最後の聖戦(今年の)

−リハビリ小遠征10月編−(2018.10.12〜10.13)

 

「ご主人様、ワシを・・・ワシを着て鮎を釣ってくださるのか?」

「ああ、釣るでェ」

「鮎用インナーシャツとして生まれてこのかた、ご主人に買われてから早20数年経つも、いまだ一度たりとも鮎など見たこともなかったですじゃ。これでもう思い残すことなく逝けますのじゃ。」

「まだ釣ってないのに気がはやい。勝負は下駄を履くまでわからんのや。あとまだ逝かせるつもりはないからな、帰ってからもシーバス釣りやらナニやらで今まで同様よろしくやで。オマエのかさばらん割には暖かい性能はこういう気温変化に備えてリュックに入れておくのにちょうどいいんや。見た目は毛玉も増えてじじむさくてダサいけどお気に入りやからな。最初の出会いもバイクで新潟まで走ったら5月なのに寒くて現地の釣具屋で買ったんだよナ。あんときは5月にもなって雪代出るとか思いもよらないことで、まったく雪国新潟を舐めた装備で釣りも大苦戦で、雪の積もってない低い山から流れる支流を攻めてやっとイワナ釣ったんだよな。懐かしい話や。まあ、昔話はともかく今は目の前の川の鮎に集中や!」

 ってな脳内会話を交わしつつ、念のためにとリュックに忍ばせてあった鮎シャツを着なければならないほど急に冬めいたような寒さで、はたして気温低下は鮎餌釣りにはどうなのか?案内してくれる正治さんは自信満々で「これまで釣れなかったのは前回ナマジが来たときだけ」と下調べおさおさ怠りなく、必釣ポイントに案内してくれたのだけど、入ってすぐに釣り座を構えていたオッチャンに様子を聞くと「ダメだ〜!」とのことで、道中の車の中で「何十匹も釣れなくていいから10匹も釣れて20センチぐらいの(具体的には自己記録が16センチなので17センチ以上)が混じってくれれば理想的なんだけど」という控えめな目標すら下方修正した方が良いのかと心配になる。

 オッチャンより下流、砂止め上の大きな石がゴロゴロしている早瀬混じりの平瀬を釣る。正治さん対岸、私は魚見えてるので釣り人が通るケモノ道側。

 今回仕掛けは2種類用意していて、最初は前回から引き続き「浜松式」を参考にしてコマセ螺旋付きのオモリが一番下についた胴付き仕掛けで、前回ハリスがらみが多かったのをパイプを長くとって改善したのに加えて、浮子を遊動式に換えてみた。オモリが常に底をとりながら転がっていき水深が変わるので浮力の強い浮子を遊動式で接続しアタリをとるという案配のようだ。シラス砕いた鮎用コマセに刺し餌は鶏皮茹でてちぎった小片。

 しばらくして、対岸の正治さんに釣れ始めて、こちらはコマセに反応してる割に食ってこないなと焦ってたけど、ほどなくして上流に投げて流してた浮子のトップがピョコピョコと動いてアワせると乗った。抜きあげてとりあえずスカは逃れてホッとする。

 しかしその後沈黙の時間が続いて、対岸の正治さんは釣れ続いているので恥も外聞もなく場所変わってもらうという鬼畜の所行。

 流す筋も教えてもらって結構深めの岩がゴロゴロしてるあたりを流して下流まで流しきって浮かせて回収を繰り返していると、上流側でアタって上げてきたら細長いハゼ系。ナニが釣れたんだろうなとワクワクしつつ手に取ってみると、特徴的な垂れ口にヌボッとした表情。ボウズハゼや!

ボウズハゼ

 アユと競合する「苔」食うハゼで口と吸盤使って垂直な滝の壁面を登ると聞いてたけど、すんごい吸着力で指にくっついてくる。試しに手のひら垂直にしてみたらまだくっついてたので写真撮ろうとしたら跳ねて川に帰っていった。初物で大変嬉しい。近所の川にゴクラクハゼとヌマチチブが結構居ると知って嬉しかったけど、こういう海と川を行き来するハゼの仲間が豊富な川は生物相が豊かな証拠で釣っててとても楽しい。我らの辞書に「外道」の文字などない。

 しばらくしてアユもゲット。しかもなかなか大きくて自己記録の16センチは越えたかも。まあ尺越える魚のその半分がとこなので特別大きくもないんだろうけど餌釣り仕掛けでオイカワ釣るような竿で釣ってるから流れの中泳ぎまくって引き味も良いし自分の中では大物であり実に良い塩梅。

17

 しかしながら、正治さんが、上流に移動したあと戻ってきて砂止めの上から割と浅い場所を狙って快調に釣る中、どうにも追加できず。かつ根掛かりが多くて、今のところ外れてるけど、調子崩れるしそのうち仕掛け切りそうでもあり落ち着かず。こりゃ場所がどうこうで釣れないんじゃなくて、正治さんの市販の浜松式仕掛けが状況に合ってるか地元民ならではの釣り込みが効いてるか、その両方かだなと判断。根掛かり少なめで釣りやすく魚も見えてた最初の場所に戻る。

 アタリはちょくちょくあってほどなくして一匹追加。これも結構大きめで満足サイズ。脂ビレの先が赤く色づいて秋めいている。

3

 ただ、仕掛けが石の間に挟まったりするのは結構あって、どうにも一連の流れが切られて集中が乱れるし、仕掛け失うとゴミは残すし予備仕掛けは心もとなくなっていくしなので仕掛けを変えてみる。

 アユはコマセ食い始めると完全に底ではなくても食ってくる気がしているので、ちょっと底切るぐらいの低層を流す感じで、玉浮子仕掛けでオモリの上にコマセ螺旋をつけて流してやるという考え方。多分単純なガン玉一個の仕掛けと違って螺旋にハリスが絡みやすくなるので、螺旋の下にハリス止めが付いたモノを購入し、ハリス止めにパイプを被せたホンテロンを固定して軽量な簡易天秤のようにしたところにナイロンのハリスを接続する形にした。これならハリスの長さも自由に調整できる。このへんのハリス周りの絡み防止やらはハゼ釣り仕掛けの応用。

パーツ 

 実際に流してみて、オモリの重さを調整してみると、若干オモリが勝ってゆっくり沈むぐらいにして浮き下長めにとると、流れに乗ってちょうど浮子が水面に出つつ底にたまに当たって軽く掛かりながら底近くを流れていく感じになったので、そのバランスで行く。結局この仕掛けとバランスで浮き下とハリスの長さ調整しながら2日間釣りきって根掛かりは1回のみ。それも浅かったので回収して、仕掛け切れは皆無、ハリス切れもなく釣果に関してはまだ改善の余地はあるけど、根掛かりの心配少なく釣れる精神的安心感の方が自分には重要なので浜松式系よりあってると思う。

 使い始めてすぐにヨシノボリ類が釣れてきてちゃんと底近く流れてることを確信。こいつは黒っぽくて背ビレとシッポの先が黄色くなってるあたりからクロヨシノボリだと思う。ヨシノボリ類自体は釣ったことあるけどこの種は初物かもしれない。暗色に赤系の模様と黄色の縁取りが渋い。

クロヨシノボリ

 しかしアユはなかなか釣れてこないので、何か変えるかと刺し餌を餌もちの良い鶏皮からシラスに変更。

 これが良かったのか、反応が出始めて毎回餌が取られる状態で食ってるなという感じだったので、着底かなんかわからんようなアタリも聞きアワセ気味に軽く小さくスッとアワせてると掛かった。流れに乗って走り回るのをためてから抜き上げたら今日一。

18センチ

 手のひらで測ってみると20センチはないけど間違いなく自己記録で嬉しい。後で測ったら18センチ。

 こいつを皮切りに、連チャンとはいかないまでも釣れ始めて、17時半前に終了するまで3時間ほどで18匹と嬉しい釣果。流している間も食ってくるけど、意外に流しきって止めて待ってる時に食う時間帯もあってパターンは絞りきれないけど、地道にあれこれ試していると釣れ続ける感じだった。釣れなくなると1歩立ち位置をズラすと釣れたりして、結構釣られて警戒して射程距離から遠のいたりもしているようだ。流れの中心だけじゃなく砂が溜まってるような浅場や石の裏のたるみでも食ってくるときは食ってきた。なんか良く分からん魚ではある。

 正治さんは30匹弱ぐらい釣ってたけど、もっと釣れてもおかしくない、今日は活性低い方だと言ってた。でも、サイズも割と良かったし大満足である。最後の集合写真がこんなにアユ釣りっぽいなんて我が顛末記ではかつてなかったことである。

集合写真

 良い気分で、塩焼きとオリーブオイル焼きで晩餐。当然旨い。あと焼くと腹側にうっすら赤い婚姻色が見えてきてすっかり繁殖の準備は整いつつあるんだなと感動した。子持ちの個体は美味しいけど、ちょっとだけの罪悪感もまた香辛料か。

 それでも食べきれなかった分を正治さんが干物にするのを横で見学しつつ胃内容物チェック。これがまたよく分からん結果で、シラスコマセ鱈腹食ってる個体から、苔食っててコマセ食ってないのから、どちらも食ってるのや、なにもくってなさそうなのまで様々でコマセに狂ってるから食ってくるっていう単純な話でもない感じ。かつ生殖腺の発達具合も様々で、産卵に入る時期とかにも差があるンだろうなという様相。

 

 あんまり暗いうちからはアユは釣れない気がしてるので、翌朝はゆっくり寝てから7時スタートで昨日と同じ砂止め上に入る。

 魚の付く場所もだいたい分かったし、同じような感じで釣れるだろうと思ってると甘くて、シラス餌も流しきってちょっと待ってからあげても残り気味で反応自体少ない。なんか変えてみるかと刺し餌を鶏皮に変えて浮き下伸ばしてみると流心でクロヨシノボリ。 

 そしてたるみではアブラハヤ。パヤパヤ。

 こりゃ今朝はここに魚おらんなと、正治さんはわりと釣れているようなので、根掛かり問題はある程度解決してるので対岸に移動。

 餌をシラスに戻して流していると流しきる手前あたりで食った。良い感じで走り回るので大きいなと思って抜き上げずにタモを構えて掬う。思ったほど大きくはなかったけど17センチと満足サイズ。

 その後、ウグイが2発来たけど沈黙したのでやや釣り座を下げて砂止に近い浅い所に流し込むようにしていくとポツポツと追加していく。

ウグイ

 9時頃アタリが止まったので11匹で車で場所移動。帰り際に玉浮子仕掛けで釣ってるオッチャンに様子を聞いたらダメで2匹だけとのことで、場所的に砂止め直上は良いのかもしれない。ちなみに正治さんは20匹以上釣ってた。

11

 次に入った場所は堰堤の上で、堰堤すぐ上には魚見えてたけど、上流がちょっと接近しにくくて竿抜けになってそうなので行ってみたけど、1時間弱で小さいの3匹とイマイチ。

良い景色

 戻ってくると堰堤すぐ上で釣ってた正治さんは10ぐらい釣ったけど、型は小さいとのこと。ちょっと竿出してみて3、4匹釣ってみたけどやはり小さい。でも水面が平らな堰堤上で仕掛けの流れ方が観察できたのは興味深かった。浮子が先行して流れて、重いオモリが一番最後に引きずられて、その前を刺し餌のついた軽いハリスとハリが流れているんだと思ってたけど、浮子が先行してオモリが引っ張られて更に引っ張られる形で最後に刺し餌が流れている。考えてみれば当たり前で浮子で吊して重さ殺しているオモリが慣性力はあるにしても小さい刺し餌より表面積大きくて水の抵抗大きく受けて早く流されるのは理屈に合ってる。けど、実際目にしてみないと刺し餌の方が軽くて流れに乗りそうに思える。そういえば昔オイカワ釣りの競技の解説ビデオを見たときに釣り人が水中映像見て「餌先行だと思ってましたから驚きました」と言ってた記憶もある。あるけど自分で経験してないことは忘れているモノである。経験しても忘れるけど。そうと分かれば意図的に竿を操作して道糸張り気味にしてやることで刺し餌先行で流すこともできそうだった。流しきってラインが張りはじめるタイミングで食ってくることが結構あるって思ってたけど、その間だけオモリに引っ張られてた刺し餌が自然に流れてたってことも仮定できそう。ああっ、それが渓流釣りでいうところの「ゼロ釣法」なのか?自分が知らんことだらけで情けなくも楽しい。

 

 11時頃に一旦お昼休憩で、旨い地魚刺身定食食べて昼寝。

 

 やはり、場所的には砂止め上が型も良かったし良いだろうと午後の部15時くらいから再始動。禁漁直前の土曜とあって釣り人多くて、すぐ上の中州状の石の上に浜松式のオッチャンが移動してきて入った後に2人で砂止め上に入る。

 午前もつれてたしと対岸から始めて反応なく、それでは昨日の夕方良かったケモノ道側と移動するもこれまたヨシノボリぐらいでアユっぽい反応なく、昨日見えてたアユも今日は見えていない。しかしながらその間も正治さんは砂止め上の真ん中へん浅い所を狙って見るたびに魚掛けてて銀鱗が舞っているという実にクソけしからん状態。

 こりゃ仕掛けが浜松式の方が良いのかなと思わなくもないけど、石の上で釣ってたオッチャンはポロッと釣ってたぐらいで諦めたのか移動していって、単純に仕掛けがどうこうでもなさそう。

 何か変えてみるかと、とりあえず昨日釣ってたような岸から届く範囲は魚が警戒して居ないのか食ってこないのかだと想定して、ちょっと立ち込んで今まで狙ってない沖側を探る。アユは竿が届く範囲から逃げる傾向はあると思うのであんまり竿長くしても立ち込んでも意味なくて静かに釣ってれば寄ってくると思ってたけど、その方針で釣れてこないので違うことやってみる。もう一つはせっかくハリスの長さ調整できる仕掛けなのでハリスの長さ変えてみる。浜松式仕掛けにならうなら短バリスだけどあれは重いオモリに浮力の強い浮子で幹糸を張り気味にしているから食った瞬間どっかに掛かるんだろうから、軽いオモリに殺した浮力の浮子の自分の仕掛けなら逆張りで長ハリスで違和感なく食い込ませるのをまず試すのかなと、それまで20センチのハリスを使ってたのを30センチに伸ばした。

 ちょっと上流に移動してオッチャンの狙ってた下のあたりの流れ込みから始めるとやっと掛かった。

 作戦変更は功をそうしてその後もボチボチと釣れ始める。流れ込み脇に仕掛けがハマって流れなくなったので流れに戻そうかとしたら食ってたりもして、アタリは全くもって分かりにくいんだけど魚も抵抗感じてないのか底に当たって止まってるのかと思って聞きアワセ気味に竿で仕掛けを動かそうとすると食ってるのは結構あった。

 徐々に釣り下りながら追加していき、デカい石の向こうの浅いゴロゴロ石が転がってるあたりまで釣って、念のため昨日釣った岸際の流れをチェックして釣れないことを確認したり再度上に上がってみたりしてまた下がってきたら、デカい石の向こう辺りで初めて連発と言って良い状況に突入。夕まづめに場所と釣り方が揃ったということか。自分でもなんでアワせてるのか分からんアタリを拾ったり聞きアワセで掛けたり「釣れてる」状態。アワせるとハリスが長いので想像以上に上流側の川底でアユがギラッと反転するのが見たりして笑える。

 暗くなって17時半頃撤収する頃にはカウンターに38の数字が並んでた。多分午前中の移動後の釣果を数え損なってた気がするので40匹越えてたンだと思うけど、細けぇこたーイイんだよ!!的に今日は沢山釣った。正治さんは1束行くかと思ったけど夕方失速したと言ってて80匹弱の釣果。釣れてるのは我々だけだったようでみんな早めに移動していった中での好釣だったので実に気分が良い。他人が釣れてない中で釣れると実に気分が良い。なんて性格が悪いんだと思うけど気分が良いので仕方ない。

ダイワ早霧

 ここまで聖地でのアユ釣りは、毛鉤釣りでは釣れてる期間を見事にハズして始まる前と終わったあたりに来てしまい、餌釣りでは台風直前の雨の中、なぜか狙い澄ましたように釣れない日に当たり、相性悪いのか行いが悪いのかと気に病んだけど、まあ釣れる時もあれば釣れない日もあるというだけのことで、ちゃんと準備して釣り場に立ち続ければ釣れる日もやってくるという当たり前の結果でアユ釣り初シーズンを気分良く締めくくることができて万々歳である。

 漁期的には12月にもう一度解禁されるけど、実質落ち鮎のガラ掛けのための解禁なので今期アユはこれにて終了である。案内いただいた正治さんに改めて特別な感謝を。ありがとうございました。釣れてないときには胃が痛かったかと思います。

 あと道具達もよく働いてくれて、アユシャツも喜んでくれてると思うし、我が家と正治さん家をウェーダーとか詰めて4往復してくれた段ボール箱にも感謝である。

 今回沢山釣れたので急遽保冷パックを買って正治さんの分もなんぼかもらって持ち帰って、感謝しつついただいた。魚達も川もお天道様もありがとうネ。

 

 一シーズン釣ってみてアユ釣りについて思ったのは「アユ釣りも面白い」ということと「そろそろ河川の釣りのあり方を考え直す時期だな」ということ。

 アユ釣りが特別面白いとはやっぱり思わないけど、めちゃくちゃ面白いことは間違いないと思う。毛鉤釣りも面白かったし、餌釣りも面白かった。釣り人はえてして自分が永くやってて深く知ってる釣りのことを特別だと思いがちだけど、そんなもんはどこまで行っても個人の感想でしかなく、ありとあらゆる種類の釣りが面白く、優劣があるとすればそれは個人の主観の下にしかなく、なんでも面白がってもいいし、一つの釣りを探求しても、それも個人のお好きなようにだと思う。

 そういう中で「友釣りをしなければアユ釣りの楽しさを味わえない」なんていう決めつけはバカバカしいと思う。友釣りも面白いんだろうし、アユっていう魚が、縄張りを持って苔を喰んで30センチに育つような魚と、群れて何でも食べて10センチかそこらで性成熟しちゃうような魚との2面性を持っていて、その間の段階の個体も居れば、縄張りの個体が釣られたら群れの個体からその縄張りを引き継ぐヤツが出てくるとか、苔がなくなると何でも食い始めるとか、流動的に多様な生態を組み合わせて生きている魚だと実体験を通して分かってくると、大きいのを釣りたければ友釣りが近道かなとは思うけど、大きいって言ったってたかだか30センチやそこらでっセ、と意地悪く言ってしまえば大きさはたいした要素じゃなく、まして沢山釣ることにそれ程興味のない自分にとっては、面白ければ小さくたって沢山釣れなくても、毛鉤釣りも、餌釣りも、今まで身につけてきた釣りの技術や魚や川の知識を総動員して遊べる実に楽しい釣りだった。って大きいの釣ってないと負け犬の遠吠え臭くなるので20センチ以上のは釣りたかったけど、まあ来年以降の課題として、友釣り含めて挑戦していきたい。数についてなら早々に1束釣ってるので証明終了でどうでもいいや。

 「河川の釣りのあり方」について、アユ釣りを例に書くなら「バカみたいに高い道具と入漁料を買わされて、バカみたいに遠くのバカみたいに混雑する釣り場にいって大した釣果もないようなバカみたいな釣りはそろそろヤメ時だよ」ということだと思う。今時景気の良かった時代の釣り方が流行るわけないし、そうなりゃバカみたいな入漁料取れるのは限られた都市近郊河川だけになるだろうし、いい加減自然環境に適正量関係なしにジャブジャブ放流なんて生物多様性に悪影響のあることをどこでもやって良いわけない。そういう釣りは釣り堀か管理釣り場でやってくれ。

 結局、アユみたいに個体数は多いけど気分屋の魚を釣ろうと思えば、足繁く通ってマメに竿を出すのが正解なのは私の小遠征を振り返っても分かる。良い釣りしたければ、今時アマゾンの奥地に行っても、カヌーに取り付けられたエンジンに日本の釣り具メーカーのステッカーが貼ってあるぐらいで、遠くに行けば沢山釣れるなんてのは幻想でしかない。幻想を追い求めても別に遊びの釣りだから悪くないけど、アユぐらい地元の川で天然遡上の多い少ないも含めて楽しめるような河川環境を作って、場所か期間で棲み分けとか必要かも知れないけど、友釣り以外でもアユが楽しめるように仕組みも時代に合わせて直していくべきだと思う。まあほっといてもそうでもしなければ内水面の漁協組合員も釣り人も減っていく中で、アユ釣りも衰退の一途だろう。その中で生き残れなくて釣具屋や組合潰れようと知ったこっちゃないけど、漁協もなくて釣り人も来ないような川は土建屋に好きなようにされる速度が不景気だろうが何だろうが加速するのは不思議と当たり前に起こると想定できる。釣り人減るのは直接的には歓迎する話だけど、釣り人減ったら釣り人の不利益になるようなことが平気でやられるようになるのは明白だと思っている。

 この変化の早い時代に10年先がどうなってるかなんて分かりゃしないけど、自分が10年後も魚釣ってることは、生きてりゃという前提付きだけど間違いないので10年先の釣り場のことも考えてみるところである。

 こういう意見が読んだ誰かの心に響いてくれれば良いと思って、それには釣り系情報サイト(なのか?)なら、釣って面白そうな記事書かないと読んでももらえないし、説得力もないので力一杯釣果にはこだわって釣ってきて、結果として釣果はそれなりだったけど面白かったのは間違いないので、アユ釣り全然特別じゃなくて普通に難しい程度なので、興味があって釣りたい人は釣ってしまえば良いとお薦めして筆を置くことにする。

 

 

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