといらん機能がないと売れないのかって感じます。
       遊びの道具だから、買う人間が良ければどうでも良いって言えば良いんだけど、そんなモンがなくても釣りぐらいできるってのはしつこく書いておきたいです。

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  2. 720/722が相場下がってる理由、ワンタッチスプールがない、716/714より少し重いから渓流や管釣りやる人に不評なのが原因かと思います。

    左投げ右巻きじゃなかったら私もミッチェル止めて小型700系で揃えてますし

    それから最近ナマズ釣りに集中していてニゴイにもちょっかい出そうとしていますがナマジさんのスキル、非常に役立ってて助かります。


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    1.  確かにマス釣るのに5フート台の竿に付けるには大きいですよね。
       シーバスやらバスに使うにはちょうど良い大きさだと思いますが、バス釣りで古い道具好きなら両軸つかうだろうし、シーバスはなぜか古い道具って使う人少ない印象ですよね。
       最新の高性能な道具を使えばシーバス釣れるってんなら苦労しないですけど。

       お役に立てているのなら幸いです。

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  3. こんばんは。
    720……最高にイカしたデザインのリールですね。

    確かにこれに合わせられる竿はそうそうなさそうで。
    パッと思い浮かぶ実用的な青いイメージの竿だとちょっと色が濃すぎですがダイコーのプレミアブロスとかテンリュウのスパイクくらいでしょうか?
    最近はPFJが現行でABU Classicsなんて青い竿を出してますがベイトしか無いみたいですし……

    自分も722Zを所有してるんで、ダイヤモンドからPENNに浮気したくなりました。

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    1.  プレミヤブロスは振り出しの9フィートが我が家にも2本あるので候補ですね。
       まあ、最終的には使ってる竿のラッピングスレッドと飾り巻きを空色にまき直してしまうとかでも良いかなと思ってますが、しばらく茶色が現役のうちはたまに眺めてクルクルしておくかなという感じです。

       720/722はPENNにあるまじき小洒落たリールですよね。たまに使ってやっください。

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  4. ナマジさん、「マイクロ7-C2」 某オークションに出てるではないですか?(笑)

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    1. もちろん現在最高額で入札中です。
      今んところ入札私一人だけでこのままいけば良いんですけど。

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(2019.7)


○2019年10月12日土曜日のブログ再掲

神秘的なリール部品


 PENNスピンフィッシャーの4200と4300の大きさがだいぶ集まった。
 上段左から714Z、430ss、4300ss。
 下段左から716Z、420ss、4200ssで、右端の中段?が今主軸機で使っている430ssg。
 こいつらは、糸巻き量的には420ssで4LB150ヤード、430ssで4LB300ヤードというカタログ数値でいわゆるウルトラライトからライトタックルでのルアーの釣りに好適な大きさで、特に4300ssの大きさは汎用性が高くて渓流からバスからシーバスとかの軽めの海の釣りもこなす万能選手で4機種とも愛着もある名機達だ。
 4200の大きさは4200ssがややスプール径小さすぎる気がしてあまり好みじゃなかったんだけど「フェンウィックGFS55Jのリングシートに似合うPENNがどうしても欲しい〜」と駄々をこねて716Zは購入。この時も4200ssほどスプール径が小さくなくて使いやすそうで、インスプールのモデルだからかな?ぐらいに思ってたけど、この度ボディーが金属鋳造製の公式第3世代(ミスティックリールパーツさんの整理では第2世代)の420ssを入手(JOSさん感謝!)して使ってみると、4200ssで感じたほどのスプール径の小ささはなく、とても使いやすく実際に好釣である。



 若干ドラグの効きが小型青物釣るには滑り出しが引っかかる感じがあったのでドラグパッドを純正のテフロン乾式からカーボン湿式に換装してドラグも今時のリールと比べても負けやしないゼなものになっている。カーボンのパッドは4400ss用のを耳切るとちょうど良い大きさになる。
 
 という感じで使ってみて感じるのが、後継機のハズの4200ssと420ssがなんかやけに使用感が違うなというところ。
 420ssは430ssと似たような使用感だし、端的に言えば430ssのスプール部分を小っちゃくしただけの設計に見受けられる。
 事実420ssと430ssのハンドル軸のギアは品番「8−420」で共通である。使用感似てて当然。さすれば430ss愛用していたので使いやすく感じたのもまた当然。
 ところが、4200ssになると、設計ががらりと変わってくる。以前どこかで書いたけど、どうも4桁スピンフィシャーになって最初にギア方式を伝統のウォームギア(中型以上ではハイポイドギア)から変更して大森的なハイポイドフェースギアを採用したのは、この4200ssだったようである。
 他のモデルは4桁になっても最初はハイポイドギアでその後ハイポイドフェースギア化というのが多く、同じ4桁スピンフィッシャーでも製造時期でギア方式が違ったりする。最後までウォームギアだったのが4300ssで、4桁化の時に設計し直してメインギアが小さくなり左右両用になっているけど、その設計は430ssgに引き継がれている。
 話を4200ssに戻すと、716Zから420ssになった際にはアウトスプール化しつつもギア方式とかはほぼ一緒、サイレントドック採用でカリカリ鳴らなくしたぐらいか?


 ところが、420ssから4200ssはギア方式から変更したので、当たり前だけど内部設計も全く違っている。
 写真の左が716Zで真ん中の420ssとギア方式やらクランクの形式が同じというのが良く分かると思う。
 対して右の4200ssについては、ギアがハイポイドフェースギアになり、スプールの上下はハンドル軸の歯車を介して上下させるカム方式で、逆転防止機構はローター軸のギアの直上、本体内部に設けられている。
 ちなみにサイレント化はハンドル軸のギアに噛ませたワイヤーの部品が逆転防止の爪を正回転時押し上げる方式。
 という感じで、内部設計をあらためてしげしげと眺めてみると”4200ssはPENNが作った小型ダイヤモンドみたいなスピニング”だと思えてくる。
 ハイポイドフェースギアでローター軸のギアの上に逆転防止を持ってくるってあたりが大森っぽいと思ってしまうのは単なる思い込みだろうか?単に当時の流行か?
 シェイクスピアSIGUMAシリーズとかで、小型で単純、軽量なスピニングを米国で売りまくってた大森を見て、PENN社としても「うちも小型機はああいう軽量軽快なのを目指そうか?」と思っても不思議じゃないように思う。
 4200ssはあきらかに軽く作ることを目標とされて作られている。ライン巻いてグリス込みの湿重量だけど、716Zが255グラム、420ssが253グラムと金属本体なのもあって小型機としてはやや重めなのに対して、4200ssはグラファイトボディー化の効果も遺憾なく発揮して198グラムと大幅に軽量化されている。
 まあそうはいっても、今試しにタックルオートSS測ったら187グラムと本体金属なのに素晴らしく軽くて、軽く小さくは大森にはかなわないなと思うものの、PENNスピンフィッシャーの海でも余裕を持って使える丈夫さを考えると、その分多少重くなってるのはPENNらしい個性だとも思えてきて、まあいいやんケと思えてくる。

 軽量小型化のためだと思うけど、スプールの大きさ自体も写真のように変えている。径も違うし高さも違う。左が4200ss。
 それらも合わさって、全体的に小さくまとまった可愛いリールになっている。
 4200ssはあんまり使いどころのないミソッカス扱いしてたけど、なかなかにこれも味わい深い1台である。見直した。

 ただ使うとなると、やっぱり420ssのほうが手に馴染みがあるしどうにも格好いいリールなので420ssを新天地での小物釣りには使うことにした。
 3桁と4桁スピンフィッシャーの間には部品互換性がけっこうあって、スプールが共有できるってのが実用性高いんだけど、420ssをいただいて、4200ssのスプールを替えスプールにできるなと思って填めようとして、上手くカチッと止まってくれないので、互換性ないんだなとちょっと残念に思った。どちらの機種もすでに替えスプールの在庫はミスティックさんところにもないのでちょっと困った。
 ただ、互換性ないわりにはスムーズにハマってくれて、寸法的には入らなくもない感じなんである。


 ちょっと頭に引っかかったので、なんとかならんやろか?とあれこれいじりつつ調べてみたところ、どうもこれハマらないのはスプールの径やら高さの問題じゃないようだ。4桁スピンフィッシャーの小型機種のワンタッチッスプールを止める爪の方式には大きく分けて一般的な金属タイプと、終盤にでた樹脂製タイプがあって、金属タイプなら3桁とも互換性あるけど、金属タイプに適合したスプールは樹脂製の爪では止まらず逆もまた止まらないようなのである。写真の白い樹脂の部品が新型の爪。

 420ssにハマる新型の爪が装着できる主軸か、逆パターンで4200ssにハマる金属爪の主軸が部品として手に入ればスプール使い回しできそうなんだけど、どちらの部品も在庫がないようである。後者は初期4200ssに採用されていたので間違いなく製造されていたはずだけど、前者は多分4300ssのが流用できるだろうというやや博打的な買い物になる。けど、どっちゃにせよ現時点で入手不能(後から気づいたけどこの方式だとスプール交換するのに軸毎交換が必要で釣り場で交換は非現実的)。
 どうにかならないかと、スプールの径的には4200ssを引き継いでいるはずの420ssgなら替えスプール含めパーツ在庫まだあるようなので、主軸とスプールが移植できないかとかも430系使って検討してみたけど、ワンタッチと普通のスプールじゃ座面の高さが違ってて合わない。

 万事休すか?爪の形状だけなのになンとかならんのかいな?と頭を捻っていたら、爪がハマるスプールの真ん中にハマってる部品”スプールスリーブ”っていうやつだけ手にはいらんかな?とミスティックさんの在庫を確認するもこれまた欠品。
 実はこの部品、716Z,714Z,4300ss,430ss,420ssには共通なのである。4200ssだけ小型化のためにスプールの高さも低くしたので若干短いのである。くそミソッカスめ。
 となると420ssの替えスプールが売りに出されるのを気長に待つしかないなということに落ち着きかけた。海外のネットオークションだと売りに出てるのあったけど、海外発送しませんとなっててアタイ悔しいの。
 ところが、何を考えたのか自分でも良く分からんけど、ちょっとぐらい長くても改造する方法あるンと違うか?とか思ったのか、420ssのスリーブに4200ssから持ってきたスプールを填めてみた。


 結果填まった。ちょっとボタンの部分が飛び出してるのは、そこにラインが巻いてしまうという嫌な不具合を誘発しそうで怖いけど、とりあえず使えなくもなさそうであり、高さ違うけどスプールの上下幅も問題なく許容範囲で、元々互換性は保って設計していた臭い。流石や。
 いずれにせよもしもの時の替えスプールぐらいの役目は果たしてくれそうである。
 420ssのスリーブも欠品だけど、同じスリーブを使ってる716Zの替えスプールが安く某ネットオークションに出ていたのでサクッと確保。とりあえず420ss替えスプール有りの体制が整ってバンザイである。

 まあ、あとはスプールとか主軸の欠品してたのがミスティックリールパーツさんで在庫復活するのを気長に待ちつつ、ネットオークションでスプール出てたら見逃すなってところだろう。
 在庫復活なんてあるのか?といぶかしむ筋もおられるかと思うけど、どっかの釣具屋が潰れて倉庫から在庫出てきたとか、復刻版発売にともなってとかだと思うけど、在庫復活することが実際にあったんですよハイ。

 714Z、716Zを運用して行くにあたり、壊れそうな部品はベールスプリングは在庫あったので確保してあるし、ベールワイヤーはベールアームの穴の位置を変えて返るときの衝撃を弱くして長持ちするように手を入れたし、あとはワンタッチを止める主軸の金属の爪が折れることがあるようなので(だから新型4桁のワンタッチの爪は交換可能な樹脂製なんだろう)主軸の予備だけ欲しいなと思ってたんだけど、ながらく欠品だったのがなぜか先日復活しているのを発見。
 ついでに他の部品も含めて確保。

 ワンタッチの爪折れ問題はPENN社の方でも把握していたようで、今回買った金属製の中でも2種類あるのが見て取れて、1種類は写真じゃクロっぽく写っちゃってるけど、馴染みのある銅製の爪のやつで、左のはどうもステンレス製の爪のようである。耐久性は大幅に増したんじゃないだろうか?
 それでも金属の爪は折れるということで、最終的な形は樹脂製の爪を交換しながら使うという方式になったんだろうと推測できる。
 スピンフィッシャーが、長く売っていく間に顧客からの修理の依頼やらを受けて情報集積して細かい改善を重ねた”たたき上げの実用機”であるってワシが書くのはこういうことですワ。不具合修正するより先にニューモデルが出るような促成栽培のポッと出の一発屋とは年期が違うんですワ。

 ちなみに他に買った部品にも主軸が見えてると思うけど、本当は5500ssの主軸が欲しかった。なぜなら5500ssの永年使ってる個体で消耗品以外で唯一壊れたのが主軸に填まってる真鍮の台座の部分で、ドラグ効いてライン出て行くときに力の掛かる部分であり、そこが金属疲労で割れるのが、ギアが摩耗するとかより早かった。ので、予備あれば欲しいなと思ったんだけど、やっぱり同じような壊れ方するのか、5500ssの主軸は欠品だった。
 購入できた4500ssや4400ssの主軸は逆にその大きさのリールで釣る魚ではドラグそれ程負荷かけないので壊れないということなのかもしれない。
 ミスティックさんちの在庫見てるだけでなかなか想像を広げて楽しめるのである。

 最近、実釣に忙しくて道具いじってる暇も道具ネタネチネチと書く余裕もなかったけど、今日は台風でこもってたので久しぶりにネチっこく書いてみました。
 楽しんでいただけたら嬉しいです。
 台風被害にあった方々にはお見舞い申し上げます。こちらはだいぶ降りましたが峠は越えた様子、これからの進路にあたってる方々は逃げるときはケツまくってためらいなく逃げてください。





○2019年新天地紀伊半島での活躍ぶり


(2020.1)





○2021年1月30日土曜日ブログより

スピンフィッシャー714zはワシの終着点かもしれん

 「ああ!また熱がァ〜ッ!!」 

 魚が釣れないと症状が悪化することで知られている”スピニング熱”、この冬の苦戦の状況でぶり返さないわけがなく、もうこれは仕方ない。あぁ仕方ない。

 というわけで買っちゃいました「PENNスピンフィッシャー714z」は落札価格7250円+660円送料、「マイクロセブンCS」は落札価格3000円+510円送料。

 しかし、刑事訴訟法第203条に基づき弁解の機会を与えていただきたいッ!

 「714z」はしゃーないんです。この大きさのは「430ssg」を主軸にする心づもりっていうか実際10年以上そうしてきたんだけど、うっかりインスプールのリールに手を出してしまったら、714zをたまに使うのも楽しいかな、ぐらいのつもりがすっかり気に入ってしまってシーバス釣りでは押しも押されぬ主軸機、さすがに1台運用では心もとなく、当初予備機のつもりで買ってあった緑の「714」を部品取りとかに使うのはもったいないので、714zもう1台欲しいなと以前から考えてたところで、何度か入札するも競り負けてたんだけどやっと予算内の妥当な値段で確保したんです。衝動的にとかじゃなくて計画どおりなんです本当なんですよ、刑事さん。

 というわけで2台目(写真左)なんだけど、714zは弟機の716zと比べても人気薄で、ましてやカージナル33、ミッチェル408、大森コメットあたりとは比較にならない地味な存在だけど、はっきりいってこいつはデキる子です。なにが売りかって聞かれると、丈夫で整備性が良いっていう、なんだかボンヤリした感じのことしかいえないんだけど、実際使ってみるとこれが、まったくもって面倒臭いことが全然なくて楽で快適このうえないので惚れずにいられない。

 基本PENNなのでパーツからしてステンレスやらアルミやら真鍮やら錆びに強い材質が多く使われていて、海水で使っててほったらかしでもそもそも錆びたりする箇所が少ない。普段はラインローラーに注油さえしていれば他に錆びるところはなさそうだし、よしんば水没させて浸水しても、サイドカバーがネジ一つでパカッと開けられるので浸水してたらそこから水道水注いで”水洗い”で当面は大丈夫なぐらいだし、心配なら全バラししてパーツクリーナーで洗って改めてグリス塗って注油しても、なにせ単純な作りなのでたいした手間ではない。昨年使ったのを年末に全バラしようかと思ったけど、浸水させていないし調子も良いのでラインローラーとハンドル根元、スプール外して主軸に注油という普段の注油だけで放置することにした。けど、まず間違いなく今年もシーバスの時期が来て引っ張り出せば問題なく使えると思っている。浸水させると唯一錆びそうなのが主軸にハマっているボールベアリングだけど、これは外径16mm、内径8mm、幅5mmの規格品でいいので簡単に入手できるし数百円なので消耗品扱いで良いと考えている。

 という感じで手入れが楽なんだけど、実際の釣り場での使用もこれがまた”楽”なんである。これまで書いてきたことの繰り返しになるけど、ラインが後ろ巻きにならないようにとかラインローラーを水平にとか場合によっては微調整は必要だけど、使ってて糸ヨレが酷いとか巻き癖が付いてドバッと出るとかのライントラブルがほとんどなくて、巻き癖が少ないのはスプールの径が大きめなのも効をそうしているんだろうけど、径が大きいスプールはラインの放出性も良い感じで、スプール上下は単純なクランク方式なんだけどむしろクランク方式ゆえにスプールの上下幅が狭めなのが右手人差し指でラインの放出を調整するときやりやすくて、”スプール直径大きめ幅狭め”っていうのは小型スピニングでは正解の一つじゃないかと感じている。幅が広くなれば、ライン放出に伴いスプールに巻かれたラインの直径が細くなっていってスプールエッジにアタる角度がきつくなるのを防げるので飛距離が稼げるぐらいの利点はあるのかもだけど、その分スプール上下の機構が面倒臭くなって、かつ投げるときに右手の人差し指にあたるラインの角度が不安定になるので悪い面もあるのかなと思う。遠投投げ釣りなら利点が生きてくるかもだけどルア−の釣りではそこまで幅が広いことの利点は生きてこないから、逆に幅が狭くてライン放出の調整がキマって正確に投げられる利点の方が大きい気がする。このへんの直径と幅の違いについては、714zとほぼ同じギアと本体でスプールの径が小さい716zと同じ太さのラインで比べてみればハッキリするかもしれないけれど、とりあえず716zは使う予定が無いのでどなたか比較したことあれば感想教えて欲しいところ。ちなみに似たような関係の430ssと420ssではあんまり差を感じるほどじゃなかった。けど、これはそもそも使ったラインが420ssに適合するような細めの5ポンドだったので差が出なかったのかなとも思える。8ポンド2号ナイロンを714zでは使っているけど、2号ナイロンは716zにはちと巻く気がせん。さすがに巻き癖ついて不具合出るんじゃなかろうか?まあそういう感じで適正なラインの太さってのは各機種想定されるんだろうけど、714zは716zという最軽量機と似たような軽快さでもって2号ナイロンでスズキ狙っても大丈夫っていう本体シールの「ウルトラスポ−ツ」って標語どおりの機種なんだと感じている。逆に714zに細糸4ポンド1号ナイロンは問題なく使用可能なはず。

 でもって投げたら巻くんだけど、これは滑らかな巻き心地には定評のあるウォームギア方式なので、チョイ重めだけどカリカリ鳴る逆転防止の感触とも相まってワシャ好みである。巻きの重さとかって好みの問題が大きいんだろうけど、実際問題として軽すぎると”巻き感度”が悪いっていう話も聞くし、実際そこそこ高級機種の国産スピニングのスッカスカの巻き心地は使ってみて好みとしても嫌いだし、慣れもあるのかもだけどルア−が水噛んでる感触も分からん感じで使う気にはならんかったよねって話。基本魚が食った”アタリ”をとらえたければ竿先なりラインなり見たほうが早いと思ってるので、ルア−の尻にスナップつけて引いてても気付かず、魚が首振り始めるまで根掛かりと区別がつかない(つかないほうが早アワセがなくて良いと思ってそういう竿にしている)程度の感度を気にしない人間の書いてることだと思って読んではもらいたい。あてにならんがな。

 という感じで、特にこの点が優れてますって宣伝しろって言われると最初書いたように丈夫で整備性が・・・とかぐらいしか書くことないんだけど、もうちょっと頑張って書いてみてもPENNなのでドラグがまともなのがついてるとかも含めて、”まともに使えて長く使えて面倒臭いことが少ない”っていう宣伝文句としては破壊力に欠ける説明になってしまうのである。

 でも、使って良さが分かってくれば、このリールはこれはこれで一つの完成形だなと納得する。今回落札した個体の出品者さんも714z大好きだそうで、まあ同じような病気で同じような症状だなと思うんだけど、一生掛かっても使い切れないぐらい所持しているので整理するために売りに出しますとのことだった。流石に愛用者の放出品だけあって”当たり”の個体で、本体蓋が樹脂性でハンドル根元に注油の穴が開いている”中盤”時代のモノだけど、調整済みなのか元からなのかラインローラーはほぼ水平、ラインのスプールへの巻き上がりはやや前巻き、ベールの返りもガチャンと鳴らない強すぎない程度で適正で、そこそこ使い込まれていて小傷とかはあるけど、調整無しでそのまま使える良い塩梅の個体。値段は7千円台というのは相場だなと思うけどお値段以上のお値打ち個体かも。浸水跡とかあるようなら全バラして洗浄注油だなとパカッと本体蓋開けてみると、浸水跡はなく、多分出荷時に塗られたとおぼしき”芋グリス(干し芋みたいな色のやっすい茶色のグリスをそう言うらしい)”が残ってて、”PENNは基本ほったらかしで大丈夫”を証明するような状態だったので”ソッ閉じ”しておいた。スピニングリールなんて単純に作っておけば10年単位で外回りの注油だけで使えるってことよ。出品者さんあと何台かは出してくると思うのでインスプール初心者の方にはこの機会に「714z」を狙ってみることをお薦めしておきたい。714zはベール返しの部品を”熊の手”で曲げるのを防止するために両側から挟み込むように保護してあり熊の手対策は万全。左手でベールを返すのではなく、ハンドル巻いてベールを返す癖を付けるのには最適かと。かつ値段も綺麗な個体で大1枚前後、実用級なら相場はさっき書いたように7千円台と手頃なお値段。PENNの小型機、716z、420ssあたりは最近良いお値段するようになってきたけど、しょせんPENN使いは少数派なのでワシがどれだけネットの隅で頼まれてもいない宣伝書いてもたいして値段上がんないので、希少価値より実用性のリールであり続けるとおもっちょります。インスプールのスピニングなんて骨董的希少価値だけで実用性はないだろうと思ってたけど、使ってみると充分実用的で、そこらでシーバス釣るぐらいなら、部品数少なくて単純で面倒も少ないインスプールっていうのはありだなと実感しております。


 でもって、オマエなにまた大森買ってるねん?

 スイマセンつい出来心で入札したら開始価格で落札できてしまったんです。悪気はなかったんです堪忍しておくんなまし。 

 過去ワシャ、小型スピニングを性能で選ぶなら本体樹脂性の4300ss、キャリアーNo.1、ウィスカーSSトーナメント600の3機種を選ぶと書いた。でも大森から樹脂性スピニング1台入れるならむしろ人気のキャリアーじゃなくてマイクロセブンCシリーズだろうと昨年使ってみて思った。キャリアーが悪いってわけじゃなくてキャリアーは単純構造で軽量に振ってて、マイクロセブンCは樹脂性の軽量さを活かしつつも金属の補強を入れたりしてある程度丈夫に耐久性も良く作ってあって、ワシの好みなら後者だろうという話。この辺は好みであってキャリアーの軽さにこそ価値を見いだす人がいても当然だと思う。ただ、ネットオークションで値段が付くからありがたがってるだけってのならケッて唾吐きかけときたいってだけのはなし。まあ最近大森全般値段落ちてきたけどな。欲しかったけど落札相場価格見て諦めてた人はそろそろ買い時でっせと、”大森アナリスト”としてこれまたお薦めしておきたい。コメットとかでも1万5千円ぐらいまで落ちてきました。まあ多くの場合モノの価値が分かる人間が買ってたわけじゃない泡相場だったんだろうなとおもっちょります。コメットの落札価格が下がったところでコメットの価値自体が下がったわけでは全くないんだろうと思う。そんなもんてんで関係ないさね。

 この1台でマイクロセブンCシリーズ7台目。主軸で使うつもりもないし、丈夫に作ってあるからシール剥げるぐらいはあっても滅多に壊れもしないだろうから絶対一生掛かっても使いつぶせないけど、こんなに持っててどうするねんって自分でも思う。でも買っちゃうの。アタイ病気が憎いっ!いっそワシがカリスマとか天才的詐欺師とかなら当ブログを読んでマイクロセブンCが欲しいって人が増えて、1台何万円もするようになって売り払ってワシの老後の資金が潤うのにと口惜しい。

 マイクロセブンCシリーズ、分かる人には分かる名機ということで、たまに使って自分で楽しんでおこう。でもまた安く売りに出されていたら、なんか不憫で入札してしまうんだろうな。病気だから仕方ない。

 

 魚が釣れない、去年とは状況が違う、海水温が高い、雨が多い少ない、いろいろ言い訳はあるけど、まあそういうのも含めて対応して”来た魚を釣れ”っていうことに尽きるんだろうとは思う。思うけどそれがデキれば”突き抜けてる”ッテ話で苦労せんぞってくらいで難しいヤね。

 コロナ禍緊急事態宣言のおり、釣りも遠征の釣りとか全くできなかったりなんだりもあって苦戦中の同志も多いと思うけど、時化るときもアリャ凪ぐときもある。ってことで釣れない時を耐え、釣れる時合いが回ってきたらここぞとばかりに釣ってしまえるように、道具をいじるのも良いけど、なるべく釣り場で悪戦苦闘しておきましょう。

2 件のコメント:

  1. 720zが主役張るって思ってましたが
    714がインスプールの主役になってますか

    700系に手を伸ばしてるのを見ててそのままどっぷり逝くのは予想してましたw
    やっぱりワンタッチスプールシステムですか?

    返信削除
  2. ドップリは予想どおりでしたね。

    ワンタッチはあんまり気にしてなくて、ドラグ調整は現場で竿の曲がりであわせてます。ドラグの使い方憶えたのがワンタッチが無い5500ssからなので昔は現場で秤であわせてましたが、慣れると締めるときの感触で合うようになってきたので最近は秤は使ってません。PENNはドラグの調整幅狭めなのでそこに入れておけば概ね大丈夫なところがあって、使いもしないドラグ値のあたりに細かく調整できたところで意味ねえじゃんと思ってます。

    720zは8f使う春使ってますが、メインが714zなのは7fの短竿との相性がいいのと、当たり前ですがギアとか一緒の430ssと感触が似てて手に馴染むってとこですかね。720zのほうが本体やや大きめです。あと720zのロケットベールのベールワイヤーはやや華奢で曲がるとベールの返りが悪くなったりPENNにしてはやや繊細です。714zは比べると丈夫ってのもあるのかな。どちらも好きですけど720zは使うのを楽しんでて、714zは実用的な道具として見てると言えるかも?

    なんでだろう?と考えてみましたがたいした理由はなくて正直よくわかんないですね。

    返信削除

(2021.2)



○2022年3月26日土曜日ブログ再掲

PENNスピンフィッシャー”714z”解体新書

 

 714zは優等生である。ってのは以前にも書いたけどまた書いておく。釣り場でも手入れにも面倒くせぇところが何もなく、長く使っていくのに全く不愉快な思いをしなくて済むし、不具合も限られている。不具合で憶えているのは、ベールスプリングが折れたのと、スズキとのやりとり中にドラグの”音出し”が外れて巻けなくなった事ぐらいで、前者は現在のコイルバネ式以外では避けようがないし、折れてもローターを手で回しながらベールを起こして釣りは最後までデキるといえばできる。後者も、魚が掛かったままの状態でワンタッチのスプールを外して外れてローター内で引っかかってる金属製の”音だし”を抜いてやってやりとり再開。最終的に魚は手にしている。

 分解しての整備、注油なしで、普段は釣り場から帰ったら蛇口から水道水ジャバジャバ掛けて塩気を落として、ボロ布で拭いて乾燥後、ラインローラーとハンドルノブ根元にオイルを注して、たまにスプール外して主軸にもオイル注しておくっていう手入れだけで、昨年の秋で2年は蓋開けず、ほったらかしに近い手入れ状況だったけど、機関に不調など生じず。いつも調子よく回ってくれている。

 っていうぐらいに、塩気のある釣り場で使っても手入れが楽。以前書いたように投げて巻いて魚釣る場面でも、ライントラブルは少ないし、巻きはウォームギアでちょい重めだけど滑らかで快適だし、ドラグはPENNなので当たり前に優秀。米本国では古リール好きの多くが、小型インスプールスピニングなら”ゼブコ”のカーディナルやら”ガルシア”のミッチェル、シェイクスピア(大森SS含む)、D.A.Mクイック、なんかを抑えて、一番のお気に入りにPENNのインスプール710系を推すだろうと思う。特にあちらの人は緑の通称”グリーニー”と呼ばれる時代のが大好きなようだ(へっへっへウチにも714と712の2台あるですよ、いいでしょ)。

 正直、魚釣る目的のためだけなら、714zだけ使っておけば良いっていうか、430ssgや4300ssでも430ssでも、あるいは適切な大森でも、今まで使ってきたスピニングだけで全く事足りる、というのはイヤッちゅうほど分かっちゃいる。分かっちゃいても”そういう病気(スピニング熱)”なので仕方ない。いろんなリールを使って楽しんでみたいのである。ということで、今年のシーバスは春は”丸ミッチェル”314とPENN720z、秋はシェイクスピア2062系ダムクイック220を使う予定でいる。っていうかミッチェル314が早速ジャジャ馬っぷりを発揮してくれていて、釣り自体はやること単純明快で単調になりがちなシーバス狙いを楽しくするリールとなってくれている。

 となると、714zはしばらくお休みで蔵で眠ってもらうことになる。使っているとベアリングなんかも塩噛んでたとしても意外に錆びないモノで平気なんだけど、長期保管になって動かさないと、潮かぶってた表面とかも腐蝕しかねないし、ネジ周りとかも塩が浸みてると固着しかねない。ということで1回塩抜き兼ねて、全バラししてパーツクリーナーで古い油脂類と汚れを落として、ガッチリ大盛り”グリスシーリング”に仕上げて保管しておこうということになった。バラすついでに、ワシ的にはインスプールスピニング最高の傑作機だと思う「714z」の機構やら構造やら、ネッチョリと書いてみようかなと思っちょります。まあ単純な構造で蓋はネジ一つで開けられる整備性の良さ。部品数も写真見て分かるように少なく、全バラしてもたいした手間ではなかったりする。
 スプールは、安全策ならラインも抜いておいたほうが腐蝕が避けられて良いけど、除湿剤入れた衣装ケースで保管なのでそこまで気にしなくて良いかとティッシュで拭きまくってグリスを適宜塗っておくにとどめた。

 スプールはワンタッチ式で、ドラグ1枚式だけどスプール上面の直径いっぱい使ったもので、純正のドラグパッドはテフロン製で、海で使うには耐久性に不安があるので4400ss用のカーボンシート(HT-100)のドラグパットに換装してある。純正のテフロン乾式もあんまり走らない魚相手なら充分以上の性能と使いやすさだとは思う。714zは小さいリールでもデカイ魚が狙える”スーパースポーツ”な機種なので、ワシゃドラグは換えた。性能はPENN社の長年の、トローリングっていうドラグを一番使う(締めッパじゃなくて適宜滑らせて使うという意味で)釣りで培って実績を積んできたドラグパッドの素材なので、調整幅とか細かいところはともかく、安定性や耐久性といった基本性能では国産機種にも負ける気は全くしない。っていうか負ける理由がないと思っている。

 スプールが乗っている金属製スリーブの台座の上にはテフロンのワッシャーが噛ましてあったんだけど、巻き形状が後ろ巻きだったのの修正のために、厚さを純正の1mmぐらいのから0.3mmのに変更している。後ろ巻きの修正の方法としては、他に720でやったようにベールアームの形状をいじるか、ベアリングとローターの間に適当なワッシャーを填めてローターを嵩上げするするなどの方法もあるけど、スプール台座のワッシャー変更で済めば一番楽。

 ドラグの調整幅を出すスプリングは一目見てミッチェルの影響が見て取れる。まあミッチェルは量産スピニングの元祖的存在なので、色んなところに影響を与えているということで大目に見てあげて欲しい。でもPENNらしいのはドラグパッドが直径デカいのでドラグパッド押さえる金属ワッシャーもデカいところ。頼もしいぜ。

 真ん中の写真のスプール裏、金属の板を曲げたものが一回外れた”音だし”部分で、止めているネジのところを緩まないようにネジの緩み止め剤「ロックタイト」で外れないように処置済み。ドラグ音はチリリリリ〜ッという金属らしいかん高い音でなかなか良い。

 スプールでPENNらしいのが、中心の穴がスプールのアルミ剥き出しじゃなくて、真鍮製っぽいスリーブが填まっているころ。ワンタッチの差し込む方のスリーブはステンレスだと思うので、アルミ直受けだと柔いアルミの方が削れるからだろう。4桁スピンフィッシャーの大型機種とかになるとカーボンかジュラコンか樹脂系のスリーブが入ってて、アルミが削れないように耐久性を持たせるという設計が丈夫なPENNっぽいし、ドラグを安定して作動させるには、ドラグパッドが”摩擦力でお仕事”するのをジャマしない範囲で滑らかで小さい力で滑れば良いってのが良く分かってる感じがして好ましい。ドラグにボールベアリング?まあドラグパッドのお仕事のジャマはしないだろうから、よりドラグパッドの性能だけで仕事できるのかもだけど、どう考えても、締め付けたドラグパッドに掛かる摩擦力に比べてスリーブだけの滑らかさでも無視できる程度には充分小さくて、それをボールベアリングにしたところで違いが出るほどか?って思う。誰か実験してくれやんものか?極端な話7500ssとかでドラグ6キロとかに締めたら、スリーブだけでドラグノブ全く締めずに回したときの負荷がその6キロに対してどれだけの割合かってのを考えればイメージしやすいか?ドラグノブ外して刺してあるだけのスプールを回すのに必要な力は数グラムとかじゃないの?そうなるとトドのつまりは千分の1単位の世界のどうでも良いような微差のためにボールベアリングが2個も入ってるってことになる。実際にはドラグ作動時には力掛かってある程度の速度で回るから数グラムって事はないかもだけど、それでもドラグ締めてもスリーブが締まるわけじゃないからたいして抵抗増えないだろう。アホかと感覚的に思うよねって話。

 本体に移って、蓋を止めてるネジを外してパカッと開ける。左巻き専用機なので、蓋は本当に蓋としてだけ用をなせば良いので、途中から金属製から樹脂製に素材が変更されている。

 グリスグッチャリでもとは青グリスなんだけど、真鍮の銅から緑青が出ているのか緑っぽい茶色に変色している。

 スプール上下はハンドル1回転で1回上下の単純なクランク方式、逆転防止のストッパーはハンドル軸のギアに掛けるっていう単純明快な設計だけど、随所にPENNらしい耐久性にこだわった真面目なところが見て取れる。

 スプール上下のクランクがハンドル軸のギアに乗ってるところには、スリーブが入っているし、ハンドル軸のギア自体は真鍮のギアにステンレスの芯で、芯を受ける本体にも真鍮のスリーブが填められている。芯の真ん中へんがちょっと細くなってて、油溜まりなのか設計上の理由があるのか、ワシャ分からんけどなにかあるんやろな。

 まあ、部品がとにかく本体除くと真鍮とステンレス多用で、その分重いのかもしれんけど、海で使うにゃ心強い。グリスグッチャリにしておけば、およそ腐蝕する気がしない。

 ステンレス製の主軸も抜いて、ローターを抜く。ローターは716zの解説でTAKE先生のお褒めにあずかっていたように、ベールアーム・ベール反転バネとベール返しの引き金レバーを反対側に配置して錘無しで回転バランスとってます。

 そして、ベール返しの引き金レバーは横方向の板を折り曲げているのが一般的だけど、714zでは写真の様に縦になってて、ついでに両側から本体の出っ張りで保護されていて”熊の手”でベールを起こそうとしても無理な構造になっている。まあベールワイヤーへし曲げたクマはいたかもしれんけどな。

 ミッチェルやカーディナルがベール返しの引き金レバーを折り曲げて上の方に持って来ているのは、下の方にあると余計な摩擦抵抗やらがかかるからなんだそうです。その点も縦方式だと引っかける位置が上の方に来るので上手な設計になっているんだろうなと思っちょります。

 でもって、ベールアーム周りは快適に長く使うためにチョコチョコと手を入れて使っております。

 まずはラインローラーが水平になるように、ベールアームを止める樹脂の突起に、写真(右上)では分かりづらいかもだけど、下駄履かせて高さ調整してあります。714zのラインローラーはラインが転がりにくいV字谷的な形状で多少水平じゃなくても大丈夫かもだけど念のため。

 あとベールアーム周りで意外に大事なのが、ベールワイヤーの形状をちゃんと整えることで、ローターにベール関係のパーツを組むときの順番は、ベールアーム、ベールワイヤー付きのベール返し(ベールアームの反対側)と止めて最後にラインローラーの填まったベールワイヤーの先端をベールアームに差し込んで、ナットを締める。っていうのがやりやすい手順なんだけど、ナットを締める前にベールワイヤー先端が自然に無理なくベールアームの穴に填まるようになっていないと塩梅が悪い。ベールワイヤーが変形して開きすぎたりしていると、当然ベールの開閉に余分な摩擦力が生じてしまい上手く閉じなくなりかねない。
 ということで、ベールワイヤーが変形しにくいようにするには、収納時に折り畳めるようになっていたり、ベールワイヤーが太くなっていたりと、いろんな対策がとられるんだけど、PENNの場合は米国らしく”力こそパワー”な解決策をとっていて、バネを留める穴の位置がキツくなるように設定されていて、多少の不具合は無理矢理力技で閉じるようになっている。純正状態だとハンドル回してベールアーム閉じると”ガチャン”と思い切り力強く閉じる。多少のゆがみは何のそのという感じである。ただ、そのままだとバネ自体は5回巻きと標準的で特別丈夫に作られてるわけじゃないだろうからバネの寿命も短くなるし、恐ろしいことにベールワイヤーが折れるという噂も目にする。なので上から2番目の写真のようにドリルで穴を開け直して閉じる力を弱くしている。よく見ると穴開け失敗して内側穴ギリギリに開けてしまったのも含め4箇所穴があって、一番右が純正の穴で、真ん中上の成功した穴でもまだ強く感じたので、結局一番左の、ベールアームが止まるときにバネの先端が来る位置に開けた穴を使っている。この位置だとたまに閉じた反動でちょっと戻ってしっかり閉じた”止め”の位置に収まってないときもあるけど、ラインを巻き始めるとラインローラーが引っ張られることでベールアームは正しい位置に納まるので巻き形状が変にになったりの問題は生じていない。

 ラインローラーはどうもステンレスの無垢っぽい表面の感じで、ベールワイヤー側の部品もステンレスっぽいので、スリーブとか入ってなくても削れることはなさげ。ベールアームは真鍮か鋼系にメッキっぽいので長期的には削れるかもだけど、ナットの増し締めで間に合わなくなるまで削れるのは遠い先の話だろう。ただ、ステンレス無垢ってそこまで堅い素材じゃないようで、軸との接点ではなくてラインとの接点の方、V字谷の底の方にうっすらとラインが削った溝ができかけてる気がする。まあこれもすぐにどうこうなる話ではなく、スペアのラインローラーも確保済みなので問題ないんだけど、復刻版が出るなら硬質クロームメッキをかけるか、材質をセラミックやタングステンに変えてもらえればモアベターよ。

 でもって、ローターをすぽっと抜くと、アルミの輪っかがボールベアリングを押さえていて、ベール反転の”蹴飛ばし”はアルミの輪っかの下からステンレスの部品が突き出した設計となっている。普通「なぜアルミの一部を折り曲げて蹴飛ばしにしなかったのか?」と疑問に思うかもだけど、”PENN使い”ならむしろ疑問は「なぜアルミを使おうとしたのか?」というものになるだろう。実際に712ではベアリングを押さえてるのはアルミじゃなくて真鍮でその一部を曲げて”蹴飛ばし”にしている。真鍮でもステンレスでも今さら多少の重量増を気にするかよって話。でも”ウルトラスポーツ”って銘打った小型軽量機を目指すにあたって、どうにか耐久性を損なわず軽量化できないかと悩んだ末の結果なんだろうなとは思う。思うけど、でっかいドラグパッド押さえるステンレスの金属ワッシャーとか、ステンレスっぽいスプール上下のクランクとかのほうがアルミに置き換えやすいんじゃないの?って気はするんだけど、ドラグワッシャーとかアルミで曲がらないようにってPENN基準で考えると分厚くなってダメだったんだろうな。でもクランクのほうは大森とかもアルミで作ってるし、いけると思うんだけど、PENN社的にはダメだったんだろうか。まあらしいちゃらしいよね。蓋をプラの安っぽいのにするのは機能面になんら影響しないので良くても、曲がったワッシャーでは安定してドラグパッドを押さえられないからダメっていうのは、PENN社が真面目に実用機を作ってきた姿勢が現れているようにも思ったりして。
 アルミの輪っかを外すと、714z唯一のボールベアリングが填まったローター軸のギアが抜けてくる。ボールベアリング純正だったか、日本製のに交換してたか確認しようとしたら、シンガポール製だった。純正だろうか?中古なので以前の持ち主が交換している可能性はなくもないけど多分純正か。この個体は蓋が樹脂製、ハンドル根元の注油穴無しの多分後期の90年代製だろうけど、この頃はシンガポール製のボールベアリングを採用していたのかも。シンガポールは海路上の要衝だから工業国でもあるんだよな。でもシンガポール製品って分かる工業製品は始めて目にしたかも。そしてローター軸のギアはステンレス製で堅くて丈夫そうで格好いいのよね。このギア見てるだけで丼飯食えそう。一緒に回るハンドル軸のギアも真鍮製で丈夫なので、いかにも耐久性ありますよっていう感じで頼もしい。ステンレスのローター軸のギアのお尻を受けているのは、アルミ鋳造一体成形の本体構造で直受けにはしていなくて、ちゃんと真鍮のブッシュ入れて受けているのもPENNっぽくていい。回転する軸なりなんなりで素材が違う場合には間にワッシャー、ブッシュ、スリーブなんかを入れるっていうのがPENN社の基本姿勢なんだと思う。ボールベアリングなんてのは片軸受けになってるローター軸の場合は力の掛かる上の方に1個入れときゃ充分ってのが正解のような気がする。

 ちょっと脱線するけど、村田基先生のユーチューブチャンネルに視聴者から「”管釣り”でインスプールのカーディナル使ってたら、隣の人に「カリカリうるせぇ!」って怒られました。どうしたら良いんでしょう?」という質問が寄せられていて、村田先生も困っちゃってた、っていうのを記事にしている方が何人かおられて、スピ熱患者にはツボに填まるネタだったようである。まあ気になるとウルセェって言いたくなるのも分からんでもないけど、そういうのイヤなら混雑する管釣りなんぞで釣りしてなくて、人の来ないような魚少ない釣り場にでも行けよという気もする。

 っていう脱線をなぜしたかというと、714zはカリカリ鳴るストッパーをサイレント化する裏技が存在するので、どなたかPENN使いの先達(沖縄のお方だったか?)が紹介していたように記憶しているけど、人のネタで相撲取ってばかりでアレだけど、714zを管釣りに持っていきたいけど、隣の人に怒られるのが怖くてできないとお悩みの方もおられるかとおもうので、僭越ながらわたくしめからもご紹介しておきたい。

 714zと716zの違いは実はローターの大きさが違うことに伴う違いだけで、本体の中身とかは一緒で、おそらくローターの乗せ換えすら可能で、ギアも一緒で互換性がある。と同時に3桁時代のスピンフィッシャーの小型機430ssと420ssは設計的には714z、716zのアウトスプール版で、ギアとかは基本一緒なんである。ただ基本と書いたけど、微妙に変わってるのが逆転防止のサイレント化で、上の写真がギア取っ払ったあとの714zでストッパーはこんな感じに入ってるんだけど、下の写真、右が714zで左が420ssのギアとストッパーの”ドック”。420ssの方は昔の丸ABUのラチェットに掛けるタイプのサイレントドックと同様に薄い板でギア裏に設置されたラチェットを挟む形になっててサイレント化されている。なので、ギアとサイレントドックごと420ssあるいは430ssから移植すれば、714z、716zはサイレント化が可能なのである。ただ逆に714z、716Zのギアとドックを430ss、420ssに移植する”カリカリチューン”的なことはどうか?というと。サイレントドックはラチェットを挟み込むので外れることはないので、430ssと420ssの本体にはサイレントじゃないドックを固定するネジの穴が開いていない。ギアで上からある程度押さえが効く形で外れないかもしれないけど、こっちの移植は不安があると、以前ギアの互換性についてご質問いただいたことがあって、その時にもその旨書いた。その見解は変わらないんだけど、今回714zと420ssのハンドル軸のギアの違いを写真で示そうとして、オヤッと気がついたことがあって、分解した714zに入ってるハンドル軸のギアは、本来の714z、716z用の「8−716」ではなく、420ss、430ss用の、ラチェットを挟めるように、ラチェットをギアから浮かせるかたちでギアを削って隙間を作ってある「8−420」になっている。違い示せてないやんけ。ご質問いただいたときに比較のため分解したのは蓋が金属製の古めの716zなので、ラチェットとギアがくっついている「8−716」が入ってたんだけど、ある程度新しく、少なくとも430ss、420ssが発売された以降に作られたらしいと分かる今回の714zには、多分流用なんだろう「8−420」のギアが入ってたという話。714z、716Zはアウトスプール版の430ss、420ssが登場した時代はおろか、次の世代の4桁になっても売ってたぐらいのロングセラー機なので、部品の変更やら流用やらはいろいろあるのよね。ちなみに4桁時代の小型機の日本での扱いは「PENNリールジャパン」じゃなくて「コータック」で、コータックの1995年当時のカタログ見ると、4300ss、4200ssとともに、714z、716z、ついでに722zが掲載されている。もいっちょちなみにTAKE先生の著書「Let's Inner Spool!」では716zは「’78年製造開始、’95年生産終了」の大変な長寿モデルと紹介されているけど、”PENN使い”としてさらに細かく補足しておくと、色違いの”グリーニー”な716(と714)の製造開始は’66年とさらに10年以上古く、かつ’95年の生産終了のあと、2001年に714zとともに一度復刻されている(「MYSTIC REEL PARTS」さんの”年表”参照)。復刻版は正規輸入されなかったようだけど、どうもハンドルノブがお馴染みのT字型から後期の4300ssと同様の滑り止めの線が入った台形?のになってるのがそうらしい。

 ということでギア自体が420ssと同じなので、ワシのこの714zはサイレントドックだけ入手すれば、カリカリ鳴らなくデキるわけで「これは管釣りに行くときに必要だから入手しておかねば」とまた悪い病気が発症してしまい、セカイモンでイーベイに出物がないか調べたら、わりと普通に売りに出てる。物自体は即決で安く出てるけど手数料送料考えるとクソ高い。けど、なーにまた関税かからんように1万5千円目処でまとめて他のリールとかも買えば良いじゃんと、今考えると何がいいのか全く分からんけど思ってしまい、買うリールの候補とかも調べ始めて、ハタと「ひょっとしてサイレントドックぐらい我が家の蔵に在庫してないか?」と気がついて、エクセルで作った部品管理表を確認したらば、案の定ございました。そら430ssも420ssも所有してるんだからあって当然だわな。普通のドックはまず壊れない部品だけど、サイレントドックは薄い板の部分がたまに経年劣化とかで壊れるっちゃ壊れるので1個在庫しておりました。蔵をひっくり返してちゃんと実物も確認できて「これで、いつ管釣りに行くことになっても大丈夫」と胸をなで下ろし、セカイモンでお買いモンは今回回避することができた。冷静に考えればワシ今後の人生で管釣りにはまず行きそうにないのでサイレント化する必要など全くない。それでも一度欲しいと思ってしまえば制御が効かなくなって暴走するのが”スピニング熱”の怖いところか。


 てなかんじで、なんだかんだと撮影作業もしながらも、分解、パーツクリーナー吹きながら歯ブラシでゴシゴシ、ティッシュで拭き拭き、乾燥させてグリスグッチャリで仕上げていく。

 パーツクリーナーでペイントマーカーで書いてあった「名前」が薄れてほぼ消えるので、ついでに書き直しておく。この個体は売る気はさらさらないので名前は書いておかねばである。まだそれ程長いつきあいじゃないけどそれなりの頻度で使ってきたので、すでにワシの右手薬指がフットの塗装を剥がしている。置き傷とか不注意の不始末で生じた傷とかは恥ずべきだけど、こういうのはリールと手が馴染んできた証のようでなんとなく誇らしい。キズが付くのがよろしくないのは、見た目が悪くなるという以上に、塗装が剥げて表面処理された金属面が削れて、容易に腐蝕が進むようになるから、という実害面が大きく、指が削った塗装とかは、常に指で擦るので腐蝕してる暇がないので実害もあまり想定されないんじゃなかろうか。
 基本、穴という穴はグリスで浸水を塞ぐ方針で、全ての金属面がグリス(一部オイル)で濡れているのが必須。逆転防止切り換えレバーの根元とかは浸水箇所なので当然グッチャリ多めにグリスシーリング。蓋なんて樹脂製だから腐蝕しないけど、蓋の隙間は浸水箇所なのでやっぱりグリスシーリング。蓋裏にハンドル軸のギアの形がのこるぐらいまで、あちこちグッチャリ盛りまくってやると、組み上げて最初は巻きが重い。しかしある程度回してやって、グリスが落ち着くところに落ち着いて摩擦面とかには必要なだけ付着している状態になると、それなりに軽く回るようになってくる。全ての金属面というのは内部に限らず、外側もグリスチョイチョイと付けてからティッシュで拭き伸ばして、表面もぬらぬらにしておくと保管中に表面塗装が腐蝕したなんていうことはほぼ防げるはず。
 という感じで、グリス増し増しで”全バラフルメンテグリスシーリング”無事終了。

 714zには、これっていう特徴的な機能は搭載されていない。カーディナル33のような格好良く使い勝手の良いリアドラグも、ミッチェル308のプラナマティックのような独自機構もない。単純な設計のウォームギア機である。

 ただ、特に海水でシーバスとか狙うなら、その小柄な見た目と裏腹の、ある程度デカめの魚とやり合っても余裕の丈夫さと、潮かぶりながら釣りしても、水道水で洗って外から注油できるところだけ注油のほったらかしに近い手入れで何年も闘えるタフさ。実釣時のトラブルの少なさ。そのあたりはカタログ数値には出てこないし地味だけど実に実用的な美点で、使えば使うほど、コイツは使えるスピニングだということが身に染みてわかると思う。

 中古市場でのインスプールの需要って、マス用に偏ってて、714zよりは716zの方が人気あるぐらいだけど、シーバス釣りってリールに求められる性能・機能はそんなに厳しくなく、かつ今時のリールより耐腐食性っていうか浸水した時の整備等、トラブルへの対処のしやすさなんてのは古いリールの方が良かったりして、古い名機でシーバスやるっていうのは、楽しいだけでなく、わけの分からんぶっ壊れ方するようなリールで不愉快な思いをしなくていいし、実益が大きいと思っているので、興味がある人はとりあえず714z入手してナイロン2号巻いてハリス4号フロロぐらいでやってみてはどうかとお薦めしておきます。

 インスプールの扱いには最初戸惑うかもだけど、714zは手でベール起こせないように対策されてるし、すぐに慣れて使えるようになります。そうなれば「なんにも困らん!」っていうのが実感できるかなと思います。

 結論としては何度も書いているように、PENNスピンフィッシャー714zは、なんにも困らないで済む優等生なんです!ていうのをしつこく書いておきたかったのとともに、自分なりに思う整備の要点やら豆知識やら、バラバラとあちこちに書き散らしてたのを一回まとめておくか、と今回思いつくままに書いてみましたとさ。

4 件のコメント:

  1. 良さげですね、探してみます。

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    1. 自信を持って”良い”とお薦めします。相場は1万円弱ぐらい見た目ボロめなら7、8千円というところです。

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  2. インスプール対決だとミッチェルが冒険者でペンは安定志向なんですよね

    714より上のサイズで対決ってなるとペンは錆に強いですし

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    1. まさに、ミッチェルは道なき道を開拓した先駆者ですよね。
      ペンはそのへん保守的といえるぐらい古い設計ですが、それでもどうしようもなく独自性のある個性が生じているのが面白いところかなと。

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2023年7月8日土曜日

秋のための種蒔き なんちゃってツイストバスター改め”空気銃弾型ラインローラー”

 オレ秋になったら714zでシーバス釣るんだ。

 などと死亡フラグ臭い台詞から始まっております。今日のナマジのブログ。まああれだ、いろんなリールをとっかえひっかえしながら理解したのは、ワシ単純な設計の”アメリカン”なウォームギア機が好きで、使ってて気を使わなくていい面倒臭くささのなさも、外回り注油ていどで1,2シーズンは問題無く使えるタフさと整備性の良さも、ものぐさなワシには向いている。シーバス用クラスのスピニングリール、アウトスプールだと4桁PENNや大森も好きだし、インスプールでもジャジャ馬な丸ミッチェルとかも使う楽しさがあるけど、単純に使いやすさで選ぶインスプールスピニングなら、PENN「スピンフィッシャー714z」が一番で、次点がシェイクスピア「2062」系だと思っている。


 ということで、この秋のシーバス用のリールは久しぶりに「714z」を蔵から出してきて主軸に据えようと思っているんだけど、別件で今検証中の案件があって、鉄のラインローラーが錆び付いて崩壊したコンパック「カプリ供(大森製)のラインローラーとして、”ポリアセタール樹脂(商品名だと「ジュラコン」)”のスペーサーを加工して作った回転式のラインローラーが、果たしてどのぐらい耐久性があるのか、この春期のシーバスでN川専用機として実戦導入して試しているところ。梅雨開けたら春期終了予定で、既に終幕ちかくなってる現状の結果としては写真のような感じで、糸溝のようなのがつきかかってるのか、単に表面磨かれた程度なのか分からんぐらいの状態で、ほとんど削れたりしていない。しかしながら、これはN川専用の運用で実稼動時間が短いということもあって、耐久性試験としてはいかんせん時間が少ないように感じている。性能自体はちゃんと回ってて糸ヨレも少ない方で悪くないので、どのぐらいで糸溝できて交換した方が良くなるのか、あるいはそんなの気にしなくて良いぐらい耐摩耗性に優れていて長持ちするのか、手っ取り早く試験するなら秋に714zをシーバス用のメインのリールにして、そのラインローラーをジュラコンで拵えて、秋シーズン使い切ってどうなるか見てみるっていうのが良いかと考えたしだいでございます。

 カプリ兇捻人僂靴討た今のところの感触では、すぐに削れてしょっちゅう新しく作ったラインローラーに交換しなければならないようなことにはなりそうにない。1シーズン持つような耐久性があれば、糸溝削れてきてから新しいラインローラーを作って用意して充分間に合うだろう。っていうか714z自体、いつのまにか増えていて交代要員には困らないので、糸溝酷くなって使えなくなるまで使い倒しても、しばらく代打送っておけばよい充実した体制。714z一時値段上がってて普通に1万円越えてたんだけど、ちょっと落ち着いてきて7、8千円で買えるときがあって、つい様子見で入札しておいたら確保できてしまったりして気がついたら箱入り2台含む5台(グリーニーな714は除く)もござる。アタイ病気が憎いッ!

 という714zと、冒頭写真のもう1台は韓国日吉釣具「ゴールドスピン」で、ハンドルやらラインローラーやら欠損してたダルマ個体を使えるところまで修繕したんだけど、せっかくの日吉製リールのラインローラーに樹脂製スリーブが入れられなかったのは残念に思ってた。「じゃあいっそ、樹脂製ラインローラーにしてしまおう!」ってな感じで、他の部品取りリールから持ってきてた真鍮にクロームメッキのラインローラーをジュラコン製に換装してしまって、こちらはメッキとかチヌとか狙う主軸リールに据えて早速使ってみよう。ゴールドスピンはちょっと実力のほどを見てみたいのよね。

 でもって作業開始。714zはコレまで使ってきた固体は予備機に回して、確保してある中で海水で使われてて一番表面腐蝕等がある個体のラインローラーをジュラコン製に換装する。

 ジュラコンスペーサーという商品名でモノタロウとかで売ってる、チクワ状の部品をまずはラインローラーの軸に刺さるように穴を適宜拡張する。微妙にドンピシャの規格品がなくて、外径が7mm、穴の径が3.8mmとかのがあれば良いんだけど、外径については6mmのつぎが8mmとちょっと飛んでいて、8mmの外径を削って削って7mmに調整とかは技術的に難しいので、6mmで細い分には填まるので外径6mmでいく。穴の径がまた面倒でこちらはどのみち削らなければならないのでちょうど良い直径の穴に削れば良さそうなモノだけど、ドリルでは削れるけど、ヤスリがけが効きにくい材質なので我が家のドリルの直径にある太さで穴を拡張するしかなく、3.5mmでは小さくて填められず、4mmにしたらややガタつく感じになった。まあ仕方ないので一回これで作ってみて塩梅悪かったら何か手を考えることにして作業を進める。長さをキッチリ合わせて切ってサンドペーパーかけてとりあえず填めてみると、穴が大きいのはやっぱりややガタつくけど外径的にはラインが落ちるような要素もないしいけそうな感触。
 でもって、アートナイフで片側に落ちて落ち着くように傾斜面と垂直面を作るように削っていく。

 ある程度形を削って作っておいて、丸棒の芯に填めてハンドドリルで回してダイヤモンドヤスリをあてて表面凸凹を可能な範囲でならしておく。

 できあがりはコレまでも作ってきたような”なんちゃってツイストバスター”的な形状に仕上がる。この形状自体は古いリール例えば大森「DXマイクロセブン」とかでもラインが落ちて落ち着く谷が作ってあったりして一般的と言っていいしろものだと思うけど「ツイストバスター」の呼称自体は間違いなく登録商標だろうから、自分のリール用に作って遊ぶ分には問題無いだろうけど、中古のリールに組んで売ったりする時にはこの名前は使っちゃダメなのかもしれん。ということで、新たに名前考えました。今は空気銃って本物の狩猟用のしか残ってなくてオモチャの方は”電動ガン”になってBB弾はじいて飛ばしてるのかもだけど、昔のオモチャの銃には空気銃方式があって、その弾がちょうどこんな形でもうチョット頭の部分が長い感じで、樹脂製というのもあって良く似てるように思う。ので今後この形のラインローラーを当ブログでは”空気銃弾型ラインローラー”と呼称することにします。長いので略称をと考えたけど空気銃型ではへんだし、「エア・ガン・バレット・ラインローラー」のローマ字頭文字でAGBLとかだと、何のことかさっぱりわからんくなるので”空気銃弾型”ってことで皆様よろしく。

 でもって、填めてみる。それなりにキッチリ填まってラインが落ちたりする隙間はなく、回転もするようだけど、やっぱり”ラインローラーの穴が大きい問題”はガタつきが大きめでよろしくなさそう。

 ということで対策考えて、覚悟決めて3.5mmまでドリルで拡張した穴をダイヤモンドヤスリをハンドドリルで回転させて、動画でも見ながら気長に3.8mmぐらいまで拡張するっていうのも最終手段としてあるけど、まずは芯の方を太らせる方式で試してみるかと考える。もちろん回転する部分であり摩擦に強い素材で太らせなければすぐに削れるので素材の選定がキモか。

 ステンレスの細いワイヤーでもまだ太そうだったので、ケブラーのセキ糸を竿のガイドラッピングの要領で芯に巻いて、瞬着で固定したら太さ的にはちょうど良くなって、多少回りにくそうになってたので歯磨き粉つけてルーターと輪ゴムで繋いで回して当たりを取ってやって滑らかに回るようにしておいた。とりあえずケブラーは摩擦に強い繊維なのでそこそこいけるはず。そのへんも含めて実戦導入して試験してみたい。

 ナイロン2号ライン実際に巻いてみると、ラインローラーの直径が小さく、谷が結果的に深い位置にくるため、やや前巻きになって塩梅良さげ。さて結果はどうなることやら、という感じかな。


 次にゴールドスピンは対照的に、規格品の外径8mm、穴径4mmのものがピッタリ合った。長さもちょっと削って調整するだけでよさげなので、サンドペーパーにグリグリ押しつけつつハンドドリルで回して、ピタッとラインが落ちる隙間なく填まって滑らかに回るように削って下準備完了。
 あとは、空気銃弾型に成形していけば良いんだけど、谷の深さは後ろ巻き前巻きに関係してくるので、谷底の直径が元は約6mmだったので、それにあわせて谷を作る。元からそういう部品だったかのようにキチッと填まってくれて、グリスとオイル注して回りも滑らか。ちょい角張ってる崖の上を面取りして完成。ラインの巻き形状はほぼ真っ直ぐで谷の深さも適切だったようだ。こちらはとりあえず巻いたのは2号ナイロンだけど、運用時は1号5LBナイロンの予定。
 どちらも、部屋でライン巻いてみた感じでは、ちゃんと機能していて、見た目の安っぽさはともかく、そこそこやってくれそうな感じを醸し出している。

 ラインローラーが破損、糸溝掘れてしまった、元から欠損等の不具合が生じた場合、交換部品が手に入れば問題はないけど、そうじゃないと自作するか、業者に頼んで作ってもらうかしかなく、後者はクソ高い。前者でも真鍮を削って成形してメッキかけるとかは素人がお家でできる作業じゃないので、結局お金が掛かるし難しい。ところがこれがポリアセタール樹脂を成形して作れば良いということになれば、こんなもんジュラコンスペーサーとか5〜10個で数百円の安価な素材である。加工もヤスリがかかりにくい難しさはあるけど、そら擦って簡単に削れたらラインローラーとして用をなさんわけでしゃぁないってぐらいで、刃物がとおるのでそこまで加工が難しいこともなく、ご家庭で十分加工可能。っていうことで実用上問題無いぐらいの耐久性があるということになったら、非常に使える手になるように思う。多分そこそこ耐久性ありそうな今のところの感触なので、おおいにそのへんは期待できる。

 見た目がいかにもヤッスイ感じのプラ素材感剥き出しの白なのは正直イマイチだとは思うけど、調べたら”黒”はあるようで、見た目の問題も多少改善はできそうである。ただ、売ってる単位が50個なので、まあそれでも千円しないぐらいなので充分安いんだけど、購入は実戦投入して年内ぐらい耐久性試験した結果を見て考えても遅くないなと思っちょります。どうなることやらお楽しみ。




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